名探偵コナン 探偵世界の転生者〈レインカーネイター〉 作:げろっぱ
果たして待っている方とかいらっしゃったのかよく分からないんですが服部偏・後編です。
言い訳…げろっぱ一応就活やっておりまして、その就活がやっとこさ落ち着いてきたので、落ち、着いてきたので、執筆した所存です。
ブランクで色々おかしな所があると思いますがどうぞ。
――――――――どうした工藤!俺の推理に文句あるんやったらはよ出てこんと、俺が全部解いてまうぞ!!
と自身満々に工藤の登場をまちわびる服部。
―――――――――俺……どうなっちまうんだ?俺このまま死んじまうのか?
未知の症状に苦しめられるコナン。
そして、部屋を出て行った朝巳は今―――――――――
~~~~~~~~~『Feel Your Heart』 song by VELVET GARDEN~~~~~~~~
トイレでゲンドウポーズをしながら、盛大に自己嫌悪に陥っていた。
それもそのはず、朝巳はカラオケボックスの件でどんなクズ野郎共であってもそんな奴らの所為で豚箱にいれられる犯人があまりにも可哀想という理由でできるだけ思い出せる様な事件を中心に未然に食い止めてやろうという思いをずっと持っていた。
にも関わらず今回、
その事実に免疫が完全に出来ていなかった頃に、その事実を畳み掛けられ、朝巳の思考は完全にショートしていた。
その思考停止のまま被害者宅に上がり、被害者の死亡が確認されるまでの間、もはや本能的なやりとり以外は自分の世界に閉じこもって、ショートした思考回路の復旧をしていた。
そして、被害者死亡、コナンぶっ倒れと色々あってやっと現実の世界に思考が戻ってきた朝巳はとりあえず人知れずやっちまった感に苛まれた為&これからの為にトイレに篭り便器で盛大にため息をつきながら、持参のバックをゴソゴソと弄っていた。
そして朝巳は最後にこう呟くのだった。
「あいつそろそろかなぁ…」
朝巳が一人ぶつぶつ言いながら後悔している頃、蘭は病院の先生を先導且つ急かしながら人様の家を爆走していた。
その時の蘭の急かし方は「急いでください」ではなく「急いで」という命令口調である。まぁそれほど心配していると言う事であるのだろうが。
そしてドアをドカンと壊れんばかりの勢いで開け放ち
「コナン君!!!来たよ!!お医者さん!!!」
するとそこにコナンの姿は無く…。
「コナン君…?」
という蘭の呟きは隣の年配の医者の死にそうな息にかき消された。
そこからは蘭のコナン探しタイム。
室内のベッドから始まりクローゼット果てはゴミ箱まで探しいないと分かるや否や部屋の外へ状況の分からん老医師を後ろに引き連れ、あちこちへ蘭は走りまわっていた。
そしてなんだかんだ皆のいる部屋へと戻ってきた。
蘭がコナンを探し回っている間、服部はトリックを語り終えドヤ顔で皆の前に立っていた。
「で!?犯人は誰なんだ!?」
と目暮&小五郎。
後何回か言ったと思うけど、小五郎アンタ一応探偵だろ。も少し頭使わんかい。
「まぁまぁ待ちぃな」
と服部はアツくなる二人を窘めながら、服部の考えの中には
服部は少し間を置き、新一が出てこないことに関して試合放棄かとかヌカした事考え
まぁえぇわとドヤ顔かましながら皆に犯人について語りだした。
「まず、この被害者を殺害し、このトリックを完成させるには最低5~6分は必要や。
そして犯行時刻は3:30から4:00までの間。
4:00ごろに帰宅しその間ずっと俺等と一緒におった奥さんは論外。
同じく3:30あたりから4:00ごろまで近所の人と話しこんどって俺等と一緒に帰宅した奥さん出迎えた執事サンもシロや。
俺等より先に家に来て執事さんが奥さんを出迎えている間、二階に上がった息子さんと彼女はちょっと引っかかるけどその間長く見積もっても一、二分。犯行は不可能や。
となると…。
2:00過ぎにやってきて、この書斎の隣の居間でテレビを見とったっちゅう、爺さん!!
