名探偵コナン 探偵世界の転生者〈レインカーネイター〉 作:げろっぱ
リアルに捕らぬ狸の皮算用になってしまった事、もうしわけありませんでした。
とりあえず切るところとかがあんま分からなかったし、皆さんの期待を裏切って長いので挙げときます。
本当に申し訳ありませんでした。
なんか夏休み中一週間過ぎるごとにこの先600話(飛ばしたりするけども)近くあると考えてしまい
萎えてエタッてました。
まぁ結局言い訳に過ぎないんですけども…。
とりあえず吊って来ます。
~~~~~~~~~『Feel Your Heart』 song by VELVET GARDEN~~~~~~~~
【SIDE:STORYTELLER】
『ハ…ハ…ハ…ハクション!!!!』
「ったくもー!!久しぶりに電話が来たと思ったら、風邪なんかひいちゃって!!さっさと帰ってきなさい新一!!」
『しゃあねぇだろ。厄介な難事件かかえてんだから…』
唐突だが今回は、二人の夫婦喧嘩から始まる。
二人の前で言えば烈火の如き剣幕で否定しそうな話だが、とりあえず今回は夫婦喧嘩で始まる。
ピーンポーン。
とインターホンの音が聞こえて、
「あ、お客さんみたい…。ちゃんと風邪、治しときなさいよ?じゃあね」
ガチャッ!
と蘭が電話をきった。
「あぁ、オイ!!…ったく…。電話しねぇと心配するし、したらしたでケロッとしてやがる。口を開ければ文句ばっかし!あ~あぁ女ってのはよく分かんねぇぜ!!」
多少の苛立ちを乗せてコナンは言った。
そんなことを一丁前にほざく小学生に対する、周囲の女性の鋭い目には気付かないようだ。
「江戸川さん?周り女性だらけですよ?」
と、こっそり、何の気配もなくコナンの背後に迫った朝巳が言った。
朝巳を警戒しているコナンは、それはもう、飛び上がらんばかりに驚いた。
「―――――――――ッ!?」
「そんなビビんなよ。ショックだなぁ」
「お前なんでっ…!?」
「ん?帰路が一緒なんだから…というか住居すら一緒なんだからいて当然だろ?つうかはよ帰ろうず」
「お、おう…」
「……」
「…………」
「………………」
「……………………」
「…………………………はぁぁぁ」
朝巳は深いため息をつき、悪ノリをした先日の己を呪う。
朝巳の所為でコナンの脳裏に根ざした「組織の人間疑惑」は、二人の関係に深く暗い影を落とした。友人かつ同居人(かつ主人公)との関係はすっかり冷え、家でも学校でも、ふとした瞬間に、いたたまれない空気につつまれてしまう。軽いノリの好きな朝巳としてはつくづく悔やまれることである。おかげで、阿笠博士になにか護身用のアイテムを作ってもらおうとか考えていたことも全部ご破算である。そもそも先日、身の上バラしをしたのも半分はそのためだったのだが。切り出しづらい話が切り出せそうな流れだと喜び勇んで、結果このザマだ。嫌になる。おまけに、探偵団のダブルクソガキとロリが、二人の関係を修正しようと、それはもう、鬱陶しいほどに動き回る。やってられるかちくせう。
しかし、全ては後の祭り。ひたすらこっちを警戒している今のコナンと自分とでは、大して話が弾まないと判断し、朝巳は一人先に帰っていく。
ちなみに、ここで「先日の己を呪う」ことをしてしまったのが、まさに「先日の朝巳」に腹痛を起こさせた原因である。
そして、二人が(微妙な距離感を保ったまま)探偵事務所に着いた時、中で声が聞こえた。
「嘘言うたらアカンでネエチャン。アイツがアンタの近くにおるのは分かってんねや。さぁ出してもらおか?
――――あの時アンタと一緒におったアイツ…
(ん?俺?)
(キタ―――――(゜∀ ゜)―――――――――!!! ……ってあれ?ドイル?え?)
とコナンと朝巳がそれぞれ思っていると、はっt、いや男はさらに声を荒らげる。
「はよ、出さんかい!!」
「へっくしょん!」
「あらクシャミ出た」
「うっせバーロ」
そんな不毛なやり取りをしながらコナンと朝巳は室内に入った。
「あ!コナン君朝巳君!ってコナン君も風邪?」
さて、小学生がランドセル背負って帰ってきたと言う事は下校途中。
部活もやってる高校生の蘭が朝巳たちより帰って来ていると言うのはちょっと、いや結構、むしろかなり変な話だが、今回は突っ込まないで置こう。その日は授業半ドンで終わったのかもしれないし。
「うん…」
鼻声で答えながら、コナンは奥の男を見る。
男は黒い肌で帽子を目深に被っていて目はよく見えないが、整った顔立ちで、背丈は工藤新一と同じくらい。なにかスポーツでもやっているのか体は引き締まっており、頭に被った野球帽がトレードマーク。その男こそ、朝巳の待ちわびた人物…のひとり。
「コナン君といい新一といい…風邪でも流行ってんのかしらね?」
「俺風邪じゃないスけど…」
「おめーは風邪ひかねえからな」
「馬鹿だって言いたいのか?よーしその喧嘩買った。今日と言う今日はキレたぞ俺ぁ。おい、そこどけ黒いの。いまからこいつにティ□・フィナーレぶちかますから」
「おい誰が黒「上等だンニャロぉ。3倍海王拳でブッ飛ばしてやらぁ」
「いや聞け「そこはお前、頭喰い千切ってやるって言うところだろうが」
「だから「いやいきなりエグイだろ!なんでそんな話に!?」
「あの「ちっ、あと十五年経たないとネタが通じねぇ」
「聞け「「っせーんだよさっきからよォ!!ちょっと黙ってろ!!」」…はい」
思いのほか普通に話弾んだ。あれ?これさんざ疑惑立てといて実は和解のときは早い?
