この素晴らしい世界でエリス様ルートを   作:エリス様はメインヒロイン

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爆焔ルート完


アクセルの女神様

 上位悪魔のホーストを倒した俺たちはそのことをギルドに報告するとそれはもうすごく感謝された。魔剣の勇者に加えレックス達のパーティーもやられた相手だ。お通夜ムードだったところへのこの一報にギルド内では歓喜の声が上がっていた。

 そのまま宴会でも開きそうな勢いだったが俺たちは討伐の報酬をもらい、そのまま宿に帰って俺は緊張が切れたのかすぐに眠った。

 

 

 そうして翌朝。

 ギルドの酒場にて。

 

「いやあああー! ごめんってダクネス! それ以上力入れると頭割れちゃうからーー! もう許してーーーー!」

 

「それもいいかもしれないな。頭が潰れれば馬鹿な考えもしなくなるだろう」

 

「それもう死んじゃってるからね!」

 

 いつのまにか帰ってきたダクネスにクリスは折檻という名のアイアンクローをくらっていた。どうにか抵抗しようと腕を掴んでいるが彼我の筋力差は圧倒的。なすすべなどないのである。

 

「カズマ君も見てないで助けてよー! これ以上やられると頭が馬鹿になっちゃうよ!」

 

「ちょっと馬鹿になったクリスでも仲間として大切にするから安心していいぞ」

 

 救援を求めてきたが面倒なのでスルーした。彼女は神様なんだから救いの手を差しのばす方であるべきだと思うのだ。

 

「カズマには迷惑をかけたな。私の事情で悪魔の討伐に参加してやれなくて。本当にすまなかった」

 

「別にお前がいてもあんまり結果は変わらなかったと思うから気にしなくていいぞ」

 

「ちょっとあんまりダクネスをからかわないで! あ、締まってる、締まってきてるよダクネス! 今のはどう考えてもカズマくんが悪いと思うんだけど!」

 

 謝罪してきたダクネスの言葉を俺は一蹴した。結果火に油を注ぐことになりクリスの頭を挟む万力はより締め付けを強くした。

 

「キュウ」

 

 クリスの両腕がダランと揺れている。もはや意識も朦朧としているようだ。

 

「さすがにこれ以上はまずいか」

 

「止めなかった俺も俺だが流石にやりすぎじゃないか」

 

「こうでもしないと毎度無茶ばかりするからな。これくらいがちょうどいい」

 

 そう言ってダクネスは落ちたクリスの介抱を始めた。やはりこの2人は良い友人関係なんだろう。いつかクリスが自分の正体なんて気にせずに仲良くできたらいいのだが。

 

  ーーーーーーーー

 

 クリスをダクネスに任せて俺はある店に足を運んだ。そこは路地の奥にポツンと佇む一軒家。俺はそこのドアを開けた。

 

「いらっしゃいませー」

 

 店の中には優しそうなお姉さんが迎え入れてくれる。少し不健康そうだがどこか慈愛を感じさせるそんな彼女に俺は、

 

「一昨日ぶりですね。ガラクタばかり売ってるポンコツ店主さん」

 

「ええっ?!」

 

 とりあえず欠陥商品をつかまされた腹いせをした。

 

 

「すみません、すみません。私の商品がご迷惑をおかけしまして」

 

「いや、そんなに謝らなくても。俺も冗談がすぎたから」

 

 昨日のことを話すと店主さんは平謝りしてくる。確かにあのポーションのせいで一時危ない目にあったが結局のところ彼女の所の商品がなければ勝てなかったことにかわりはない。俺としては少し文句を言いたかっただけなのだが。

 

「じゃあこれ。この間もらった商品の代金」

 

「で、ですけど。ご迷惑をかけたのに代金を受け取るなんて」

 

「いやそれは俺としても後味悪いんだが」

 

 俺が金を渡そうとすると店主さんは受け取りを拒否しようとしてくる。最初にちょっと言いすぎたかもしれない。人としてはできた人なのかもしれないが商売人としてどうなんだ。

 

「いーから受け取ってくれ店主さん。役にたったものもあったんだから」

 

「でしたら次に来てくださった時にお安くしますので」

 

 この店の商品をまた買いに来ることがあるのかは疑問だが、素直に代金を受け取ってくれるのならその提案でいいだろう。

 

「じゃあその時はよろしくな店主さん」

 

「私のことはウィズで構いませんよ」

 

「じゃあ俺もカズマでいいよ。じゃあなウィズ」

 

「それではカズマさんまたのご来店を」

 

 そうして俺は店を後にした。

 

  ーーーーーーーー

sideめぐみん

 

「我が名はゆんゆん! やがては紅魔族の長となるもの! いずれ上級魔法を覚えてライバルであるあなたを倒して見せるわ!」

 

 旅に出ると言った私の友人兼ライバルは旅立つ前にそんなことを言ってきた。

 

「ふ、ゆんゆん如きにこの格好よく悪魔を倒した私に勝てると思っているのですか」

 

「あ、あの時のことは忘れてよ」

 

