このすば〜もしもカズマがポケモン大好き野郎だったら〜 作:クロウド、
「…ズ……ん!…ズマくん!」
遠くから誰かの声が聞こえる。なんだろう、酷く聞き覚えがあるような気のする声だなぁ……。
昨日の夜、嫌ってほど聞いたような……。
「起きなさい、カズマくん!」
「んぅ?なんだよ、クリスか……。」
俺は重たい瞼を開き、俺を呼びかける相手を見る。そこには、どこか切羽詰まった様子のクリスがいた。
空を見るとまだ空がしらみ始めたばかり。時間で言えば、多分5時くらいだろうか?
「ブイッ!ブイッ!」
「あぁ……イーブイもおはよう……。」
「呑気なことを言ってる場合じゃないの!」
「なんなんだよ、こんな朝っぱらから……。」
『ん〜、なんの騒ぎロト?』
どうやら座ったまま寝てしまったらしく、長い間変な体制を取ってたせいかけのびするだけで腰や背中からポキポキという音が聞こえる。
ついでに、俺が持ちっぱにしてたロトムも起きた。そういや、これからどうしようかとあれからロトムと二時間くらい相談してたんだっけか。そのまま寝落ちしちまったのか。
あくびをしながらまだぼやけた頭でこんな時間に叩き起こしてくれたクリスの方を恨みのこもった目で見てやる。だが、俺は次の一言で一もニもなく、目を覚ますことになる。
「タマゴ!タマゴが光ってるんだよ!」
「なにぃ!?」
『ホントロトッ!?』
「冗談言ってどうすんの!早く来て!」
「『す、すみません(ロト)』」
ものすごい剣幕でどなるクリスに俺たちは思わず敬語で答えてしまった。それだけ迫力があったのである。
クリス怖ぇ……。昨日とは別ベクトルで怖いよ。
俺はクリスに手を引かれて狭いテントの中に入ると、そこにはすでに起きた三人が発光しているタマゴを取り囲んでどうしたらいいかわからないという顔をしていた。確かに四つのタマゴが
「マジか……四つ同時かよ……。」
「カズマ!もしかして……!」
「あぁ、皆それぞれのタマゴを持ってテントを出るんだ。孵化が始まるぞ」
俺の指示を受けてめぐみん達はタマゴを抱えてテントの外に出てくる。テントの中では生まれたポケモン達が動き回れないし、万が一巨大なポケモンが生まれる可能性もあるからだ。
そして、二、三分がたち、タマゴ達が震えだした。そろそろだな。
「始まるぞ」
―――俺の言葉を合図にしたようについにその時はきた。
ピシッ、という音が響きゴクリという喉を鳴らす音が聞こえる。淡かった光がまるで白夜のように眩しい光となり、俺達は一斉に目を隠した。
「カフッ!」
「ラ〜……。」
「ダァン……!」
「チュッキプリィィィ!!」
そして、光の中から聞こえた産声に覆っていた腕を下ろすと、そこには4匹のポケモンがいた。
めぐみんが持っていたタマゴから生まれたのは小さなサメのようなポケモン、フカマル。
ゆんゆんが持っていたタマゴから生まれたのは瞳を緑色の髪で隠した白い子供のようなポケモン、ラルトス。
ダクネスが持っていたタマゴから生まれたのは鋼鉄の腕のような姿をしたポケモン、ダンバル。
そして、クリスの持っていたタマゴから生まれたのは小さなタマゴから手足と頭が生えたような可愛らしいポケモン、トゲピー。
「う、生まれたっ!生まれましたよっ!」
「なんか、感動しちゃうな……。」
「ほらほら、何してんだ。感傷に浸ってないで、早く自分のパートナーに話しかけてやれよ」
俺に言われて四人はそれぞれのパートナーに近づく。
「やっぱり生まれたばかりだから皆小さいですね」
「そりゃあな、個体差はあるが生まれたばかりならこんなもんだろ」
「それで、この子たちはなんていう名前なんですか?」
『それじゃあ、それぞれのパートナーについて僕が説明するロト!』
ゆんゆんの質問に答えたのはすっかり目が覚めた様子のロトム。昨日の青空教室ではポケモンの名前までいちいち教えてなかったからな。
ロトムはまず、めぐみんの足元にいるフカマルを見る。
『まずはめぐみんからロト。
