あれから放課後になり、僕は坂柳とその取り巻き達とカフェに向かっている。
「はぁ……」
「溜め息が凄いですね」
「そりゃ溜め息も吐きたくなる。……それにしてもSシステムを理解しきっている奴がリーダーのAクラスですら940ポイントなんだな」
「以前話した通りAクラスには2つの派閥出来上がっています。私ともう1人がその派閥のリーダーなんですが……」
「Aクラスで話題に挙がっている坂柳派と葛城派……か」
「はい、今月のイベント次第では来月のクラスポイントは1000を超えるでしょう」
Aクラスにおいて2つの派閥によってクラス全体が成り立っている。1つは保守主義の葛城派。そしてもう1つが攻撃型の坂柳派閥。今この場にいる取り巻きの2人は坂柳派の人間だ。
(しかし葛城と坂柳の派閥の形が凄く違和感あるな。容姿的に……)
葛城のあの容姿で保守主義とかどうなってるんだよ……。まぁ坂柳の性格からすれば彼女が保守……なんて事もないだろうが。
「それで?Dクラスは今後どうするんですか?」
「とりあえず3週間後にある中間テストで赤点を回避する為の勉強会を堀北、櫛田主体で行っているらしい」
「……それってアンタは行かなくても良いの?」
「行かん。あいつ等がどうなろうと僕の知った事ではないからな」
「呆れた……」
(まぁ池や山内には泣いてすがられたがな。あいつ等にプライドはないのか……?)
僕に呆れている奴は神室真澄(かむろますみ)。中学時代の万引き常習犯らしく、坂柳にその件で弱味を握られて坂柳派に入る事になっている。
「それはそうと、葛城派の情報をありがとうございます」
「気にするな。偶然僕の知り合いが葛城派の人間だった……。それだけの事だ」
「その人にも是非礼を言わなければいけませんね。何方か教えてもらっても?」
「必要ないだろう。何れAクラスに葛城派はいなくなるだろうからな」
「ふふっ。それもそうですね。ではその人にもよろしく言っておいてください」
「言っておこう」
「恐ろしい会話してんなぁ……」
「僕は客観的に見て、そこから事実を述べただけだ」
「白金がDクラスとか信じられないぜ。Aクラスでもおまえの上をいくのは坂柳ぐらいだろうな」
等と囃し立ているのは橋本正義(はしもとまさよし)。彼も坂柳派の人間で、彼の場合は場に溶け込むのが上手く、即時坂柳派に入った奴だ。
「そうでもありませんよ。白金君は入学試験のペーパーテストにおいて全教科満点を叩き出していますから、学力だけで言えば私よりも白金君が上でしょう」
「マジかよ!?すげぇなぁ……」
僕からしたら橋本も凄いと思う。主に人を持ち上げるのが。橋本みたいな奴は将来大成するだろうと睨んでいる。食えない奴だ……。
『生徒の呼び出しをします。1年Dクラスの綾小路清隆君と白金大介君、茶柱先生がお呼びです。至急職員室までお越しください』
「指名されてますね。何かしたんですか?」
「冗談だろう?僕程の優等生がそのような事をするとでも?」
「Dクラスの優等生……ぷっ!」
とりあえず吹き出した橋本は後日シメるとして……。
(僕と綾小路を呼び出しか……。となると双方の成績を誰かに見せる為か……?)
その相手は生徒会長の妹である堀北辺りだろうな。
「そういう訳だから、カフェには3人で先に行ってくれ」
「では先に行っています」
坂柳達と別れて僕は職員室に向かった。