このすば〜もしもカズマがポケモン大好き野郎だったら〜   作:クロウド、

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昨日夜中まで書いてましたおかげで寝不足なのに、結構無理矢理感のあるエピソードです。どうぞ!


この女神たちからお願いを!

 夜、俺はテントの前で火を焚きながらモンスターボールのクラフトに精を出していた。すでにボールは三つ完成し、残りの一つを組み立ててる最中だ。

 女性組とイーブイはテントの中で就寝中だ。ダクネス(さんはいらないというので呼び捨てになった)は付き合うと言ってくれたが、タマゴの傍にいてやれと言ったら納得してくれた。

 

「よしっ、これで完成!」

 

 最後の一つを組み上げて、俺はその出来に惚れ惚れしていると、テントからタマゴの様子を見に行っていたロトムが出てきたので完成したボールを見せて聞いてみる。

 

「どうよ、この出来?我ながらいい感じだと思うんだけど」

『比較的普通のモンスターボールロト』

「お、お前なぁ……。」

 

 自信満々で自作のモンスターボールを見せるが、ロトムの手厳しい評価にガックリとうなだれる。

 

「はぁ。で、タマゴの方はどうだ?」

『まだ生まれる様子はないロト』

「そっか……やっぱ明日以降になるんだろうな」

 

 しっかし、何度思い出そうとしてもなんのポケモンのタマゴか思い出せないんだよな。それに最後の一つに関してはホントにノーマルだったっけ?なんか忘れてる気がするんだよなぁ。

 ―――忘れてるっていやぁ。

 

「そういや朝の話まだ続きだったな」

『朝の話、ロト?』

「ほら、誰かに俺のサポートを頼まれたとかなんとか」

『あぁ!!すっかり忘れてたロト!!』

 

 ロトムはどうやら朝の話を思い出したらしようで、慌てだした。

 だが、そのタイミングでスマホロトムがいきなり震えだした。画面を確認するとそこには着信『非通知』の文字が映し出されていた。

 

「って、着信っ!!?」

 

 この電波もなにもないファンタジーの世界で電話がかかってくるってどういうことっ!?

 一瞬、ゴーストタイプのポケモンの悪ふざけかなんかかと思ったが、今の手持ちにいるゴーストタイプってジュナイパーだけだし、そんな事するようなやつではないということは知っている。

 えぇ、怖……。リアルホラーじゃん。

 

「………。」

『とりあえず、出たらどうロト』

「―――そうだな、このままなのも怖いし」

 

 ロトムに促され、俺は恐る恐る通話ボタンに触れて、スマホロトムを耳に近づける。そして、声が震えそうになるのを必死に堪えながら電話の向こうの相手に語りかける。

 

「―――も、もしもし?」

『もしもし、佐藤和真さんですか?』

 

 俺の言葉に打てば響くように返ってきたのは澄んだ女性の声だった。てっきり、幽霊の声が返ってくるかと思っていたので一瞬ホッとした。

 

「えっと、どちら様でしょうか?」

『こんな方法で突然申し訳ありません。私、エリスというものです』

 

 電話の向こうの女性はエリスと名乗った。

 エリス?なんかすごく聞き覚えのある名前な気がする。

 エリス、エリス、エリス……ん? もしかして。

 

「ひょっとして、エリス教の御神体のエリス様?」

『はい、そのエリスです』

「……ざ、斬新ですね!女神様詐欺って!」

『本物ですよ!』

 

 俺が半分冗談でそういうと、ものすごい勢いで否定の言葉が飛んできた。

 あっ、やっぱそっすか……まぁ、この世界で電話がかかってくる時点で本物だろうってことはわかってたから自分の緊張をほぐすための小粋なジョークのつもりだったんだが。

 そんなとき、電話の向こうから聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

『プークスクス!エリスったらざまぁないわね。だから、私が話すって言ったのよ』

『先輩は黙ってくださいよ!そもそも誰のせいでこんなことしてると思ってるんですか!?』

『なんですって!?私の後輩のパッド女神のくせに生意気なこと言うんじゃないわよ!』

『それを言ったら戦争ですよ!』

 

 電話の向こうで激しい口論が聞こえてくる。え〜、何なのこの状況……。

というかさっきから聞こえてくるこのもうひとりの声って、

 

「アクア様、ですかね?」

 

