名探偵コナン 探偵世界の転生者〈レインカーネイター〉   作:げろっぱ

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江戸川コナン誘拐事件!!

~~~~~~~~『Feel Your Heart』 song by VELVET GARDEN~~~~~~~~~

 

 

 

朝巳とコナンは共に学校から帰っていた。

そんな中、朝巳は不意に、知っているのにコナンにこんな事を聞いてみた。

「なぁなぁ、江戸川…」

「あん?」

「お前の両親ってさ…」

「うん…」

「イケメン&美人?」

「イキナリ何を…?」

「答えろよ。あとついでに俺の両親はイケメン&美人だったぜ。で、そこからフツメンが生まれてきた」

「いや、お前は少なくともフツメンじゃないと思うケド…まぁ少なくとも母さんは一般的な目から見れば美人かな…父さんもイケメン…イケメン?いや、むしろダンディ?」

「へぇ…」

とりあえずそれだけ聞いて朝巳は黙った。

 

 

~探偵事務所~

「「ただいま~」」

と二人で帰ってきた途端朝巳が

「江戸川!!早速ゲームしようぜ!!今日こそ俺を下してみろッ!!!」

「あぁ!!やってやろうじゃねえか!!覚悟しやがれ!!」

と二人でメンチきりあった後、二人でいそいそとゲームの用意をしながらコナンはボソボソと様々なことを考えていた。

 

 

 

 

 

【SIDE:CONAN EDOGAWA】

 

唐突な明智のあの質問に何か意味でもあったのか?思わず普通に答えちまったが…。

―――いや、明智は両親を亡くしてるんだ…。親を亡くした事なんかないから分からないが、いつもマイペースで、でも何故か時々高校生の俺よりも大人な感じのする明智みたいな奴でも、そういう感慨にふけりたい気分になったりするのかもしれない…。

……ゲームしながら考えることでも無い、か…

「ちょっと、コナン君!!私の話聞いてるの!?」

「えっ!?」

何だ、蘭、話しかけてきてたんだ。悪ィ、考え事してて全然聞こえなかった。

「えっ!?じゃないわよ、えっ!?じゃ。

 

コナン君のご両親、コナン君を家に預けて海外に転勤してもう随分たつよ。寂しくないの?」

 

うえっ!?ら、蘭お前!?

とっさに見た明智、その手が握っていたゲームのコントローラーが滑り落ちた。

ゴトッ、と音。

「イッ!?ちょっ、ら、蘭!!朝巳の前でそういう話は!!」

「へ…?あ、ああっ!朝巳くん!!ご、ゴメン、私っ……!!」

慌てる毛利親子。しかし、明智はすばやくコントローラーを拾うと、刹那にいつもと寸分違わぬ間抜けな笑みを浮かべ、

 

「ああ、大丈夫っスよ。親の話題が出るだけでどうこうなるほど弱いメンタルしてませんから」

 

……。

ここだ。こういうところでコイツは俺よりも大人なところを見せる。

俺だったら、なんてこと言う気も無いが、こうも平常どおりの笑顔で言えるものなのだろうか。

 

「そ、そうか…?」

「ええ。あ、俺、トイレ行ってきますね」

「あ、あぁ…」

明智はドアを開け、トイレにと出て行った。

バタン、という音の後、訪れる静寂。

「……」

「……」

「……」

 

ピンポーン

「あ、はーい」

インターホンの音に蘭が出て行く。

そして戻ってきた蘭は―――

「こ、コナン君!!来たよ来た!!」

「ん?何が?」

何か知らないが異常に興奮していた。俺の思わず上げた間抜けな声に、蘭はさらに興奮し、

 

「アナタのお母さんが!!」

 

と答えた。

えっ!!??俺のお母さん?このヤケに年取った感じでちょっと中年太りした感じののオバサンが?

ちょっとオバサンて思った瞬間睨まれた気がしたけど、そっか…とうとう来たか…。

って、来るわけ無えだろ!!『江戸川コナン』は俺が作った架空の名前。そのコナンに親がいる訳無い!!!!

あン?明智…

「うん…江戸川…。確かに…クスッ…まぁ…ちょっとぽっちゃりしてるけど…ぷっ…お前の言うとおり…世間一般的な目で…ククク…見て…美人ではあるね…ブフッ」

いやなんだそのドヤ顔!!なんなんだその勝ち誇った顔は!?うわコイツウッゼェェェェェェ!!!言葉の節々で笑いを堪える顔して、で耐え切れずにちょっと笑いやがるのがまた超ウゼェェェ!!俺の発言を逆手にとっておちょくってやがんなぁぁ!!!

