このすば〜もしもカズマがポケモン大好き野郎だったら〜   作:クロウド、

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感想、評価お待ちしています。
ただの息抜きに書いたのに思った以上に人気があった……。
原作キャラにパートナーつけようと思うんですけど、何がいいか……ゆんゆんとウィズはすぐに決まりました。クリスはまだ暫定、ダクネスとめぐみんが難しい……。めぐみんはドラゴンでいこうってことだけは決めたんですけど、ダクネスどうしよう……案としては、ヒトツキ?


このポケモンだいすき野郎に野宿を!

「リザードン、大丈夫か?」

 

「グルゥ」

 

 俺はアクセルの街から少し離れた平原で、瞬間的にとはいえ無理をさせてしまったリザードンを労うように体に触れる。多少息は上がっているが問題はなさそうだ。

 

 例の悪魔ーーーホーストに『かみなりパンチ』を叩き込んだあと、俺は攻撃されないようにリザードンに全速力を出してもらって街まで戻ってきた。

 

 めぐみんとゆんゆんにはギルドに戻って悪魔の存在の報告に行ってもらった。

 

 あの悪魔はハッキリ言ってやばい……伝説のポケモンと対峙したときほどではないがあのプレッシャー、相当なものだった。まだ、バトルに慣れてない俺がポケモンに指示をして勝てるかどうか……。

 

「アレ……?」

 

 なんで、俺……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?俺はまだ、ゲームの中でしかアイツラと対峙したことはないはずなのに。

 

 あのポケモンたちは文字通り強すぎる。その存在だけで生態系が壊れかねないため、申し訳ないがもう暫く預かりシステムの中で眠ってもらうつもりだ。落ち着いたら山にでも登ってそこで会いたいと思っているが。俺はまだ彼らを直に見たわけではない。

 

 だけど、俺はたしかに知っていた。カントー地方で出会った三体の伝説の鳥ポケモン、ジョウト地方で出会った虹色の羽と海の神、ホウエン地方で出会った海と大地を生み出したとされるポケモン、シンオウ地方で出会った時と空間を司るドラゴン、イッシュ地方で出会った理想と真実の英雄に力を貸したとされるポケモン、カロス地方で出会った『破壊』、そして、『生命』と『再生』を司る存在、アローラ地方で出会った太陽と月を司るポケモン。

 

 あれらのプレッシャーを知っていたから俺は臆さずリザードンに指示ができた。

 

「まさかとは思うが……『経験』だけじゃなくて、『記憶』まで引き継がれ始めてる?」

 

 だとしたらなんのために……?もはや、特典という領域から逸脱し始めてるんだが……。

 

 ん〜。でもまだ実感が湧かないな……。考えてみたら俺のステータスが少し高かったのもそれが影響してるのか?

 

「ブイ?」

 

「グルゥ?」

 

 イーブイとリザードンが黙り込んだ俺の顔を心配するように覗き込む。

 

「あぁ、ごめんな?大丈夫だ」

 

 そういって、二人の頭を撫でる。

 

 いけない、いけない。俺がポケモンを不安にしてどうする。こういうときこそ、トレーナーの俺がしっかりしなきゃいけないんだろうが。

 

「さて、一度街に戻るか」

 

 密かに作っておいたアレが役に立つ時が来たようだ。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「カズマさん」

 

「ん?」

 

 街に戻り宿()()()()()()()()()()()()()再び平原に戻る途中、俺を探しに来ていたゆんゆんと合流した。

 

「ギルドへは行かないんですか?」

 

「まぁ、大方想像はつくからな。多分だけど、暫く森は閉鎖だろ?」

 

「はい……王都からの討伐隊が来るまで、森は閉鎖で暫くクエストも受けられないと」

 

 まぁ、それが妥当な判断だろうな。

 

「そういや、めぐみんはどうした?」

 

「めぐみんはその……あの魔法、『爆裂魔法』っていうんですが、アレを使うと魔力切れでほとんど動けなくなるので宿に送っていきました」

 

