私の名前は、井村菫。中学2年生。普通に中学校に通っていて、特にこれと言った、趣味とか特技とかも何もない。勉強と運動は苦手。友達はまあまあいる。
家に帰ると、父と母がいるが、父と母は、毎日喧嘩している。それがもう精神的に耐えれなくなってきてしまっている。2階にある自室にいても1階から聞こえて来る、怒鳴り声。耳を塞いでも聞こえてきてしまう。
父は、シュラハトという組織の組織長で母は、シュラハトの副組織長だ。この町は、4つの組織によって仕切られている。東がネイヴィー。西が、バタイユ、南が、アングリフ、北がシュラハト。どうして4つの組織によって仕切られてるかは知らない。
私の通ってる中学校は、幼少中高大一貫校で、4つの組織により運営されていて、4つの組織の中心にある。エスカレーター式だが、中学までは義務教育。高校からは通わなくてもいいし、通っていても退学や留年する事もある。他の高校や大学へ行く人もいる。
そして、たまに組織同士での争いが勃発してしまう事もある。その時一般人は、この町から避難しなければいけない。その為、他の町に引っ越し転校した人だって何人もいる。私の両親は4つの組織の中の1つの組織長と副組織長である為、他の組織と争いが起きたら本部に戦闘員と共に残らなければならない。両親は生死を彷徨っている。
だが、そんなことはどうでも良くなった。だって、お母さんもお父さんも私の気持ちを知らずにずっと喧嘩してるんだから。
***
両親の喧嘩声が聞こえるのが嫌になり、家から飛び出した。気付けば家の近くにある公園の入り口に立っていた。今日はもう家に帰らずここにいよう。木星やベンチに座り、空を見上げた。広いどこまでも続く空を見ると、私の悩みなんて小さいもの。青空の下には悩みを抱えている人が何万人ともいる。大きな悩みを抱えている人だっている。こんな小さな家庭の中での悩みを抱えてる私が、ちっぽけな存在だと痛感する。
目を閉じて、空を見上げていると何処からか足音が聞こえてきた。父か母のどっちかだ。私を連れ戻しに来たんだろう。
家に戻る事を覚悟して目を開けると、私の前には茶色の長い髪に赤いワンピースを着て茶色のコートを着てサンダルを履いている知らない女性がいた。きっと私より年上で大人だろう。その女性は暫く、私を見つめてから口を開いた。
「貴方、中学生よね?こんな時間に中学生が出歩いてたら誘拐されちゃうかもしれないから、危ないわよ。」
「良いんです。別に。」
女性は、私の腕を掴んだ。
「や、辞めてください!!」
「誘拐よ」
「え?」