アングリフ   作:豆月

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敵の気配

ネソは妙な気配を感じ、ビーチの近くにある森を彷徨っていた。

「(敵の気配がしたのに...。何処なのかしら)」

すると、上からカサカサという音がした。見上げると木の葉が風で揺れているだけだった。

 

「(ただの勘違いだったみたいね。)」

戻ろうとした瞬間、誰かが近くにいるような気がした。

「ピンク髪の戦士。」

「?!」

「ここだよ」

ネソは周りを見渡した。すると、木の枝の上に狐のお面をしている人がいることに気がついた。

「貴方、誰?!」

「名は名乗らないけどさ、一応これも仕事だから。」

狐のお面の男はそう言いポケットからカプセルを取り出した。そして、カプセルをあけると勢い良く黒いモヤモヤしたものが飛び出しネソを目掛けて飛んできた。

 

「こんなもの!!」

背中に背負っていた剣を抜き出そうとしたが黒いモヤモヤした物体の速度は早く自分の中にすっと入りネソは倒れてしまった。

「君の心はやはり今来ているメンバーの中で1番、不安な気持ちが多かったんだな。」

「きゃあああああああ!!」

 

 

「..あれ、なんか今叫び声が聞こえた...。もしかして、あの森の中に...。」

菫は森の近くのお手洗い付近でネソを捜していた。森の中から聞こえてきた今の悲鳴に気が付いた。

だが、メソメソしていられない。菫は走り出し暗い森の中へ消えていった。

 

 

***

「暗...。」

森の中は、予想以上に暗く懐中電灯か電気がつくものを持っていれば良かったと後悔した。ただただ、未知の感覚で進むしかない。..その時、誰かにぶつかった。そして尻餅をついた。

 

「いった...。」

上を見上げると、赤色の目と視線があった。そしてその人が背中にに背負っている剣が反射して見えた。

 

「...貴方、ここまで何しに来たの。」

声でわかった。この人はネソだと。

「ネソさん!」

「ここは暗いわ。だから、森の外に出ましょ」

ネソ本人だということが分かったが、目の色が明らかに可笑しかった。ピンクなはずなのに。

「(それとも、私の目が可笑しいの?)」

 

 

 

森から外に出ると、空は黒く染まっており、空一面に星が煌めいて三日月が浮かんでいた。海は月の光を浴びて、キラキラと輝いていた。

どんどん先を歩くネソを追うように菫は歩いた。

「ネソさん、あの...陽毬さんや皆がいるのは反対側なんだけど...。」

声をかけると、ネソは浜辺の上を歩いていた足を止めた。

「皆には用ないんだから。」

「え?」

ネソはニヤッと笑い、くるりと回った。そして、菫を見つめた。

 

「私が用あるのは、菫よ。」

「わ、私...?何かした?」

「ほんと、鈍いわね」

そういうとネソは笑い出した。ネソの体から黒い煙がモヤモヤと浮かび始めた。黒い煙がネソの全体を覆い、どんどんでかい巨大な何かへと化けていった。

「?!」

菫は迷わず緊急事態ということが分かった為、携帯電話で陽毬に電話をかけた。

「もしもし、陽毬さん!!緊急事態です!!ネソが、ネソがあぁぁぁぁ!!」

『ネソがどうしたの?!』

「とにかくっ...来たらわかります!!場所は反対側の浜辺です!!」

『わかったわ!すぐ行くわ。教えてくれてありがとう菫ちゃん!!』

 

ネソから爪が鋭い巨大な亀に変わってしまった。

「こんなん1人で倒すなんて無理だよってわ!!」

亀は急に火を吹いてきた為、菫は慌てて逃げる。すると、亀も菫の方へドスンドスンと突進してきた。

「寝疎外なきゃ無理だよおおおおおおお!!なんでネソが狙われたのおおおおおおってあーーー!!」

走っていたらこけてしまった。そんなことお構いなしに亀は近づいてきて、手で菫を突き飛ばした。突き飛ばされた菫は海に落ちてしまった。砂浜には菫が落とした、紫の水晶が落ちていた。

 

亀の体からまた黒い煙がモヤモヤと浮かび始め黒い煙に覆われた体は小さくなり、またネソの姿に戻った。

ネソは歩き出して水晶に近付いた。だが、走って来た陽毬が先に水晶を手に取った。

「あれ、菫ちゃんは?」

陽毬が周りを見渡すが、どこにも菫がいない。陽毬より少し遅く来た萩もやっと到着した。

「紫の水晶が欲しいの。」

「え?駄目よ。貴方は確かにアングリフの戦士ではあるけど紫の水晶は使えなかったんだから。」

 

 

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