 勢いであんなことを言って来る恥ずかしい子が顔を真っ赤にしている。まあ私もあの時この子の言葉がなかったら怖気付いたままだったかもしれませんが。

 

「めぐみんはこれからどうするの?」

 

「そうですね。少しの間でしたがこの街のことも気に入りましたしこの街でパーティーでも組んでみましょうかね」

 

「でもめぐみんとパーティー組んでくれる人なんていなかったじゃない」

 

「おっとこんな所に生意気なことを言う悪い口がありますね」

 

「ひ、ひゃめてー」

 

 私はゆんゆんのほっぺをみょんみょんと引っ張ってやった。

 

「うう、まあカズマさん達ならパーティー組んでくれるんじゃない?」

 

「そうですね。あの男に拾ってもらいましょうか」

 

「うん。じゃあねめぐみん。次にあった時こそ決着をつけるんだから」

 

 そうして私の友人は旅に出て行った。

 

 カズマ達のパーティーですか。

 ゆんゆんの話に私は昨日の戦いを思い出す。カズマの指示に従って爆裂魔法を撃ちホーストを倒した。

 

 あの戦いは色々とおかしな所がある。

 特に違和感があったのは爆裂魔法で一撃で仕留められたことだ。あの悪魔の体は見るからに頑丈そうだった。普通に撃っても耐えれそうな所なのにあの時は暗闇でまともに当たるかもわからなかった。けれど視界が開けた時に私の予想に反してチリも残さず消えていた。

 私が見えなかったあの暗闇の中で何かがあったのだろう。それにカズマとクリスが関わっているのは確実だ。

 

 ただまあ、そんなことは別にどうでもいい。

 この街に来てから妙に目を引いた彼らのパーティーはいつも楽しそうだった。金髪の女騎士が暴れたり、銀髪の盗賊少女が笑いながらそれをなだめたり、それに対し少年は面倒臭そうにしつつも楽しんでいた。

 いつも騒がしい彼らを呆れつつもどこか羨んでいたのかもしれない。彼らに何か秘密があるかなんて別に関係ない。私もそこに混ざってみたい。ただそれだけで十分だ。

 

  ーーーーーーーー

 

「え、やだよ」

 

「おい」

 

 ギルドに帰ってクリスとダクネスに合流するとめぐみんがパーティに入りたいと言ってきた。もちろん断った。

 

「この間はクリスとゆんゆんと一緒に暗がりの中あんなに激しいことをしたのに! 私の後ろから抱きつきあんな凄いものを放ったのに!」

 

「確かに間違ったことは言ってないが、その紛らわしい発言はやめろ。ギルドの視線が氷点下になったぞ。というか女の子がそんなギリギリの発言をするんじゃない」

 

 話を聞いていた女冒険者からは女の敵と言った目を向けられている。まっとうな俺は変態騎士と違ってそういった視線で興奮はできないからやめてほしい。

 

「別にあたしは構わないよ。人は多い方が楽しいし」

 

「ああ、私も賛成だ」

 

「ふ、どうやら他の2人の了承は取れたようですね。では、今からこの人類最強の矛があなた達パーティーの力となってあげましょう!」

 

 俺の意見など通らずにめぐみんがパーティー入りした。こんな使いづらい二つの意味で爆弾のような奴と一緒で大丈夫なのだろうか。まあ嫌いな奴ではないしクエスト以外ならうまくやっていけるとは思うが。

 

「君も素直じゃないね」

 

 ニマニマとこっちを見てくるクリスさん。そのたまに見せる人を見透かした様な勘のよさはなんなのだろうか。

 

  ーーーーーーーー

 

「あーーー、疲れた」

 

 俺は部屋に入るとそのままベッドにダイブした。

 あの後めぐみんのパーティー入りを祝して少し豪勢な夕食を取った。ここ最近いろいろと張り詰めた空気だったので久しぶりに普通に飯が食えた。

 

「ふふ、お疲れ様です」

 

 俺の後に部屋に入ってきたエリスは俺のベッドの横に椅子を運んでそこに座った。仰向けに寝ているおれの顔を見下ろすような感じになっている。

 

「なんで飯食うだけであんな騒がしいんですか、うちのパーティーは」

 

 普通とは言ったが俺たちの普通は、どこか世間知らずなダクネスが変な料理の注文やドMを暴走させた発言をしたり、クリスはすぐに酒を注文して出来上がってくると先輩が先輩がとよくわからない愚痴を言っていたり、新規メンバーめぐみんもお前は男かと言いたくなるほどガツガツと飯にありつく。みんな慎みと言うものがないのだろうか。俺? 俺はまあ酒が入ったらセクハラ発言が増えるだけだ。

 

「カズマさんも大概だと思いますよ」

 

 そう言いながらもエリスは優しい笑みで俺を見ている。酒が抜け切ってないのか少し頬が赤い。あれ? この状況なんかいい雰囲気じゃね?

