このすば〜もしもカズマがポケモン大好き野郎だったら〜 作:クロウド、
Z技は次回までお待ち下さい
「「「「「カズマのポケモンーーーっ!!?」」」」」
「あぁ、ソルガレオっていうんだ」
「ガウッ!」
冒険者一同がマジかよって顔で叫ぶので、ソルガレオと一緒に堂々と言い切ってやる。
因みにソルガレオは頭を撫でてたらいつの間にかお座りのポーズで座っていた。お前、犬じゃなくてライオンだろう?
―――【天界の笛】の音色に導かれて現れたソルガレオを、俺がなれた手付きで撫でる姿に思考をフリーズしていた冒険者達がようやく再起動したので、(仕方なく)頭を撫でる手を止めてこいつも俺のポケモンだと紹介したんだが……皆半信半疑のようだ。
「実は今朝方、俺のポケモンを預かってる人から連絡が来てな。俺のポケモンが何匹が逃げ出したって、どうしようかと思ってたらまさか向こうから来てくれるなんてなぁ」
皆、一様にソルガレオから感じる圧倒的なオーラの前に萎縮し、さらには緊張で動けない様子だ。
「カズマ、まさか……。」
「ああ、天界から逃げ出したポケモンの一体だ」
「なんでここに……「邪魔です!」……ぐはっ!」
事情を知っているミツルギが小声で尋ねてきたが、次の瞬間めぐみんに押し飛ばされ持っていた杖が不運にも頭にヒットして痛みに悶える。
憐れなミツルギから興奮した様子のめぐみんに視線を移す。彼女はいつも以上に瞳を紅く輝かせている。
「あ、あのカズマッ! ソルガレオってもしかして!」
「めぐみん、あのポケモンのことをなにか知ってるのか?」
ダクネスはソルガレオがタダのポケモンではないことはなんとなく察してはいるものの、ドラゴンタイプではなさそうなその姿にめぐみんが興奮している様子に疑問符を浮かべていた。確かに、ポケモンについての知識が皆無と言っていいこの世界では驚く理由はさほどない。ただ、その存在を知っているもの、各地方の博士や、
「知ってるも何も、ソルガレオと言えばアローラ地方に伝わる伝説のポケモンの一体ですよ!」
「なんだとっ!? では、ディアルガとパルキアと同じ?」
アローラの話を聞かせたことがあるめぐみんとゆんゆんは、ソルガレオがアローラ地方に伝わる太陽と月を象徴する二体の伝説のポケモンの一体であることを知っていた。ゆんゆんもめぐみんほどじゃないがその姿に目を輝かせて見ていた。
対照的にダクネスは、【伝説のポケモン】というワードだけはディアルガとパルキアの件で知っているので、あの神々しい姿の二体の龍と同格の存在が目の前にいるという真実に気付き、完全に固まってしまった。
『ソルガレオ にちりんぽけもん エスパー・はがねタイプ
別世界に住むと言われる。全身から激しい光を放ち闇夜も真昼のように照らし出す。コスモッグが進化した♂だと言われている。第3の目が浮かぶとき別世界へと駆け抜けていく。』
「じゃあ、この子がカズマさんが話してた【ほしぐもちゃん】なんですか?」
「あぁ、そうだよ」
ゆんゆんもなんとか人波をかき分けて話の輪に入ってきた。
―――【ほしぐも】。それはこの子の一番最初の進化前である【コスモッグ】というポケモンを連れていた少女、リーリエがコスモッグの雲のような見た目からつけた愛称だ。
メレメレ島の守り神、【カプ・コケコ】を崇める【戦の神殿】の入り口付近、橋の上でオニスズメに襲われているコスモッグを助けて欲しいと言われたのが彼女との出会いだった。
それから、ずっと一緒だったわけではないが島巡りを目的にアローラをともに冒険した。今まで旅の先々でライバルや知り合いと会うことはあったが、一緒に旅をするという経験は彼女とだけだったから新鮮で……とても楽しかった。だから、コスモッグがソルガレオに進化して全てが解決し、旅が終わってしまったときは本当に寂しかったよ。
―――いつかもう一度、一緒に旅をしたいと思っていただけに胸に空いた空洞に風が吹き抜けるような、そんな筆舌につくしがたい感情が湧き上がる。
「―――カズマくん?」
「うわっ!」
ソルガレオの鬣に触れながらアローラでのリーリエとの楽しい旅を思い返していると、いつかのように背後から声をかけられ慌てて飛び退いた。