『江戸川コナン』の母親・江戸川(えどがわ) 文代(ふみよ)を名乗る女が抱きしめてくるが気にするか!!!!

俺を放せ!!!明智を処罰する!!!いっぺん蹴飛ばさないと気がすまねえ!!

コラ車に乗せんな!!!コレ誘拐っつうんだぞ!!!

「では皆さん、お騒がせしました。このお礼はまた後日…」

「はいはい。待っとりますよ…」

ってか、おっちゃん!!それが目当てか!!!!

「じゃぁコナン君。あっちに着いたら、手紙書いてね」

蘭に何か言うのも忘れ、明智とおっちゃんにに歯軋りし続けると、車が発進しやがった。

「江戸川あああああああああああ!!!元気でなあああああああああ!!!」

あのヤロウ!!!嘲笑しながらデカイ日本国旗なんか振りやがって!!!いつ用意した!!そんな実用性ゼロなもんいつ用意したよ!!

「奥さーん!!お礼を忘れないでくださいよ!!!」

おっちゃんもうちょっと自重しろぉぉぉ!!!

「その『世間一般的に見て美人な母親』と仲良くなあああああああああああああ!!!!」

 

「うるっせええええええええええええええええええええええええええ!!!もうお前黙ってろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

 

 

 

 

 

【SIDE:ASAMI AKECHI】

 

旗を振りつつ思うのだが、江戸川スゲー。

だって、今の「うっせええ(ry」の所ドップラー効果を完全に無視してたもん。

いや~江戸川は凄い。

うん。凄い。

ホントに凄い。

いや、まじで凄い。

いや、本当に。嘘じゃなく凄いって思ってるよ。

 

――――江戸川コナン誘拐事件…ね。犯人は確か……

うん、大丈夫。主要キャラクター初登場回だから結構ハッきり憶えてる。

思い出したのは、前に工藤優作に会ったときだから…大体4年前、か。

 

……さて、ゲームの続きだ。

 

 

 

 

 

【SIDE:CONAN EDOGAWA】

 

…ふぅ。

思いっきり叫んだらちょっと落ち着いた。

普通なら焦って碌にものを考えられなかったろうが、一度頭が怒りで沸騰したあと思う存分叫んだら却ってクールダウンした。

その意味では明智に感謝だな。次に会ったときはその念をこめて、ドロップキックをくれてやろう(怒)

 

……まぁ、俺がこの『オバサン』から逃げ切れたらの話だが…。

ん…今少し青筋が浮き出たような…。

「で?誰なの『オバサン』」

「なぁに言ってるの?私はアナタの母親…」

「違う!!俺の母親は…!!「工藤有希子」…。」

ま、それくらい分かって無かったら来ねぇよな。

「そう、アナタの母はかつて、世界中の男性を魅了し、十九歳という若さで賞という賞を総なめにした日本きっての美人女優。

しかし、若手小説家、工藤優作と恋に落ち、二十歳で結婚。

そしてあっさり引退。

その後息子が一人出来たが現在はその息子を置いて、今や世界的推理小説家となった夫、工藤優作と共に海外へ」

「あっ!ねぇ『オバサン』青信号だよ」

「えっ、あっハイハイ」

この人『オバサン』ってワードが口や心に出るたびにこめかみに青筋が…あ、ホラ今も

…。心に思っても浮き出るとかどんな読心術の使い手だよ…。

っと、駄目だ駄目だ。俺さっきから『オバサン』『オバサン』って…

いや待てよ。さっきからこの『オバサン』が『オバサン』って言って青筋を浮かべているのも確かだ。

 

…………。

そもそも。

 

今の俺と『新一』を結びつける材料は少ない。

『江戸川コナン』の存在が余り知られていないのもあるし、俺と『新一』を繋ぐものといえば、俺が今着ている『新一』の小さい頃の服、俺と小学一年生時代の『新一』の写真、あとは一部の交友関係。

だが、そのどれもが核心に至れるものではない。

そもそも、高校生が幼児化なんて夢物語みたいな話、誰が考えるか。

だが、この女は俺を『工藤新一』だと断定した。

もし、そう断定できる者がいたとしたら。

こんな夢物語を考える者がいたとしたら。

 

―――それは、俺をこんな状態にした組織の者しかありえない。

俺が飲まされたあの薬についてある程度情報を握ってる者になら、『江戸川コナン=工藤新一』の可能性を考えることが出来る。

 

―――そして、そうであればこそ、この状況はおかしい。

もし、この女があの組織の人間なら、あの“人を何人も平気で殺めてきた目のヤツ”と同じ組織に属しているのなら、『オバサン』なんてチンケな言葉で心乱されるはずはない。

下っ端ならばあるいはそういう者がいるかも知れない。

だが、俺は奴等の薬の秘密を知る者。俺を始末しに来るのなら、万全を期すため、生半可なものは寄越さないはずだ。

希望的推測が混じってる感は否めないが、恐らくこの女はあの組織のものではない。

で、あればこの女はどうやって俺と『新一』を結んだ?

