ーリアードー
猛吹雪に襲われている極寒の大地、そこにある雪の都エルランドに滞在中の俺とラビ。成り行きで知り合った少女チチの家に宿泊することになり、その家族からこの地の情報を簡潔に教えて貰った。
その情報により分かったことは、本編開始まで後少しどころかすぐにでも始まりそうなこと。マナの減少によりこのような猛吹雪となり、このままでは人の住めない大陸になるかもしれないってこと。それを知ることにより、自身の押し付けられた幻獣側代表という肩書きの重圧にいずれ逃げたくなりそう。
そんなこの俺リアードは、雪の都エルランドにて足止め中。一週間も経つのにブースカブーからの連絡はなし、お陰様でチチを筆頭に都の人達と仲良くなったよ。理由は猛吹雪からただの吹雪へ、天候が少しばかり良くなっている。それは俺がエルランドへ訪れてから、ある意味救世主のような扱いを受けている。ブースカブーの加護が影響を与えている? それとも俺の中で眠る3体のフェアリーの影響? …相乗効果のような気がする。
そんなわけで猛吹雪から吹雪へ、圧倒的に前よりも良い天候になった。子供達は元々外に出て遊んでいたが、天候が多少ながら良くなったことで年寄り達も外へ出るようになった。まぁその年寄りの方々なんだけど、俺を見る度に拝むのは止めて貰えませんかね? 天候が良くなったのはたまたま、俺が手を出したわけじゃないんで。…実際、俺が起点になっているのかも分からんし。
更に一週間、ここより北西の方角から強力な魔力の波動を感じた。…ブースカブー? …いやこれは違うか。ブースカブーはもうちょっと穏やかな感じ、この魔力の波動は…悲しみの感情が乗っている? 暴走か何かをしたんか? …にしても誰? …それとも魔物? …う~む、…分からん。そもそも何故に波動を感じることが出来るんだ? ラビや都の人達は何も感じてなさそうなのに。これもブースカブーの加護の影響? それともフェアリー?
一人悩み考えている時、
『………いつか後悔させてやるんだから!!!』
という叫びが頭の中に響いた。何だこの声!? …女性のようだが知らない声だな。しかし何故だろう、この声…叫びの主の下へと行かなければいけない気がする。都の外は零下の雪原、そこを北西へ向かえば魔法王国アルテナ。…となれば叫びの主はアンジェラか? 俺の覚えている物語では確か、…何かしらがあって彼女は零下の雪原へと飛ばされたような?
…ということはだ、もしそうならば早く助けに行かないと。ここの天候は吹雪だけど、零下の雪原は猛吹雪の筈。更に言うならアンジェラは、温室育ちのようなものだから…猛吹雪には堪えられない可能性が。俺の存在のせいで物語が変わっているならば、…無事にこのエルランドへ辿り着くという保証がない。そう考えれば救出は必須、万が一という事態を未然に防がねばなるまい。
聖剣3のお色気担当を失うわけにはいかない! …というわけだから行くぞラビ!
「わたしもおそとであそびたい!」
とかいうやんちゃなチチを母親に預けていざ、アンジェラ救出の為に零下の雪原へ!!
雪の都エルランドを出て暫く、予想通り零下の雪原は猛吹雪だった。そのせいで視界が悪い、都の人に地形のことをある程度聞いているから危険度大なのは理解している。気を付けなければ海に落ちかねんし、所々その海へと続く川もあるとか。落ちれば確実に死ねるね、魔物も当然いるわけだし。ヤバイね零下の雪原、マジでアンジェラが心配だ。
猛吹雪で視界が悪くても、…何故かアンジェラがいそうな場所が分かるんだよね。魔力探知的な能力を知らない内に入手したのかな? そんなことを考えながら行く手を阻む魔物を蹴散らしていく。サハギンとラビが多く出現し、たまにポトが加わり襲ってくるって感じかな? 総じて戦闘に関しては問題ない、この猛吹雪と地形にさえ注意すれば危険度は低いだろう。
俺とラビは慎重に先へ進みながらアンジェラを探す、探知的にはもうそろそろだと思うんだが…。猛吹雪で視界が悪い中その姿を探す、リアルなアンジェラの姿は分からんけれどゲームん時の姿とあまり変わらないだろうと予想。だから目立つ筈なんだよなぁ~…と、進んだ先に佇む金の女神像。そこで
…やっと見付けたぜ、雪に埋もれかかっているけどまだ大丈夫っぽい。…が楽観は出来ん、速やかに彼女を救出せねば。
雪の中で気を失っているアンジェラ? を横に抱き抱え、その身にラビをくっ付ければ多少の暖は取れるだろう。それに俺の不思議パワーでこれ以上は冷えないかと、…まぁそれでも危険なのは変わらない。よって余計な戦闘は回避して、エルランドへ素早く運んで暖めてあげなければ!!