アングリフ   作:豆月

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精神世界

「ねえ、私の事表では許してくれたけど、裏では許してくれてないんでしょ?」

 

気付けば私は何故か踏切の前に立っていた。踏切の向こう側には萩がいた。空の色は暗く、いまにも雨が降ってきそうな空模様だった。

 

「そんな事はないわよ。井村さん。貴方が私を許してくれると言うなら、私も許すわ。」

 

「そのつもりよ。」

踏切の向こう側にいる萩にそう答えた。

「でも、本当は私の事嫌いで、井村さんにきつい言葉を投げた私とはもう仲良くしたくないとか思ってるんでしょ?」

「違う、そんなことない!友達としても、アングリフの戦士の仲間としても、水鳥さんと仲良くやっていきたい!」

「本当にそう思ってる?」

「思ってるよ!」

「本当に?」

 

「はっ!」

声は萩からネソの声へと変化した。踏切の向こう側ににいるのもいつの間にかネソだった。

 

「水鳥さんは...?」

 

「井村菫。アングリフの紫の戦士。1人目の戦士。四組織中央学園の中学に通う中学2年生。親と喧嘩して、公園にいたら降霊陽毬と出会った。」

「どうしてそれを...。」

菫はまだネソに対して、陽毬と出会った話をしていなかったはずなのに。何故か踏切の向こう側にいるネソは知っていた。

 

 

「降霊陽毬と出会った事により、貴方はアングリフの紫の戦士になってしまった。」

その時、電車が通過した。

 

***

「ここは?」

 

目を開けると、地面はゆらゆらと安定しなかった。

「伊織純希。」

誰かに名前を呼ばれ、顔を上げるとネソが舳先に立っていた。純希は船の上だと察した。

 

「で、一体何の用だ?アングリフの戦士。」

 

「伊織純希。シュラハトの組織員として働いている。組織長に命令され、裏では危険なことをやっているのが志倉にばれそうになる。紫の水晶を奪う為に、カプセルを10体与えられたがそのうち7体を結果得ずに失ってしまう。降霊三春によって、呪いをかけられているため、陽毬に嫌々近づこうとしている。」

「違う!!陽毬は...陽毬は..心からずっと...。」

「愛してなんてないの。」

急に波は荒くなり、船が波に襲われた。

 

***

「ん..」

目を覚ますと、何故か中学生の頃まで住んでいた家のソファの上にいた。小さめの机が置いてあり、その向こう側にネソがいた。

 

「降霊陽毬。アングリフの組織員。幼い頃に両親が離婚、母に引き取られるが、母は酒を飲み、暴力を振るって狂っていく。それを見るのが嫌になっていたある日、母は急に事故する。結局、貴方は母親に愛されていなかった。」

「そんなこと言わないでよ!ネソのくせに...。」

陽毬は両手でバンと机を叩いた。

「わかるわ。」

「軽々しく言わないでよ!」

「私は母の気持ちがわかるわ。だって」

「何?!」

その時、急に火に包み込まれた。

 

 

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