アングリフ   作:豆月

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前だけを向いて

 萩とネソは菫の教室掃除を手伝い、2人のおかげで教室掃除はかなり早く終わった。

「ごめんね、水鳥さんとネソさん。教室掃除を手伝ってもらっちゃって。」

「良いの良いの。私がやりたかったんだし。お礼なら、ネソさんに言って。」

「私は、暇だったから手伝っただけよ。」

「2人とも、本当ありがとね」

 

菫はいつも通りで、変わった様子はなかった。いつ敵が姿を表すのかと躊躇していたがそんな気配もなく2人はほっとした。このまま何もなく、時間が流れていってくれればそれで良い。それは、2人の本心だった。

「どういたしまして。」

 

「ねえ、そういえば水鳥さんは、アングリフに住み込みしないの?」

「え?」

菫からの急な質問に萩は頭を傾げた。

「だって、水鳥さんって...アングリフの青の戦士じゃん?だから、アングリフの地下に住まないのってこと。」

「え、アングリフって住める場所あるの?」

「あるよ。アングリフには実は地下があって、そこで組織員の人達とか住んでるんだって。因みに、私は陽毬さんの隣の部屋に住んでるの。」

「ってことはつまり、アングリフに住めば毎日純希さんに会える?」

萩は目を輝かせて、菫に聞いた。菫はそんな萩を見てきっと、純希さんのことが好きなんだなと思った。

 

「残念ながら、水鳥さんお目当の純希さんはアングリフの組織員じゃないわ。」

ネソが横から答えると、萩は酷く落ち込んだ。

「はーー、アングリフに泊まり込めば純希さんと毎日会えて、毎日話せる特典付きだと思ってたのにー。」

萩は頬を膨らませた。

「あの純希さんは、急に来るようになったのよ。何があったかは知らないけど。」

「どーせ、ガールフレンドいるんだもん、志倉さんって人が!」

「え、いるんだ!?」

菫は驚きの声を上げた。

「どうせ、純希さんはその志倉さんって人に夢中だから、私がその間に入る隙すらないんだけど。」

 

「まあ、確かに個人的にはあんまかっこいいとは思わないけど...好きな人とかできたら突っ走りそうな感じだからねぇ...。」

「でも、純希さんに一途に思われてる志倉さんが羨ましい...って思うし、志倉さんと体入れ替わってないかなって。」

「水鳥さんが、努力すればもしかしたら純希さんは水鳥さんに振り向くかもよ!」

菫の言葉に少し安心して、萩の表情は綻んだ。

 

「何だか、井村さんにそう言われるとそんな気がしてきた。暗いこと考えずに、前を見てポジティブな事考えないとね!努力すればいつかは報われるはずよね!」 

 

 

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