アングリフ   作:豆月

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企み

「...ん」

「起きたみたいね!」

 

水仙が目を開けると、知らない2人が自分を覗き込んでいることに気が付いた。2人はとても心配そうな表情だった。

水仙が体を起こす。

 

「ここはどこ?」

「デパートの休憩室のソファーの上だよ!」

「何があったか、よく覚えてないんだけど...。」

「覚えてない方が幸せなこと。」

菫がそう言うと、水仙は困ったような顔をした。

 

「あぁ、気が付いたのですね。ペットボトルの紅茶買ってきたけど良ければどうですか?」

ネソはペットボトルの紅茶をを水仙に渡した。水仙は、ネソにありがとうございますと言い、ゴクゴクと紅茶を飲み始めた。

 

「これって高級な紅茶?」

水仙がネソに聞くと、ネソは頭を横に振った。

「高級な紅茶ではないです。」

「高級でなくても、こんなに美味しい紅茶があるなんて!」

ネソは、ある事を思い出したようで水仙に聞いた。

 

「あの、何か体の異変はない?」

水仙は不思議そうにネソを見つめた。

「いいえ、体に異変は何もないけど」

ネソはほっとため息をついた。

 

「それならよかったです。(あれ、さっき私が見た黒い光は何でもなかった?)」

 

「あの、そういえば私の体、運んでくる時重くなかった?」

水仙が頬を赤く染めて、2人に聞いた。

「あー、それなら、あの後私がデパートに行って、店員さんに言ったら男の店員さんが貴方が倒れてた場所まで来てくれて、デパートに運んでくれたから多分大丈夫!」

菫は笑ってそう言った。水仙はそんな菫にクスッと笑った。

 

「そういえば私の名前まだ名乗ってなかったわよね。私は、浅黄水仙。」

「あ、私は井村菫ですー。」

「私は、神川木通。」

「菫ちゃんと木通ちゃんね、いきなりだけれど、2人に紹介したい場所があるの。ついて来てくださいます?」

 

菫とネソは顔を見合わせたが、その場所に行くことにした。

 

***

 その場所は、デパートから少し距離が離れた古びた音楽ホールだった。緞帳は少し汚れがついていて、観客席は多かった。壁には昔の演奏会のポスターが貼られていた。少し不気味な音楽ホールだった。

 

「ふふふ」

水仙の不気味な笑い声が、音楽ホールに響いた。

「水仙ちゃん?」

菫が後ろから水仙に声をかけると、水仙はいきなり振り向いて菫に掌を向けて、黒い稲妻のようなものを菫に向けて撃った。

 

「きゃーーーーーーーーーーー!!」

黒い稲妻があたると、菫は全身痺れ出した。

「井村さん!!」

ネソが菫に近寄ろうとすると、水仙が足でネソを蹴った。ネソはその場に倒れた。

 

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