アングリフ   作:豆月

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支えてくれたあの人の存在

 あの出来事から、駿河は話してくれなくなってしまった。樒くんは、何事もなかったかのように普通に学校に来ている。でも今思うと、あのモルケを担いだあの男は、一体何だったのだろうか。きっと、樒くんの仲間なんだろうと思うけど。駿河に話しかけようとしても、駿河はどっかに行ってしまう。一回壊れた、男女の友情と言うものはもう直ることはないのだろうか。あたしが駿河はあんなに仲良かったのに、急に仲が悪くなった事に周りの人達も不思議そうに見ているんだろうね...。

「土筆!」

「うぐっ!」

「もう、ぼーっとしてどうしたの?」

萩に肩を強く叩かれ、はっと我に返った。そうだ、今は菫と萩とあたしと...ネソちゃんで昼飯を食べているんだった。どうやら、あたしは駿河との事を考えちゃってぼーっとしちゃってたらしい。ネソちゃんと菫は、モグモグとご飯を食べていた。そういえば、ネソちゃんって人、この学校にいたっけと思った。入学式の時点ではネソという名前は聞いたことが無かった。転校でもしてきたのかな?

「そういえば、ネソちゃって...本名ネソっていう名前?」

そう聞くとネソちゃんは、弁当を床に置き箸を弁当箱の上に置いた。

 

「私は...ネソっていう名前は...組織での名前でして、学校での名前は神川木通です。本名は、ネソなんです。だから、名前呼ぶ時はネソでも木通でもどちらでも構いませんので。」

そういう事だったのか。ネソちゃんの説明であたしは納得した。でも、菫と萩がネソちゃんを木通ちゃんじゃなくてネソちゃんって呼んでるから、あたしも2人に合わせよっと。

 

「いやー、なんかごめん!あたしってネソちゃんと菫ちゃんのクラスと一緒に体育受けてるんだけど気付かなくて本当ごめん!正直、2人と関わることになるとは思わなかったからさー。」

「いやー、私も土筆が緑の戦士って知った時はとってもびっくりしたよ!運動神経抜群な子が私達の仲間なんて!」

菫はそう言いながら、卵焼きを箸で口に運んだ。正直、あたしは自分が運動神経が抜群なんて思ったことなんてない。大事な大会の前によく怪我するし、それに部活も退部してしまったんだから。でも、そんな時にいつもそばにいてくれるのは、駿河だった。

 でも、駿河はもうあたしの事嫌いになっちゃったと思うしきっと話をする機会もないのだろう。でも、そんなのは嫌だ。せめて、駿河との仲を直したいし、また一緒に帰りたい。駿河と死ぬまでに一回も話せないのは嫌だ。

 

 

 

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