しかしはっとr、いや黒い人ェ…。
「ん…んんっ!!ともかくや…。ネエチャン。なんで工藤と会うてへんのに、アンタは工藤が風邪やって知ってるんや?」
「電話よ。さっき鼻声で電話してきたのよ。新一」
「工藤がココに?」
「たまに電話だけかけてくるのよ。悪い?」
何をそんなに不機嫌になっているのか、蘭の言葉の節々に棘を感じる。
だが男はケロッとして、
「やっぱアンタが工藤の女であっとったんやな…これで、疑う余地もなかったとはいえ、あの戸伊流が工藤新一やっちゅうのも確定や」
「おっ、女!!?」
蘭が驚き、コナンと二人で
「「誰がそんな!!」」
「当たり前のことを!」
「待って朝巳くんのそれちょっとおかしい!!」
とシャウト。
ナイスコンビネーションである。
「誰って、二人の挙動みとったら一目瞭然やし、ウラも取れてんで?アンタの友達のあの鈴木っちゅう女が工藤、学校にも来ぇへんしアンタが匿もうてるて、そないな事も言うとったし」
(園子…)
(アイツめ…)
(疑う余地なかった?挙動見てた?え、なにこの知り合い感?ん?なにこのアレは。まるで俺の知らない何かが当然のような顔して居座ってるかのような違和感は一体何?)
コナンと蘭が園子に怨みを向けていると、己の原作知識と今目の当たりにしている現実に齟齬を感じて、段々混乱してきた朝巳が、落ち着きを取り戻すために、平静を装ってちゃちゃをいれる。
「何言ってるんスか。蘭さんが『工藤新一の女』なんてこの街中のウワサどころか常識。鈴木嬢にウラとらずとも、火を見るより明らかな事実でしょう。結婚届出すまで10カウント段階じゃないですか、あんなん」
((コラ待て好き勝手なこと言うな!))
「おお、せやったんか。この街の常識と知っとったら俺も真っ先にココ来たのになぁ」
((お前も納得すんな!!))
「連絡遅れてサーセンwww」
最後の「サーセンwww」は朝巳がコナンと蘭に向けてのものである。
蘭とコナンの心中の呟きが多少口汚いのは絶対に朝巳の所為ではない。いいか絶対だぞ。絶対ったら絶対だぞ。朝巳は絶対に悪くないんだからな!!くどい。
当然だが、この男の連絡先を朝巳は知らない。ボケては見たが、原作知識にない事象による焦りがたたり、そのキレも鈍く、一向に落ち着かない。
「で、イキナリやけどネエチャン。工藤と電話で何話したん?」
「別にぃ…。新一が最近読んで面白かった推理小説の話とかJリーグの話とか、後学校の皆は如何してるかとか」
その瞬間男の瞳が光った。
「アンタの事は?」
男が聞く。
「え?私のこと?…そういえば新一何時も自分の話ばっかで、私の事なんてちっとも…」
蘭が言うやいなや、男は一目散に探偵事務所の窓へ走りより、ガラガラッ!!とまどを開けて、外を確認する。
その勢いたるや、真昼間からビールを飲んで寝ていた毛利小五郎が驚嘆し、
「な…なんだ!?」
と、とび起きるほどである。
「ちょっと!!何なのよ!?」
突如として自分の横を走り去って言った男に蘭は困惑をあらわにした。
「変やとは思わんか?」
「えっ!?」
「度々電話をかけてくるっちゅう事は少なからず相手に好意を抱いてるっちゅう事やないか。
その相手が元気にしとるか気にならん奴がおるか?
その答えは唯一つ
――――――工藤新一はどっかでアンタの事見てるんや。
多分、この近くでな…」
「…それって所謂ストーk「オメーは黙ってろ」はい」
「えっ…新一が私の事を…?」
「きっとどっかから覗いてるんやで。
全くヤラシイやっちゃ…」
「まったくその通りd「朝巳くんは黙ってて」すんませんっした」
(まったく、相変わらず冴えてんな…ヒトがどんな思いでこんなことやってるのかも知らずに、コイツは…これだから探偵は…俺もか…)
などと、コナンが何故か朝巳を放置して思っていると小五郎が
「ところで…」
「あ、伯父さん居たんスか」
「いたよ馬鹿甥。最初っからな。で、……えー、大阪の。俺と蘭とは京都の件で知り合ってるが、朝巳とコナンには初対面だろう」
「明らかにおっちゃんも忘れとるやないか!坊主らにかこつけんな!ほんまにもう…
―――――俺の名前は
工藤と同じ高校生探偵や!!」
男…服部平次はババーンと、いや、ズバーン?ん?ドバーン…もういいや ド ン ☆ で。
とにかく名乗った。
「高校生探偵…!?」(知ってるけどな!!)