俺が確信に触れるような事言ったはずも無い。

 

ならば…………。

いや、俺の現状を知る唯一の人物、阿笠(あがさ)博士から聞き出すという手があったな。

というかあとはそれしかないだろう。

 

探偵なんてやってると依頼にしろ復讐にしろ探されるに事欠かないから、俺の消息を知りたい者は山ほどいるだろう。

だが、仮に拷問なりして博士から真実が聞けたとしても、「幼児化した」なんて夢物語、聞いた側が信じないだろう、普通。庇ってると思われるに決まってる。

つまり、この女は何らかの方法で聞き出した阿笠博士の言葉を信じたということになる―――――――

 

『オバサン』…博士…信じた…『新一』…探し…コナン…幼児化…聞き出す…真実…

 

組織…ではない…として…俺も言…ってない…ならば…博士…信じた…夢物語…『新一』…探す…『オバサン』…青筋…

 

 

 

――――――――ん!?

まさか?

いや、まさかな…

え、でもまさか!!

まさかのそんなオチか?

…ないとは……言い切れねえ…いやいっそその可能性のほうが高いところだ。

よし、じゃあ確信はまだ無いがココは挑発してみっか!どっちにしろ冷静さを失わせるにこしたことはないわけだし。

「そうで「ねぇねぇ『オバサン』。カーナビで曲聴いていい?」

「い…いいけど、アンタ自分の置かれた立場分かってる?」

「うん、立場くらい分かってるよ。『オバサン』。あ、B'zあった」

暫く進めばまた、

「ついさっきの話の続k「B'z終わっちゃった。次はTWO-MIXを…」

「と…と・り・あ・え・ず!アンタの本当の名前は「ねぇ。さっきから気になってるんだけど、なんで『オバサン』って言ったら反応するの?」

「キィィィィィィィィィィィィッ!!!『オバサン』って言葉だけじゃないってば!!しn…アンタが『オバサン』『オバサン』って言うし、人質のくせに態度がデカイしで、もうキィーなのよぉぉぉ!!」

そして、そのまま激昂した『オバサン』は俺に向かって懐から取り出した銃を向けた。…けど。

 

「―――――『オバサン』、引金(トリガー)引いていい?」

 

引金(トリガー)がこっち側。

懐から出した銃なのに銃身握ってるってどういうことだよ。

 

「引いていいわけあるかいコラアァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!」

 

ゴスッッ!!!

 

やっべぇ…

さすがに挑発しすぎたか…?

俺、明智に毒されてきてる気がする。何ていうか、犯人に挑発的な事しちまうというか、無謀と言うか…

ミスった…。

 

 

 

 

 

【SIDE:STORYTELLER】

 

何故か事件とは関係ない事を考えながら、コナンは意識を手放した。

これも朝巳の所為である。すべて朝巳のせいである。そうである。くどい。

ドサッ…。

コナンの倒れ伏した音が響き、車内には『江戸川文代』の息遣いだけが聞こえる。

ついカッとなって人を鈍器で殴り殺したときの人の息遣いである。

「はぁ、はぁ、はぁ―――――――――――あっ!?あわばば!や、やりすぎたっ!!」

『文代』は急にあたふたしだした。

『文代』は急いで電話を掛け、『仲間』に救援というか助言というかそんなのを求めた。

「どうしよう、優作!!やりすぎちゃったよぅ!!」

「何、やりすぎた?どうしたんだ?」

電話から聞こえてきたのは、人に安心感を与えるかのような男性の深い声。

「あんまりにも新ちゃんが私のことオバサンオバサンって言うもんだから出した銃でついゴツッと―――」

「ゴツッと!?ちょっ、新一は大丈夫か!?」

「うん…一応、息はしてるけど…」

「……起きる…よな…?そのうち起きるよな…?銃で多少ぶっただけだし…」

「ど、で、だだって優作!新ちゃんが生意気な事ばっか言うから!!」

「いや、この場合悪いのは九分九厘我々だが…。ま、ままぁ気絶したのなら丁度いい。そのまま連れて来るんだ」

「う…うん…」

そんな間抜けな会話をした後『文代』は少しやり過ぎたと涙目になりながら車を走らせた――――――――――

 

 

 

 

 

【SIDE:CONAN EDOGAWA】

 

 

 

―――――――――――――う…ん…。

 

ココドコ?

