歩いてスーパーマーケットへ行き、アングリフ本部に帰ろうとしていた。すると、アングリフ本部への近道である一本道に狐のお面を被った男が立っていた。
「貴方は誰?!」
実亜が眉を顰める。すると男はポケットから何かを取り出した。それは、小さなカプセルだった。
「君は今、とても不安な気持ちを持っているみたいだな。それでいいんだ。」
そう言いながら男が小さなカプセルを開けると、カプセルの中に入っていた黒いもやもやした物体が勢いよく実亜の中に入る。
「ああああああ!!」
悲鳴を上げた後、その場に倒れた。
***
『おかけになった番号は現在電源が入っていないか、電波が届かない場所にあります。』
あれ、昨日から全然実亜の姿を見ていない。ネソや他の組織員に聞いても誰も昨日から見ていないという返事が返ってくる。心配になり実亜に電話をかけたが、通じない。
アングリフの組織員という立場をサボり1人旅に出てしまったのか。
でも、組織長も実亜の姿を昨日から見ていないからやっぱり何かに巻き込まれたんじゃ。
「陽毬さん!!」
誰かに名前を呼ばれ、はっと我に帰る。背後に菫ちゃんと水鳥さんがいた。
「わっ!って...あぁ、菫ちゃんと水鳥さんじゃない。水鳥さんが本部にいるって珍しいわね。」
「私、一応アングリフの青のせんしになったんだし、アングリフ本部見学しておこうかな〜って。」
「す、菫ちゃん」「ひ、陽毬さん!」
何と、菫ちゃんとお互いを呼ぶ声が重なってしまった。
「あ、どうぞ?」
「い、いえ、陽毬さんからで...。」
「いや、いいのよ。私が言いたいことは大したことじゃないもの。」
「わ、私もです。」
「純希さんってどこ?」
「へ?」「へ?」
予想外な水鳥さんの言葉に菫ちゃんと私はまたもや声が重なってしまった。
「じ、純希ぃ?ここにはいないわよ。だってあの人、アングリフの組織員でも関係者でもないもの。」
「それは残念〜」
水鳥さんは肩をガクンと落とした。要するに、ここに来たのは本部見学とか言ってたけど純希目当てだったのね。理解したわ。
「あ、あの実亜さんっています?」
「あ、私が聞きたかったことそれよ!」
「最近、実亜さんに電話しても繋がらなくって。私の携帯壊れちゃったのかなって。」
「私もそう思ってたわ。それにアングリフで携帯直せるの実亜しか...って。」
菫と陽毬はやっと何かに気が付き、お互いに目があった。
「...私の携帯が可笑しいんじゃなくて」
「...実亜が行方不明になったのよ。」