 俺の言葉にスマホをひったくるような音がしたあとで息を切らしたアクア様の声が聞こえてきた。

 

『も、もしもし久しぶりね!えっと、カズマでいいかしら?』

「えっと、はい。その説は大変お世話になりました。今はポケモンたちと楽しく過ごさせていただいてます」

 

 まさか、また話すことになるとは思わなかったがとりあえずポケモンと一緒に異世界ライフを過ごさせてもらっているお礼を告げる。

 

『うんうん、随分楽しそうにやってるようで良かったわ。それでとは言ってはなんだけどあんたに頼みがあるのよね』

「頼み?魔王討伐以外のことでですか?」

『そうそう、実はあんたが連れてったポケモンについてなのよ』

 

 ポケモンについて?一体どういうことだろう。

 そう思っていると、また電話の向こうからまた口論が聞こえ「あぁ!私のアルセウスフォン返しなさいよ!」、「先輩のじゃありません私がアルセウスからもらったものです!」という声が聞こえてきたあとまたエリス様に代わった。

 ―――つうか、かなり聴き逃せないワードがあったような。

 

『もしもし、エリスです。ここからはアクア先輩に代わって私がお話させていただきます』

「は、はぁ……。」

『ですが、その前に貴方の特典について補足説明することがあります』

 

 補足説明?確かに俺のスマホはまだまだ俺の知らない機能が沢山あるから俺は真面目に聞き耳を立てる。

 

『まず、貴方のポケモンですが手持ちの六匹以外は天界つまり私達がいるここに転送されています』

「はいっ!?」

 

 いきなり、すごいことをカミングアウトされたんですけど!?

 え?俺のポケモンたち今天界にいるの!?

 

『安心してください、貴方のポケモンたちは私や天使たちが責任を持ってお世話をさせていただいていますので』

「そ、それは本当にありがとうございます」

『スマホを操作していただければいつでも呼び出せますので』

 

 あぁ、確かにメラルバもジュカインたちも普通に呼び出せたし。

 

『ただ、それには制限がありまして』

「制限?」

『はい、強力な力を持つポケモン。所謂、伝説のポケモンと言われるポケモンたちの呼び出しは私達の方で制限させて頂いています。その理由はなんとなく察していただけると思いますが』

「………。」

 

 まぁ、わからなくはない。なにせ伝説のポケモンは皆、その気になれば国さえ滅ぼしかねない力を持ち得ているからな。そんなポケモンと一緒にいたら確実に狙われるしな。

 

『ただ、緊急事態に関しては私やアクア先輩の判断で許可を出しますので。ただ、あるポケモン。このポケモンだけは絶対に地上に送るわけには行きません』

「ひょっとして……」

『はい。そうぞうポケモン、アルセウス。この子は私共のほうで管理させていただいています。今は私の眷属として扱わせていただいています。勝手で申し訳ないと思いますが』

「―――わかりました、俺のアルセウスをどうか大切にしてやってください」

 

 ぶっちゃけ泣きたいがこれは仕方ない……。なにせ、アルセウスの力は世界の創造、そしてその逆の破壊すらなしうる強力なものだから、神様が危険視するのはよく分かる。

 

『―――言ってくださればいつでも写真を送りますので』

「はい、ありがとうございます……。」

『―――それで、ここからが本題なのですが』

「さっきのアクア様のお願いというやつでしょうか?」

『はい、そうなんです……はぁ、珍しくまともな案を出したと思ったら本人から未了承だったなんて』

『ちょっと、珍しくって何よ』

『………。』

『わ、わかったわよ。もう口出ししないからそんな怖い顔しないでよ』

 

 また女神同士の口論が始まるのかと思ったが流石にエリス様もマジギレ寸前らしい。何も言わずにアクア様を黙らせた。

 

『佐藤和真さん、なぜ我々天界が地球で亡くなった人の魂をその世界に送っているか、その理由は覚えていらっしゃいますか?』

「えっと確か、魔王を倒すためと……こっちで殺された人がこの世界での転生を拒んでいるから、でしたっけ?」

『はい、そのとおりです。そして、それは人だけとは限らないのです』

「?」

 

 どういうことかいまいちわからず、首を傾げる。

 

