ーリアードー
この火山島ブッカに生まれて十数年、聞いたこともない成人の儀のことを聞かされた。
火山島ブッカ成人の儀、俺だけの専用儀式。内容は単純、海のヌシであるブースカブーに遭遇し認められること。運が良ければ島の周辺で見られるようだが、今回は運が良ければでは駄目。100%とは言えないけれど、それに近い確率で遭遇出来ると言われている岸辺の洞窟を目指すこと。その洞窟の奥まで行き、遭遇出来なければ儀式は失敗として島の外を諦めるしかない。遭遇して認められれば島の外へ行ける、…ほぼ運任せの博打っすね?
まぁ俺がイレギュラーでも主人であれば、ブースカブーに遭遇し認められる筈。主人公でないのなら遭遇せずに終わる、この島で生きるしかない。後々…主人公達がこの島へ流れ着いたような気がするけど、その時には俺の入る隙間などある筈がない。潔く親代わりのダークプリースト達と共に散るのみ、足掻くような見苦しい行いはしない。分かりやすい、それに諦めもつけるかと思う。
まぁとりあえず今は、やってやろうじゃないか。島を出る為の成人の儀ってヤツをさ!!
愛用の斧を持ちいざ! …と思った矢先、
「コイツも連れて行ってやれぎゃ!」
と差し出されたモノ、それは…、
「…ピィッ!」
黄色の愛くるしい魔物、その名はラビ。弱っていた所を拾い、気
ダークプリーストの村をラビと共に飛び出し、島の西にある岸辺の洞窟を目指す。勝手知ったる島の中、岸辺の洞窟までの道は知っている。
そこへ行くまでの道中で気を付けるべきことは一つ、見た目とは違い火山島ブッカ
…とまぁ注意事項を言った俺だが、大量のコカトリスに手間取っています。一人で5羽はキツいぜ? 俺のストーリーってハードモードだったりする? …つーか愚痴を言っても意味がないか、…意味がないけど言いたくもなる状況。焦るなよ俺、焦ったらきっと………!!
俺のバカヤロー! フラグを立てちまったばかりに超ピンチ! 1匹仕損じて進化させちまった。
後2匹だったのに、焦りはしなかったけれど気を緩めてしまった。まさかこの俺が斧を、…斧の一撃を甘めに放ってしまうとは! …そのせいで致命傷を避けたコカトリスが進化、厄介なコカバードになってしまった。直ぐ様両断すれば良かったんだろうが、もう1匹のコカトリスが横から突っ込んできたから追撃出来ずに!
そのせいでコカバードに攻撃をさせる時間を与えてしまい、
「………げっ!?」
俺の頭上で翼を広げるモーション、それは非常にまずいぞ!? …やめてくれという俺の願いも空しく、コカバードは無数の羽を俺目掛けて飛ばしてきた。当たれば即石化、避けるのが非常に難しい状況。俺は此方へ飛んでくる羽を恐れることなく、ただただ見詰めるしか出来なかった。
…見詰めるだけでも身体は自然と動くもので、せめて頭上のラビだけは守ろうとするも肝心のラビが飛び出してしまう。石化羽に向かうなんて無謀だ! …そう思ったんだがラビは大きく口を開け、コカバードの石化羽を吸い込んでしまった。その光景に目を剥く俺、…何ともないのか!? 俺の心配を余所に、そのままコカバードへと体当たりをするラビ。それを見た俺は慌てて斧を振り上げながら跳躍、体勢を崩したコカバードを二つに両断。そのまま流れるように残るコカトリスを屠る、…ラビのお陰で命拾いをした一戦になったな。
コカトリスの集団を倒しきった俺は大きく息を吐いた、今こうやって安堵出来るのはコイツのお陰だ。頭上のラビを腕の中に納め、まずは怪我をしていないか確認をする。…怪我をしていないようだから、感謝の気持ちを込めてモフりながら撫でまくる。
「…ピィッ♪」
目を細めてご満悦のラビ。出る時に存在を忘れていてごめんな? これからは存在を忘れずに、命の恩人たるお前を大切にするよ。