 

待て落ち着け、状況確認。

今いるのはキッチンみたいだけどどこだココは?

少なくとも体が縛ってあるという事はまだこのお遊びを続けるという事。

おっ、丁度いいところに登れば外が見えそうな台が

「よっと…」

体のばねを利用し起き上がり、膝のばねを利用して台にあがると、そこからはそれなりな高さからの雪景色が。

ここは二階?

そっか、俺があの『オバサン』に殴られた後このボロ屋の二階に運ばれたのか。

 

「何?まだ殺してないのか?」

「無理な事を言いでないよ!それが上の命令なんだから…」

ん?別の声?

ドアに隙間が…。よし、これであっちの部屋を見て…

やっぱり、あの『オバサン』だ。

それで、手前にいるのは…男?

「なんでも薬の副作用の特例として、組織に連れて帰るそうよ」

まぁ、俺が想像してるオチにしろ、違ったにしろもう暫くは俺は殺されねぇってわけだが…

それにしてもあの男…

――――――ッ!!!?

こっち見やがった!!

 

 

――――あれ?アイツ、あの格好は…闇の男爵(ナイトバロン)?

 

 

おいおい…もはや分かってくださいと言わんばかりの仮装だな…。

ハハハハハ…やる気なくなってきた。

 

あ、やばい。ヤバイ男がコッチ来た。

とりあえず寝てた場所に横になって…。

 

「あの坊や、起きたのかい?」

「いや、まだ薬が効いている様だ」

いやいや、俺だったらこういう場合穴から覗くだけじゃなくて直接確認しに来るぞ。

ってか俺殴られたから。

薬も何もねぇから。

ていうか『オバサン』も男に聞いてないで、自分で見にこいよ…。

 

 

―――ガチャッ!!

俺が『オバサン』って思った瞬間だ。ドアが開いて『オバサン』が入ってきたのは。

ホントに確認しに来やがった…。

それから『オバサン』は俺の首根っこを引っ掴んで持ち上げて

「フンッ!!!」

の掛け声と共に俺を地面に叩きつけやがった。

「どうやら、まだ薬が効いてるみたいだね」

ニャロゥ…後で覚えてろ…。

 

「ところで、アイツが本当に高校生探偵の工藤新一なのか?」

「私もまだ信じられないわ。でも工藤新一が行方不明になった日と、あの坊やが例の事務所に現れた日が一致するし、なぜか坊やの周りで起きた事件はすんなり解決してる。

やはり組織の新開発した薬で小さくなってるとしか思えないでしょ?」

 

くそ、俺にこんな面倒くさい事仕掛けやがって…

それっぽい会話してるけど、バレた今はもはやドッキリにもならねえよ。

本来なら危機感も出ようモンだが…あの『オバサン』が…なぁ。

 

「フフフ…なら俺も試してみるか…」

「試す?」試す?

チッ!!不覚にも『オバサン』とハモってしまった!!

チッって言っちまったよ!!やっぱり俺明智に毒されてきてないか?

またドアがガチャッと開いて俺は『オバサン』に蹴られた。

ホントに後で覚えてろよ?

「試すって何をだい?」

「俺も持ってるんだよ…組織が新開発した例の毒薬を…」

うわぁ、嘘くせぇ。

「これを他の人間に飲ませれば本当に人間が小さくなるのか分かる」

「飲ませるって…誰に飲ませるんだい?」

「明日俺達が取引する男だ…。組織は取引が終り次第その男を始末しろと言っている。この薬を試すには丁度いい」

「その薬で小さくなる事が分かったらどうするつもり?」

「とりあえず取引相手の男を殺し、その後小僧の息の根を止める」

「だから、言ったじゃないのさ!!あの坊やは薬の副作用の特例として、組織に連れ帰るって!!」

――――カチャ

これは銃を取り出した音…?仲間割れか?醜いな…。

「くどい!!これが俺のやり方だ!!つべこべぬかすと死体がもう一体増える事になるぞ!!」

「わ…分かったわよ…」

「それより、明日会う男にちゃんと取引場所は教えたんだろうな?」

「えぇ。何時もの呼び出し方法で」

「取引は十三時だ。それまでたっぷり寝ておけ」

 

 

周りが静かになって数時間。

戻りそうも無い俺の緊張感。

こっから先どうしよう。

しゃーねぇ、まず近くにあったビンを割って縄を切るところから始めるか。

…よし。簡単に縄は切れたな。

しかしラッキーだな。ビン割って飛沫が全然かからねえなんて。

さて、緊張感も無い今どうするべきか…。

まだ付き合ってやった方がいいのかなぁ…。

逃げるべきなのだろうか…。

しかし逃げるにしたってここは二階。飛び降りるには流石に危険だからなぁ。

しゃあね。あの二人脅かすために冷蔵庫にでも隠れておくか…。

ん?さっき割ったワインから音が…。

――――――――――そうか!ワインがどっかに漏れてるんだ!