「学校サボリ…!?」(おい、もう確定だよ!完全にこいつら俺が知らないところで知り合ってるよ!!俺と言うイレギュラーの影響か!?いやしかし、転生してからの17年間、こいつらに影響があるようなことしてないし…つーかだからってドイルって!!ドイルって!!!)
とコナン(例のわざとらしい声色と表情で)と朝巳が順に呟く。心のうちではまったく別のことを考えているが。
「いやサボリはやめぇサボリぃ!!」
「いや、そうはいっても、純然たる事実としてサボリでしょアンタ。なんでそんな必死でサボリにきてんの」(落ち着け俺!!くそう、原作知識が使えないとなるといろんなアレがコレでソレになっちまうんだぞ!!)
「やかましわ。ちゃんと休みとってきとんねん」
「余裕だなドチクショウ。留年しやがれ」(本場の大阪人とトークするのはロマンとはいえ、今は条件反射でトークする暇があったらその分の頭を思考に使え俺の馬鹿!)
なんて大混乱朝巳と服部が漫才モドキをしていると
「ブェエエエエエエッキシ!!」
とコナンが大くしゃみ。
「おぉ、ボウズ。風邪か?それやったら、俺がえぇ薬持ってんぞ」
そう言いながら、気を取り戻した服部は机にドガンとバックを置き小五郎が飲み干したであろう空き缶を蹴散らしながら何か出してきた。
ソレを見ながら、心底呆れたと言う表情で小五郎はつぶやく。
「まったく、あの探偵クソガキを気にするのは勝手にしやがれってモンだが、うちに押しかけてくんなっつーの…」
「そない言うたかてしゃぁないやん。
工藤とは『西の服部、東の工藤』と呼ばれた仲や。何時も比べられとったで」
その後服部は怪しいブツをコナンに渡し、また話を続けようとした所で朝巳が、
「赤の工藤、緑の服部でなく?」(いやシミュレートしとったけども!原作の会話の流れからちゃちゃ入れの仕方考えとったけども!!今いらないんだよそういう条件反射は別にぃ!!シミュレートどおりだからってなんでちょっと嬉しそうに返してんの!?)
と、(ほぼ無意識下から)若干カップうどん臭もする茶化しかたをすると
「じゃぁかぁしわぁっ!!!誰が永遠の二番手か!!!」
キレた。
反応から察するに服部は某配管工をイメージした様だ。
で、すぐ落ち着いた。忙しい男だ。さすが関西人。
「――で、まぁ話続けるで?そんな工藤が最近サッパリ音沙汰無しや。新聞にも顔出さへんし、ウワサでは、行方不明やっちゅう…」
「それで、今は東はこの毛利小五郎って事に「それで!!服部君は新一に何の用なの?」
小五郎がしゃしゃり出ようとしたら、見事に蘭に遮られた。
「用なんて、あらへんがな。
ただ、ええ加減、アイツに会うて、確かめたいだけや。
――――工藤新一と俺、名探偵と称されるにより相応しいんはどっちか。ずぅっと先延ばしになっとるアイツとの推理対決の勝敗を、そろそろ白黒つけとうなったっちゅうわけや」
服部がキリッとして言った途端に
「いやアンタ、どんだけナルシ(笑)」
朝巳である。内心(おいもうわけわかんねぇえええええ!!ドイル!?ホワッツ!?コナンとの抱き合わせにしてももっと捻れし!!なにこれどういうアレなの!?既にある程度分かり合ってる感じなのは一体どういうこと!?)と混乱著しい朝巳である。
「うっさいなぁ。何時も比べられとったんやし、もう二回も会うてんねやから勝敗もつけたいと思うて当然やろ」
“もう二回も会うてんねやから”
その声を聞いた瞬間、ここ数日のコナンとの気まずい関係にストレスを溜め込んでいた朝巳の脳回路は、とうとう焼き切れた。真っ白になった。パーになった。
と、朝巳が呆然とした瞬間、まるでその間をフォローするかのようなタイミングで――無論その意図はないが――コナンが朝巳でもしないような変な踊りをしだした。心持、顔が赤い。
「ちょ、ちょっとコナン君!?」
蘭が駆け寄って、コナンの顔を見ると、
「あぁ~。らんねぇちゃ~ん。ックヒッ…」
ベロンベロンになっていた。ていうかクヒってどんなだクヒって。
「コ、コナン君…。って、何飲ませたの!?」
蘭が聞くと、
「
工藤に会えるまでココで厄介になるしな。コレ土産や。とっといて」
「勝手にそんな事…」
しれっと言った服部に蘭が困惑する。
―――コンコン。
「まったくアンタ子どもに酒飲ませるとか、真性のアホですか?そうなんですか?っていうか酒で治る風邪って俺聞いた事無ぇよ」
煽り魂の命じるまま、何も考えられずに朝巳も言う。
―――コンコンコン。
「うっさいなぁ。絶対治るからええねん。賭けてもええわ」
「じゃあこの二日後に治らなかったら…………百円頂こうか?」
「上等やコラ」
(なんてスケールの小さい賭け…)
―――ゴンゴンゴンガンッ!!
