黒い水晶は、白い光を発した。それと共に、黒い煙がもくもくと出てきたが、暗い煙は白い光に負け視界は白くなった。
「助かるかと思ったのに、やっぱり駄目だったみたいね。私のせいでごめんなさい。純希。」
「別に良いよ。自分は助からなくても、陽毬さえ助かればって思っていたのに。」
意識が朦朧とし視界は黒くなった。
***
目を覚ますと、白い天井が見えた。ここは自室ではない。それだけがわかった。
「降霊ちゃん!」
誰かが私の顔を覗いている。ぼやけてる視界が、はっきりとしてきた。どうやら、私の顔を覗いてるのは志倉ちゃんみたい。
「志倉ちゃん...。」
「ひ、陽毬さん...。」
「菫ちゃん...。」
志倉ちゃんの隣に菫ちゃんがいた。
私は体を起こした。隣のベッドで、純希はまだ目を瞑ったままだった。まさか、私のせいで...。
「純希は?」
そう聞くと志倉ちゃんは微笑んだ。
「大丈夫よ。降霊ちゃん。純希は、さっき目が覚めて今は疲れちゃって寝てるだけだから。」
純希は眠ってるだけみたいで良かった。私のせいで、もし純希が一生目を覚まさなかったとしたら後悔しか残らないもの。
「でも、急にびっくりしちゃったわ。だって、ネソさんと井村さんと志倉さんと私の4人であの変な黒い丸いものの外で2人を待っていたら、急に白い光が黒い丸いものの中から差して、強い光が私たちを襲って、目を開けたら2人が倒れてたんだから。でも、2人とも、無事そうで何よりよ!」
***
4人は2人の無事を確認して、病院から出て行った。それぞれの家に帰る前に、志倉の提案で4人はカフェへ寄ることにした。
萩はクリームソーダ、ネソはオレンジジュース、志倉はアイスコーヒー、菫はフライドポテトを頼んだ。
「に、しても、よかったですね!陽毬さんも純希さんも無事で。」
菫はモグモグとフライドポテトを食べていた。志倉は、アイスコーヒーを一口飲み、グラスを机に置いた。その振動で氷はカランと音が鳴る。
「...私、ずっと純希に片想いしているの。」
「え、志倉さんと純希さんって付き合ってんじゃないの?」
純希は志倉と付き合ってると思っていた萩は、不思議そうな顔をした。ネソはオレンジジュースを飲みながら志倉を見つめる。菫はフライドポテトを食べていたが一旦、止めて志倉を見つめた。
「本当は付き合ってない。何年経っても、私の方に振り向いてくれないのよ。それなのに、降霊ちゃんの事になると真剣になるのよ。寧ろ、私に対して態度が酷くなるばかりなのよ。」
気がつけば、志倉の目からは涙が頬を伝って、机に落ちていた。萩はすぐにポケットの中に入っていた、ハンカチを志倉に渡す。
「これで、涙拭って!」
志倉は、ハンカチを渡され涙を拭うのを躊躇ったが、萩の頷きを見てハンカチで涙を拭った。
「でも、きっといつかは純希さん...志倉さんに振り向いてくれると思いますよ!」
「そうよ、頑張って。」
菫とネソから応援され、志倉はニコッと笑った。