 

 

 

 

【SIDE:STORYTELLER】

 

翌朝になって、文代がコナンを叩き込んだ部屋を見てみるとなんと蛻の空だった。

文代はすぐさまその驚くべき報せを相方に伝えた。

「何!?ガキに逃げられた?」

「そうなんだよ!!朝起きた見たら蛻の空で…多分この窓から!!」

「野郎!!」

闇の男爵(ナイトバロン)は外を見る。が、外に靴の跡は無い。

「雪をクッションにしてここから飛び降りたってわけね…逃がすもんか!!」

と文代は走り出すが、闇の男爵(ナイトバロン)は動かない。

「なにしてんだい!!探しに行くよ!!」

「いや待て!ヤツはまだこの中にいる…」

そして闇の男爵(ナイトバロン)は冷蔵庫のドアをつかみ

「ここだ!!!」

…誰もいない。

「ハハハ…、勘がハズれたね」

自信満々に開けた手前、傍目にはかなり恥ずかしい光景である。

「ふん、どうせヤツには帰る場所が無い。今日の取引が終わったら見つけ出して、始末してやる」

そう言って出て行った二人は外にあった車に乗り、取引現場へと走り去った。

やがて、静かになった部屋。カーペットのかかった床の一部がパカッっと開いた。

そこから出てきたのは誰あろう―――

(ふぅー。ココを見つけれてなかったらアウトだったな…)

我らが原作主人公『江戸川コナン』である。

ワインが漏れていたカーペットの床。

その下には、「ココに隠れてください」とでも言いた気な空間があった。

 

二人が来た時、コナンはこの空間に逃げ込んでいたのだ。

コナンは昨晩、熟考に熟考を重ね『オバサン』とあの闇の男爵(ナイトバロン)、あとついでに朝巳に対する恨みを晴らすためにやる気を取り戻したのである。

「さて、奴等も行った事だし、期待は薄いっつうか無いに等しいケド薬を探すとするか」

コナンは様々な場所を探して回ったがやはり

「無えなぁ、薬。やっぱり取引ってやつに持ってっちまったのかな…?」

ないのである。もちろんコナン自身、その薬を見つけたところで自分が欲しい薬と一緒であるなどとは微塵も考えていないが。

捜索を続けるなか、ゴミ箱をひっくり返すと

「ん?」

中には数箇所切り取られた新聞紙が入っていた。

 

 

 

 

 

【SIDE:CONAN EDOGAWA】

 

そうか、あの人達これを使って俺をここから誘き出すつもりだな…。

俺の推理が正しければあの二人は誰も殺せないはずだから、やはり目的は俺…。

そしてこの切り取られた新聞の切り取られた部分の前後の文から察するに『い、テ、ホ、べ、ル、か』か…。

コレを組み替えて単語にすると…

―――『べ・い・か・ホ・テ・ル』…『べいかホテル』!!

 

で他には切り取られたような物は…。

くそ、見あたらねえ…。

いや待て、このカレンダーの27日の部分に薄くカッターの跡が…!

 

そして切込みがある27日の一ヶ月前。そこは…30日!!

 

米花ホテル・30?あれ?全然意味わかんねえぞ。

 

う~ん。まだ分からねえ所もあるがとりあえず米花ホテルへ行こう。

俺は急いで階段を下りた。

そして玄関を出てすぐのところで、かなーり見覚えのある奴が、この雪も降り積もる寒さに膝を抱えてブルッブル震えていた。

見てるこっちが寒くなってくるようなそいつの横には、よくある手持ちボードが立っており、そこにはこう書かれていた。

 

『ずっとスタンバッてました』

 

変な脱力感に苛まれる俺の口からは自然にこの言葉が出てきた

 

「バカだろ。明智」

 

 

 

 

 

 

【SIDE:ASAMI AKECHI】

 

ヒドイ!!

江戸川ヒドイ!!!

この雪の中一日中待ってたのに!!