「なんど呼び鈴を鳴らしたと思ってますの!?
後なんどドア叩いたと思ってますの!?
まったく。この事務所は客の接待もできてませんのね!
私、急いでいますので早くして下さらないかしら!!」
そう言い、事務所の皆に「えっ?何呼び鈴鳴った?ていうかこの人誰?」みたいな目で見られたオバサン、
因みにその間服部と朝巳は
「呼び鈴?インターホンが一般的な呼び方じゃね?」
「どっちでもえぇやないか。カタいこというなや」
みたいな会話をしていた。案外話せる奴である。朝巳は相変わらず頭が真っ白なのに、という意味も含む。
―――『名探偵小五郎』今回の依頼は?
「ほう…。息子さんの恋人の素行調査?」
書類を引っ張り出しながら小五郎は言う。
「それが、彼女の写真と経歴です」
ほほうと言いながら、小五郎はそれを読み上げる。
「
ミツバ中学、ミツバ高校をトップの成績で卒業した後、現在東都医大に在学中。
女医への道をまっしぐら…」
小五郎が顔を上に向けると、公江がかなりムスッとした顔で見ていた。
「何かご不満でも?」
「いえ、何も…」
そこまで言ったら、服部が口を挟んだ。
「完璧過ぎるから気に食わんねや。人間は誰しも疑い深こうて嫉妬深かいイキモンや。完璧なモンを見ると、つい粗を探したくなる。そういうこっちゃろ、オバハン?」
「誰ですの?この子?」
「あ~。いえ、娘の友人でして…」
蘭の友人という事にされた。まあ間違ってないが、実際は蘭の彼氏の自称ライバル・探偵バカ仲間が主だ。
「とにかく、詳しい話は我が家に帰ってから主人を交えて…」
強引に依頼だけした公江に小五郎は、
「あの~これから行くんですか?
だったら、初めから二人でいらっしゃれば…」
「前にも言った通り、私の夫は外交官。こんな所に入ったと分かれば――」
「――スキャンダルになる…か。おっしゃ、俺も着いてったるで」
「何?」
「このオッサン一人で行くより、親子連れて思われたほうが、変に怪しまれんで済むやろ」
「そうね…お願いするわ」
服部、同行決定。
まあ、毛利小五郎が自宅に入った時点でスキャンダルになる気もするが。
殺人発生的な意味で。
「えぇ~。ちょっと奥さん…」
「アンタも一緒にどうや?」
服部が、蘭に聞く。
「なんで私が!?」
「一人でも多い方がええやろうし、ひょっとしたら工藤がひょっこり顔出すかも知れへんで?」
蘭が、迷っていると、
「蘭ねぇちゃん、蘭ねぇちゃん。僕らも行こうよ!!」
「でも、コナン君。風邪大丈夫なの?」
「うん。あのお兄ちゃんの薬でもう治っちゃったよ」
「せやろ?」「バッ、おまっ、俺の
(バーロ。余計に酷くなったぜ…。行きたかねぇけど、コイツ等放っとくと何しでかすか分かんねぇからな…特に明智。なんといっても明智。むしろ今、明智から目を離すわけには行かない…!)
てなことを、コナンが思ってたりする後ろでは、服部が朝巳から百円を徴収していた。大人気ない男である。
辻村邸に行く間、朝巳はずっとこんな事を思っていた。
(戸伊流ドイル誰えええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?)
と。頭の回路が復旧した(?)ようでまずは何よりである。
まぁしかし、朝巳のリアクションも仕方のないことである。同じように、今、モニターの前で首をかしげているであろう、読者諸兄の疑問も尤もである。
この世界は、実は映像メディア――つまり、アニメ、映画、OVA、そして実写ドラマ――で描かれた『名探偵コナン』の総集のような世界だったのだ。
そして朝巳がテンプレ転生を起こしたとき、すなわち暴走トラックに轢かれたときには、実写ドラマ『名探偵コナン 工藤新一への挑戦状』は、まだ連続ドラマになっておらず、テレビスペシャル一本(もしくは二本程度)が放映されたのみ。しかも朝巳はそれを見逃していたので、結局、彼の知る実写コナンは小栗時代だけであり、当然、連続ドラマ『工藤新一への挑戦状』で、とある重大な原作改変が行われていた事など、知る由もなかった。
~辻村邸~
「主人は?」
到着してすぐ公江が辻村家執事、
「はい。多分まだ書斎に居られるかと…」
そして、報告した後文雄は少し、おや?という顔をして、
「此方の方々は?」
と聞く。
公江は