フカマル りくザメポケモン ドラゴン・じめんタイプ
洞窟の小さな横穴をねぐらにする。獲物が近づくと素早く飛び出し捕まえる。かつては熱帯の土地にいたが、寒さを避けるために地熱で暖かい洞窟で暮らす』
「ドラゴンタイプキターーーーーーー!!!!」
ロトムの説明を受けためぐみんは歓喜の叫びを上げた。
すげぇな、めぐみん。まさか本当にドラゴンタイプを引き当てるとは。マジで運命的なものを感じたというのを信じざるをえなくなるな。
「確かにドラゴンタイプだけど、フカマルはまだまだ幼竜の部類だ。最終進化のガブリアスまでの道は遠い。しっかり面倒を見るんだぞ」
「もちろんです!念願のドラゴンタイプ……さぁ、フカマル!貴方は竜王への道を私は爆裂王の道を!ともに邁進しようではありませんか!」
「カフッ!」
「なー……。」
「あっ、ちょむすけもおきましたか」
めぐみんがポーズをつけて宣言するのに答えるようにおうよ!と言わんばかりに鳴くフカマル。しかし、そんなフカマルの視線にさっきまでの騒ぎで目が覚めたらしいちょむすけがテントから出てくる。フカマルの瞳がちょむすけを映すと、まるで獲物を見つけたジョーズのように目をキラーンと光らせ。
「ガブッ!」
「なー!?」
ちょむすけに思いっきり噛み付いた。
「あっ、ちょっと!ちょむすけを噛んじゃだめですよ!その子も私の使い魔、貴方の仲間ですよ!」
『ピピッ、補足説明。フカマルには噛み癖がある場合があるロト。そのへんの躾もちゃんとするロトよ』
ちょむすけにかぶりついたままのフカマルはめぐみんに任せて、次のペアを見る。ゆんゆんとその足元でキョロキョロと不安そうにあたりを見回すラルトスに。
『次はゆんゆんロト。
ラルトス きもちポケモン エスパー・フェアリータイプ
頭のツノで人の気持ちを感じ取る。明るい気分の人の前に現れるという。』
「へぇ〜、この子もかわいいね」
「ラッ!ラル……。」
「えっ、どうしたの?」
クリスが顔を近づけようするが、驚いてゆんゆんの足の後ろに隠れてしまう。ラルトスは臆病だったり、恥ずかしがりやな子が多いからクリスのことが怖いんだろう。
「どうやら、この子は恥ずかしがってるようですね」
「でもこの子、ゆんゆんさんの後ろに隠れるってことはゆんゆんさんには心を許してるってこと?」
「エスパータイプだからな。きっとタマゴの中からでもこの子を思ってるゆんゆんの気持ちが伝わったんじゃないか」
「そうなの?」
「ラ〜♪」
ラルトスはさっきまでの怯えた表情とは裏腹にゆんゆんからの質問には嬉しそうに答えた。
「そうだってさ」
「……良かったですね。いいパートナーができて」
「うっ、うんっ!……アークウィザードとしてもトレーナーとしても半人前の私だけど……これから、一緒に頑張ろうねラルちゃん!」
「ラ、ラルッ!」
ラルトスの視線にまでかがんで目線を合わせて宣言するゆんゆんの心意気を感じ取ったのか、少しだけ張り切ってる様子でラルトスは答えた。うん、このコンビも問題なし。
次はっと。
『次はダクネスロト。
ダンバル てっきゅうポケモン はがね・エスパータイプ
磁力の波長で仲間と会話する。群れになったダンバルは一糸乱れぬ動きをする。』
ダクネスの近くでゆらゆらと浮いているダンバル。ダクネスはそのダンバルの姿を興味深げに眺めている。
「はがねタイプ。だが、なんというかなにかの腕のような姿をしているな……。」
「いいところに気付いたな、だけど、それは進化するまでお預けにしとこう。よかったな、お目当てのはがねタイプだぞ」
「あぁ、鋼鉄の塊……こいつに突進されたら私はどうなってしまうんだ……!想像するだけでクゥッ!」
「ダ、ダァン……?」
ダクネスの変態発言にダンバルは完全に困惑している。まるで、「私のパートナー本当にこの人ですか?」と訴えているようだ。これから大変だな、ダンバル。
さて、残るは。
俺達ははしゃぐトゲピーを大事そうに抱きかかえるクリスに視点を向ける。
『最後はクリスロト!
