弐話目です。
浅草
鎹鴉からの指令報告により浅草に鬼が潜んでいるとの噂を聞き浅草に向かったジューゴたち。
日はとうに沈み、夜となった。
禰豆子は自由に動ける刻となったがまだ少し寝ている。
そんな中、ジューゴと炭治朗はというと・・・
「大丈夫か?炭治朗。」
「め、めまいがする。」
田舎の山暮らしをしていた炭治朗が都会の街の夜の明るさや建物の高さなどに困惑し、ふらついていた。
「ジューゴは大丈夫なの?」
「俺は何回か別の街に来たことあるからな。別に問題ない。」
「そうなんだ。と、とにかくあっちに行こう。」
都会と人込みに慣れず人が少ない場所へと移動した。
離れにうどん屋の屋台がありそこで一旦休むことにした。
「山かけうどんください・・・」
「俺はかき揚げうどん。」
「あいよ」
ゲッソリとした炭治郎と平常のジューゴを見て屋台のおっさんは驚いていたが注文は快く引き受けてくれた。
うどんができるまで腰を下ろして待っていたが炭治郎はまだ疲れが出ている様子だった。
「しっかりしろよ炭治郎。鬼殺隊になって鬼退治するからにはまた此処みたいな街に行くこともあるだろからよ。サッサと慣れといたほうがいいぞ。」
「そりゃはそうだけど、こんな所始めて来たし・・・・・・・・・人が多すぎるよ。」
大分落ち着いてきたのかお茶を飲みながら一息ついていたが、いきなり炭治郎が立ち上がった。
お茶が熱かったのかと思ったが炭治郎の表情がそれは違うという事を物語っていた。
はぁはぁと息を切らし、何かに対して焦っているかのような険しい表情だった。
声を掛けようとすると突如炭治郎は先程まで困惑していた原因である人込みの中へと駆け出して行った。
「お、おい!?炭治郎!!?どこに行くんだよ!?」
ジューゴの呼びかけに答えず炭治郎はあっという間に人込みの中へと消えて行ってしまった。
ジューゴは炭治郎を追いかけたいがここで自分も行けば禰豆子を一人にしてしまう。
流石にそれはまずいと思いジューゴはここに残ることにした。
(あのバカ戻ってきたら少し話をしないとな。)
そう心の中で決意するジューゴであった。
(何があったか知らねえが大事な妹を置き去りにするか普通?)
そう思っていると服のすそを引っ張られる感覚に気付き目をやるといつの間にか目覚めていた禰豆子がジューゴの服を引っ張っていたのだ。
恐らくこの場にいない炭治郎のことを気にしているのだろう。
「あー。炭治郎はちょっと出ていてな。・・・安心しろ。禰豆子を大事にしているアイツがお前を置いて何処かに行くわけないからな。少しの間ここであのバカを待っとこうぜ。戻ってきたら二人で少し説教しようぜ?」
ジューゴはそう言うと禰豆子の頭を優しく撫でた。
禰豆子は心地良いのか目を細めて暫く撫でられていた。
暫くして禰豆子がジューゴの顔をジッと見つめてジューゴの顔をペタペタと触り始めた。
ジューゴは禰豆子の行動に疑問を持ったが別に悪い気がするわけではないのでそのままにしていた。
「あいよ!山かけうどんとかき揚げうどんお待ち!」
「おっ。きたか。あーおっさん。山かけの方だけどよ。連れが少し出ていてな。戻ってきたらちゃんと食わせるから勘弁してくれ。」
「おう。ちゃんと食ってくれるならいいけどよ!にしても兄ちゃん変わった眼をしてんな。外国人か?」
「は?眼?」
「おうよ。スゲーキラキラしてるしよ。さっきから目の色がコロコロ変わってるしよ。どうゆう仕組みだ?」
「え・・・俺の眼っておっさんらと違うの?マジで?ウソ・・・。」
「はあ!?知らなかったのか!?鏡見たことねぇのか兄ちゃん!?」
「いや・・・気付かなかったっていうか・・・別に眼とか興味ないし・・・」
「嘘だろ!?逆にすげぇわ!!」
驚愕するおっさんに驚くジューゴは禰豆子を見てみると禰豆子も驚愕の顔でジューゴを見ていた。
(マジか・・・全然知らなかった。)
そう思い先程まで禰豆子が自分のの顔を触っていたのは自分の眼が気になっていたからだと確信した。
しかし、ジューゴはなんとなくだが禰豆子がジューゴを触れるのは眼が珍しいからだけじゃないような気がした。
(今の禰豆子は鬼・・・普通の人とは違う感覚が感じられても不思議じゃないし・・・もしかして・・・)
「お前・・・もしかして気付いたのか?俺がそういう存在だって・・・?」
「ムー?」
ジューゴの問いに禰豆子はコテンと首を傾げた。