「古い友人の毛利さんですわ」
と応答。
(――ディェエエエエエエン!っていや、落ち着け、情報を整理しよう。服部と工藤と蘭さんには既に面識がある。いや、ことによっては遠山和葉もだ。俺の原作知識が間違っているとは思えない。この世界がなにか…いや、もしかしたらアニメ準拠の世界と言う前提自体が間違ってるのか?いや――)
と朝巳は延々こんな事を考えていたので一切周りの話を聞いていかった。
「あっ!義母様!お邪魔してます」
とペコッと頭を下げたのが、件の桂木幸子さんであった。
そこで小五郎が
「あぁ!写真…フゴッ!!」
と依頼の件を危うく洩らしそうになったもんで服部が後ろから、口を塞ぐ。
小五郎、お前はそれでも探偵か。
「あ…貴女…。如何してココへ…?」
公江が聞くと、男の声で答えが返ってきた。
「俺が呼んだんだ。親父が幸子に会ってくれねぇから、無理矢理押しかけさせたのさ。当の親父は書斎から出てきやしねぇがな」
今、喋ったのは辻村勲の一人息子、司法修習生の
「あの、其方、義母様のお知り合いの方ですか?」
と幸子が聞く。
すると公江が
「貴女には関係ございませんわ!それに貴女に『義母様』なんて呼ばれる筋合いは御座いませんッ!!!」
と何故か辛辣な言葉で怒り出す。
「す、すみません…」
と幸子は小さくなってしまった。
「さぁ、此方へ…」
と言って、公江が皆を案内しだす。
すると、後ろからボソッと
「なんだ、後妻が…偉そうに…」
貴義の呟きである。
今の発言的に、この
そこで一人の老人が階段から降りてくる。
老人の名前は
辻村勲の祖父で元大学教授だとか。
辻村家すげぇ。
「お義父様、おいでになられたんですか?」
公江が利光に聞く。
どうでもいいが勲の祖父となるとお義父様よりお爺様が正しいのではないだろうか。
「なにを言っとるんじゃ。ワシが釣った魚の話が聞きたいと呼び出しといて…」
公江の方がが呼び出したらしい。
「どうじゃ?中々の大物じゃろう?」
と大きな魚の魚拓を見せてくる。
が、
「あぁ、そうでしたわね。すぐ行きますから和室でお待ちになっててください」
と何故かそっけない態度。が、
「うむ」
と利光は特に意に介さぬ感じで階段から降りていった。
ひょっとして公江はいつもこんなそっけない人だったのだろうか?
そして様々な人と出会いながら、やっとこさ勲の部屋へ。
コンコン。
「あなた、いらっしゃいましたよ?あなた?」
と公江が戸をたたくものの応答なし。
公江は「いないのかしら…」と呟きながら胸ポケットから部屋の鍵を取り出し鍵を開け中へ。
中にはいると、ステレオからは大音響でオペラが流れている。そんな中で勲は机に片肘をつき転寝をしていた。
「なんだ。いるんじゃないの。まったくステレオつけっぱなしでこんな所で転寝して…」
公江は勲を起こしに行き
「あなた。ちょっと起きてくださいよ、あなた。ちょっとあなた?」
とやたらあなたを連呼しながら勲の体を揺すっていると、不意に勲の体がグラリと揺れて…
――――――――――――ドサリ。
硬い地面に勲が倒れる。
全員が一瞬の間を置き、勲に駆け寄り、
「あなた?しっかりして!あなた」
と公江が声をかけるも、服部が脈を確認し、
「アカン。もう死んでるで…」
とつぶやいた。
なんと勲は既に亡くなっていたのだ。
「蘭!すぐに警察に連絡だ!!」
「はい!!」
と、毛利家では事件があると最早茶飯事なやりとりの後、蘭が部屋を後にする。
そしてコナンも遺体の状況を確認しに遺体のそばへ。
(まだ遺体は暖かいな…。それに唇が紫色に変化し始めている。―――――――――ん?髪の生え際に小さな赤い点…!!まさか…)
と数秒の観察の後、周りを見渡し、コナンは小さな針を発見し、それに顔を寄せようとした瞬間
――――――――ゴッ!!!
「あぃって!!?」「あたっ!!!?」
と同じ見解、同じタイミングで針を見つけたのか、強かに服部と頭突きをかまし合ってしまった。
服部はイライラしながら
「こんガキャ、現場をウロチョロしおって…、アンタが世話しとらなあかんやろ」
とコナンを摘みながら蘭に放る。
「大体!!死体なんか子どもに見せるモンやないで!」
服部はそうは言って蘭及びコナンを咎めたが服部も蘭も法律上ではまだ子どもの部類に入るのではなかろうか?
