もう1つの戦車道 作:T-26
これは、西住みほが大学に進学した後の話である。
廃校の危機にあった大洗女子学園を優勝に導き、大学選抜チームに勝利したことで廃校の話を白紙にもどした。
そのみほは卒業の後、茨城県の鮟鱇大学法学部へ進学した。
入学式が終わり、大学生活にも慣れてきた6月...
「そういえばあの大学選抜チーム、他に相手がいなくて廃止されるって噂だよ。」
みほと一緒に進学した沙織がこんなことを言った。
「そうなんだ。」
最初はあまり気に留めてはいなかった。しかし翌日の新聞を見ると、現大学選抜チームを島田愛里寿が引退の後に解体するとあったのだ。
「沙織さん、これって...」
「うん、私も見た。」
そこへ秋山優花里。
「西住殿!大変であります!」
「優花里さん。どうしたの?そんなに慌てて」
「今日のニュース見ました?」
「うん。今沙織さんとその話してた。」
「何か私たちにできること、あるでしょうか...」
「華さん...」
困った4人は、今は別の国立大学へ通う河嶋桃へ電話をかけた。
『もしもし?どなたですか?』
「大洗女子学園を卒業した、西住みほです。」
『ああ、西住か。何の用だ?』
「あの...大学選抜って...。」
『隊長が卒業した後に解体されるって...私もどうしたらいいか分からない...』
「そうですか...」
話しているうちに、講義の時間になった。
「それじゃあ、頑張ってね。」
「うん、沙織さんも」
みほは悩んだ。講義など頭に入るはずもない。そもそもみほは、高校卒業後は戦車道をしない予定でいたのだ。
もう、熊本の実家とは、疎遠になっている。今更帰って家元のしほに泣きつくこともできない。
みほは、以前愛里寿からもらったボコのぬいぐるみを眺めていた。
このままではいけない...でもどうすれば...
プロリーグへの大学選抜チームの加入はスポンサー契約が成り立たないので却下されている。
「おい、西住。どうしたんだ!講義に集中しろ。」
教授が怒鳴る。
「す、すみません...」
「調子でも悪いのか?調子が悪いのなら、医務室に行きなさい。」
「はい...」
「あの、私も持病の癪が...」
「わかった。五十鈴も行ってこい。」
こうして2人で医務室へ行くことに。
「私...大学に行ったら、戦車道やめようと思ってたの。でも、河嶋先輩や大学選抜のみんなを助けたくて...。今大学選抜と互角、いやそれ以上に戦えるのは私達だけだから...。」
華が優しく応える。
「戦車道、やりましょう。今度は、自分たちで自分たちのチームを。」