アングリフ   作:豆月

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何も残らぬ人

 別の日の学校で土筆は、あるものを顧問に提出していた。

「本当に良いんだな?」

「はい。全国大会に行けなかったことが悔しくて、部活にいるのが嫌になってしまったんです。」

「そうか..、別の部活で頑張れよ。土筆。別の部活で君が活躍できること祈ってるからな。」

「ありがとうございます。」

顧問の手には、退部届けと書かれた封筒が握られていた。その様子を駿河は廊下の端から見つめていた。

 

1人暗い顔をして、夕焼けが照らす学校の廊下を歩いていた。気づけば階段に座っていて、踊り場の窓を見つめた。

 

「(あたしから運動と駿河を取ると、何も残らなくなるんだよね。)」

 

窓の外ををぼーっと見ていると、見える木に誰かが座っているのが見えた。しっかりとは見えないが、男性で狐のお面をかぶっているのが見えた。その手には何かが握られていた。

 

「なに..」

木に座っている男性が手に握っていた小さいものを投げると、すっと、黒い何か飛び出して勢いよくこっちに向かってきて、窓をバリンっと割った。

 

「きゃあああああ!!」

廊下に叫び声が響き渡った。その声がすぐに土筆の声だとわかり、駿河が声をした方になって走り出した。近くにいた他の生徒や先生もも何があったのかと、声がした方に見に行った。

 

倒れている土筆に、土筆の周りに飛び散ったガラス。真ん中が割れていて周りにひびが入っている踊り場のガラス。

 

そして、倒れている土筆と立って土筆を見下ろす赤い目のもう1人の土筆。赤い目の土筆は駿河の気配に気づき、階段を早足で降りて行ってしまった。

「待て!!」

追いかけて階段を降りたがもうどこにもいなかったのだ。

 

「(あれ?)」

 

 

****

『もしもし、菫ちゃん?』

『陽毬さん?何かありましたか?』

『あのね、いつもの医師から連絡あったの。また、今日運ばれてきた子の魂を悪が抜き取っているって。』

『またですか?!』

『だから、いい?』

『は、はい。で、どういう子ですか?』

『緑髪に...中学生で..』

『名前は?』

『医師が学校の先生から聞いたらしいんだけど、土筆ちゃんと言う名前の子』

『や、やっぱり...』

『もしかして知り合い?』

『い、いえ。土筆さんとは隣のクラスで体育一緒にやってますんで...。』

『そう言うことね...。どうか土筆ちゃんを助けてあげて』

『はい。必ず土筆さんを助けます!』

 

 

****

 

「どこなんだ!!土筆!!」

駿河は校舎、グラウンド、学校の周りを走って赤い目の土筆を捜していた。

 

「(くそ!!何処にもいないだと?!)」

何回も同じところを捜している気がする。だが、まだ捜していない場所があったと気が付いた。それは体育館だ。

 

体育館に入ると、誰もいない。電気もついていなく暗かった。

「(体育館にもいないだと...。)」

 

すると、今度は外に出て体育館裏を捜し始めた。すると、彼女はいた。

「つ、土筆!!」

大声で名前を叫ぶと、赤い目の土筆はこっちを向いた。

 

「...。」

「土筆なんだろ?!」

「...。」

「土筆ならいつもの土筆に戻ってくれ!!」

赤い目の土筆は何も言わずに、駿河に近付いた。駿河は一歩一歩後ろに下がったが、もう体育館の壁で逃げ場がない。

 

「..死んで」

赤い目の土筆はそう言い目を大きく開けると、掌を駿河の胸に当て手から電流を走らせた。

「ああああっ!!」

そしてバンっというでかい音共に煙が充満した。

 

赤い目の土筆はニヤッと笑ったが、ある人が見えて表情を曇らせた。

 

 

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