 

「エリス様。俺今回頑張りましたよね」

 

「そうですね」

 

「じゃあ褒めてください」

 

「よく頑張りました」

 

「頭撫でてください」

 

「よしよーし。偉いですねカズマさんは」

 

「お水飲ませてください」

 

「ほーら。こぼしたらダメですよー」

 

 これがバブみというものか。頑張った俺へのご褒美をお願いしたが酔っているせいかエリスもノリノリである。これは踏み込んだお願いもいけるのでは?

 

「エリス様、今夜一緒のベッドで寝て…」

 

「カズマさん?」

 

「…すんません」

 

 声の温度が下がったのを感じる。どうやら調子に乗りすぎたようだ。もう少し軽めのお願いにするべきだったな。

 

 俺も酒のせいか少し眠くなってきた。まぶたは落ちて胡乱とした頭で考える。

 あの戦いは俺のわがままで始まったことだ。それでどうにか上手くやろうとしたけど、結局最後はエリスに頼ってしまった。もし次があるなら…。

 

「次は…もっとうまく…やりますから…」

 

 そうして俺は眠りに落ちた。

 

  ーーーーーーーー

 

 彼はどうやら眠ったようだ。最後の言葉は昨日のことだろう。私としては十分以上に上手く収まったと思うのだが。

 

 彼とこっちにきてもうすぐ半月といったところか。お互いに振り回したり振り回されたりの日々だった。けれどそれはとても楽しい時間だった。

 

 始めはあの退屈を壊してくれるなら誰でもよいと思っていた。けれど今はそうは思わない。彼は私の思いを汲んで頑張ってくれた。抑えていた私のわがままを叶えてくれた。そんな優しい人だ。

 

「ありがとうございます、カズマさん。一緒に来た人があなたでよかった」

 

 彼に聞こえないよう小さな声で感謝をつむいだ。

 

  ーーーーーーーー

 

 あれから数日後。

 クリスと2人でギルドに行くとレックスに出会った。彼らのパーティーは悪魔にやられて治療中だったはずたが完治したらしい。

 

「よう坊主にクリス」

 

「いい加減その呼び方やめてくれないか」

 

「怪我治ってよかったね。ところでその大荷物どうしたの?」

 

 確かに何やらいろいろ入ってそうな鞄を持っている。今からクエストに行くにしては多すぎる気がする。

 

「いやな、俺たちもここら辺のモンスターじゃ相手にならなくなってきてよ。ならそろそろ王都にでも乗り込もうかと思ってな」

 

 王都は魔王城に近く高レベルのモンスターが日夜襲ってくる場所らしい。俺みたいな低レベル冒険者が行ってもなんの役にも立たないだろう。

 

「しかし、坊主やあの口だけ嬢ちゃんがまさかあの悪魔倒しちまうなんてな。案外お前たちもすぐに王都入りしてくるかもな」

 

「からかってんのか。俺みたいな冒険者がそんな所に行けるわけないだろ」

 

 なんかこいつには出会ってから毎度からかわれてるな。何がそんなに面白いのだろうか。

 

「君もちゃんとレベルあげていけばいつかはいけるよ。あたしも手伝ってあげるんだから」

 

「そのいつかってずっと先の話だろ」

 

 クリスのフォローに俺は抗議する。そんな俺たちのやり取りを見てかレックスはニヤニヤしていた。

 

「まあ王都に来ることがあったらそん時はよろしくな。その時にお前たちがどんな風になってるか楽しみだ」

 

「「?」」

 

 何のことかは俺もクリスもよくわからなかった。そうして彼は他のパーティーメンバーに呼ばれギルドを出て行った。

 

 

 

「カズマ、何をやってるんですか?」

 

「今日は少し遠出のクエストに行くのだろう。早くしなくていいのか」

 

 先にギルドに来ていためぐみんとダクネスが話しかけてきた。どうやら少し待たせてしまったようだ。

 

 ここは駆け出しの冒険者の街、アクセル。

 この世界に転生してきたばかりの俺にとってはお似合いの街なのだろう。そこに連れてきた女神様と出会った変な仲間たち。今の俺はありきたりなフレーズだがこう言いたい。

 

「それじゃあカズマ君、クエスト行ってみようか」

 

「いっちょやってやるか」

 

 俺たちの冒険は始まったばかりだ。

 

 




別に連載は終わりません。
とりあえず爆焔の分が終わり一区切りと言ったところです。
ようやくパーティーが4人になりました。ここから原作一巻の時系列に入ります。

めぐみんはカズマとクリスの違和感に気付いてます。まあ正体までは分かってないんですが。


とりあえず一冊分の話を書いたので感想を。
やっぱり文章書くのって難しいですね。
キャラに違和感を感じて原作確認してセリフとか行動を真似てると何か自分が書く必要なくねと感じることが多々ありました。今後は多少の違和感があっても自分なりの表現を頑張りたいです。
ただ自分で物語の流れを考えてそれを表現するのは大変ですがとても新鮮な感覚で中々飽きがきません。
どこまで書けるかわかりませんがまあ頑張っていきます。

ここまで読んでくださったみなさんに深く感謝を。
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