蝉の声が聞こえてきて、夏に入りかけたある日の朝の事。純希はいつものようにチョコの散歩に外へ出かけていた。既に純希は、アングリフの組織員として働いていた。組織長には、一回断られたが陽毬が何とか、組織長を説得してくれ何とか入れた。
「チョコ!本当、足速いな!」
「わん!」
チョコは楽しそうに走っていた。すると、女子中学生くらいの緑髪の子が近づいてきて、座り込んだ。
「わあ、可愛いですね!触って良いですか?」
「良いよ!」
純希が許可すると、緑髪の女子中学生は、しゃがみチョコの頭を撫で始めた。
「可愛い!名前、なんて言うんですか?」
「チョコっていう名前。似合ってるだろ?」
「はい!茶色で、フワフワしててチョコの綿飴みたいで...。可愛いです!チョコちゃんみたいな犬飼いたいなー。」
土筆はそんなことをぼんやりと呟いていたっ
「君は、動物好き?」
「はい!動物大好きで、今は家でインコと猫とハムスター飼っています。そういえばまだ名前言っていませんでしたね。あたしは、永緑土筆と申します。土筆と呼んでくださったら嬉しいです。」
「土筆ちゃんか。良い名前だね。僕は伊織純希って言う者さ。もし、次会う時までに名前覚えてくれていたら嬉しいよ。それに、チョコも。」
「勿論です!急に話しかけてしまってすみませんでした。」
土筆という少女は頭を下げ、一歩歩き出した時純希に呼び止められた。
「土筆ちゃん。」
「はい?」
土筆は不思議そうに振り向いた。
「あの、実は僕の家ボロボロで正直、チョコが可哀想なんだ。家には遊び道具とか全然ないし、僕が仕事している間は基本的に職場にいるから、チョコが1人になっちゃうんだ。こう言うのもあれかもしれないけど、土筆ちゃんにチョコの里親になって欲しいんだ。」
土筆は一瞬思考停止し、真顔になったがパッと花を咲かせたような表情になった。
「え、良いんですか?!あたしがチョコちゃんを飼って」
「チョコだって、僕より君みたいな女の子に飼われた方が嬉しいだろう。」
純希は、リードを土筆に渡した。
「君ならチョコを可愛がってくれる自信があるし、他にも動物飼っていると言っていたからチョコも1人になる事はないだろう。」
土筆は頷いた。
「チョコちゃんを何があっても、一人ぼっちにはさせません。チョコを絶対幸せにします!」
土筆はチョコと共に何処か去っていった。きっとチョコにとって新しい家に行くのだろう。純希は、何処までも広がる青空を見上げた。