アングリフ   作:豆月

88 / 88
放課後の図書室での出来事

 放課後。樒は、図書室で本を探していた。その本は、担任の先生からお勧めされた小説だった。駿河は、ネイヴィーの組織員でアングリフの戦士とアングリフにとっては敵であるが、土筆にとっては敵でありクラスメイトであった。

「(あれ〜、この辺にあるはずなんだけど?)」

「何か探してますか?」

樒は、誰かに声をかけられ横を見るとそこには同じクラスメイトである、夏我緋桐がいた。緋桐は、微笑んでいた。

「あっと...この小説探してて...。」

樒は、小説の名前が書かれた紙を緋桐に見せた。緋桐は、紙を受け取り小説の名前を確認した。

「あ、これですね。」

数秒すると緋桐は、本棚から一冊の本を取り出して樒に渡した。樒は、本を見ると確かにそれは探していた小説だった。

「ありがとうございます...。」

樒は、言い慣れないお礼を言うと緋桐は、微笑んだ。

「どういたしまして。そ、そういえば...隣の席なのに全然お話しした事ありませんでしたよね。」

「あ、そういえば...。」

「今更自己紹介なんて、あれかもしれませんが...。私の名前は、夏我緋桐と申します。宜しくお願いします。」

「もう僕の名前知ってると思うけど...。僕は、光徳樒と言います。よ、宜しくね!緋桐ちゃん。」

「こちらこそ宜しくね。樒くん。図書室についてはどの本がどこにあるとか知り尽くしてるから、もし探してる本が見つからなかったら遠慮なく聞いてね!」

「ありがとう。」

樒は笑顔でお礼を言った。樒は心の中で、緋桐ちゃんはとても頼りになりそうだと確信していた。だが、本来の目的はアングリフの戦士に近づく為、普通の中学生としてして近付いている。それが、組織とは何も関係ない一般人にバレてはいけない。例え、緋桐と親友になったとしても隠し事を通さなければならない。

「に、しても樒くんって深い物語が好きなの?」

「うん。やっぱこう言う深い物語って、最後まで読んでけばこう言う事だったのか!って繋がるから最後まで読んじゃうんだよね。」

「私も...。内容が浅い小説より深い小説の方が読み応えがあるって言うか...結末が気になって最後まで読んじゃうんだよね。樒くんの気持ちよくわかる...。」

緋桐は、樒となら本当の友達になれそうな気がした。

「あ、内容が深い小説で他にもお勧めなのあったら教えてくれない?その小説読んで感想言い合いたいなって!」

「うん!勿論!」

「そういえば、緋桐ちゃんって帰らなくて大丈夫なの?」

「う、うん。訳あって家に帰りたくないの...。家に帰っても、家族にこき使われるだけだから...、それなら放課後に図書室で勉強してたり本読んでた方が楽だから。」

夕日に照らされる緋桐の表情は、どこか悲しげだと樒は感じた。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。