~そして、警察やってくる~
「死亡したのは、辻村勲さん54歳。外交官。そして…
たまたま死体発見の現場に居合わせた探偵が…」
と目暮が、呆れた顔で隣を見ると、
「この毛利小五郎であります!目暮警部殿!」
と小五郎が、元気に敬礼をしながら、目暮に言う。
「で?今日も殺しかね?名探偵君?」
と呆れ顔そのままに、目暮が小五郎に言う。
そんな目暮に小五郎は頭を掻きながら、
「いや~。目立った外傷もなく、もしかすると…」
「よぉく見てよ!あの死体!!」
小五郎の声を遮りコナンが言う。
「あ?」
「ほぇ?」
と大人二人が間抜けな声をあげるなかコナンが続ける。
「あれきっと「毒殺や」そうそう毒s…え?」
今度はコナンの声を遮り男の声がする。
「誰かに毒で殺されたんやで。このオッサン。
髪の毛の生際に小さな赤い点が残ってるし、遺体の傍には凶器らしき針も落ちてる。
このオッサン頬杖ついとったけど、きっと誰かに殺された後にあのポーズ取らされたんやろな」
「しかし、自殺の線だって…」
「なんや分からんのかいな」
少年探偵の状況整理に小五郎が異論を起こすがソレを一蹴し、なおも少年探偵は続ける。
「死体見てみぃな。
唇と手足の先が紫色に変色して目の結膜に溢血点がある。こら窒息死した証拠や。
せやのに絞殺された痕跡も溺死させられた形跡も苦しんだ様子もまるで無い。
残るは毒で神経麻痺させられて窒息死させられた可能性だけや。
しかも一瞬で殺せるような猛毒でな。
それに死体がまだ暖かかった事と、死斑や死後硬直がまったく見られんことを踏まえると…
俺らが書斎に入る30分以内に誰かに殺されたっちゅうこっちゃ。
この部屋の近くにおった……誰かにな…」
探偵―――――服部平次はそう継げた。
「毛利君!なんなんだこの少年は!?」
「服部平次…生意気なガキ探偵ですよ…」
目暮に聞かれ小五郎が答えると
「服部…平次…。
おぉ君か!大阪府警本部長、服部平蔵さんの息子さんというのは…!」
目暮が驚きを交えつつ言う。
「大阪府警本部長…?」
小五郎はなぜかその単語を復唱していた。警察事情にも長く関わらないと疎くなるのだろうか?
「つぅか伯父さん。アンタ一応探偵でしょ。速攻で目だった外傷無いとか判断しちゃってまぁ、どうりで高校生探偵にも仕事取られるわけだ…」
(…………服部くん見てると…なんだか…。
――――――――――新一思い出しちゃうなぁ…)
蘭がそう思っていると
「いや、蘭さん。自分の彼氏工藤さんと永遠の二番手あの色黒を一緒にしちゃいけませんよ?」
心を読んだかの如く朝巳である。
「うるさいなぁ…自分?
誰が永遠の
ヒエラルキーが事件>朝巳なので幾分静かな服部である。
【SIDE:CONAN EDOGAWA】
服部と、明智のやりとりを見ながら少し事件の推理をしようかという時に
「っえきし!?」
おもっくそくしゃみが出てしまった。心なしか頭痛までしてきやがったし…。
「大丈夫?コナン君?」
蘭が心配そうに俺の方を見てくる。
これはヤベェ…。本格的に風邪が酷くなってきやがった…。
「おぉ?大丈夫か?江戸川?」
明智まで心配そうに聞いてくる。
コイツ、江戸川コナン誘拐事件あの件(正確に言えば父さんと母さんの悪ふざけに勝った後のアレ)以降
あんな発言された後だから疑心暗鬼になっているだけかもしれないが本当にコイツは分からない。
とりあえず、現状全く正体が分からない男を蘭のそばにはあんま置いときたくねぇしなぁ…。
――――――――とか考えてたらまた頭痛が…。
あぁ!事件と明智どっちにも思考が回らねぇ!
あ…。イライラでまた頭痛が…。
【SIDE:STORYTELLER】
コナンが頭痛による思考の鈍さにイライラを繰り返している頃でも事件は発展していく。
「うーん。全ての窓の鍵が内側から掛かっており、外からの出入りは無理だ。
となると唯一の出入り口であるドアからあなた方の内の誰かが合鍵を使って入った。としか考えられませんな。
奥さん、この書斎の合鍵はいくつかあるんでしょう?」
と目暮が聞くと、
「いいえ。ふたつだけです」
と言いながら公江が自分のバックから鍵を取り出しながら
「一つは私が。
そしてもう一つは主人が…」
と言い出す。
目暮も驚きながら
「ご…ご主人が…?」
とどもりながら聞き返す。
「えぇ。いつもはズボンもポケットの中に入れたらっしゃったと思いますが…」
「ちょっと失礼。拝見させていただきます」
と目暮が勲のポケットに手を突っ込むと
「んん?ズボンがパンパンだな…」
と呟きながらポケットを引っ張り出した。
そしてその鍵がポケットから落ちたとき皆に電流が走った。
「――――ッ!?」
だの
「なっ!?」
とか
「馬鹿なっ!?」
なりと様々な声が上がる中、
「えぇ?何が?」
と間抜けな声を小五郎が漏らした。
「分からへんのかいな!
俺等がこの書斎に入ったとき、書斎の鍵は掛かってたんやで?
つまり犯人が犯行後に鍵を掛けて出て行ったっちゅうこっちゃ。
その書斎の鍵の一つは俺等と一緒に入った奥さんが持っていて、もう一つは被害者の二重ポケットに入っていたっちゅことは、つまり……。
これは不可能犯罪。―――――――密室殺人っちゅうこっちゃ!」
「「「「み…密室殺人!?」」」」
(; ・`д・´) ナ、ナンダッテー !! (`・д´・ (`・д´・ ;)
みたいなノリだが初期コナンは大体声をそろえて言う事が多い。
どうでもいいけど。
「んな…馬鹿なぁ…」
と呟く小五郎を見ながら、服部は一人の今回の事件についてではないが自分の推理に確信を得た。
(フン、やっぱりな。
新聞に載ってた推理はこのオッサンのモンやない。
工藤新一や。
すべてアイツが解いていたんや。このオッサンが密かに助言してもろとったんや。そして多分今回も…。
あのヌケたオッサンがどうやって名探偵なんかやってんのかと思て工藤に会いにくるついでに、もしや
まぁ当然やろな。あのオッサン、ヌケとったし。
ところでなんか『微粒子レベルで存在する』て言葉、時代を先取りしてる気がするのは俺だけか?
