陽毬はもう一回、菫の部屋まで行き菫の部屋のドアを開けようとしたが、ドアの隙間から黒いもやもやしたものが見えた。陽毬は自分のせいでもしかして、闇が抑えきれなくなったんじゃないかと思い込んだ。陽毬に恐怖が襲う。
「違う...、私のせいじゃないから」
陽毬の顔の色はどんどん悪くなっていく。
顔から汗がどんどん出てきた。
ドアノブを触ろうとすると、どんどん怖くなる。
ついに陽毬はその場から逃げ出してしまった。
***
「はあーーー!!」
「黒い水晶には触らせない!」
「ぎゃ!!」
黒い丸い水晶に向かって飛んだが、もう1人の自分に邪魔され、そのまま床に落ちた。
「簡単にこの世界から脱出できるわけない。世の中はそんな甘くはない。」
もう1人の自分はニヤッと笑った。
「たしかに、世の中はそんな甘くないよ。でも、元の世界に戻りたい、戻ったら何がいけないの?」
もう一度立ち上がって、黒い水晶に向かってジャンプした。もう1人の自分が、攻撃してきたがそれを交わした。
「簡単に戻れる方法なんてないわ!!」
もう1人の自分は、黒い雷を打ってきた。それに当たってしまった。
「うぐっ...。」
まるで、水仙ちゃんの時みたいだった。
全身に稲妻が走り、痺れて上手く動けない。私は四つん這いになり、地面を見つめた。
「貴方には現実は似合わないわ。ここの世界なら、似合うわ。だって、貴方は紫の戦士なんだから。汚れて、醜く、歪んだあの世界にいるのはもう嫌なんでしょ?友達とかとの人間関係めんどくさいんでしょ?母が別の男の人と喋ってるの見るのもう嫌でしょ?なら、ここの世界にいなさい。何もしなくても、無言でいても許されるこの世界にね。」
「そんなことはない...。たしかに友達とは喧嘩したり、母が別の男といるのを見るのは嫌だけど。でも、私がずっと育ってきたあの世界が好きなの、だから...。」
気付けば私は手に力を溜めていた。
「な、何?!」
「だから、私がこの世界から脱出する事を邪魔しないで!!」
頭に血が上り、もう1人の自分を殴った。すると、もう1人の自分は飛んで行き、黒い丸い水晶にぶつかった。
黒い丸い水晶はパリンッと音を立ててヒビが入った。黒い丸い水晶から白い光が差し、全てを包み込んだ。
光が眩しく私は目を閉じた。
...気がつけば、ベッドの上で倒れていた。
見慣れた天井。ここは、自室だとすぐにわかった。私は、本当に元の世界に戻ってこれたのかと疑い、ドアを開くとそこには実亜さんと組織員数人とネソさんがいた。
「す、菫ちゃん!!無事だったのね?」
「は、はい」
「ドアの隙間から、黒いモヤモヤしたものが見えたから心配してたのよ。でも、無事で良かったわ。」
実亜さんとネソさんと数人の組織員が私に拍手をしてくれた。
私は、やっぱりこの世界が居場所なんだと実感した。