『例えば動物はモンスターたちに食い荒らされ、食物連鎖が崩れ、自然も蹂躙され不毛となった地がいくつもあります。そのことに関して天界では議論がありました』

「―――それで、俺にどうしろと?」

『その議論に関してアクア先輩がある案を提出しました。『ポケモンによる自然環境の回復』というテーマで』

「えっ?」

 

 あっ、やばい―――話のオチが見えてきたんだけど。

 それを察してエリス様がちゃんとした説明をしてくれる。

 

『はい、そうです。貴方がポケモンと一緒に連れて行ったタマゴ、そこから生まれたポケモンたちを野生に放ち、その特殊な力をによって土地の復活やモンスターの駆除と言ったことを期待するという案です』

「あぁ、やっぱり……。」

『案としては決して悪いものではないと思っていました。ですが、よりにもよってそれを行うはずの貴方に話を通す前に提出、そのまま申請が通ってしまい……私に泣きついてきたというわけです』

 

 あ、エリス様心中お察しします。

 悲壮感漂うエリス様の声音に心から同情を禁じえなかった。

 

「あの、エリス様。すっごい失礼なこと言ってもいいですかね?」

『……どうぞ』

「あの女神様、アホなん?」

『あんですって―!?』

 

 俺の声が聞こえてたのかアクア様―――いや、もうアクアでいいや。アクアの怒声が響いてきて俺は慌ててスマホを耳元から離した。

 

『あんたねぇ!転生させて特典まで受け取っておいてアホ呼ばわりって何よ!』

「やかましいわっ、二つの意味でやかましいわ !恩もなにもあんたのやらかしのせいで全部パーだわ!!」

 

 いい加減に頭が痛くなってきたので俺もタメ口で怒鳴り返してやった。

 

「大体なぁ、あんたが俺に連絡も取らずにそんなことしたのが悪いんだろうが!」

『仕方ないじゃない!いい案が思いついたらすぐにでも誰かに聞いてもらいたくなるのが性ってもんでしょう!?』

「それでも報連相は基本だろうが、実行する人に言わないでどうやってその政策をするつもりだったんだ、この駄女神がっ!さらにいえば、なんかお前にはどっか別のところでありえないくらいの迷惑を被ってる気がするんだよ!」

『ああ、ついに言ってはならないことを言ったわね!!絶対天罰落としてやるから!』

「上等だ、やってみろ!そしたら一体誰がお前の言う良い案とやらを実行してくれるんだろうなぁ!」

『こんのぉ!待ってなさい、今から外界に降臨してその横っ面にゴッドブローを……。』

『―――アクア先輩』

 

 白熱する口論の中、やたらとよく響く声が聞こえてきた。

 背中に冷たい汗が流れる。

 

『え、エリス……。』

『いい加減にしてくださいよ、アクア先輩?』

『ご、ごめんエリス!も、もう邪魔しないから』

『もういいですよ、アルセウス『サイコキネシス』で放り出してください』

『キュイィィィィィ!!』

『あっ、ちょま……!』

 

 アルセウスの鳴き声のあと、なにかが空を切る音となにかが地面に叩きつけられる音がしたが聞かなかったことにしよう。

 

『さて、それでは佐藤和真さん』

「は、はい……。」

『誠に申し訳ありません、どうかアクア先輩の案に乗っていただけないでしょうか?』

「えっとぉ、そんな事言われても生まれたばかりのポケモンをいきなり野生に帰すってのは」

 

 いくらポケモンって言っても生まれたばかりでモンスターに太刀打ちできるかわかんないし、それにモンスターに間違えられて討伐されるおそれだってある。いくらなんでも、そんな事がわかってて乗り気にはなれない。

 そのことを説明すると、エリス様はまるでこう言われることがわかっていたように返してきた。

 

『確かにそのへんをアクア先輩は考えていなかったようですが、今朝貴方が打開策を示してくれました』

「俺が?」

『貴方は今朝、パーティメンバーにポケモンのタマゴを託しましたよね?』

「え?そうですけど、なんで知ってるんですか」

『へっ?そっ、それはですね、私の信者であるダクネスとクリスを通じてみせていただいたから、ですよ?』

「何故に疑問形?でも、それが打開策っていうのは一体?」

 

 俺が疑問符を浮かべて質問すると「コホン」という咳払いのあとエリス様が答えてくれた。

 

