忠犬と飼い主~IF~もしもオリ主が黒の組織の幹部だったら?   作:herz

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・黒の組織壊滅作戦中の話

・オリ主とジンの設定は大体IF①と同じ

・赤井さんが組織に寝返る

・オリ主と赤井さん、もといライの距離が近い

・ライとジンのキャラ崩壊あり




IF② 黒に染まった銀の弾丸

 

 

 ……それはあまりにも、突然の出来事だった。

 

 黒の組織壊滅作戦は大詰めとなり、気が急いてしまった江戸川コナンは、たった1人で組織の拠点内部に侵入してしまった。そしてそれを予期していたかのように、仲間の1人が彼の目の前に現れる。

 コナンは、その人物の事を心から信頼していた。だからこそ、彼が自分の護衛を勤めると申し出てくれた時、2つ返事でそれを了承した。……彼が自身の背中を守ってくれる。それだけで、コナンは安心していた。

 

 その事実が、コナンを油断させたのだ。

 

 

「……どうして……どうして、あなたが……!?」

 

 

 その突然の出来事は、コナンと彼を護衛していた人物が、降谷を始めとした他の仲間達と合流した時に起こった。

 コナンが彼らの元に駆け寄ろうとしたその時、背後から誰かに抱き上げられ、頭に銃口を突き付けられたのだ。……彼の背後にいたのは、彼を護衛していた人物だけ。

 

 

「なんでだよ――赤井さん……!!」

 

「……くくっ……悪いな、ボウヤ」

 

 

 悲痛な声を上げたコナンを拘束したのは、今まで彼を護衛していた人物……赤井秀一だった。

 彼は冷笑を浮かべ、コナンを見下ろしている。

 

 

「……赤井!!貴様どうゆうつもりだ!?コナン君を解放しろ!」

 

「断る」

 

「何を言ってるのよ、シュウ!その銃を下ろしなさい!!」

 

「その通りだ!銃を下ろせ!!」

 

「コナン君を放してください!」

 

「赤井君!!馬鹿な真似はやめるんだ!」

 

「だから……っあぁ、もういい。面倒だ。……おい、ジン!いるんだろ?さっさとそいつらを拘束しろ!」

 

「……ちっ。お前に指図されなくとも分かってる。……お前ら、行け!」

 

 

 いつの間にいたのか、赤井の声にジンが応え、下っ端に降谷達を捕らえさせる。コナンを人質に取られていた彼らは為す術もなく、簡単に拘束されてしまった。

 その後、コナンも赤井に腕や足を鎖で縛られ、降谷達が拘束されている場所まで連れて行かれた。

 

 

「……っ赤井秀一ィィ!!貴様、何故こんな事を……!」

 

「何故?……っは。お前のその立派なおつむで考えれば、すぐに分かる事だろ?……あぁ、それと。今の俺は赤井秀一じゃない。――ライだ」

 

「なっ……!?」

 

 

 その言葉に、誰もが青ざめる。その中でコナンが震える声で問い掛けた。

 

 

「赤井、さん……裏切ったの……?」

 

「……裏切る?……くくくっ……!!」

 

「……何がおかしいんだ、赤井!!」

 

「くっ、ははっ!……そりゃあおかしいだろ。なんせ――俺はそのガキと出会った時には、FBIを裏切っていたからな。出会った時から味方じゃなかった。つまり、裏切るも何もないって事さ……あぁ、笑えるな……!」

 

 

 そう言って、赤井……否、ライは嘲笑う。

 そんな彼の言葉を聞いてコナンは口を閉ざし、項垂れてしまった。逆に、降谷は怒りを募らせて口を開いた。しかし、その時、

 

 

「――ライ」

 

「!!」

 

 

 男の声が聞こえた。はっと振り返ったライは、その声の主の姿を見てキラキラと輝く笑顔を見せる。……嬉しくて堪らない。そんな表情だった。

 それを見たコナン達は驚愕し、目を疑った。

 

 

「マスター!!」

 

 

 ライは男の事をマスターと呼び、その側に駆け寄る。

 

 

「あいつは……!!」

 

「降谷さん、知ってるの!?」

 

「あぁ……君にも教えただろう?奴がシンガニだ!」

 

「!?……あの人が、シンガニ……!」

 

 

 コナンは、黒の組織にシンガニという幹部がいる事を、降谷から聞いていた。

 

 ……20年以上組織に所属しているベテラン。截拳道(ジークンドー)やパルクールの使い手で、スナイパーでもある。組織の一部の幹部達からは、ジンを筆頭に兄貴分として慕われている……など。

 

 いくつかの情報が思い浮かんだが、視線の先でライがシンガニの目の前で片膝をつき、頭を垂れる姿を見て、再び驚く。……一目で、相手に忠誠を誓っている事が分かった。

 

 

「マスター。あなたの命令を完遂させました」

 

「そのようだな。……Good boy(良い子だ)、ライ。よくやった。後でご褒美あげないとな……何がいいか、考えとけ」

 

「!?俺が決めていいんですか……?」

 

「あぁ。しっかり働いてくれたからな。ご褒美もそれに釣り合う物にしないと。……1つだけ、何でも言う事を聞いてやろう」

 

「何でも……!?」

 

「そう。……あ、でも俺ができる範囲でな。それから1つだけだぞ」

 

「っ……はい……っはい、ありがとうございます!!」

 

「……くくっ……そんなに嬉しいか?」

 

「はい!」

 

「そうか、そうか」

 

 

