この素晴らしい世界でエリス様ルートを 作:エリス様はメインヒロイン
「佐藤和真さん...。ようこそ死後の世界へ。あなたは不幸にも亡くなりました。私はあなたに新たな道を案内する女神、エリス。この世界でのあなたの人生は終わったのです」
気がつくと俺は真っ白な部屋に座っていた。
唐突に告げられた自分の死は理解できなかった。
それ以上に目を奪われていた。
ゆったりとした白い羽衣に身を包み、長い白銀の髪と白い肌
どこか儚げな美しさを持つ表情
自分より少し年下に見えるその少女に。
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「あのー、佐藤和真さん?大丈夫ですか?」
俺が固まっているとその人は心配そうに名前を呼んできた。
「ひゃぃ」
ちくしょう、引きこもりの弊害か声が上ずっちまった。
そんな俺の様子に気づいてないのか少女は安堵した表情を浮かべていた。
「よかった。声をかけても返事がないので何か不調があるのかと」
「いえ突然のことで頭がまわんなくて」
「しょうがないですよ。大切な命を失ってしまったのですから」
少女に言われて改めて俺は死んだ時のことを思い出す。
俺の名前は佐藤和真。
引きこもりの俺が偶然外出した時に、1人の少女がトラックに轢かれそうになって、俺がそれを庇ったところまでは覚えている。
おそらくあのトラックが死因なんだろう。
「あの、俺が死ぬ時に助けた少女はどうなりましたか」
聞かずにはいられなかった。
自分が命を賭して助けた少女の安否を。
「え、ええ、足を骨折しましたが御存命ですよ」
きっと俺はあの少女を救って死ぬ運命だったのだろう。
ならば悔いはない。
「そうか、それはよかった」
「は、はい。本当によかったですね」
?
先程から少女の様子がおかしい。
まるで俺に隠し事があるかのような雰囲気だ。
まさか!?
「本当のことを言ってください」
「え」
俺の言葉に少女は焦った様子を見せる。
間違いない。
彼女は嘘をついている。
「優しい嘘は時に人を傷つけます」
「で、でも」
「俺はどんなことがあっても現実を受け止めます」
「ほ、本当にいいんですね?」
少女も真実を伝える気になったようだ。
ならば俺も目を逸らさずに真実に向き合おう。
「覚悟はできてます」
そして少女は残酷な現実を告げた。
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「嗚呼アアああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっ」
「お、落ち着いてください」
「アーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ」
落ち着けるかってんだ!
何?
トラックじゃなくてトラクター?
少女を助けたんじゃなくて怪我させただけ?
おまけに死因は勘違いによるショック死?
何が優しい嘘は人を傷つけるだ!
嘘のままにして欲しかったよ、誰だよ真実教えろって言ったの?
俺じゃねえかバカやろー!
現実を受け止める?
覚悟はできてる?
受け止めれるかこのやろー!
「あ、あの家族の方はきっと悲しんだと思いますよ。報告書にには、えーっと、家族の方々は思わず吹き出してしまったと...」
「嗚呼アアああぁぁぁぁあーああぁぁぁぁあーああぁぁぁぁ」
「え、えっとお気の毒に............ぷっ」
「⁉︎」
さすがの少女も堪えきれなくなったのか吹き出してしまった。
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「ごめんなさい、ごめんなさい」
先程から少女が平謝りしてくるが俺には何も響かない。
現実なんてこんなもんだ。
俺は何を期待していたのだろうか?
「死にたい...」
「?もう死んでますよ」
そうだった。
世知辛い。
そうして俺がこの世のすべてに絶望していると少女が近づいてきた。
椅子で項垂れている俺の正面に着くと少女は屈んで手を取りまっすぐ俺の顔を見ながら話しかけてきた。
「悲しいのは死んでしまった和真さんなのにそれを笑ってしまうなんて、本当にすみません。確かにあなたが助けなくても少女は無事でした。現実は残酷かもしれません。けれどあなたが少女を助けようとした気持ちは本物で誇ってよいものです」
少女は強く俺の手を握りながら続ける。
「その気持ちに私は敬意を抱きます。次の生ではその気持ちが報われることを祈ります。お疲れ様でした。頑張りましたね」
少女は微笑みながら俺の人生を労ってくれた。
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「落ち着きましたか?」
「はい」
俺の首肯に嬉しそうに少女は笑った。
「もう大丈夫みたいですね。それでは改めまして私は幸運を司る女神、エリス。いつもは別の方なのですが、こちらも事情がありまして。今回は私がかわりにあなたの死後を導く役を務めさせていただきます」
椅子に腰掛けた少女、エリスは俺に3つの選択肢を提示してきた。
天国に行くこと。
生まれ変わること。
そして最後の一つ。
「異世界転生?」
「今のあなたのまま異世界に転生されるので生まれ変わるというわけではありませんが」
そうしてエリスは転生について詳しく説明してくれた。
やれ、言語はどうだの、特典がつくなど、魔王がどうだの、頭がパーにはなるかもと。
まあ少しリスクはあるようだが俺は生まれつき運だけには自信がある。
そう意気込んでいる俺に、最後にとエリスは申し訳なさそうに今回自分が担当を変わった経緯と俺の運のステータスが下がっていると告げた。
彼女がいうにはほんの気持ち程度下がっただけだと言うが一番自信があったものが下がっているとなると気後れしてしまう。
(やっぱり確実な生まれ変わりを取るべきか?)
