「どうして私の事は突き放してくる癖に、降霊ちゃんの事になるとあーやって、真剣になるのかしら。」
ベッドの上で仰向けになりながら、天井にある丸い薄暗く光がついている電球をぼんやりと見つめていた。志倉はずっと、考えてた事がある。それは、純希のことだ。純希は昔から自分に対しては素っ気ないのに、途中から現れた陽毬に対しては親切に接していた。どうして。どう考えても、一緒にいる時間が長いのは自分。なのに、純希は陽毬の事になると無茶をしても突っ走る。正直、あの時純希だけが助かってればよかった。正直、陽毬は助かっても助からなくてもどっちでも良かった。何度そう思ったことか。志倉は、陽毬に対してそう思ってしまう自分が嫌で、嫌でしかたなかった。
本音を言うと純希の周りに、女の子が増えるのも嫌だった。純希の周りにいるのは自分だけで良い。自分以外必要ない。そんな考えだった。
***
「ねえ、降霊さん。」
「何?水鳥ちゃん。」
海が見える丘で、萩は個人的に陽毬を呼び出していた。陽毬は何か萩にしちゃったんではないかと思い不安が募った。
「あのね、こないだの降霊さんが助かった時の事なんだけど。」
その時のことかと陽毬は、少し安堵する。
「それがどうかした?」
「あの後、病院から出てって...志倉さんとネソさんと井村さんと私の4人でカフェに行ったのよ。で、志倉さん泣いちゃってて。何年も純希さんの事想い続けてるけどなにも振り向いてくれないらしいわ!」
最初は小さな声だったが、徐々に萩の声は大きくなった。
「...それって、志倉ちゃんのアプローチの仕方が不味いんじゃない?」
「違うわよ!純希さんに近づくから、いけないんじゃないのって事?」
「な、何でそうなるの?純希とは全然距離あるし...寧ろ、志倉ちゃんの方が純希と距離近いじゃない?あの2人はお似合いのカップルだと思うわ。」
「私は、大人の関係には首突っ込みたくはないけどこれだけ言わせてもらうわ。志倉さんは何年も純希だけを想っていた。だから、2人の間には邪魔しないであげて降霊さん。じゃあ、私帰ります。」
そう言い萩は、トコトコとその場を去っていった。陽毬は萩を呼び止めようとしたがやっぱり辞めた。
「(つまり私は、邪魔って思われてると言う事?何なのよ、あの子。大人の関係に首突っ込みたくないとか言ってたけど普通に私に言ってきてるんだから、首突っ込んでるのとおなじよ!)」
陽毬は萩に対して、腹を立てた。