黒の剣士と茶の銃士   作:正直者ライアー

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 読んで頂きありがとうございます。それと意見してくれた方本当にありがとうございました。作品の質を高めることが出来るので意見がある方は是非是非感想欄でよろしくお願いします。

詩乃と雅は一緒のアパートに住んでいて隣同士です。


パンドラ

 肌寒い東京、俺は自転車を走らせていた。

 これまで俺は自分の過去を探ろうとは思わなかった。何か知っているようだった菊岡からは知ることを止められていた。なにより俺の記憶喪失は外部によるものが原因ではないと検査結果はでていた。それは俺が喪うことを望んだ証拠で忘れる以外にもうどうしようも無かったということを示していた。しかしそうもいかない。

 俺はあの赤目を知っていた。自信がある程に知っていた。あれが良くないものであることも薄々分かっていた。あれがデスガンなのではないか?下らない妄想は加速していった。あいつに会った時、悪寒を感じて息ができなくなった。

 自転車を漕ぐ足が次第に強くなる。そしてとある店についた俺はスマホに送られてきた地図と場所を見比べて、店の扉を開いた。

 扉を開くと木製の落ち着いた店内が視界に広がった。ダイシーカフェと看板はあったがカフェバーのようで、未成年の俺はまず立ち寄ることもないだろう店だ。カウンター席にはキリトが座っていた。

 

「来たか」

 

キリトは俺を見て手招きをする。椅子に座るとキリトは声を張って厨房の奥に呼びかけた。

 

「エギルー!フーガが来たぞー!」

 

エギルについてはしっかりと覚えている。ボス攻略を共にしたこともあった。店の奥からエギルが出てきて俺の顔を見るなり笑みを浮かべた。

 

「よう。フーガじゃねぇか。久しぶりだな」

 

「ああ。リアルで会うのは初めてだな。こっちでは雅だ。よろしく」

 

「おう。ギルバートだ。エギルでもギルバートでもいい」

 

エギルと握手を交わし、三人で軽く雑談しあい、頃合いを読んで俺は本題に切り出した。

 

「キリトはもう知っているだろうが実は俺はSAO内の記憶の一部を無くしている。今日は俺について聞きに来たんだ。俺は向こうで何をしていた?誰といた?」

 

エギルはキリトと顔を見合わせた。密かに言っていいのか?って言っている声が聞こえた。そして決心がついたようでエギルとキリトは俺に向かった。

 

「なぁ、雅がSAOで何をしていようと今の雅が雅だ。それは忘れないでいてくれ」 

 

そうキリトが言った。俺は返事をした。

 

「お前がSAOでやっていたのは端的に言うと殺しだ」

 

エギルにそう言われ俺は首を傾げた。殺し?何を?

 

「まぁヒットマンとでも言うべきか?依頼を受けてプレイヤーを殺して金を貰う」

 

頭を鈍器で殴られたかのような衝撃が走った。呼吸が荒くなる。SAO内での死は現実での死だから本当だとすれば俺はただの殺人鬼だ。

 

「ただ、お前がやっていたのは殺人ギルドのメンバーだとか凶悪なレッドプレイヤーだとか、牢獄送りにする意味もない奴らだったそうだがな」

 

救いのつもりだろうか。正義の味方とでも言うつもりだろうか。それは正義でもなんでもない。ただの人殺しだ。

 

「SAOってのは圏外に出ちまえば実質法なんてもんはねぇからな。お前がいてくれてよかったってやつは沢山いたと思うぜ。牢獄送りにされても終われば結局出てくるんだしな。それにお前は特殊だったからな」

 

「特殊?」

 

「それも覚えていないか。お前にはユニークスキルがあってな特定の状況下なら何をしても赤プレイヤーになることはなかったんだ」

 

ゲームからも俺が殺しをすることを望まれているようだった。自分が殺し屋。信じきれない。エギルとキリトのフォローが余計に辛い。まるで過去の自分が今の自分と別人であるかのように感じた。

 何もかも分からなくなってイカれる一歩手前の感情で俺は真っ暗な部屋で仰向けになった。自首すらできない。俺を裁ける法はない。それが余計に辛い。そして殺した人間すら覚えていない。俺は人間なのか?という自問が永遠に続いたその時、インターホンが鳴った。

 

「ミヤビー?いるんでしょ??」

 

詩乃だ。携帯の着信履歴を見てみるとメッセージも通話も詩乃で一杯だった。今は会いたくない。こんな姿は見せられない。

 

「、、、。はぁ。開けなくて良いからベランダまでは頑張って出てきて」

 

 俺は渋々ベランダに出て、仕切り板を背もたれにして座り込んだ。後ろからも音が聞こえて、仕切り板が凹むのを感じた。きっと俺と同じ体勢なんだろう。

 

「どうしたのよ。昨日の夜中も、今も。おかしいわよ。何かあったの?」

 

「、、、。詩乃は今まで信じていた人間が元々人殺しだとしたら驚くか?」 

 

「どうしたのよ。いきなり。まさか、、私のこと?」

 

詩乃のことではない。詩乃は殺したくて殺したんじゃない。だけど俺は殺そうとして殺した。これは罪だ。

 

「違う。俺だ」

 

「?雅が?」

 

「俺がSAOで人を殺して金を稼いで!相手は悪人だからと正当化して!現実に戻れば全て忘れて罪を忘れて!俺って本当に人間なのか!?」

 

「言わないで!!」

 

必死の詩乃の声が俺を遮った。

 

「お願い。それ以上は言わないで」 

 

必死で切実な詩乃の声が俺を遮った。

 

「私は、どうしたらいいのか分からない。でも小学生の頃、私が強盗を撃って自分でもなにが正しいかったのか分からなくて周りからは殺人鬼とか言われていた時に助けてくれたのは雅だよ。あの時から何があっても雅を信じるって決めた。私は

 




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