アンタしかおらんよなぁ!!」
超長い推理タイムである。
しかしまだまだ服部のご高説は続く。
「証拠は居間のゴミ箱で俺が見つけたこの針付きの『てぐす』や!!
このてぐすは新素材で出来とる細ぅて強い特殊な釣り糸や!釣りをやっとるアンタが知らんとは言わさへんで?
それにアンタは俺等と奥さんがこの書斎に向かう途中、階段の所で、『和室で待っていてください』て言われとったなぁ?つまりアンタは犯行後に和室に行ったんや。完全犯罪を確認してな。
その和室のゴミ箱からこのてぐすが出てきたんが何より証拠ってヤツや。どうや!違うんか!」
と捲くし立てる。
蘭が部屋に入りコナンがこの部屋に再び来なかったか現場の警察に聞いているのを意にも介さず、睨み付ける。
「爺さんよぉ!!」
と止めとばかりに声を上げる。
そして遂に利光が
「―――――――――そうじゃ」
と犯行を認め。
「息子の勲を殺したのはワs…」と自供の最後の一文字を言いかけたその時、
服部が”工藤に勝った”と口端に弧を描きかけたその時、
「―――――――――――――――――――――――――――いいや。そいつは違うな」
その声と共に彼、東の名探偵――――――――――――――――――
――――――――――――――――――工藤新一はやって来きたのだった。
「その推理は違うぜ?服部」
【SIDE:SⅠNⅠTⅠ KUDOU】
ふぅ…。
結局どんな効果が体のなかで作用して戻ったのかは詳しくは分からなかったが、戻れて良かった。
まだまだダルイのと汗が止まらないのが少し厄介ではあるが…。
まぁ事件の真実を話すだけなら問題無いだろう。
このまま、パパっとこの
蘭と帰れるといいなぁ。
にしても驚いた。
いきなりこの姿に戻っちまって
・コナンがいた筈の自分のベッドに俺がいる。→俺=コナンとバレる→蘭に事情を話す必要が出てくる→蘭を危ない事に巻き込む
というチャートを一瞬で組み上げてこのルートは流石にヤバいと思考を巡らして、部屋を抜け出して、トイレに駆け込んだらそこにはなんと明智が座り込んでやがったんだから。
【SIDE:STORYTELLER】
~回想~
コナンは蘭がバタバタと慌てて医者を迎えに行ったタイミングで激しい動悸の末になんと工藤新一に戻ってしまっていた。
(は…?何が起きた…?
すげぇ苦しかったのが一瞬楽になったかと思ったら、これだ。
なんだ?何が作用して戻ったってんだ?
つうかホントに一瞬楽になったってだけで今はさっきほどでは無いにしろ風邪の症状のようなものが出続けてやがるし。ホントなんなんだ?)
そこまで思考を巡らした後江戸川コナンもとい工藤新一は蘭が医者が来たといって出ていったのを思い出し、ベッドを抜け出した。
だが、新一はそんな夢物語を信じられる信じられないの話に関わらず
よって新一は蘭が戻ってくる前に、部屋を抜け出した。
確かに上記の理由が第一なのだなが、工藤新一に戻る際、江戸川コナンの服は破けもしくは脱ぎ、現在新一、裸一貫である。
スッポンポンである。
どこがとは言わないがモロ出しである。
流石に新一とて思春期真っ只中の高校生、想い人に素っ裸を見られたくないというのも少なからず理由としてあったので誰にも会わぬようにと細心の注意と最大の祈祷を心の中で念じながら上がってきてコナンを捜索している蘭と医者の先生をやり過ごしつつ、家の中をウロウロウロウロしていたのである。
部屋にあるであろうクロゼットの中を探れば着れそうな服の一枚や二枚出てきそうな物だがいきなり戻れた事への戸惑いと『蘭が来るやべぇ』の焦りでクロゼットはスルーされた。
名探偵も年頃の健康的男児なのである。
そして、一度休憩にと一階階段脇近くのトイレを見つけ一度そこに逃げ込んだのである。
ドアをバァン!と開けると中で
「ん?おぉ、江戸川、工藤新一に戻ったのか…」
自虐的な笑い浮かべた朝巳と、視線を下に移した朝巳の
「って………………どんな格好しとんじゃお前はぁ!?」
朝巳のツッコミが待っていたのである。
そんなツッコミと新一をトイレ内に入れつつドアを律儀に閉めた朝巳は蓋を閉じたままの便座に座りなおすと、新一に対し、足元のバッグを指差しながら
「
と言った後、フーとため息をつきながら、トイレの壁に視線を向ける。
「ちょっと待てよ。なんで俺が戻るなんて可能性が本人である俺には無くてお前にあるんだよ!」
「うるせぇな。細けぇ事ぁいいだろ?俺もお前も
つうかせっかく工藤新一に戻ったんだから蘭さんに話しておきたいこと山ほどあるんじゃないの?