 なるほど……まぁ、アレだけの魔法だからな。

 

「ん?ひょっとして、最近町の外の平原でクレーターを作ってるはた迷惑なアークウィザードって……。」

 

「はい、めぐみんです……お恥ずかしい」

 

 悪魔を討伐できるっていう自信はあの魔法の威力からなのだろう。

 

「それで、カズマさんはどうするんですか?それに、それは……。」

 

 ゆんゆんは俺が肩に担いでるものを指差して、問いかける。

 

「まぁ、ちょっと……()宿()の準備をね」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

カンッ……カンッ……!

 

 俺は戻ってきた平原、アクセルの正門から少し離れたところで、準備していたハンマーを使ってテントを支える支柱を地面に打ち付ける。

 

「カズマさん、なんでこんなところにテントを張ってるんですか」

 

 ついてきたゆんゆんがやはりきになるのか質問を投げかけてきた。

 

「ん?ほら、さっきリザードンがあの悪魔の横っ面にパンチかましちゃっただろう?あの腹いせに街を襲われでもしたら……俺の責任だしな。暫くはここでテント張って野宿することにしたんだ。もう守衛さんにも許可貰ったよ」

 

「そ、そんなっ!カズマさんに責任なんてないですよ」

 

「いや、不謹慎だけど。コレは俺の夢でもあったんだ。ポケモンと一緒にテントで寝るって……。俺の尊敬してるポケモントレーナーみたいにさ」

 

 子供の頃、ポケモンのアニメを見てからのずっと憧れだった。この世界に来てから子供の頃の夢がいくつもかなってるな、俺。

 

「それに、ホーストとはいつか決着をつけるつもりだ。そのためにもポケモンたちを鍛えなきゃいけない。街中でバトルの特訓なんてできるわけないし、ここのほうが気が楽ってもんさ、っと。よし、完成」

 

 最後の柱を地面に打ち付けて俺は立ち上がり汗を拭う。

 

「こんな大きなテントどうしたんですか?」

 

「ん?手作りだよ」

 

「手作りっ?これが、ですか……?」

 

 ゆんゆんの言う通り、このテントは普通のテントの約三倍、多分6、7人は余裕で入るんじゃないかな?

 

 俺の職業、『トレーナー』は、ポケモン世界に『ブリーダー』、『ドクター』、『コーディネーター』と様々な職業があるように少しでもポケモンに関わるスキルならなんでも覚えられるらしい。なので、この間試しに鍛冶屋の親父さんに頼んで『鍛冶スキル』を習得した。

 

「で、特に作るものもなかったので、いつか役に立つかなぁって思ってコレを作ったわけだ」

 

「暇つぶしでコレを作ったってことですか……?」

 

 俺の説明を聞いてゆんゆんが呆れたような視線を向ける。

 

「布団もあるし真冬ってわけでもないから凍死の心配もないし。食料は街でとるから大丈夫だ。まぁ、一種の強化合宿だな」

 

 さぁ、そろそろ帰ったほうがいいぞと言おうとしたとき、ゆんゆんがとんでもないことを言い出した。

 

「だったら………私もその野宿に参加します!今回のことはめぐみんを止められなかった私にも責任があるので」

 

「は?」

 

 流石に予想外な言葉に俺は間の抜けた声を漏らしてしまった。いや、流石にそれはまずいだろう……。

 

「ゆんゆん、テントは一つしかないんだ」

 

「でも、6、7人は入るって言ってたじゃないですか」

 

「ゆんゆん、毛布は一枚しかないんだ」

 

「最近温かいから私はいりません」

 

 できるだけオブラートに包んで諦めさせようとするが、ゆんゆんはなおも食い下がる。

 

「……ゆんゆん、俺は男だ」

 

「え?は、はい、カズマさんは男性です」

 

「………ゆんゆん、君は女の子なんだ」

 

「え、はい……そうですね」

 

