「純希。」
「何でしょうか、組織長。」
シュラハトの組織長室には、純気という男が呼ばれていた。紺色の髪で、身長は颯より少し高い男である。
「娘を探し出して欲しい。」
純希は颯に娘がいると言うことだけは聞いていた。だが、名前も知らないし、話したこともない。情報がない中で探し出すなんて不可能だ。
「いきなり言われましても...。直接会ったことありませんし..それに..。」
颯は、ズボンのポケットから1枚の写真を取り出した。それは、家族4人が写っている写真だった。
「これで何とか探せれるだろ?」
「どちらのお子さんを探せば...。」
「紫色の髪の方の娘だ。名前は、菫。知らない女が連れ去っていった。髪が長くて、茶色の髪の確か赤い服に茶色のコートを着ていた女だ。」
「(菫ちゃんか...。)」
純希は写真を見る目を細めた。
「と言う事で頼れるお前に頼みたい。何処に連れ去られたかとか色々調べて欲しい。」
そう言いながら写真をまたズボンのポケットにしまった。
「了解しました。」
「お前を信頼しているからな。頼むぞ、伊織純希君。」
颯は、ニヤッと表情を浮かべた。
***
「純希!」
「や、辞めろ!手を触るな!!」
「良いじゃない、べっつに。私は純希以外の男には興味ないわ。私には貴方しかいないの。誰にも見られてないから、噂になる可能性は低いわよ。」
純希は、勢いよく女の手を振り払った。女は振り払われたショックで言葉を失ってしまった。
「何回も言ってるだろう。僕に馴れ馴れしくしないで欲しい。志倉綿花。」
冷たい言葉だけ投げ付け、その場を去っていってしまった。志倉という女は、涙目になっていた。志倉は、長い間ずっと純化の事だけを想い続けていた。だが、純希は何をしてもこっちを見てくれない。
「(どうして、私がこんなに虚しい思いしなきゃいけないのよ。何でずっと純希の事だけを想い続けてるのにこっちを見てくれないのよ。)」
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『私が好きなのは貴方だけです。』
『そう言ってくれるのは、ありがたいな。でも、無理だよ。君と僕には歳の差がありすぎる。それに、僕には決めた女性がいるんだ。だから、付き合うのは無理だ。』
『なら貴方はありません、あの人を私にください!!』
『僕が決めた女性なんだ。だから、彼女も君に渡せないよ。』
『どうして..,』
『いつかは時間が経てばわかるはずだ。水鳥萩』
いつも見る夢。
私が黒い空間で、知らない大人の男性と話す夢。
男性の悲しげな表情。
一体何の意味があるの?