もう
だったらホラ、今起きてる事件パパッと解いていかないと。
解毒の効果なんて完璧な解毒薬じゃないから所詮一時的な物なんだし」
朝巳の知った様な口ぶりに新一はまたも訝しげな顔をしたがこれ以上追求しても今は話さないだろうと見切りをつけ、蘭に話したいことというのも一理どころ百理近くあるので朝巳のバックを漁りだした。
と言っても新一も一度戻ったらもうコナンには戻りたくないのでバックを漁り適当な背広をみつけ着ながら
「な、なぁこの解毒が一時的なものっつったけどよ?そもそも何が起きてこの状況に至ったのかそれだけでも教えてくんねぇか?それが駄目ならいつか全てを暴くつもりではあるけど何が原因かくらい教えてくれよ」
いつもウザい程絡んでくる朝巳がため息を付きながら、
「探偵だろ?なんでも聞くんじゃねぇよ」
と言ったが、新一も
「っつっても捜査の基本は物証探しと聞き込みだぜ?」
と反論。
語彙力ゼロなので呆気なく論破された朝巳はまたため息をつきながら
「
とため息混じりにちょっと端折って呟いた。
心に白乾児の事をメモしつつ、朝巳の様子を見た新一は明らかな変化に目敏く
「明智、俺はお前をまだとてもじゃないが信頼できていない。結局お前の正体も本当に『蘭の従弟でおっちゃんの甥である明智朝巳』個人であるという確証もないし、組織の一員でないなら何故薬が白乾児の効果で一時的に解除されるのか知っている?という疑問もあるからな。
でもなんかいつものお前……どんな時もオチャラケて周りを緊張させまいするお前じゃ明らかにねぇよな。どうしたっつうんだ?」
「いや?ただ両親の時も思ったが人を殺すより殺さず守る事の方がよっぽど難しいんだなと遅ればせながら思考がそこに思い至ったってだけ…」
正直朝巳が何を考えているのか新一にはさっぱり分からない。両親の方の話ならば分かる。
だが今回の事件は朝巳の親戚筋の人間の犯行でもなければそもそもこの家族自体、朝巳にはまったくと言っていいほど関係は無いと思われる。
着替えつつもそのことが不可解になった新一は、聞いてみた。
「なぁ、明智。お前、今回の
「ん?」
と朝巳は新一の質問を聞いた後、一呼吸置き考え、
「なんだろうなぁ。
まずそもそも俺はお前に信じられてる信じられてないは置いておくとして人の命を軽んじているつもりは無いと言う事を大前提として聞いて欲しい。
まるで他人事ていうか自分ですら自己満足と思うんだが、以前殺人事件に発展しそうな件を一個止めることが出来たんだがな?その時に俺、勝手に思ったわけ。
とんでもない誤解が招いてる事件とかくそったれな奴の所為で殺人なんてしでかして豚箱になんていれられる人がでるのは嫌だなぁと。
と言っても後者はこの恨み死んでも晴らしてやりたいド外道な相手が…って気持ちも分かるし、晴らさせてやりたいと思わないことだってない。
それに俺も誰某の復讐とかその辺が動機になってくると、分からなくもない。俺だって両親の事あるし。
それでも某家政婦さんが言ってた事だが『誰かが死ぬと言うのは誰かが悲しむ』って事だろ?
俺自身そんな崇高な考えを持ってるわけでは無いが、身内が死んだからこそ俺にはその悲しみが分からんでもないし、犯人にしたって誰かの復讐が動機になってくる場合はその悲しみを少なからず背負って生きてるって事だろ?