こんなヒドイ仕打ちがあるか!!

その当の江戸川は数秒俺を見た後、走り出していこうとしていた。

 

「まぁ、待てよ。乗ってくかい?名探偵?」

 

慌てて呼び止め、震える声で言いつつ俺が取り出したのは江戸川のスケボー。

ココで乗らない選択肢は無いだろう。

「ハッ!無駄に準備だけはいいんだな…」

「『備えあれば憂い無し』ってね」

お互いにまたメンチきりあった後、江戸川が前に乗り、俺が後ろに乗る。

そしてジェットエンジンつきのスケボーが発進する!!

 

―――――そして米花ホテル。

ココに点いた時にはすでに二人とも息が上がっていた。

何故かと言うと、スケボーで俺はは振り落とされそうになるし、その俺が江戸川の首に腕を巻きつけてるから江戸川窒息死寸前になったりで、ついたころにすでに両者とも息があがっていた。

 

「じゃ…じゃあ、部屋探しと…行くか…」

なんか戦闘前なのに戦闘後の様に絶え絶えに言う江戸川に俺は、駐車場に入りながらこう言った。

「ねえ、江戸川。ともすれば自動車追い越していくこのスケボーは小型車両に入りますかね?」

「入るか!!」

そしてソコで俺と、俺にツッコミにきた江戸川は床の“30”の右に一つ「1」という数字が書き足されているところを見つけた。

「米花ホテル・30…301…部屋番か!」

あら、タナボタ。

そして駐車場に書いてある通り、301号室に向かったんだが、たった今部屋の中に取引に来ているであろう大柄な男が入っていって、後ろからは御手洗いに行ってたであろう江戸川文代が来ていた。『前方の虎、後方の狼』である。

「ちょッ!やばっ!!やばい!!」

「おいちょちょッ!!江戸川!!そこのドア開いたぞ!!」

俺と江戸川は、丁度そこで開いたドアからスルリと部屋に入らせてもらった。

そしたらその部屋にいた子供に見つかった。

こんな小さな子を一人で置いておくなんて!親の顔が見てみたいわ!!

「だ…誰だ!!お前達!!」

普通の反応。

「ちっ、見つかっちまったか。しょうがねえ、江戸川、このガキバラしてズラかるぞ!!」

「しねえよ!!お前をバラすぞバカ!!」

「ば、バラす!?って何を!?まさかこの前落ちてたお金、交番に届けてないのを!?」

「小っちゃ!!なにこの子小っちゃ!!ってかなんか勝手にベラベラ喋ったよこの子!!」

「おいおい、ツッコんでる場合じゃねえだろ明智。それに小さいっつったって窃盗は窃盗。

後でちゃんと届けてきなよ」

「うるさい!言われなくても行くつもりだい!!そう言うお前達も「ふほうしんにゅう」とか言うやつだろ!!お前達も警察に…!」

―――ゴッ!バタンッ!!

ハイ、面倒くさいから黙ってもらいました~。

しかし、近頃のガキは「不法侵入」とか知ってんのかよ。

俺がガキの頃は「不法侵入」なんて言葉知らなかったぞ。まぁ、前世の話だが…。

「おいおい明智…」

「気にすんな江戸川。それよりこのガキが気絶したんだから、この部屋使わせてもらって作戦立てようぜ」

「あ?あ…あぁ…この子には悪ぃケド…。

話は変わるが明智、俺には大方の作戦プランがある」

「聞こう」

俺は2~3分作戦を聞いた後、江戸川のプランの中の修正すべき点を耳打ちし、それに合わせて江戸川が耳打ちを返して…

と言う形で5分後作戦は決まり、決行された。

 

 

 

 

 

【SIDE:STORYTELLER】

 

二人の少年が策を決めた後。やがて、ホテルのボーイがナプキンのかけられたワゴンをひいて301号室を訪れた。

彼が運んできたのはルームサービス。

しかし、その部屋にいる者たちはルームサービスを注文していない。

不審がる文代だが、闇の男爵(ナイトバロン)の提案でルームサービスを部屋に入れることにする。

そして、ドアを閉める時、闇の男爵(ナイトバロン)はあることに気付く。

ドアのロックにガムがつめられていたのだ。

これではドアを閉めた時にオートロックがかからない。

先のボーイのいたずら・嫌がらせの類か、あるいは―――

しかし闇の男爵(ナイトバロン)はそれに不敵な笑い声を漏らし、ガムを引き剥がしてドアを閉め鍵をロックした。

「とりあえず乾杯といくかい?」

オバサンが言う。

「その前にもう一人お客人を紹介するとしよう…」

「もう一人の客人…?まさかこの中にあの坊やが!!?」

といってカートにかかっている布をめくる。…がそこには人っ子一人いなかった。

「なんだ…いないじゃないのさ…」

「あぁ、そのカートは囮。本当は…このクローゼットの中だ!!!」

ばっ、とクローゼットの扉が開き、カシャリと銃が中に潜む少年に向けられる。

「しまったぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!