そんな悩む俺をみてなのかエリスは
「佐藤和真さん、お願いです。その世界は私が見守っている世界なんです。どうかわたしの世界を救うのを手伝ってくれませんか?」
祈るようなポーズでお願いしてきた。
「もちろんさ」
俺ってちょろいなー
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「それではこちらが転生特典となります」
そう言ってカタログを渡してきた。
その中には
約束された勝利の剣、十二の試練、天地乖離す開闢の星などなど。
明らかに世界観が違うというか、これチートじゃね?いや特典(チート)なんだけど、というか英霊召喚ってこれ完全にfat○じゃん。
他にもさまざまな武器や特殊な能力が書かれていた。
そうして気づいたらすっかりとカタログを読みふけっていた。
ふと前からの視線を感じ顔を上げると、いつのまに用意したのかティーカップを持ちながら微笑ましいものを見る目をしていた。
「すいません。待たせちゃって」
「いえいえ。その特典はあなたが向こうの世界で生きていくための力になるものです。いくらでも悩んで大丈夫ですよ」
「特典ってここに書いてるもの以外でも大丈夫なんですか?」
「そうですね。さすがになんでもはありませんので用意できるものでなら構いませんよ」
俺は考えた。
転生した向こうの世界で俺は一体何がしたいのか。
冒険者同士でのライバルや友情?
ダンジョンを攻略し莫大な富を得る?
魔王を倒して英雄になる?
どれも間違ってない。
だが本当に必要なのはそう
(メインヒロインだ)
誰かが隣にいてこそ冒険の感動は際立つというもの。
だがそう都合よく相手が見つかるとは思えない。
たとえ見つかったとして目の前の彼女以上の人がいるだろうか。
いやない。
しかも相手はチートを与える女神様だ。
つまり彼女1人を連れて行けばこのカタログの中身を丸々使えるということではないか。
(やはり俺は天才だったか。これなら一石二鳥どころか百鳥とってもお釣りが出るぜ)
カタログを閉じた俺に気づいた彼女が声をかけてきた。
「決まりましたか?」
「はい」
俺はすっと立ち上がりながら答えた。
「それでは特典を仰ってください。向こうの世界についた時に近くに一緒に転移させますので」
その言葉に対して俺はできる限りのイケボで
「女神エリス、あなたが欲しい」
「はい承りました。それではあなたの旅路に祝...ふくを?」
彼女を選んだ。
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えっと彼は今何と言ったのでしょうか?
確かに用意できるものならなんでもとは言いましたけど。
さすがに女神本人を連れていくのは...
え、いける?
無効じゃないんですか?
ち、ちょっとまだわたし仕事ありますし、それに地上にわたしの本体が降りるのはまずーーーー
彼女の言葉が終わる前に異世界の門に2人はすいこまれていった。
こうして少女の退屈な日常は一人の少年によって崩れ去った。
原作の転生特典にアロンダイトがあったから、fat○ネタぶっ込んだ。
当然ですが本編には出ません。
カズマさんの運が下がったのは、エリス様とカズマさんの運最強コンビが揃ったらイベント発生しなくね、とかいう作者のどうでもいいこだわりで下がりました。
まあめちゃくちゃ運がいい人がすごく運がいい人になった程度です。
あんま変わりません。
おまけ
転生特典がfat○だったら
カズマ 「英霊召喚、来いセイバー」
アルトリ○「エクスカリバー」
魔王軍幹部「ぐわー」
セイバー 「カリバー」
魔王城 「ぐわー」
青王 「バー」.
魔王 「ぐわー」
このすば完
「お腹が空きました」
「食費で借金がー」
多分これでいける
読んで頂いた読者に深く感謝を!