「ねえ、どうしてあの時...陽毬さんを助けたんですか?」
「あー。それは、陽毬の親と僕が深い関係であってね。」
純希は青い空に浮かぶプカプカと雲を見つめながら、菫の質問に答えた。
「陽毬さんの親?」
「あぁ。今はまだそんなに深い話はできないけど、強いて言うなら僕は呪われているんだ。こんな話、本当だって信じないよね?」
苦笑いをした。そんな純希を菫は、不思議そうに見つめた。
「どうしてですか?まあ、確かに信じ難いですけど...闇の力があるくらいだから呪いだってあると信じてます。それに、純希さんがそんな嘘つくはずないですし。」
純希はため息をついた。
「君は、まだ純粋なんだな。でも、それで良い。君は君らしく生きてくれ。後、陽毬のこと何があっても、幸せになるまで守って欲しい。」
「当たり前ですよ。陽毬さんは私を助けてくれた恩人なので、私が死ぬまでは必ず何があっても、陽毬さんを守ります。恩は仇で返したくないので。恩は必ず恩で返します!」
「(鈍感だなぁ。紫の戦士は。)」
***
ベランダで洗濯を干していた志倉はある事に気がついた。
「あ、あら!これは...あの子のハンカチ!」
それはこないだ、泣いた時に萩が貸してくれたハンカチだった。純希と陽毬のことで頭がいっぱいで、すっかり返すのを忘れていた。近いうちにハンカチを萩に返したいが、メール交換はしてないしどこに住んでいるのかもわからない。アングリフ本部に行って直接渡せば良いのかもしれないが、アングリフ本部には行けない。だって、志倉はシュラハトの組織員の1人だから。
***
本当は菫ちゃんにあんな事言ったが、正直自分が陽毬を守りたい。だが、守れない立場だ。カプセルの事がバレたら陽毬は僕を嫌いになり関係を切るだろう。正体がバレてないだけまだマシ。
その時、胸の中で何か違和感があった。
その時、黒い煙が体から出てきた。
「あーーーーっ!!」
その黒い煙は、僕の全身を包んだ。きっと、陽毬に正体がバレないから不安だったんだろう。だけど、その不安が耐えきれずに...。
そうか、最後は僕なんだ。
10個目のカプセルの中身は僕に入ったんだ。ごめん。皆。皆の不安を利用して、悪を作り出して本当にごめん。
特に陽毬。
敵なのに近づいてごめん。
僕はこうするしかなかったんだ。
9人の人の不安を利用して、悪を作り出した末路がこの有様か。自業自得なのは、自分でも知っている。寧ろ、悪をして悪が自分に返ってこない事はまずないんだ。