慌てて振り返ると、そこには朝から姿が見えなかったクリスがあまりにも驚いた様子の俺に逆に驚いた様子だった。
「く、クリスッ! お前、いつの間に!」
「さっきようやく、先……知り合いから頼まれた仕事が一段落して急いで合流したんだよ。事情は皆に聞いたよ。それにしても、なるほど【伝説のポケモン】っていうだけはあるね」
クリスは怖気づく様子もなく、ソルガレオの周りを歩きながら興味深げに観察している。ただ、いきなりピタリと足を止めてソルガレオの鬣の裏に手をのばす。
「この子、鬣の裏になにか引っかかってるよ?」
「え?」
「よっと! なんだろうコレ? 黒い、腕輪?」
「んなっ!?」
クリスがソルガレオの鬣の裏から引っ張り出したそれに目を剥き、クリスの手からそれをひったくる。
「見覚えがあるんですか?」
「これ……俺が実家においていったはずのZリング……。」
「「「「「はぁ……!!?」」」」」
俺の声が木霊するように、さっきまで俺たちの会話についていけていなかった冒険者達が一斉に叫び声を上げた。
ダクネスが今にも俺の胸ぐらを掴むような勢いで前に出てきて、【Zリング】を眺める俺に詰め寄ってきた。
「間違いないのか、カズマっ?」
「間違えるもんか。【Zリング】は一人一人デザインが微妙に違うんだから。こいつは間違いなく俺の【Zリング】だ。
でも、なんでお前の鬣に引っかかってんだよ、ソルガレオ?」
「グルゥ?」
「あっ、知らないわこの反応……。」
ソルガレオはコテンと首を傾げるだけで特に何かを訴えかけるようなことはしない。
「この子、ひょっとして見た目より子供?」
「あぁ、進化ってのはあくまでレベルが上がって起きるもので年は関係無いからな……ぶっちゃけ、めぐみんの逆だな」
「おい、それはどういう意味か詳しく聞かせてもらおうか?」
つっこむめぐみんを無視してソルガレオの頭を撫でてやる。
―――忘れがちだが、ソルガレオはおそらく他の伝説のポケモンと比べてかなり幼い部類に入る。コスモッグがエーテル財団のもとにいた正確な時期がわからない以上、何歳かはわからないが、リーリエと初めて会ったあの頃からかなり幼い様子だった。進化したからといって急に中身まで成長するわけではないのだろう。
となると考えられるのはアルセウスかカプ・コケコか……。
「ん? まてよ?」
まさかアイツ、デストロイヤーがこの街に来るのがわかっててアクアがやらかすのをわざと止めなかったんじゃないだろうな? ……やりかねないな、アルセウスなら。
……まぁ、今回は結果オーライか。必要なものはなんとか揃ったんだから。あとは火力だな。
いつのまにかソルガレオの勇ましい姿を熱心に観察しているめぐみんに声をかける。
「めぐみん」
「はひっ! な、なんですか? 急に声をかけないでくださいよ。私は今ソルガレオの観察で忙しいのですから」
「ソルガレオが見たいなら後でいくらでも見せてやるから、なんなら頼んで背中に乗せてやるから―――「本当ですかっ!?」―――本当だ。だから、質問に答えてくれ」
「なんですか?」
「結界が破れたとして、お前の爆裂魔法でデストロイヤーってのを破壊できるか?」
めぐみんは俺の質問にボソボソと恥ずかしげに、
「わ、我が爆裂魔法でもアレほど巨大なものを破壊するのは……。」
と答えて、ソルガレオの影に隠れた。そんな姿に昔の自分を重ねたのかソルガレオがめぐみんの頬を軽く舐めた。
となると、もう一手欲しいな。せめてもうひとり、爆裂魔法が使える人が……そう考えていると意外な人が名乗りを上げた。
「あ、あの〜」
「ウィズさん?」
「爆裂魔法なら、私も使えますが」
「本当ですかっ!?」
「そうだ! 俺たちにはまだ貧乏店主さんがいた!」
「店主さん、いつもあの夢でお世話になっています!」
「店主さんがいるなら、勝てる! コレで勝てるぞ!」
ウィズさんが名乗り出たことで一斉に息を吹き返した冒険者一同。クリスが以前、ウィズさんはかなり名のしれたアークウィザードだって言ってたし、その噂はこの街の冒険者なら誰でも知っているようだ。