『つまりですね、まずは貴方が信頼がおけるかたにタマゴから生まれたポケモンを託しそれを色んな所で触れ回ってもらう。これで、モンスターとして討伐される心配は軽減できるでしょう』

「あぁっ、なるほど!」

 

 エリス様の説明に得心がいった。それなら確かにモンスターとして討伐対象にされることは減らせるかもしれない。

 

『生まれたばかりの子に関しては申し訳ありませんが、野生で生きていけるまでお世話していただくしかありませんが……。』

「それくらいなら、まぁ、なんとかなる、かな?」

『ふぅ、長々と説明させていただきましたが。どうでしょう、お引き受け願えないでしょうか?』

 

 エリス様のすがるような声に俺は頭をガシガシとかく。さっきは、あんなこと言っちまったけど、アクアに感謝してるのは事実だしなぁ。

 俺は意を決し、答えを返す。

 

「わかりましたよ。受けます、受けさせてもらいますよ。その話」

『本当ですかっ!?』

「はい、やらせてもらいますよ。その話。ポケモンがこの世界に受け入れてもらえるなら俺にも悪い話ではないので」

『ありがとうございますっ!アクア先輩をかばったことがバレたら私も処罰ものでしたので』

「あ〜、世話のかかる先輩を持つと大変ですね」

『……はい』

「あっ、そういえばロトムをサポートに送ったのって」

『あっ、はい私です』

 

 やっぱりか。

 あっ、せっかく女神様と連絡できたんだし、もう一つ聞きたいことを聞いとこうか。

 

「すみません、実はこの間この世界にないはずのアイテムを見つけたんですけど」

 

 俺はポケットに入れておいたキーストーンを月明かりに照らしながら、聞いてみる。

 

『あぁ……それですか、実はあの案が通ったことで世界にも若干の変化があったようで、その産物でしょうか。多分他にもあると思います』

「はぁ」

 

 ってことは、メガストーンや進化の石もありそうだな。時間があったら探してみるか。

 ―――どうやら互いに話すこともなくなったようで最後にエリス様が連絡のような話をする。

 

『それでは今回はこのへんで。また何かありましたら、連絡させていただきます』

「わかりました、こっちでもなんかあったら報告したほうがいいですかね?ってか、こっちからってつながるんですか?」

『はい、大丈夫ですよ。いつでも私のアルセウスフォンと繋がります』

「あのさっきから言ってるアルセウスフォンってもしかして」

『アルセウスがくれました』

「―――一つ聞いていいですか?」

『何でしょうか?』

「持ちづらくありません?」

『え、えぇ、まぁ……。』

 

 ぶっちゃけLEGENDSのとき絶対持ちづらいって思ってたからなぁ。

 

『それでは今度こそ……あっ、その前に』

「?」

『今回のことは外界の混乱を防ぐために天界だけでの話ですので言いふらしたりしないようにお願いします』

「あぁ、はい。わかりました」

『それと、私と連絡ができるということも混乱を招きかねません。なので、このことは秘密ですよ♪』

「うっ!」

 

 俺はあまりの可愛い言葉に胸を押さえた。

 今の一言でわかったこの人絶対かわいい。だって、胸がトゥンクってなったもの、こんなことって少女漫画とか、恋愛漫画でしかないと思ってたがまさか現実でなるとは。

 

『あっ、あの……。』

「あっ、やべ……すみません、わかりました。内緒にします」

『それではカズマさん、おやすみなさい』

「はい、おやすみなさい」

 

 その言葉を最後に通話は切れた。

 通話が終わると同時にするりとスマホロトムが空中に浮かび、ロトムがすごく同情的な目で俺を見る。

 

『これから大変ロトね』

「……だな」

 

 俺は疲れた声音で返し、苦笑いをした。

 まさか、女神様からこんな大役を任せられるとは……悪魔騒ぎも終わってないし、前途多難だなぁ。




さて、こっちでも苦労人のカズマさん。ポケモン絡みで断れないのが裏目に出ましたね!
そして、次回はついにめぐみんたちのパートナーが明らかに!

デストロイヤー戦はZワザを披露したいのですがどのZ技がいいでしょうか?

  • カプ【ガーディアン・デ・アローラ】
  • ソルガレオ【サンシャインスマッシャー】
  • ルナアーラ【ムーンライトブラスター】
  • ネクロズマ【天焦がす滅亡の光】
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