確かに証拠とかが出てこなくて法で裁けない。なら私刑で裁いてしまえって気持ちも分かるが、
だってあらゆる角度から見て見れば
そして結局殺しなんて事は自分の心を荒ませるし、遺族にも悲しみや恨みしか残さない。
そいつを殺してやるなんてことを目標として生きるのはある意味活力がみなぎると思うが、そんなモン達成した所で誰も得する奴なんて出てこないし、やった後に残るのは目標を失った喪失感と過去に失ったモノへの虚無感だけ。
そんな目標になんの意味がある?
そんな達成になんの価値がある?
結局その殺しはなにかを生み出すのか。
その殺しは得なんてする人が果たして本当にいるのかどうか。
その辺しっかりと考えるべきだと思う。
んで結論になるけど、そんな身勝手な自論展開しときながらアレだけど蓋を開けてみれば今回は超個人的思考回路のショートから完全機能停止。
勝手に止められる事件は止めてやろうなんて考えてた自分としては情け無いったらないね」
と言い切った。
「んで、さっきも言ったが今回の
と言ってコナン(新一)をトイレから追い出した。
~そして場所は書斎へ~
新一が『対決のテーマ』をバックに現れた書斎は騒然としていた。
目暮が「工藤君」だとか小五郎が「お前は…!」だとか喋るが新一、蘭、服部には眼中に無い。
蘭が全員の呟きやらをかき消す勢いで、「新一………」からのつなげで
「どこ行ってたのよ!!!!
いなくなったと思ったらいきなり現れて…。
私がどれだけ心配したと思ってんのよ!!!」
と怒鳴った。
新一はそれに対して
「バーロー。泣いてんじゃねぇよ」
と蘭の隣に立ち頭を軽くポフポフと叩き耳元で
「待ってろ、蘭……」
と呟き、服部の元へ行こうとする新一の並ならぬ汗と調子が悪そうに歩く足取りに気が付いた蘭が振り返ると新一も首だけ振り返り
「すぐ。すぐ終わる…」
と言って歩いてゆく。
蘭は「新一…」と呟き、見守ることしかできない。
にしても彼女泣いてんのに謝らずにバーローで頭ポフポフかつ耳元呟きとかイケメンにしか許されない所業である。
だが新一イケメンだからある程度は許容されるが、彼女に限らず心配させたらまずは謝るのは人として当然ではなかろうか…。
蘭に便乗するように服部も
「そのネェチャンの言う通りや。
今更出てきて俺の推理が違うやと?
というか、ネェチャンが新一呟いとって反応したっちゅう事は、やっぱお前が工藤やないか。あの共鳴の事件の後二回くらい会うたけどその度に、戸伊流なんて分け分からんけったいな偽名使いよって」
「あぁ、
と二人ともニヒルに笑いあう。
「で?本題や。
俺の推理のどの辺りがどんな風に違うっちゅんじゃ工藤?」
と服部は新一に挑発の如く新一に問いかける。
すると新一も
「あぁ、お前の推理であってる所は精々毒針で被害者の首を刺したところくらいまで。
今から俺がお前の推理は机上の空論。…100%不可能だという事を証明してやるぜ」
と返す。
今ここに改めて互いをライバル視しあう二人の名探偵に置いてけぼりを食らった目暮が
「こ、言葉を挟むようで悪いが工藤君。
彼の密室トリックは完璧だったぞ」
と言いそこからまた服部がやった推理をそのまま新一に話した。
律儀にすべて聞いた新一が目暮に
「本当に目暮警部のポケットに入っているんですか?私は鍵は被害者の二重ポケットの中に入っていたと聞きましたが?」
という問いかけに自分の推理を否定された服部が
「当たり前や」
と出てきて目暮のポケットを弄りながら
「嘘やと思うんやったらよう見とけ!