何人か意味のわからないことを言ってる奴がいたが……今はどうでもいいだろう。
「そうなってくると必然的に作戦は決まってくるな。まず、俺とソルガレオでデストロイヤーの結界を破壊、その後、めぐみんとウィズさんでデストロイヤー本体を破壊するって感じですかね、ウィズさん?」
「……そうですね。爆裂魔法を撃つなら脚を狙うのはどうでしょう? デストロイヤーの脚は本体の左右に四本ずつ。コレを、めぐみんさんと私で。左右に爆裂魔法を撃つのはどうでしょう? 機動要塞の脚さえ何とかしてしまえば、あとはなんとでもなると思いますが……。」
ウィズさんの提案に俺も冒険者も、ギルド職員たちもコクコクと頷く。
確かに脚さえ破壊すればデストロイヤーは自力では動くことは出来ない。あとは監視して、めぐみんの爆裂魔法で日をかけて破壊するなり、はがねポケモンの餌にするなりすればいい。
「……聞きそびれてたけど、あのデストロイヤーってなんで今も動いてるんですか? 千年以上昔のものなんですよね?」
「伝承によると、まだデストロイヤー本体の内部に開発責任者が残っていて、その人物が操っていると」
ルナさんが俺の質問に答えてくれる。
アンデッドにでもなったのかその責任者? でなきゃ話の辻褄が合わないしな。
「となると、脚の破壊後に中に乗り込む必要があるかもしれませんね」
「わかりました。ロープ付きの矢を準備します。アーチャー職の方はコレを装備し、デストロイヤーが停止時にコレを使って内部に侵入し開発責任者を拘束、これでどうでしょうか?」
「……うん。今出せる作戦はこれが一番有力かな。なにか意見があるものはいるか?」
俺が冒険者の方に視線を向けて質問すると、ミツルギが手を上げた。
「もしものときに備えて、脚を破壊できるように前衛職を配備するのはどうだろう? 爆裂魔法でダメージを受けた脚なら、多分、僕の魔剣やハンマーなんかで十分破壊できると思う」
「……よし。話をまとめよう。ロトム、今の話を簡単にまとめた映像を出せるか?」
『お任せロト!』
ポケットから取り出したスマホロトムの画面から光が漏れてまるでホログラム映像のような画面が空中に投影される。青空教室なんかで使ったことがあるからこの機能は知っていた。
ロトムが投影した映像には巨大な蜘蛛型ロボットと街の外壁の様子が横からの図で表されていた。蜘蛛型ロボット―――デストロイヤーの周りには結界が青い膜として記されている。
「まず、デストロイヤーが街の外壁から見えたら俺とソルガレオのZ技で結界を破壊する。続いてウィズさんとめぐみんで両脚を攻撃。万が一に際してミツルギ率いる前衛職をデストロイヤーを取り囲むように配備。ハンマーなんかの破壊力のある装備で脚を完全に破壊して動きを停止させる。要塞内部にいるというデストロイヤーの開発者が何かをする恐れがある、内部に突入できるようにアーチャー職はロープ付きの縄を装備しておく」
スライドショーのように次々と映像を切り替えながら今回の作戦のプレゼンテーションを行っていく。プレゼンが終わると、画面を閉じてグルッと冒険者たちを一瞥し異論がないことを確認する。
「作戦は決まった。各自、自分の持ち場で準備を始めてくれ!」
「「「「「おう(はい)っ!!!」」」」」
俺の号令で冒険者達はそれぞれの役目を全うするために動き出した。
「アレ? カズマさんのやってるのって私達の仕事じゃ……。」
デストロイヤー戦はZワザを披露したいのですがどのZ技がいいでしょうか?
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カプ【ガーディアン・デ・アローラ】
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ソルガレオ【サンシャインスマッシャー】
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ルナアーラ【ムーンライトブラスター】
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ネクロズマ【天焦がす滅亡の光】