まぁそんなクソの役にも立たん思考放っといて事件、集中するとするか。
―――――――――――よっしゃ、この密室殺人。どっちが先に解くか。勝負や!工藤新一!!!!!!)
密かに闘志を燃やす服部であった。
そんな服部の闘志の向くさきである新一、もとい今は江戸川コナンは耳鳴りまでしてきた体調の本格的悪化に危機感を覚え始めていた。とっとと事件を片付けて部屋で寝たい。そんな考えが頭の中を回っていた。
そしてまた服部は闘志新に目暮と小五郎に言う。
「あんたら何してんねん?はよ事件の事情聴取せなアカンのとちゃうんか?」
「お?おぉそうだな…」
と目暮が引きつった笑いの後小五郎の肩に手を回して服部に背を向ける。
「おい負けるなよ?」
「はぁ?」
何に?といった感じで小五郎は聞き返す。
「よそ者の若造にデカイ顔されていいのか」
と目暮は言った。
やはりいくら彼の父が自分よりは遥かに階級の高い人間であっても若造に大きな顔されるのはあまり好ましくないらしい。
~ここまで小声~
「ではいつもどおり期待しとるぞ名探偵!」
と小五郎の肩をベシベシと叩くと事情聴取に移るのだった。
~やっと始まる捜査パート~
「では、執事の小池さんは3:00から4:00までの間玄関さきでずっと近所の人と話を?」
「はい……」
「貴義さんと幸子さんが来たのは、奥さんが戻られる直前だったというのも本当ですかな?」
「はい。間違いありません」
と慣れた感じで目暮が進めていく。
「小池さんが奥さん出迎えている間お二人は何を?」
「親父のいた書斎だよ。でも鍵が掛かってたし、返事も無かったからすぐに降りてきたぜ?」
「そしたら玄関でお義母さまにお会いして…」
「利光さんが来られたのは2:00過ぎという事ですが?」
「そうじゃ。せっかく来たのに、勲は書斎にこもっとるし、公江さんも出かけたというししかたないから書斎の隣の居間でテレビを見とった」
「おくさんがでかけたのは?」
「一時間前ですわ」
(となると犯行時刻、被害者に近づけたのは小池さんと奥さんを除く、貴義さん幸子さん利光さんあの三人っちゅうことか)
服部が独自にそんな事を推理していく。
「おぉ。それにしても凄いCDの量ですなぁ」
捜査に関係あるんだか無いんだか分からない事を目暮が聞く。
そんな発言を盗み聞きしていたコナンはアニメ鼻水を垂らしながら、
(あぁ確かに凄い音量で掛かってたな)
とぼんやり思っていた。
「あぁ、旦那様はクラシックがお好きだったもので…」
小池がそれに応答する。
それにもコナンは反応し、
(あれ?俺達が入ってきたとき掛かってたのってクラシックじゃなくてオペラだったような?)
さすが風邪は引いていても探偵の耳である。
目暮は写真を棚から見つけ公江に聞く。
「この写真は?」
「もう刑事さん。いいじゃないですか。そんな二十年前の写真…」
と公江と目暮がやり取りをしている中、コナンはいよいよ目まで霞んでくるという事態になっていた。
というか、蘭くらいきずいてやれよ。
コナンの体調の悪化に誰も気付かないまま捜査は少しずつ進展していく。
「警部。机の上の本、どうしましょう?」
「う~ん。まぁ放っとけ」
放っとけというかどう考えても現場保存で必要ではないだろうか。
(本?そういや脈絡のない本が死体の前に積んであったな。まるで本棚からごっそり抜いてきたような…)
「警部。被害者の所持していた鍵に妙なものが…」
「何?」
「キーホルダーが半分に割れて、中にセロハンテープが…」
(なんや?これ。真ん中に一本の細い筋…)
服部は目暮の隣から、覗きこみながら思考をめぐらせている。
「僕にも、僕にもみせ――――――――――――」
服部が考えている頃コナンも新たな証拠に目を通しておこうと目暮によろうとする。
その時
「―――――――――――ッ!?」
不意の心臓の痛みがコナンを襲う。
ここで蘭がやっとコナンの体調にきずいたのか「コナン君?」と声をかけてきた。
遅い。遅いぞ保護者。
(やっべ!?心臓まで痛くなってきやがった!?早く事件解かねぇと…!)
目暮が小五郎と閃いた?全然。みたいなやりとりをしている頃、服部は何かを思いついたように走り出した。
そしてコナンも悪化し続ける体調のまま推理を開始する。
――――――――――――死体の前に不自然に積まれた本
――――――――――――それに現場に掛かっていたオペラ
鍵についていたセロハンテープ―――――――――
その真ん中の謎に残された謎の空間――――――
そしてこのドアの下の隙間―――――――――――――
―――――――――――――オペラ!?
そうか!!分かった!!密室のトリックが!!!!
