「ひ、ま、りさん!」
「き、きゃ!」
気が付けば菫に抱き付かれていた。
「えへへー、驚いた?」
「もうー、菫ちゃんったら〜!ふふ、なんか菫ちゃんって出会った頃より、明るくなったわよね。」
「そうですか?」
「そうよ。」
「陽毬さんが言ってくれるなら、自分でもなんかそんな感じがします。」
「それで良いのよ。自分に自信持って良いのよ!菫ちゃん!あ、そう言えばさっき買い物に行ったら水鳥さんに会ったのよ!」
「水鳥さん...。」
水鳥というキーワードを聞いた瞬間、菫は俯いた。そんな菫を見て陽毬は、2人の間に何があったという事を察する。
「...よければ、話し聞くわよ?」
「えっ、いやー、何でもないです...。」
「話せる範囲で話してくれて構わないから、ね?」
陽毬の顔を見て、少し迷ったが菫は萩との間に何があったのかを語り始めた。
「こないだ...、学校で芸術鑑賞会が行われてて、水仙ちゃんって子が演奏しにきててバイオリンで演奏してたんです。で、水鳥さんと下校していたら、駐車場で水仙ちゃんと男の人が喧嘩してて、私が止めようとしたら水鳥さんが辞めといた方がいいって言ってきたんです。でも、私が馬鹿だからその忠告を聞かず、喧嘩してる2人のところに行こうとしたら水鳥さん怒っちゃって...。結局、関係修復出来てないままなんです。」
「そんな事があったのね。」
俯く菫の肩に、手をポンと置いた。
「私が悪いんです!素直に、水鳥さんの言う事聞いてれば、こんな事にならなかったんです!!もし、水鳥さんが青の戦士辞めたとしたら、私のせいです!」
「菫のちゃん!」
菫は名前を呼ばれ、顔を上げた。
「喧嘩することは当たり前よ。でもね、大切なのはこれからどうするか。このままで良いの?喧嘩したままで良いの?」
「陽毬さん...。」
菫の瞳はうるうるしていた。
「大丈夫。謝れば。きっと、水鳥さんだって、菫ちゃんと今の関係のままなんて...喧嘩したままの関係なんてきっと嫌だと思うわ。」
菫は目を閉じ、深呼吸した。
「...ですよね。」
菫はゆっくりと目を開けた。
「大丈夫。今の貴方なら。」
「じゃあ、謝ってきます。」
「ええ、それが良いわ。」
そして、菫は陽毬の前から去っていった。
「(大丈夫。菫ちゃん。今ならまだ仲直りできるわ。)」
***
仲直りすると言ったものの、やっぱり怖い。水鳥さんは気が強そうだし...。絶対、許してくれないよね。
「どうしたの、井村さん?」
「え?」
「そんな浮かない顔して。」
「ね、ネソさん!」
顔を上げると、ネソさんがいた。
「もしかしたら、紫の水晶によって、貴方が曇った表情してるのかもしれないわ。」
「これのせい?」
私はポケットから紫の水晶を取り出した。
「そう。」
菫は手で持っている紫の水晶を見つめ、何か考えていたが、ネソに紫の水晶を渡した。
「もし本当にそうだったら、これのせいで仲直りできないの嫌だから、暫くネソさんに預けるね。」
「了解。」
「仲直り出来たら、また取りに来るから。」
「わかった。それまで持ってるわ。」