 流石にゆんゆんも俺が言いたいことに気づいたらしく顔を赤くして俯いている。できれば最後までは言いたくなかったが、今後のことも考えてちゃんとハッキリ言っておくべきだと思い口にする。

 

「男と女、あまり世間体に良くないってのはわかるだろ?」

 

「は、はい……でも、私達パーティメンバーですしっ!野宿になることは珍しくないと思うんですっ!」

 

 なおも顔真っ赤で食い下がるゆんゆん、どうやら引き下がる気はないらしい。

 

 しかし……なるほど、そういう考えもあるか。確かにパーティならそういうこともあるかも知れないな。……アレ、だったら問題なくね?いや、でもなぁ……。

 

 思春期特有の誘惑に必死に抗おうとする俺の理性。

 

「ーーーだったら、私も参加しましょう」

 

 そこへ、聞こえる三人目の声。

 

「あっ、めぐみん」

 

 そこには呆れた表情のめぐみんが立っていた。

 

「全く、なかなか帰ってこないと思ったら……はなしは聞かせてもらいました、今回の一件、森に行こうと言い出したのは私です。私も参加します」

 

「いや、だからさ……全く根本的な解決になってないからね、寧ろヤバさが増してるだけだからな?駄目だよ、君たちは宿に帰りなさい」

 

「嫌です。もし、断るというのなら」

 

「言うのなら?」

 

 めぐみんは紅魔族特有の紅い瞳を帽子の下から輝かせて、好戦的な視線で俺を見る。

 

「食事のために戻ってきたあなたの背中にしがみつき、『捨てないで!』と街中で叫び続けます」

 

「お前俺になんの恨みがあるんだよっ!?俺を社会的に抹殺するつもりかッ!!」

 

 めぐみんのとんでもない発言にゆんゆんもドン引きしている。

 

「めぐみん、それは流石に……。」

 

「何を言うんですか、ゆんゆん。折角できたパーティメンバーでしょう、苦楽をともにしてこそ真の仲間になれるのではないのですか!?」

 

「真の仲間ッ!?ーーーわかった、そのときはわたしもやる!」

 

「ゆんゆんっ!?」

 

 ゆんゆんの背後にズガァンと雷が落ちたように見えた。この娘、乗せられやすすぎるだろう。そして、めぐみんはめぐみんでゆんゆんの扱いが上手い……。

 

 なんなんだ、この娘は……。魔法といい、考え方といい、爆弾みたいな娘だな。

 

「おい、今何を考えたのか話してもらおうか?」

 

「なんでもないよ、さてーーー」

 

 俺は二人の顔を見る。

 

 ーーー駄目だな、どっちも折れそうにない。

 

「わかった、わかった、俺の負けだ。好きにするといい」

 

 俺は諦めて苦笑いを浮かべ、両手を上げて降参のポーズをとって二人にそう告げた。




「駄目だ、やっぱり寝れん!」

 野宿一日目、深夜。我らがカズマさんは二人の少女と一緒に寝るという、人生初の経験にドキドキして眠れずにいた。なので、一人逃げるようにテントから出る。

「ヨルノズク、見張りご苦労さん」

「ホー」

 見張りを頼んでいた、フクロウのような鳥ポケモン、ヨルノズクを労う。ヨルノズクが見張りなのは、ヨルノズクは特性『ふみん』でほとんど眠る必要がないからだ。

「サトシ先輩、よく眠れたよな……いや、あの人はテントが違ったか……。」

 空に輝く月に、自身が尊敬するトレーナーを思い出す。しかし、カズマが眠れない理由は他にもあった。

「それにしても、コレどうしたものか?」

 カズマが取り出したスマホ、そこには無数の()が映し出されていた。

デストロイヤー戦はZワザを披露したいのですがどのZ技がいいでしょうか?

  • カプ【ガーディアン・デ・アローラ】
  • ソルガレオ【サンシャインスマッシャー】
  • ルナアーラ【ムーンライトブラスター】
  • ネクロズマ【天焦がす滅亡の光】

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