シュラハトの組織長室では、純希が呼び出されていた。
「7体カプセルを使っても、紫の水晶を手に入れることができないとはどう言う事だ?」
「すみません。アングリフの戦士達がとても強くて。」
1体目、水鳥萩。
2体目、伊織純希の姉。
3体目、永緑土筆。
4体目、ネソ。
5体目、神川実亜。
6体目、夏我緋桐。
7体目、浅黄水仙。
残るは3体。
***
今日は朝から一日中、雨。
憂鬱な朝。
夏になりかけてる朝。
学校にすら行きたくない朝。
怠い朝。
両親と話もできない朝。
水鳥さんとも仲直りができない朝。
1日がまた、こうやって始まってしまう。
***
学校の昇降口に行くと、たまたま萩がいた。萩は浮かない表情をしていた。
「お、おはよう」
萩に声をかけると、萩はこっちを一瞬見たが、そっぽ向いた。萩は、同じクラスらしき友達を見かけると、そっちにいってしまった。
結果、無視された。
萩は、私と会うのが気まずいのだろう。すると、後ろから誰かに肩を叩かれた。振り返るとそこには、ネソこと神川木通がいた。
「おはよ!ネ...あー、木通さん。」
「あの青髪、完全に井村さんを無視してたわね。」
「挨拶くらい返してくれれば良いのに」
「それより、早く行かないと朝の会に遅れちゃう。」
「そうだね!」
私は急いで朝の会に間に合うように、駆け足で教室へと向かった。
***
その日の帰り、萩は1人で下校していた。とその時、楽しそうで2人で下校する菫とネソを見てしまった。菫と喧嘩していなかったら、今頃3人でいたのにと少し、残念がった。
もしかしたら、許されるのかもと思い2人に声をかけようとするが、朝の菫の挨拶を無視した事を思い出した。
やっぱり、声をかけるのを辞めた。
その日の晩ご飯は、萩が作ることになっていた為、途中にあるスーパーマーケットへ寄り材料を買う事にした。
「水鳥さん!」
買い物中に誰かに呼ばれ顔をあげると、陽毬がいた。
「降霊さん」
萩は陽毬に近寄った。
「貴方、お買い物?ちゃんと家の手伝いして偉いわね〜!」
「い、いえ...。」
萩は頬を赤くし、ちょっと照れた。陽毬から目を逸らした。
「もーーーう!照れちゃって!可愛いんだからー!これだから最近の若者は...。」
「何も可愛くありませんよ...。」
「そんな可愛い水鳥さんも、まさか裏では戦ってるなんて誰も思いもしないわよね。」
「ですよね...。多分きっと、悪と戦ってるなんて言っても、物語の中の話だと勘違いされると思います。私自身、青の戦士として覚醒するとは思いませんでしたもん。」
「そうよねえ。きっと菫ちゃんも自分が、紫の戦士なんて意味不明だったと思うわ。でも、きっと3人で力を合わせればなんとかなるわ!」
「3人...。」
3人と言うキーワードを出されると、余計に心の傷が深くなってしまう。今は、3人じゃなくて、2人と1人なのに。
もう、2人と一緒に悪に立ち向かう事なんて出来ないのに。
全ては、自分のせい。