トゲピー はりたまポケモン フェアリータイプ
殻の中に沢山の幸せが詰まっていてやさしい人に幸せを分け与えるという』
「フェアリータイプ……幸福の妖精か。ちょっとアタシのガラとは違うけどほんっとに可愛いね君〜!」
「チュキィィィ!」
締まりのなくなった顔でトゲピーに顔を擦り寄せるクリス。まぁ、イーブイの反応からわかってたけどサバサバした見た目とは裏腹に可愛いものに目がないようだ。
「だけど、最後のタマゴはノーマルタイプではなかったんですか?」
「あぁ、思い出したよ。フェアリータイプは他のタイプと違ってあとから発見されたんだけどそれまではトゲピーのタイプはノーマルタイプとされてたんだ。それでうろ覚えだったんだよ」
「なるほど」
めぐみんの質問に俺は思いだした答えを返した。ただ、クリスは喜んでるし結果オーライだ。
四体ともパートナーはなついている様子ではある。大事に育ててくれればきっと良いパートナーになってくれるだろう。
「さて、と。自分のパートナーの確認も終わったところでモンスターボール配るぞー!」
俺は一人ずつ昨日の夜に作っておいたクラフト式のモンスターボールを配る。四人はそのボールと俺が腰につけているボールを見比べる。
「カズマさんのとは大分形が違いますね」
「そりゃ、かなり古いタイプのボールだからな。大きさを変える以外の機能は同じだから気にしなくていいぞ」
「どう使うんだ?」
「どこでもいいからボールをポケモンに当てるんだよ。そうすれば、ボールにポケモンが登録されていつでも出し入れができるようになる」
「ふむ」
めぐみんは未だにちょむすけに噛みつこうとジーっとちょむすけを見ているフカマルの頭にコンッとボールを当てる。
するとボールがパカッと開いてフカマルが光となって収まるとボールが閉じて、三回小刻みに震えると最後にポンッという音がなった。
「これでいいんですか?」
「ああ、あとは投げれば中のポケモンが出てくるようになる」
「こうですか?」
俺に言われたとおりにボールを空中に放ると、中から光が飛び出しそれがフカマルの姿で現れる。そして、ちょむすけは再びフカマルに追い回されるのであった。
「ガブガブッ!」
「なーー!!」
「どこかで見た光景ですね」
「こめっこちゃんじゃない?」
「あぁ、なるほど……。」
「よくわからないけど、助けてやれよ」
俺に言われてめぐみんは再びフカマルを止めに行く。
隣でトゲピーを抱えてモンスターボールをジッと見る、クリスから質問が投げかけられる。
「これ、どういう原理?」
「え〜っとだな……俺も詳しくは知らないんだが、ポケモンには元々小さなくなる特性?みたいなものがあってそれを応用したのがモンスターボールって話らしい」
「ずいぶんふわっとした説明だねぇ……まぁいいや。トゲちゃん、ちょっとごめんね」
「チュキィ?」
クリスもトゲピーの額にコツンとボールを当てると再び三回の揺れのあとポンという音がなってゲットが完了した。そして、ボールから出てきたトゲピーをまたさっきと同じように抱きかかえる。
気に入ったのかな、あの定位置。
ダクネスとゆんゆんもダンバルとラルトスをゲットして、またモンスターボールの外に出してやる。
その様子を眺めていると俺の肩にいたイーブイと足元にいたメラルバがフカマルとちょむすけの間に割って入る。
「ブイッ!」
「メラ」
「カフッ?」
「ブイブイ」
「ダァン」
未だにちょむすけを追い回すフカマルの前にイーブイとメラルバが出てきて、やめてやれと年下のフカマルにいっているようだ。そこで、ダクネスのダンバルも一緒にフカマルを説得している。
流石にイーブイとダンバルに言われてフカマルもちょむすけを追うのを諦めたようだ。
「チェッキィ!」
「あれ?トゲちゃん?」
「ラル?ラ〜?」
すると、クリスに抱かれていたトゲピーが飛び出し。ゆんゆんの足にしがみつくラルトスの手を引いて、イーブイ達の元へ連れて行く。
「チェッキィ!」
「ラ、ラル……?」
「ブイブイ!」
「メラ」
「カフッ!」
「ダァン!」
「ラ、ラルッ♪」
トゲピーが輪に入れていなかったラルトスを連れてきたようだ。イーブイたちもそれを受け入れ、楽しそうに話しかけている。その様子にラルトスも心を許したらしい。楽しそうに話している。
「なにかお話してますね」
「みんなコロコロしてて可愛いね」
「ああ、そうだな」
「よし、ロトム一枚頼む」
『お任せロト!』
その微笑ましい光景を眺めているうちにロトムに頼んで記念に一枚写真を撮ってもらう。その様子を見ていためぐみんがロトムの画面を覗き込み今撮った写真を興味深げに見る。
「カズマ、なんですかこれは?」
「スマホの機能の一つで、その時の光景を記録できるやつなんだが。そうだな、せっかくだし記念に一人ずつ撮っとくか?」
「さぁ、カズマ!かっこよくお願いしますよ!」
「ポーズとるのはえぇな、おいっ!」
いつの間にかフカマルの隣に立ってポーズを取っていためぐみんに思わずツッコミを入れた。というか、撮るの俺じゃなくてロトムだし。
―――かくして、めぐみん、ゆんゆん、ダクネス、クリスの四人はパートナーを手に入れこれから良好な関係を気づいていくことだろう。はてさて、彼女らがこれから先どんな道を辿るのか。
続く―――to be continued―――
とりあえず直感的に決めちゃいましたけど、なかなかいいコンビじゃないかなぁと思います。
さて、2体目以降ですが……とりあえずゆんゆんの二体目はもう決まってます。ヒントはエスパータイプ、これだけでわかったらすごいですね!
デストロイヤー戦はZワザを披露したいのですがどのZ技がいいでしょうか?
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