原作開始前に死亡する予定のキャラに憑依転生したようなんですが。 作:七日 八月
──やばたにえん。
唐突に何言ってんだお前と思った
いや私はいったい誰に語りかけてるんだ、今私の目の前に居るのは揺り篭の中の赤ちゃんだけだっていうのに……
……あぁもう、しっかりしろ私!
正直今なお混乱しているけど、とりあえず状況を整理しよう。
じゃないとまったく考えがまとまりそうにないし。
えぇと……そうだ、社会人のクセして休日は基本引き篭もり体質なせいで、傍から見れば全くゴールデンじゃない大型連休に突入した私。
今までやっていたゲームに飽きてしまった事によるあまりの暇さに耐えかねて、唐突にドラクエ6の攻略を開始した、はずだ。
ドラクエ6して飯食って風呂入って寝るなんて阿呆な生活を送って、ぶっ通し同然のプレイングの結果、連休の中ごろでラスボスを撃破、
そうだ、そのまま昨日はメタル狩りに勤しんでいて……そこからの記憶が無いという事は寝落ちしたのだろう。
そして、目が覚めると……身体が縮んでしまっていた!!
……いや、別に黒づくめの男たちに狙われる心配は一切無いんだけど、
けれど自分は揺り篭の中で、目線の先には青い髪の男の子、そして呼ばれた『今の自分の名前』であろうモノ、それらに受けたあまりの衝撃にそのまま意識が遠のいていって──
──冒頭に戻るわけである。
私は思わず頭を抱えた、
部屋にあった姿見に映る姿は大体15~6歳位の少女、背中辺りまで届いてる青い髪を編みこみハーフアップにして、なんというか、うん、すっげぇ美少女……くぅっ、語彙力ゥ……!!
事実上の自画自賛なんだけど、正直自分の姿だって実感が沸かない。
それはそうだ、今の私の身体は二十数年の付き合いだった己の身体じゃないのだから。
……でもなぁ、そんな事言ってられる状況じゃないのだ、何せ私と今目の前に居る赤ちゃんが生き残れるかは私の立ち回りにかかっているのだから。
それが私が頭を抱えた理由、そう、この身体は確かに私のものなのだけど、私だけの身体じゃないのだ。
目の前の赤ちゃんは、無邪気に私に手を伸ばして笑いかけている。
私が何もせず流れに身を任せていれば間違いなく
……生まれた時から"世界を股にかけた二足の草鞋"か、世知辛いな、けどやるしかない。
子供を産んだ経験は無いけど、実家に居た頃に散々手伝った姪っ子の世話の経験は生かせるはず……まぁ最悪近所の人に助けを求めよう……うん、がんばれ私。がんばろう私。
ところで──
──皆さんはドラクエ6のセーラというキャラクターをご存知だろうか?
実は以前書いててイマイチだった作品の設定のリサイクル。
次にお前は『答え―③』と言う!