この素晴らしい世界でエリス様ルートを 作:エリス様はメインヒロイン
自身の不祥事により女神エリスの世界での仕事を任された女神アクア。その期限はエリスが天界に帰ってくるまで。果たして彼女はどうなってしまうのか。
普段アクア様がどういった仕事をしているのか。そんなあなたの疑問を解決するために今日は、アクア様に密着してみた、をお送りしたいと思います。
「なんでこっちの世界はこんなに死んでくる人が多いの?!毎日日本の3倍くらい送られてくるじゃない!」
どうやら今は死んだ人の魂の案内をしているようですね。
「エリスー、手伝ってよー。ってそういえばいないのよねあの子」
女神エリスの名前を呼んでいるようです。いなくなったのには自身も関与しているはずなのですが忘れているのでしょうか。それとも日常的に仕事を手伝ってもらっていた時の癖なのでしょうか。
おっとどうやら地上からまた1人死者が送られてきたようですね。アクア様も居住まいを正しています。こうゆう所はしっかりと仕事をしますね。
「ここは…どうやら私は死んでしまったようですね」
送られてきたのは男性の老人でした。どこか満足そうな顔をしているのは天寿をまっとうし穏やかに死を迎えたからでしょう。
「ようこそ死後の世界へ。あなたはその生涯を終えてここに送られてきました」
「おお、あなたがエリス様ですか。地上に伝わる御姿とは少し違いますがなんとお美しい。そのご尊顔を拝することができるとは死んでよかったとさえ思うほどです」
どうやら彼は敬虔なエリス教徒のようですね。死後は皆女神エリスの元に送られるのがこの世界の常なのでどうやら勘違いしているようです。
「私はエリスじゃないわよ。あんな上げ底と一緒にしないでくれる」
それに対してアクア様は後輩女神と勘違いされて少しご立腹のようです。
「そ、それは大変失礼なことをしました。お名前を伺っても構いませんか」
予想外の返答に男は焦っています。神の名前を間違えたのです。自身が信仰していた女神とは違う神とはいえ無礼を働いたことを悔やんでいる様子。
「ふふ、私はアクア。水を司る女神アクアよ。エリスなんていうパチモン女神とは格が違う本物の女神よ」
「め、女神アクア? あのアクシズ教の御神体の?」
アクア様が自身の名を尊大に告げているのに対して男は明らかに動揺しています。それに対し自身の偉大さに男が恐れ慄いていると思ったのかアクア様は上機嫌です。
「私の名前を聞いて驚いたようね。喜びなさい、この女神アクアがあなたの死後を…」
「う、うう…」
男は静かに涙を流しています。一体どうしたのでしょう。
「女神エリスよ。生涯あなたに対し祈りを捧げ日々を懸命に生きてきたつもりでした。しかし死後私の前にあらわれたのアクシズ教の御神体である女神アクアです。私は知らないうちに貴方様に無礼を働いていたのですか。これがその罰だというのなら甘んじて受け入れます。だからどうか私の罪をお許しください」
「私と会うのが罰って言ったわね。こっちにきなさい。グー食らわしてやるわよ、グー」
女神としての余裕や貫禄と言うとのはないのでしょうか。話が進まなそうなのでアクア様は事情を説明しました。
「重ね重ね無礼を働き申し訳ありません」
「べっつにー、私と会うのは罰なんでしょ。いいわよそんな見えすいたお世辞なんて言わなくても。いいからさっさと天国行くか生まれ変わるか決めてちょうだい」
「私は十分に生きましたから、天国で穏やかに過ごすことを望みます」
「はいはい、それじゃあ良い天国ライフをー」
やさぐれた様に適当に案内をしていますね。相当頭にきているようです。
「感謝します女神アクア様。確かに女神エリスにお会いできなかったことは少し心残りですが貴方にお会いできたことも私にとって光栄なことです」
「…天国は暇な所だけどあなたなら満足して過ごせると思うわよ」
それに対し男は敬意を持って感謝を述べています。その言葉に何か感じたのかアクア様は穏やかな笑みでその男性を送りました。
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「そう言えばエリスって今地上で何してるのかしら?」
女神は見通す目を持っているので地上の様子を見ることができます。
「どこにいるのかしらねーあの子。見つからないわねー」
どこか空中を見るような感じで唸ってますね。はたから見ると変な人です。
「おかしいわね。この街にいる気がするんだけど。見た目が似てる盗賊っぽい子はいるんだけどなー」
どうやら女神エリスが姿を変えていることに気づいてないようですね。
「あ、いーなー。あの子昼間っからお酒飲んで。私も仕事サボって何か飲もうかしら」
自分がサボったせいでこんな状況になっているのですが本人からその反省を感じません。
「あら、変な男が近づいてきたわね。何というかいかにもニートって感じの奴だけど」
彼が女神エリスを連れて行った張本人なんですけどね。
「んー、やっぱり見つかんないわね」
どうやら探すのは諦めたようです。まあそんな暇があったら積んである仕事を早く片付けた方がいいですからね。
「あー、何かやる気も無くなったなー、今日はこの辺でいいでしょ。私十分頑張ったもの」
しかしさすがアクア様。仕事など後回し、とっても自由です。まだ今日の仕事の半分も終わってないのですが。
「それにしても暇ねー。日本と違って何にもないわねこの世界」
アクア様は日本支部では時折地上のものを取り寄せていたそうです。だから無駄に日本のオタク知識に詳しかったりします。
「そうよ。せっかくこっちの世界を任せられたんだから地上に降りて私のかわいい信者達に会いに行けばいいじゃない! やっぱり私って天才ね」
誰も見てないところでドヤってます。女神が地上に降りるのは天界規定で制限されてるのですが。まあアクア様はルールに縛られない女神なので仕方ないですね。諦めました。
「そうと決まればさっそく地上に…ちょっとまた魂が上がってきたんですけど。空気を読んで欲しいんですけど」
死人に対して空気読めとはそれいかに。それでもアクア様はしょうがないわねーと仕事に戻るようです。少しは前回の反省をしているようです。
それではそろそろ時間も良い所なので本日はここまでです。アクア様に密着してみた、見てくださってありがとうございます。
え? 私が誰かですか? 私は私。どこにでもいる私ですよ。そうですねここではナレーションを担当しています。
それではまたいつの日か。
「まったくエリスは仕事放って置いて何してるのかしらねー。しょうがないから先輩であるこの私がやってあげてるけど帰ってきたら覚えてなさいよ」
ちゃんとお仕事できて偉いアクア様でした。
何か密着取材みたいな感じで書いてみたかったのでこんな感じになりました。ナレーションの人はメタイ存在の人です。またこんな感じで書くことがあったら登場します。
本編に出す予定なんですけどまだまだ先なのでここで書きました。登場させるとエリス様と役割かぶってくるからね。仕方ないね。
地上に降臨フラグが立ちました。たぶんいつのまにか地上に遊びにきてます。やったねアクシズ教徒のみんな。