黒の剣士と茶の銃士   作:正直者ライアー

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SAOアニメ二期までのキャラで無かったり少なかったりする要素をかき集めて作ったような主人公です。
・男(SAOはキリトがハーレムしてるから女キャラが圧倒的に多い気する)
・褐色肌(エギル?誰かな?)
・キリトとあんまり仲良くない(キリトって男女問わず好かれすぎな気するんすよね。あんまりの所大事っすよ。あんまりね、あんまり)
  


引き金

 思い出すのは年に似合わず少し大人びた声だ。いつもつまらなそうにしていて、いつも独りで嫌われ者で。私をみては聞こえないようにざわざわと話す集団をガラスの破片のように鋭い目でみて「うるせぇな」って言ったあの少年だ。それは私を包む真っ暗な闇を切り開いた小さな光だった。

 目が覚めて、いつも通りの部屋が視界に映る。隣には規則正しく寝息を立てる青年がいて、私は彼の真っ黒な髪を撫でた。褐色の肌で、切れ長の緑色の目で、端正な顔立ちで、純血の日本人ではないことが分かる顔が特徴的だ。

 

「おはよ」

 

「ごめんなさい。起こしたかしら?」

 

 俺は時計を見る。時刻はまだ2:00だ。朝ですらない。

 

「怖い夢でも見たか?」

 

「うん」

 

思い出させないように夢の内容は聞かなかった。俺は抱きしめて頭を撫でた。

 

「詩乃。大丈夫。俺がいる」

 

「ありがとう、雅」

 

 

 

 

 

 次に目覚めた時はしっかりと朝だった。目を開くと良い匂いが漂ってきていて台所を見ると詩乃が立っていた。

 

「おはよ。朝飯作ってくれたのか?」

 

「ええ。簡単なものだけど。どうせファストフードかカップ麺しか食べてないんでしょ?身体に悪いものばっかり食べて。たまには自分で作りなさい」

 

「バレた。久しぶりの手料理だな。ありがたい。頂きます」

 

ホカホカと湯気を立てる味噌汁には白菜と油揚げで少量唐辛子がまぶしてある。俺の好みを完全に理解しているそれに箸をつけようとした時に携帯電話が鳴った。菊岡という文字が表示されていて俺はものすごくイライラしながら電話に出た。

 

「あ、出た出た。おはよう雅くん」

 

「用は?」

 

「ん?何か機嫌が、、」

 

「だから用は?」

 

「いやぁ、今日来て欲しい場所があるんだけど用事は有るかな?」

 

悔しいことに用事はない。

 

「、、、無い」

 

「よし、それじゃあ場所については送っておくよ。じゃあね」

 

俺は電話を切った。直後に場所が送られてくる。銀座にあるレストランだ。

 

「誰?」

 

「前に話した菊岡だ」

 

詩乃が心配そうな目を向けている。俺は口角を上げて頭を優しく叩いた。

 

「心配すんな。こんな良い彼女いときながら浮気なんてできねぇよ」

 

恥ずかしそうに顔を真っ赤にしてそっぽを向く詩乃。若干口角が上がっているのは気のせいか。

 

「なんかムカつくけど大丈夫そうね」

 

 

 

 

 

 そして予定の時間が近づき、俺は適度に整った服装で、家を出た。

 指定されたレストランに入ると高めの声が俺を呼んだ。

 

「ミヤビくん。こっちだ」

 

呆れた顔でそこへ向かうとそこには見たことのある顔があった。

 

「げっ!?フーガ!?」

 

「ここではミヤビだ。それで菊岡、なんの依頼だ?」

 

「まぁまぁ座って落ち着いて。しっかしデカイからみつけやすくて便利だねぇ。なんでも頼んでいいよ」

 

ウエイターにメニューを渡される。

 

「エスプレッソとフランボワズのミルフィーユ。エスプレッソは4ショットで頼む」

 

「流石久我のお坊っちゃまだ。こういう場所は慣れているのかな?」

 

「からかうな。ガキの頃は外国暮らしだしそもそも分家だし親が外国人と駆け落ちしてるから実質勘当だ」

 

ウエイターがエスプレッソとスイーツを持って来て、砂糖をスプーンで三杯程入れて一気に飲み干した。

 

「それで、依頼は?」

 

「ミヤビくん。君はGGOプレイヤーだよね?」

 

「ああ。そうだ」

 

「デスガンというのは聞いたことがあるかな?」

 

最近GGO内で話題に上がっている都市伝説だ。ついこの間トッププレイヤーが映像放送中に謎の死を遂げたのだが、その直前に画面内のゼクシードに向かってキザな言葉を言って発砲した奴がいてそいつがデスガンと名乗ったという。

 

「ああ。話題の都市伝説だ」

 

「知っているなら話が早い。君と和人君にはデスガンを調査してもらいたい。そしてもう既にGGOではそこそこ名の知れているプレイヤーの君には和人君の護衛を頼みたい。これが話していたアルバイトだよ」

 

馬鹿馬鹿しい話である。SAO事件が起こり得たということはゲーム内の死を現実の死に繋げることは可能であるがそれはナーヴギアを使用した場合であって後継機であるアミュスフィアでは有り得ない。

 そう思ってみるがしかし嫌な予感が背筋を撫でた。ゲーム内の死を現実に繋げることは現在不可能であってもそう見えてしまうように殺すことは簡単だ。実際ダイブ中は普通に寝ている時よりも無防備だから上手く家に入ることさえできればバレずに殺すことなんて容易だ。それに、、、。考えるのを辞めた。気分が悪い。

 

「付き合ってられね。そもそもなんでこいつのお守りしなきゃいけねぇんだ。SAO終わらした黒の剣士キリト様なら余裕じゃねぇの?」

 

「まぁまぁ聞いてくれ。コーヒーもう一杯飲んでいいから。そうも言っていられないんだ。大体にしろSAOとGGOのゲーム性の違いは君が一番分かっているだろ?SAOとは同じようにいかないかもしれない」

 

「ミヤビ。俺からも頼みたい」

 

「結構優良なバイトだと思うけどな。好きなゲームやって稼ぐって。ゲームでちょっとの期間の護衛任務クリアしたら彼女と遊ぶお金貰えるなんて、、」

 

「なんで彼女いるの知ったんだよ。ああ。クソ。仕方ねぇ」

 

「この間本当に偶然みかけちゃってね。それじゃ契約成立だね」

 

ニコニコ笑う菊岡の顔がうざい。俺は和人を一瞥した。こいつとはSAOの時から馬が合わず何度も言い争いになっていた。そんなやつを護衛するだなんて。取り敢えずこれから上手くやっていきさっさと終わらすしか選択肢はないのだろう。

 

「取り敢えず、よろしくな」

 

手を差し出した。和人は目を開いたり閉じたりしながら俺を見ている。

 

「握手知らねぇの?」

 

「ああ。ごめん。意外だなってびっくりして」

 

和人が俺の手を握る。2、3回乱暴にシェイクして俺はホテルを後にした。




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