家に帰った後も、ベッドに寝っ転がり天井を見つめていた。陽毬さんは、そんなに悪い人じゃなさそう。両親は、私がいなくても心配じゃなかったのか。色々とモヤモヤする。もう一回アングリフに行こうかな。やっぱりアングリフに入りたいと伝えるべきか。
でも、もし私がアングリフにいる事がばれたら、アングリフが危険な目に遭うかもしれない。そんなのはやだ。何であんなに優しい陽毬さんがそんな危険な目に遭わなくちゃいけないの。
もう、何もかも意味わかんないよ。
毎日毎日、心が壊れるまで両親の喧嘩きかなきゃいけないのも。
私のせいでアングリフが危険な目に遭うかもしれないことも。
その時、部屋のドアをコンコンとノックする音が聞こえ、私は我に帰った。両親と話する時は、アングリフという単語を出さないように気を付けよう。
ドアが開き、部屋に入ってきたのは母だった。母は、険しい顔をしていた。母は、ベッドに腰かけた。
「ねえ、菫。貴方は、どっちについていきたい?もうね、私...あの人と一緒にいる事が耐えれないの。毎日毎日、顔合わせると喧嘩ばかりするし。でね、決めたの。離婚しようと思うのよ。だから、菫はどっちが引き取るかって言う話でね。親権は、私も颯さんも欲しいみたいなの。最終的には貴方本人に決めて欲しくて。で、パパとママどっちについて行きたい?」
何だ。そんな話か。なんとなくそろそろ離婚するんじゃないかと勘付いてたけど。今更すぎて、私にとって両親が離婚することは悲しい話のはずなのに涙も出ないや。
「..っちも...いや」
「え?」
「どっちも嫌なの。毎日毎日...喧嘩しておいて挙げ句の果てに今更離婚?」
母の顔を見ると、困っていた。
正直、両親のどっちかに引き取られるくらいだったら、陽毬さんに引き取られる方がまだ良い。
「だ..から...そ
の、今まで..ごめんなさい。」
母の声は、今にも泣きそうな声だった。本当に、お父さんと離れたいのだろうか。本当に離婚したいのか。
「私に謝るくらいなら、お父さんに謝ってくれば良いじゃない。」
「でも...これは、もう決まってしまった...ことなの...よ。」
「もういいよ。何で、お互い愛してなかったのに、私のこと生んだの。不幸になるくらいなら、正直生まれてこなければ良かった。でも、子どもは親を選べれないから仕方ないのかもね。」
「...菫がまさか、そんな事言うまで性格が悪くなってたなんて知らなかったわ!!私は、あんたを生まなければよかった。冷酷な子どもは私の娘じゃないわ」
母は、泣きながらも私を怒っていた。母はそのままベッドから立ち上がり私の部屋から出て行った。
もし生まれてくる家を選べたらもうちょっと、幸せな家庭を選んでたと天井を見上げた。
そのとき、ピンポーンと玄関チャイムが鳴った。誰が来たんだろうと思い、一階まで下がりドアを開けたすると、ドアの向こうに陽毬さんが立っていた。
「菫ちゃん、どう?決めておいてくれた?」
私には、もう家には居場所がない。家にいたとしても精神的におかしくなりそうだ。もう決意はついている。
「勿論です。」
「じゃあ、行きましょうか」
「ちょっと、待ちなさい!!」
私は、陽毬さんと一緒に家から出ようとしたら、誰かに呼び止められた。振り向くと両親がいた。
「どこに行くんだ菫!!お前は誰だ!!一体何しに来た!!」
「どうも、初めまして。貴方達の事は、菫ちゃんから聞いています。ですが、これから菫ちゃんは私達と一緒に暮らします。」
「何言ってるんだ!!私達って一体どういう事なんだ?!」
「詳しくは説明出来ません。じゃあ、行きましょ」
陽毬さんは、歩き出した。私はその後を追って行く。
両親が理解できないのも、無理はないけど。私はもうこの家にいたら心が押し潰されるから。