この二重ポケットの中に…」
とまで言ったところで目暮のポケット(二重では無い方)から鍵がカランと虚しい音を立てて床に滑り落ちた。
「!!!?」
服部自身がたった今起こった自身の推理との矛盾に唖然とする。
「そんなアホな…。俺はちゃんと二重ポケットの中にてぐすを通したはずや…」
どこが違ったのか思案し始める服部の隣で新一が
「鍵を入れた時目暮警部が座っていたからだよ…。
座っていたから、ポケットが折れ曲り鍵の通り道を狭め、奥にある二重ポケットに入る前にテープからてぐすが外れてしまったんだ。
まして、被害者が目暮警部の様に太っていたのなら尚更だ」
と服部の推理の矛盾点をあげて否定していく。
目暮も被害者のポケットがパンパンだったのを思い出していた。
尺の都合上と作者の執筆下手のせいでもあるのだがニヒルに決めあった割りに推理の瓦解が早いぞ服部!!
もうちょい頑張れ!!
「ほ、ほんでも何回か、十回に一回くらいの確率やったら…」
と服部は譲らない。
対し新一も
「何回やっても同じ事…」
と服部の推理を真っ向から完全否定。
だが今回は自分の推理の矛盾を覆す根拠を示せない服部とは違い新一は
「思い出してみろ…被害者のポケットに入っていた時の鍵の向きを…」
と服部に指摘。
「―――――――――――――――――――――――――――ッ!?」
新一と並び称されるだけはあり、服部は瞬時の新一の言わんとすることに気づく。
「言わなくても分かったようだな。そう。ポケットに入っていたとしてもお前の推理と方法だと入っているのはキーホルダーだけのはず。まして狭いポケットの中で、鍵とキーホルダーが『くの字』に折れ曲って入るわけが無い。
それがキチンと入っていたということは…」
そこで新一は一端区切り呼吸を整えるように息を吸い、
「犯人が予め鍵を二重ポケットの中に入れていたってことだ…」
と結論付ける。
「ほ…ほんならなんや俺が見つけたこの、針付きのてぐすは…?」
服部の尤もな質問にも
「それは
としっかりと解答。
「せやかて工藤!あのじぃさんは自分で犯行を認めよったんやで!?」
「あれはあの人が犯人のトリックにわざと乗っただけ。どんな理由があるかはわからないがな…」
「確かに俺の推理は間違うとった。それは疑いようも無い事実みたいやから認めるとして、そしたらこの部屋は完全な密室や。まさか真相は自殺やったとでもいうちゃうやろな?」
「当たり前だ。自殺なんかじゃねぇ。まだ真犯人が残したトリックの件もあるしな」
「トリックやと…!?」
最早その他の人物の質問が入る余地の無い質疑応答が延々と続く。
「忘れたのか?
被害者を発見した際、部屋にオペラがかかっていたのを。
被害者の前に本が積まれていたのを。
前者は毒針を刺した際、被害者が出すかもしれない呻き声を歌声で消す為。
後者は同じく刺した際、被害者の苦痛に歪むかもしれない顔を隠すため」
新一は自分の推理を話してゆく。
ただその場にはいなかったのに、さも自分いましたみたいに忘れたのかと言っている事にツッコミをいれてはいけない。
「ハ…ハハハ。だ、誰から隠す必要があるねん…?」
服部は乾いた笑いを漏らしながら聞く。
新一は
「それはお前だよ。服部…」
と真顔で服部に返す。
「なんやと…お…俺!?」
と服部が自分を指差す。
「いや、正確に言えばお前だけじゃない。一緒に書斎に入った毛利探偵や蘭にも気付かれてはいならなかったんだ」
「ほ、ほんなら真犯人って…」
と服部がある人物を見る。
