アングリフ   作:豆月

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〈第9話〉青の戦士の心の傷

シュラハトの組織長室では、純希が呼び出されていた。

「7体カプセルを使っても、紫の水晶を手に入れることができないとはどう言う事だ?」

「すみません。アングリフの戦士達がとても強くて。」

 

1体目、水鳥萩。

 

2体目、伊織純希の姉。

 

3体目、永緑土筆。

 

4体目、ネソ。

 

5体目、神川実亜。

 

6体目、夏我緋桐。

 

7体目、浅黄水仙。

 

残るは3体。

 

 

***

今日は朝から一日中、雨。

憂鬱な朝。

夏になりかけてる朝。

学校にすら行きたくない朝。

怠い朝。

 

両親と話もできない朝。

 

水鳥さんとも仲直りができない朝。

 

1日がまた、こうやって始まってしまう。

 

 

***

学校の昇降口に行くと、たまたま萩がいた。萩は浮かない表情をしていた。

「お、おはよう」

萩に声をかけると、萩はこっちを一瞬見たが、そっぽ向いた。萩は、同じクラスらしき友達を見かけると、そっちにいってしまった。

 

結果、無視された。

萩は、私と会うのが気まずいのだろう。すると、後ろから誰かに肩を叩かれた。振り返るとそこには、ネソこと神川木通がいた。

「おはよ!ネ...あー、木通さん。」

「あの青髪、完全に井村さんを無視してたわね。」

「挨拶くらい返してくれれば良いのに」

「それより、早く行かないと朝の会に遅れちゃう。」

「そうだね!」

私は急いで朝の会に間に合うように、駆け足で教室へと向かった。

 

***

その日の帰り、萩は1人で下校していた。とその時、楽しそうで2人で下校する菫とネソを見てしまった。菫と喧嘩していなかったら、今頃3人でいたのにと少し、残念がった。

 もしかしたら、許されるのかもと思い2人に声をかけようとするが、朝の菫の挨拶を無視した事を思い出した。

 やっぱり、声をかけるのを辞めた。

 

 その日の晩ご飯は、萩が作ることになっていた為、途中にあるスーパーマーケットへ寄り材料を買う事にした。

「水鳥さん!」

買い物中に誰かに呼ばれ顔をあげると、陽毬がいた。

 

「降霊さん」

萩は陽毬に近寄った。

「貴方、お買い物?ちゃんと家の手伝いして偉いわね〜!」

「い、いえ...。」

萩は頬を赤くし、ちょっと照れた。陽毬から目を逸らした。

「もーーーう!照れちゃって!可愛いんだからー!これだから最近の若者は...。」

「何も可愛くありませんよ...。」

「そんな可愛い水鳥さんも、まさか裏では戦ってるなんて誰も思いもしないわよね。」

「ですよね...。多分きっと、悪と戦ってるなんて言っても、物語の中の話だと勘違いされると思います。私自身、青の戦士として覚醒するとは思いませんでしたもん。」

 

「そうよねえ。きっと菫ちゃんも自分が、紫の戦士なんて意味不明だったと思うわ。でも、きっと3人で力を合わせればなんとかなるわ!」

「3人...。」

 

3人と言うキーワードを出されると、余計に心の傷が深くなってしまう。今は、3人じゃなくて、2人と1人なのに。

もう、2人と一緒に悪に立ち向かう事なんて出来ないのに。

全ては、自分のせい。

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