 

…と言うのを期待してたんですよね?闇の男爵(ナイトバロン)さん?」

 

「なっ!?メガネのガキじゃない!?誰だお前は!?」

中に潜んでいたのは闇の男爵(ナイトバロン)の与り知らぬ顔。

そこにいたのは

 

「明智朝巳…探偵…の助手さ!!」

 

そして…

 

――――――――――ドガシャアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!!!

 

と音を発てて鍵をかけたハズのドアがぶっ飛ぶ!!

何が起こっているのか詳しく読み込めていない文代と取引相手の大男。

辛うじて、状況が呑みこめてきた闇の男爵(ナイトバロン)

だがそんな闇の男爵(ナイトバロン)にも、ドアが倒れた後、否、ドアを倒した(・・・・・・)まま飛来したサッカーボールは避けられず直撃。あえなくのびてしまった。

突如として起きた爆音に近いドアを蹴り破る音。

突如として飛んできたサッカーボールと、それが直撃してのびてしまった闇の男爵(ナイトバロン)

残りの二人が顔を引きつらせる。

ビリビリと電流を走らせ眩く輝く「キック力増強シューズ」を履きながら現れる少年・名探偵『江戸川コナン』と、先ほどまでクローゼットに潜み囮となっていた少年『明智朝巳』はニタァー、と恐ろしい笑みを浮かべた。

 

まずはコナンが左腕をすっ、と胸の前に沿え、腕時計のボタンを押す。すると、目盛り盤が跳ね起き、「腕時計型麻酔銃」が起動する。

 

「じゃあね、『オバサン』」

 

その言葉と共に放たれるのは、いつも迷探偵を名探偵へと変貌させる一閃。

今回は文代に直撃、彼女を昏倒させ、見た目よりも軽い音・衝撃で文代は倒れ伏した。

 

そして、残ったのは哀れな大男のみ。

「いくぞ江戸川!!」

「あぁ!!」

の二人の掛け声とともに二人は地面を叩き跳躍。

空中で一回転すると、そのまま片足を突き出し

 

「ダブルキイイイイイイイイイイイッッックッ!!!」

 

と叫びながら大男にキックをかました。

―――ただし、重力によって高度が落ち、本来腹を狙ったはずの二人の跳び蹴りは、その足は、男の丁度股間に直撃したのである。

「「あ」」という少年二人の呟きと共にドカァァァンと倒れた大男の中からは、本来はレギュラー中のレギュラーなのにこの小説初登場、阿笠博士が、白目を剥いて泡を吹きながら出てきた。

 

この勝負、江戸川コナン(と朝巳)の勝利である。

 

 

 

 

コナンが所持していたアイテム『伸縮サスペンダー』を使い、二人で頑張って三人を縛り付けた数分後、闇の男爵(ナイトバロン)が意識を取り戻し

「う…う~ん…。ハッ!!!ココは一体?私は何を?君は?」

「惚けんなよ?父さん。俺達が勝ったからって…」

といってコナンは仮面に手を持って行き、スッと仮面を取った。

そこにいたのはまさしく『イケメンと言うよりはダンディなオジサン』だった。

「わぁ、江戸川の言う通りだ…確かにイケメンって言うよりはダンディっていうか有名な工藤優作な気もするが……ん?この人が仮面とするとこの人も」

と言いつつ朝巳は『オバサン』の所に行き

「これも仮面や特メイとか?」

と言って朝巳は『オバサン』のえら骨あたりに手をかけ…

「フン!!」

と言って上に引っ張り出した。

突然かつ一切手加減無しの激痛に『オバサン』も起きて悲鳴を上げる。

「ギャアアアアアアア!!痛たたたたたたた!!」

オバサンは激痛に悲鳴をあげ、ジタバタともがいた。

「ん?違う?逆?じゃあこっち?」

朝巳は反対の方のえら骨に手をかけて、

「あててててててててててて!!!ちょ!!痛いから!えら骨は痛いから!!」

そして暫く朝巳は拷問の如く、オバサンをイジメ続けた挙句、飽きたら普通にベリッと剥がす。

後にコナンは語る。

ヤツはあの時、いい笑顔だった、

と。

 

「ふえええええええっ!!優作ぅぅぅぅぅ!!!えら骨の所真っ赤になっちゃったよぅ…」

「よしよし…」

そんな二人は、皆さんよぉくご存知、世界をまたに駆けるベストセラー作家といまだ芸能界に伝説を残す大女優の夫婦、『工藤(くどう)優作(ゆうさく)有希子(ゆきこ)』夫妻である。

「ったく、父さんと母さん、ついでに博士まで何でこんな事を…?」

「なんでって、それはお前に置かれている状況を確認して欲しかったんだよ…」

「置かれている状況って…それは俺も重々承知してるよ、父さん」

朝巳を全く気にせず、ベラベラ話していく二人。

やがて、朝巳は(コイツらバカだ…!!)と思いながら、個人的にいまだ続く『ドS』のノリで口を開く。

「なぁ、江戸川…」

「ん?なんだ明智?」

「一つ聞きたい。お前、父さん母さんって呼んだけどさ…お前って江戸川だよね?