「そう。真犯人は書斎にお前達と一緒に入りかつ被害者に一番最初に駆け寄った人物。
そう、つまり真犯人は……」
新一は溜め、
「―――――――――――――――――――――――――――あなただ!!!!」
とある人物を指差した。
そんなタイミングで朝巳はリビングに顔を出した。
【SIDE:ASAMI AKECHI】
江戸川(工藤新一)を送り出して十分ちょいたってテンションもいつもの調子に近づいてきたので、いつあいつが江戸川に戻っても対処できるように俺もこうしてリビングに舞い戻ってきたわけだが…。
ちょうど犯人指摘タイムが行われていたようで。
江戸川が指摘した犯人は辻村夫人。
うん。知ってた。つうか思い出した。
辻村氏が殺された後で。
まだ名探偵が推理している最中に悪いが異例の推理中に動機とかバラシ。
後々夫人が動機を語ると思うが被害者であるところの氏は割かしく屑だがそんなのを殺して豚箱行きなんてやっぱり止めたかったってのは大きいな。その所為で夫人の人生めちゃくちゃじゃないかと。
まぁ『氏に夫人を欲しいが為とライバルを蹴落とす目的で汚職の濡れ衣を着せられそのまま獄中死した前の
だが止めたかったと思いはするがやはり殺人はだめなことだ。
結局はそれに帰結する。
被害者遺族はアンタとこれから同じ様な感情を抱いて生きていかなければならなくなってしまうかもしれないわけだから。
殺人なんて大罪を犯して、かつ関与していたとは言え利光氏を犯人に仕立て上げ、のうのうと生きていこうとするなんてそんなの氏と一緒の事やろうとしているだけだ。
あんたはその人にハメられた元旦那さんの恨みもあると思うが、その行為をやった氏を殺しているんだから同じ事をしてはいけない。
あんたは幸なのか不幸なのか罪を暴かれようとしているのだからしっかりと償うべきだよ。
【SIDE:STORYTELLER】
勲は麻酔で服部達が部屋に入る時にもまだ強力な麻酔で眠らされていただけで生きており、勲に起こすフリをして近づいた時初めて毒針を刺して殺したといった話や、本やオペラでさえも念のためであったり、万が一警察が麻酔の成分を体から見つけたとしても殺す時に抵抗されないように打ったのだろうと誤認すると服部をもってして言わしめた、公江の所謂
『人を部屋に呼びそんな中で、しかも探偵の目の前で人は殺さない』
という心理的盲点をついた心理的密室トリックを完璧に論破していく新一。
最後は物的証拠である公江のバックに入っていた毒針を収納できる溝のついたキーホルダーを見つけ、この推理劇は幕引きとなった。
その後公江が幸子の本当の母であることがカミングアウトされたり、動機語ったり、貴義に幸子の事託したり色々あった。
服部が
「奥さんが幸子さん辛ぅ当たっとたんわ母親やバレへんようにする為やったんか…」
とボソッとつぶやいた。
直後新一がものすごい咳をした。
蘭と服部が大丈夫かと声をかけてきている所を新一は手で制し
「ちょっと風邪気味なだけだ。気にすんな」
と本棚背中に辛そうな顔でつぶやく。
新一が大丈夫だと思ったのか服部が
「にしても工藤お前なんであんな事件の事よぅ知っとったんや?やっぱどっかで見てたんと---」
服部がそこまで言ったタイミングで新一が
「バーロー。そんなんじゃねぇよ。
「嘘よ!!」
今度は新一の台詞を蘭が喰い気味に否定する。
「だって服部君言ってたよ?電話で元気かって聞かないのはどこかで見ている証拠だ、って。
きっと私が心配してるのを陰でみて笑ってたんでしょ?信じられない!なんでそんなことできるの?
