“水鳥さん、この間はごめんね。やっぱり直接ちゃんと、言葉で謝りたいから、今日の放課後に、昇降口へ来てください。私は許されない覚悟で謝ります。”
誤字脱字をしていないか確認して、萩宛にメールを送信した。これでもし、今日の放課後に萩が昇降口に来なかったら許してくれないという事になる。菫はゴクンと唾を飲み込み折り畳み式の携帯電話を閉じた。
***
学校に着くと、靴箱にまた萩がいた。萩と目があったが、菫は目を逸らして運動靴を脱ぎ、靴箱の中に入れ上靴を履きそのまま教室向かっていった。萩は同じクラスの友達と待ち合わせしてたらしく、友達が来たら、一緒に教室へ向かった。
学校行く前に、あのメールを送ったものの、やっぱり喧嘩したままだから萩と会うのが気まずかった。
授業中は、ずっと萩との事で頭が不安でいっぱいになっていた。本当に仲直りできるのだろうか。彼女は、こんな自分を許してくれるのだろうか。仲直りしたら、これからも友達...仲間として一緒に、敵に立ち向かってくれるのだろうか。
こっそりと持ってきた折り畳み式の携帯電話を見るが、返事は返ってきていない。
「(やっぱだめか...。)」
落ち込んだ時、誰かに携帯電話を取られてしまった。
横を見ると、そこには担任がいた。
「井村さん?携帯持ってくるなんて、しかも授業中に携帯電話いじってるなんて校則違反です!持ってくるのも、校則違反です!1週間、携帯没収させていただきます!」
「あ、あの!深い訳があって、どうか見逃してください...。」
そう言うが、担任は携帯電話をそのままポケットの中に入れてしまった。しかも、クラスメイトに笑われる始末。そんな中、ネソだけは真剣な表情をして菫を見つめていた。
「校則違反したからちゃんと、反省するように!わかったわね?」
「...はい。」
菫は担任に何も言い返せずにそう呟いた。
これで、1週間の内に何かあったらそこへ駆けつけれなくなり、自分に何かあっても誰も呼ぶ事ができなくなった。挙げ句の果てに、萩からの返事を見れずに終わる。菫はガクンと肩を落とした。
「(確かに、授業中に携帯いじってた私が悪いけど、こっちは組織がかかってるんだっつーの。)」
菫は誰にも聞かれない音の大きさで、舌打ちをチッと1回した。それが、周りの人に聞かれていたらしくて
「先生ー!今、菫が舌打ちしました!」
と言われてしまった。菫は焦って
「ち、ちがう!今のは、何も考えずに舌打ちしちゃってたの!」
と誤魔化そうとするが、担任は菫の言葉を聞かずに菫を廊下に立たせた。
「(あーー!もう、本当最近運ついてないんだから!)」