二人とも推理が一定の答えに達したらしい。ついで言うと左コナン、右服部である。
そして一足先にコナンは犯人も分かったようだがここでコナンの体力が限界を迎えた。
ドゴという硬い音と共にコナンが床に倒れ伏す。
そこでやっと周りが気付いたのか目暮が
「おい、医者を呼んでやれ」
と他の刑事に言う。
「あの、どこか休ませられる場所ってないですか?」
蘭が貴義に聞く。
「あ、あぁじゃあ俺の部屋を使え」
といって蘭は貴義から部屋の場所を聞き走りだした。
「あれ?そういえば服部くんがいないな」
目暮が服部が消えていることに気付いた。
「あぁ、彼なら和室の場所をきいた後、この部屋から出て行きましたよ」
と小池さん。
(和室…?)
コナンは朦朧と混濁する意識のなかそれを耳にしていた。
一方そのころ服部は和室をごそごそと物色していた。
(どこや?どこや?俺の推理が合ぅとるならこの部屋のどこかにあるはずなんや…)
そしてゴミ箱をあさり何かをみつけ
(あった…!
――――――――工藤…この事件俺が貰ろたで!!)
と一人勝利を確信するのだった。
(たしかこの事件って…。
――――――――――――――そろそろ準備しとっかな)
そんなことを思いながら朝巳もでかいバックを背負いながら部屋を後にするのだった。
そして蘭が走りだした瞬間服部が戻ってきた。
「服部君!?」
「分かったで、密室の謎も、犯人もな…!」
また(; ・`д・´) ナ、ナンダッテー !! (`・д´・ (`・д´・ ;)みたいな感じで全員が服部を見る。
というか辻村家の皆様に至っては言っている。
「もぉ…解けちゃったの…?」
「お前がチンタラしとるからだぞ」
と小声で会話する目暮&小五郎。
蘭と服部がすれ違う際、コナンは服部のポケッの中にあるものを見つける。
(てぐす!?
―――――――アイツ…まさか…)
そんな事を思いながらコナンは退室せざるを得なかった。
~場所は戻って書斎内~
現在目暮を死体役として服部の推理ショーが開催されている。
「事件当時、この部屋の窓にはすべて鍵が掛けられとった。
そんで唯一の出入り口であるあのドアにも鍵が掛かっとった。
これはどう考えても脱出不可能な密室殺人や。
けど完璧な密室にみえるこの部屋にも一箇所だけ隙がある。
――――――――そのドアの下の隙間や!!」
名探偵よろしく部屋をゆっくり歩き回りながら服部は言う。
だがここで小五郎が異議を申し立てる。
「おいおい。まさかこのドアの隙間から被害者のポケットに鍵を投げ入れた。
とか言うんじゃねぇだろうな?」
と。
だが服部はまったくその顔を曇らせることなく、いやむしろよく聞いてくれましたと言わんばかりに顔を輝かせながら
「とごろができるんやなこれが。
セロハンテープと俺が見つけたこの針つきのこのてぐす使こたらな!!」
論より証拠。実演タイムである。
今までずっと寝転がってもらっていたというシュールな状態だった目暮を使ってやっと服部解説つきの実演がはじまる。
「まず犯人は被害者を毒針で刺して殺した後、被害者が持っとった鍵を奪った。
そして針つきのてぐすを取り出し、針のついていない方をキーホルダーにテープで固定し、針を被害者のポケットにつっこみてぐすを通し、そのあと被害者を発見当時の『頬杖をついた体制』をとらせる。
そんでてぐすの両端を持って部屋から出て、てぐすをドアの隙間に通したあとドアを閉め、そして鍵を掛ける。
そしたら後はてぐすを引っ張るだけや。
鍵はてぐすに沿って床を滑り机を昇り被害者のポケットに…。
ほんで仕上げに更にてぐすを引っ張るとてぐすが切れる。あとはソレをドアの外から巻き取れば完全な密室の完成や!」
とドヤ顔をしながら服部は部屋に入ってくる。
そのころコナンは最早緊急事態だった。
もうそれはコナンが自分が死んでしまうのではと思うほどに。
汗はダラダラ、息は荒く、目は剥かんばかりに開いている。
「コナン君!大丈夫!?もうすぐお医者さんくるからね?」
と蘭はコナンに声を掛けながらそわそわしている。
――――――――――ピーンポーン。
気の抜けたインターホンの後蘭が
「あ、お医者さん来たのかも!呼んでくるね!」
とコナンを残し部屋から駆けていった。
――――――――どうした工藤!俺の推理に文句あるんやったらはよ出てこんと、俺が全部解いてまうぞ!!
と自身満々に工藤の登場をまちわびる服部。
―――――――――俺……どうなっちまうんだ?俺このまま死んじまうのか?
未知の症状に苦しめられるコナン。
そして、部屋を出て行った朝巳は今―――――――――
~~~~~~~~~~『迷宮のラヴァーズ』 song by heath~~~~~~~~~~~
最後にもう一回申し訳ありませんでした。
ていうかめちゃくちゃ遅くなった割にこんな話だしむちゃ設定だし、許してもらえるのかな…。
まぁ許して貰えなかったら吊ろう。
(一応戸伊流は明確な訳があっていれざるをえなくなった所です。興味本位で入れたわけではございません)