私がこんなに…………こんなに…………」
と半ば自棄で新一に言う。
それに対し新一は
「ナメんなよ」
と蘭の言葉を一言で一蹴。
続けて
「俺は探偵だぜ?蘭のことくらい、声聞ききゃ大体分かるさ」
恐ろしいイケメン力である。
朝巳はそのイケメン力とクッサイ台詞に噴出し盛大にムセて部屋の外に出て行った。
その後新一が苦しそうに咳をしだしたので蘭は医者を呼びに出て行った。
そんな朝巳や蘭は置いといて服部は新一に
「さすがの推理力やな工藤。戸伊流の時から思てはおったけど、今回ばっかしは完璧に俺の負けや」
と服部が言うと
「バーロー。推理に勝ったも負けたも、上も下もあるもんか。そうだろ?」
「真実はいつも、
恐るべきイケメン力+探偵力である。
服部も一瞬目を見開き、一瞬自虐的に鼻で笑うと
「そらそうや。今回は俺は推理勝負に拘りすぎて冷静やなかったみたいやな」
と振り向きざまカッコよく言った。
のだが新一がとうとう胸を押さえて膝を折ってしまったので
「おい、大丈夫か工藤!」
と声をかける。
だが新一は服部の声など正直耳に届いていなかった。
なぜなら朝巳が言ったようにまた縮む傾向が、あの時薬を飲まされた時と同じ様骨を溶かさんとする症状が体を襲っているからである。
新一は服部が止めるのを聞かずに部屋を後にした。
その後蘭が医者を連れてきた時、見たものは新一ではなく―――――――――――――
~時はほんとにちょいと遡り新一が部屋をでた直後~
新一は耐え難い体中を焼かんとする熱に胸を押さえ階段のすぐ傍まで来ていた。
階段の下には何故かコナンのスケボー(エンジンは踏んでない)に乗ってエンジンを点けた状態のエア練習のような事をやっているのが霞んで見えた。
だがそんな事今はどうでもよく新一はずっと小声で
「も、戻っちまうのかよ…あの姿に…コナンに…。頼む!もう少しだけ待ってくれ!戻らないでくれ!本当の口で!本当の声で!もう少し…蘭に……!!!」
と言いつつも戻りそうであることは自分が一番分かっている。
蘭を巻き込むことは出来ない。
辛くても蘭と話たいという心と巻き込めないという心の葛藤のなか新一は階段を一段一段下りていく。
が途中で意識が遠ざかり、階段から足を滑らせ落ちてしまう。
ゴロゴロ転がり落ちてきた新一を見た朝巳はものっそビックリしながら蘭が「急いで!!」と急かしているところを見て一瞬で察し新一をトイレに運ぼうとする。
が意識を失った成人男性近くの体など多少柔軟性があるマネキンと変わらない。
小学一年生が運ぶのには無理がある。トイレまで運ぶまでに見られてしまう可能性がある。
そこでいらんことしぃの朝巳である。
関係ないが朝巳は犯人が万が一逃げた時の為にコナンが追跡するようの準備は完璧なのでスケボーをコナンが忘れた場合はバックに入れて持ってきている。
さっきもそれでイメトレをしていた。
そこで朝巳は考え付いた。
新一(コナン)の運搬方法を。
①トイレのドアをあけっぱに。
②新一の体をスケボーに括り付ける。
③あとは押していけば台車の要領で運べる。
という杜撰な計画を、である。
まぁ朝巳はおバカなのでその通り実行してドアを開ける。まではやった。
だが新一を固定する際、伸縮自在サスペンダー(コナン所持)を使って括り付けている時に、新一の体がターボスイッチを押しっ放しにしてしまったのである。
スケボーはモチロン急発進。
新一はスケボーの上でコナンに戻った。それも相成り、スケボーは更にスピードを上げほぼフルスピードでトイレに突っ込んでいった。
トイレの陶器やらなんやらが強烈に割れる音や水があふれる音が盛大に辻村邸に響き渡る。
結果として医者を連れてきた蘭が見たものは
トイレに顔面から突っ込んでいっているコナン、ポカーンとしている朝巳。それと壊れたトイレだった。
「あぁ蘭さん。工藤さんなら新しい事件が来たつって玄関から出て行きましたよ。
あと言伝を貰ってるんですけど、工藤さんが自分が事件に関わった事は誰にも言うなって」
「いや、なんで普通にこっちみて話し続けられるのか不思議でならないんだけど…」
と朝巳と蘭である。
~~~~~~~~~~『迷宮のラヴァーズ』 song by heath~~~~~~~~~~~
恒例の後日談。
というより事後報告。
今回は事件の事で報告することはそうないので割愛しておく。
俺が蘭さんに言ったとおり、工藤新一が外交官殺人事件に関わった事は完全に秘匿され、世間に工藤新一の名前が出ることはは無かった。まぁこれで黒の組織の連中にバレる確立も下がるだろう。
で、俺への誤解が微妙に解けてないまま事件も終わり、更にそこから三日が過ぎ、江戸川が完治した所で砂利共が事務所にやって来て、学校の宿題の読書感想文を手伝ってあげるから図書館行こうず。みたいな流れになったので皆でわさこら移動し、
そしてついに米花図書館に到着である。
そしてそこの館長をみて思わず俺は口走った。
「ボク、帰ル」
と。
追記…なんのかんのでまた時間が空くとかあるかも知れないのでその時はまたご容赦ください