ストレスが酷い。
よってこれもリハビリ。
第1話 ~火山島からの始まり。
ある世界にて一人の男が死んだ。有象無象の一人、その自覚がある故に死んだ男の魂は逝くべき場所へと流れていく。最終的には天国か地獄か、どちらへ逝くことになるのだろうか? そんなことを考えながら流れていく男の魂、出来れば天国へ逝きたいなぁ~…と思うのが本音である。
しかしその道中にて、突如として現れた不気味な渦へ男の魂は吸い込まれていく。あ~れ~…!? と叫びを上げるも助けはない、魂故に声を出せないのだから。そもそもこの道中、他の魂と出会うことはない。よって一人の男の魂は人知れずこの世界から消えた、当然…世界に何ら影響はなかった。
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………流されて消えた男の魂は今、別世界にて新たな命を授かり生きていた。その場所とは火山島ブッカ、活火山を中心に置く無人島である。新たな命を授かった男の魂は、人の子としてこの島に流れ着いたのだ。無人島故…直ぐに果てるかと思いきや、運良く温厚なダークプリーストに拾われた。そしてそのダークプリーストの住む村にて育てられ、すくすくと成長していった。
人の子でありながら過酷な環境にて逞しく生きる彼、その名をリアードといった。彼を拾ったダークプリーストが、木の精霊ドリアードにあやかって名付けたのだ。そのお陰か生命力に溢れて育ったリアード、今日も元気に島の中を駆け回っていた。
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ーリアードー
ガキンッ!!
互いの持つ斧と斧がぶつかり火花が散る、このままつばぜり合いが続くのかと思うだろうが…、
「うらっ!!」
俺の方が力強いわけで相手を斧ごとぶっ飛ばす。ぶっ飛ばされたゴブリンロードは目を回しており、それを見逃すほど俺は甘くない。
「だぎゃ! …っと。」
直ぐ様距離を詰めて脳天から両断、哀れゴブリンロードは天に召されましたとさ。
不思議なことに死んだ魔物は暫く放置すると、その姿をお金に変える。運が良ければアイテムにもなるわけで、初めて見た時はぶったまげたけど今はもう慣れたよ。今日の成果に大量のお金と少量のアイテムを袋に入れ、食料である獣と魚を忘れずに持ち村へ帰還する。
これが毎日の日課、戦えるようになってから毎日忘れずに行っている。勿論生きる為に、育ててくれた恩もきちんと返さなきゃならない。魔物の中に人の子一人、大変だけど充実しとります。…めっちゃ馴染んでいる俺、でもきちんとした服装でいますよ? …前世の記憶が一応それなりにあるからね、よって腰みのだけで生活はしていません。村の職人さんに作って貰っています、当然のことながら対価を払っているよ。与えられるだけじゃあ人間腐るからね、当たり前っすよ。
夕食を終えてから温泉に入った後、草の上に寝転がって思う。前世で人知れず死に魂となって天国か地獄へと逝く途中、吸い込まれて別世界にて生まれ変わった俺。…まさか魔物という存在がいて、その魔物に育てられるとは思わなかった。しかしこうやって健康的に成長しているんだからな、…生まれ変わって良かったと言えるだろう。
このまま親代わりとなってくれたダークプリースト達と生活していく、こんな人生も良いかと思う。けれど…島の外を見てみたいと思う気持ちもある、この世界がどうなっているのか気になるんだ。何故そう思ったのか、それにはきちんとした理由がある。…今まで気付かない振りをしていたんだけど、…アレを見てしまったら振りなんか出来ない。この世界って前世でプレイしたゲーム、聖剣伝説3の世界だよね? …遠目で見た海のヌシ、ブースカブーをこの目で見て確信してしまったんだ。
………まさか聖剣伝説3の世界だとはなぁ~、火山島ブッカっていう名に聞き覚えがあったのはそのせいか。生前めちゃくちゃ好きで最低20回はクリアしたぞ? …とそれを思い出したが為に島の外が気になるんだよね。…マジでどうしようかなぁ。…そんなことを考えている内に眠ってしまった。
そして次の日、今日は何をして一日を過ごそうかと考えていたら、
「リアード、ここにいたのかぎゃ。」
俺を育ててくれた親代わりのダークプリーストが呼び止めてきた。他のみんなが思い思いに行動している中で、育ての親たるこのダークプリーストが朝一で珍しいな…と思っていたら、
「お前はもう一人前だぎゃ。外の世界に憧れているのも知っている、だから成人の儀を受けて海のヌシに認められると良いんだぎゃ!」
…これは俺の憧れを知って、旅立つことを促してくれているのか?