 よしよし、と満足げに微笑んだシンガニがライの頭を撫でる。

 ライが大人しくされるがままに撫でられている様子だけでも驚愕すべきだと言うのに、さらにライが犬のようにシンガニにすり寄ったため、コナン達は拘束されているのも忘れて唖然としていた。

 

 その時、ライを撫でているシンガニの元にジンがやって来て、小声で話し掛ける。

 

 

「……シンガニ」

 

「ジンか。何だ?」

 

「次はどうするんだ?」

 

「あぁ……とりあえず、拘束した奴らを最下層で監禁しておけ。見張りを置く事を忘れるなよ」

 

「分かってる」

 

「それと、女と子供はできる限り丁重に扱うように。……まぁ、これに関しては俺が勝手に希望してるだけだから、無理にとは言わねぇが……」

 

「……あんたがそう言っていた事を伝えれば、下っ端達は素直に従うだろうな」

 

「それは知ってるが、仲間を傷つけられて腹が立っている奴もいるはずだからな。そいつらに関しては無理にそうしろとは言わない、と皆には伝えてくれ。……ただし、あのガキ……江戸川コナンだけは、乱暴に扱うな」

 

「何故だ?」

 

「――ボスがそう望んでいる」

 

「!?……あの方が?」

 

「あぁ。……ボスの最終目標への、手掛かりになるかもしれない、と言っていた」

 

「……不老不死……!」

 

「そうだ。……さて。俺は事の次第をボスとラムに報告してくるから、後の事は頼んだぞ」

 

「了解」

 

「……というわけだから、ライ。お前はお留守番だ」

 

 

 ジンとの会話中にもシンガニの体にすり寄っていたライは、最終的にシンガニの背後から彼の頭に自らの顎を乗せ、彼の腰に腕を巻き付けるという状態で落ち着いていた。

 ……そんなライの事をシンガニは止めることもなく、むしろあやすようにその腕をポンポンと叩いている。

 

 

「…………もう少しだけ、このままがいいです」

 

「……そう、だな…」

 

「駄目に決まってんだろうが」

 

 

 捨てられた子犬のような目で見つめてくるライに、シンガニの心が揺らぐ。しかし、ジンがそんな彼からライを無理やり引き剥がした。

 

 

「ジン、何しやがる!?離せ!!」

 

「うるせぇ、喚くな駄目犬。シンガニの仕事の邪魔をするな。……大体、お前はいつもいつも俺の兄貴分から甘やかされやがって、何様のつもりだ……!!」

 

「……あぁ、なるほどな。ただの嫉妬か」

 

「あ"ぁ?」

 

「俺がマスターの寵愛を受けている事に、嫉妬しているんだろう?」

 

「…………っ!!」

 

「くくっ……図星か?」

 

 

 無言で銃口を向けるジンに、それを嘲笑うライ。……一触即発の空気が漂い、ライが懐に手を伸ばして拳銃を抜こうとした瞬間、シンガニが口を開いた。

 

 

「ライ、Stay(待て)

 

Yes Master(はい、ご主人様)

 

 

 すると、ライは即座に主人の命令に従った。それに対してジンもまた、悪態をつきながら拳銃を懐に仕舞う。

 

 

「……ライ。お前は俺が戻って来るまで、あいつらが無駄な抵抗をしないように見張ってろ」

 

「……命令、ですか」

 

「そうだ」

 

「…………了解しました」

 

 

 不満そうに返事をしたライを見て、シンガニは苦笑した。

 

 

「拗ねるなよ、ライ。ボスとラムへの報告を終えたらすぐに帰って来る。そうしたらまた構ってやるから、それまで良い子に仕事してしろよ?ちゃんとできたらその分構ってやる時間も増やしてやろう」

 

「真面目にやります!」

 

「ん、良い子だ。……ジン。ライと喧嘩しないようにな」

 

「…………」

 

「……よーし、分かった。ちゃんと言い付けを守ったら今度俺の家に泊めてやろう」

 

「任せろ」

 

「よし。……じゃあ、2人共。後は頼んだぞ」

 

 

 そう言って、シンガニは立ち去った。

 

 ……周囲から、恐ろしい者を見るような目で見られても、彼は全く気にしていなかった。

 

 

 

 

 

 






・犬好きな黒の組織の兄貴分

 ライを手懐け、黒の組織に寝返らせた張本人。本編の時とは異なり、IFでは自身の言葉が他人与える影響の大きさをよく知っている。

 ライがお気に入りで、他の妹分と弟分達よりも甘やかしている。……だって、犬みたいに懐くもんだからかわいくてつい……

 ライとジンの手綱をしっかり握っており、彼らの喧嘩を即座に鎮圧する事ができる。組織内でのあだ名は猛獣使い。


・既に黒に染まっていた狂犬

 オリ主が口説いた結果、寝返る。命令を完遂させたご褒美を貰う事になり、テンションMAX。

 犬のように振る舞えばオリ主が甘やかしてくれるという事を分かった上で、そのように振る舞っている。確信犯。その寵愛を受けるためなら喜んで犬になります!

 ジンとは犬猿の仲。喧嘩をする時は常にジンよりも余裕がある……と見せかけているが、実はそこまで余裕はない。むしろ"いっその事殺してしまった方が安心できるかも"と考えるぐらいには、オリ主を横取りされないように必死になっている。


・狂犬に嫉妬している弟分

 オリ主に甘やかされるライに嫉妬している。おい、そこ代われ!

 今までは自分が1番付き合いの長い弟分であるという事実が余裕を持たせていたが、ライがオリ主のお気に入りになった事で焦り、彼に喧嘩を売るようになった。

 いつか蹴落としてやる……!!





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