あ、いや、だってこのお二人の姓は『工藤』でしょ?」

「へ?あ…?あぁ!!あぁ…そ…それは…」

「うん。それは…?」

「こ…こう…あれだ。俺昔預けられたんだよ、この二人に」

「ほう…。何故に?」

「それは、その…」

 

「俺の記憶じゃこの人たちは工藤夫妻。

 

『工藤優作』。『闇の男爵(ナイトバロン)シリーズ』で世界的に有名なミステリー作家であり、そのシリーズは世界の伝説を更新し続けている。また、自身も優秀な名探偵として一部で有名。ファンです、後でサインください。

 

『工藤有希子』。芸能界にデビューした途端に関連する賞という賞を総なめにし、かつ結婚のためたったの一年で芸能界を去り、いまだ多くの伝説を残す大女優。一部では『|闇の男爵(ナイトバロン)シリーズ』作者の妻であり、やはり名探偵であることから『|闇の男爵夫人(ナイトバロニス)』として有名。ファンです、後でサインください。

 

そしてその息子『工藤新一』。両親の才能を受け継ぎ『日本警察の救世主』『平成のシャーロック・ホームズ』『東の高校生探偵』として有名で、いまや日本屈指の名探偵の一人。また、運動神経を鍛える目的でサッカーをしていた事もあり、おそらくそちら一本でも安定して食っていけたと思われる。ちなみに彼女持ち。死ねばいいのに。

 

だいたいこんな感じだったと思うんだが、工藤家に里子がいたって話は聞かないし、仮に本当に里子がいたんなら話題にならないはずはない。特にお前の場合は兄貴ってことになる名探偵『工藤新一』に絶対付いて回るだろうからな。それにお前が本当に預けられたなら『“工藤”コナン』と名乗っても何も問題ないはず。どっちにしろ工藤から阿笠さらに毛利と盥回しですよまぁ可哀想」

 

長台詞乙、と最後に言って朝巳は口を閉じ、江戸川コナンと愉快な仲間達を見ると、全員唖然としていた。決して、決っっっして、有希子について語る時の朝巳が『対美女ポーズ(3話ラスト・4話初めを参照)』をとっていたためではない。断じてない。絶対ない。ないったらない。もうないってことでいいじゃないかっ。くどい。

「サインならいいが…。く、詳しいな、君…。それになかなかに鋭い…」

「新ちゃん死ねばいいとか思われてるんだ…。というか、あんな長台詞スラスラ言い切られたら、元女優としてはそっちの方が気になっちゃうんだけど…それに私のファンって君何歳?」

「いやいや二人とも、そこじゃないじゃろう、反応すべきところは…」

大人たちの会話である。ただし精神年齢的には工藤夫妻と朝巳は5つと離れていない。

そして肝心のコナンは――――――――

 

 

 

 

~~~~~~~~~~『迷宮のラヴァーズ』 song by heath~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 

 

 




後書き

さてさて唐突にコナンからすれば(コイツ…組織の…!!)疑惑が昇ってきた訳ですが。

皆さんにひとつお聞きしたいことが。

この先の展開、後々に大した支障はないので気軽に仰って頂ければよろしいのですが、

1.次話、朝巳がコナンに疑惑を残したままホテルから立ち去る。
がいいか。

2.次話、なんの脈絡も無く和解する。(少し皆さんが首を傾げるような展開描写アリかも…?)
がいいか。

どちらか、気が向いたらお答えください。

あとクッソどうでもいいけど後半のナイトバロンルビの異常な多さに作者ながらびっくりした。

追記:延々やっててもキリが無いので01/06にアンケは打ち切りたいと思います。
   01/04現在、1が少し多いようです。
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