無自覚なのか本当は何も知らないのかは解らなかった。
そうこう思考を巡らせていると炭治郎が戻ってきて頼んだうどんを食べ屋台から出ようとする。
・・・がそれをジューゴが足を引っ掛け炭治郎を転ばし阻止した。
「ジューゴ!?いきなりなにすn「正座」・・・はい?」
「正座」
「いや、だからなn「良いからそこに正座しろバカ野郎」・・・・・・はい。」
ジューゴの圧力に気圧された炭治郎はその場で正座し、ジューゴからの説教を暫く受けていた。
「ごめんな。ジューゴ、禰豆子。」
「俺だけなら良いけどよ禰豆子だけの時はするなよ。」
炭治郎に説教を終えて俺たちは禰豆子を鬼にし、炭治郎の家族を殺した鬼舞辻無惨の事を知っている医者に会いに向かっていた。
しかし・・・・・・炭治郎と禰豆子に鬼舞辻無惨が絡んでたとはな。
「世の中何が巡るか分からないな。」
「え?何か言った?ジューゴ。」
「いや、何も。・・・ところであそこでこっちを睨んでる奴はお前が言ってた医者か?」
そこには一人の少年がこっちを睨んでいた。
「その一人だよ。待っててくれたんですか?俺は匂いを辿れるのに・・・・・・」
「目くらましの術をかけているば場所にいるんだ辿れるものか。それより・・・鬼じゃないかその女はしかも醜女だ。」
・・・・・・・・・いきなり失礼な奴だなおい。
「醜女のはずないだろう!!よく見てみろこの顔立ちを!!町でも評判の美人だぞ禰豆子は!!」
「行くぞ」
「いや行くけれども醜女は違うだろ絶対!!もう少し明るい所で見てくれ!!」
炭治郎・・・・・・気持ちは分かるが落ち着けよ。
そして夜なんだし少し静かにしろよ。
俺がハァ・・・とため息を吐くと禰豆子が俺の服を引っ張って俺を見ていた。
俺は「大丈夫。お前は醜女じゃない。」と言って禰豆子の頭を撫でながら炭治郎と少年について行った。
暫くすると一軒の建物にたどり着いた。玄関には目のような模様が描かれた札が張り付けてあった。
おそらくさっき言っていた目くらましの術ってやつの札だろう。
「戻りました。」
「この口枷のせいかもしれない!!これ外した禰豆子を一度見てもらいたい!!」
「もういいよ炭治郎。お前の気持ちはよく分かったから。」
「おかえりなさい。」
中には白衣を着た女性がいた。
炭治郎から聞いた話によると二人は鬼らしい。
「私は珠世と申します。その子は愈史郎。仲良くしてやってくださいね。」
・・・・・・仲良く・・・・・・無理だな。さっきから目つきが悪すぎるし・・・。
話を聞くと珠世さんは自分の身体を大分弄って鬼舞辻の呪いを外したらしい。
それにより人を喰らう必要はないが人の血を少量飲むだけで生活していけるらしい。
そして愈史郎を鬼にしたのは彼女らしい。
それでも二百年以上かかって鬼にできたのは愈史郎ただ一人らしい。
「二百年以上!?珠世さんは何歳ですか!?」
ゴンッ・ズンッ「「女性に歳を聞くなバカ!!」無礼者!!」
「愈史郎!次にその子を殴ったら許しませんよ。」
「はい!!」(怒った顔も美しい・・・・・・)
「いや今のは炭治郎が悪いと思うんだが。」
「一つ・・・誤解しないでほしいのですが私は鬼を増やそうとはしていません。不治の病や怪我などを負って余命幾許もない・・・そんな人しかその処置はしません。その時は必ず本人に鬼となっても生き永らえたいか訪ねてからします。」
炭治郎は珠代の話が噓偽りのない事を信じ・・・
「珠世さん。鬼になってしまった人を、人に戻す方法はありますか?」
本題を尋ねた。
結論はあるにはあるが現時点では鬼を人に戻すことは出来ないらしい。
しかし、鬼の血。特に鬼舞辻の血が濃い鬼の血液を調べていけば元に戻せる治療薬を作るカギになっていくらしい。
「なぁ。それって鬼舞辻関連の鬼以外の鬼の血でもいけるのか?」
「?分かりませんが鬼舞辻が作った鬼以外の鬼などいないのでは?」
「もし、その鬼がいるって言ったらどうする?」
『!!?』
ジューゴの言葉に皆が驚愕する。
それはそうだろう。炭治郎はともかく二百年以上生きている珠世からしたら鬼舞辻関係以外の鬼など見たことも聞いたこともないのだから。
「それはどうゆうことですか?」
珠世がジューゴに尋ねるが・・・・・・
「!?まずい!!伏せろ!!」
愈史郎の叫びと突如飛び込んできた毬によってその質問は遮られてしまった。
タイトルの遭遇は鬼舞辻ではなく珠世たちの方です。
何卒宜しくお願い致します。