忠犬と飼い主~IF~もしもオリ主が黒の組織の幹部だったら?   作:herz

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・IF②の最後のあたりにあった、ジンがオリ主の家に1日お泊まりする話

・いろいろ捏造しています

・ジンとオリ主の距離が近い

・ジンのキャラ崩壊あり

・考えられたところまでしか書いていないので、中途半端に終わっています

・ちょっとだけベルモットが出てくる




IF④ジンのお泊まり編

 

 

 自宅にて。いつもより早めに起きた俺はつい先程、朝食を作り終えた。朝食のメニューはふわふわのオムレツに、大盛りのローストビーフサラダ。それからコーンポタージュ。特に、オムレツは自信作だ。

 いつだったか。あいつのためにこのオムレツを作った時があった。それ以来、これはあいつの好物になり、何度も作ってくれと言ってくるものだから、いつの間にか得意になっていた。

 仕上げに、あいつのお気に入りのブレンドコーヒーを淹れて……

 

 

「よし、準備完了。……さて。あいつは起きてるかな……?」

 

 

 廊下へと続く扉を開け、わざと音を立てながら進み、客室の扉を開けて室内へ。それから真っ先に閉めきったカーテンを開くと、太陽の光が室内を照らした。……それでも、室内のベッドの住人は起きない。

 

 

「……やっぱり起きない、か。まったく、いい歳した大人のくせに……」

 

 

 苦笑いしつつ、俺はベッドの住人――ジンの体に掛けられた毛布を、勢いよく取っ払った。

 

 

「――Good morning(おはよう)、ジン!朝だぞー!」

 

「……ぅ……?」

 

「ほれ、起きろ!」

 

「…………ぁと、5分……」

 

「だが断る。朝飯が冷める前に食って欲しいんだよ」

 

「……ねむ、い」

 

「……そうか……なら残念だが、俺特製のふわふわオムレツは俺が2人分食べ…」

 

 

 瞬間。ジンはむくりと起き上がった。

 

 

「おきる」

 

「お、おう。思ってた以上に効果があったようで何よりだ。……じゃあ顔洗ってこい」

 

「わかった」

 

 

 それからすぐにベッドから降りたジンは、のしのしと洗面所まで向かった。

 

 相変わらず朝には弱いらしい。昔から、起きてから顔を洗うまでは言葉も拙くなるし、子供っぽくなる。……しかし以前。酒が入った席で口を滑らして、この事をウォッカに洩らしたところ、あいつがジンを起こす時はそんな事はなく、毎回不機嫌な状態で目を覚ますのだという。

 となると、俺が起こす時だけ子供っぽくなるのだろうか。……そう考えるとジンに甘えられているようで、悪い気はしねぇな。

 

 

 ……その後、席に座って待っていると、ジンがリビングにやって来た。その頭を見た俺は、思わず吹き出した。

 

 

「…………おい。何を笑ってやがる」

 

「っふ……お前、か、鏡、ちゃんと見たのか……!?」

 

「あ?」

 

「寝癖…っくく、アホ毛みたくなってんぞ……!!」

 

「!?…………っ!!」

 

 

 ジンはぎょっとした表情で頭に触れる。……そして、確かに髪の一部が浮いている事に気づいたのか、すぐさま洗面所に取って返した。俺は耐えきれず爆笑した。

 

 

 

 

 

 

―――

――――――

―――――――――

 

 

 リビングに戻って来たジンと朝食を食べ終えた。……それ以降、大きめのソファーに座っているジンは俺と目を合わせようとしないし、口も開かない。だが、俺が淹れたコーヒーは飲んでくれる。

 

 

「ジン」

 

「…………」

 

「おーい?」

 

「…………」

 

 

 ……駄目だな。完全に拗ねてやがる。飯食ってる時は上機嫌だったくせに。どうやら、俺がジンの寝癖を見て爆笑した事が余程気に入らなかったらしい。

 

 仕方ない。ご機嫌取り開始だ。

 

 

「……ごめん、悪かったって。思わず笑っちまったんだ。本当にごめんな」

 

 

 しおらしい声を出すように意識して謝りつつ隣に座り、コーヒーを飲んでいるジンの邪魔にならないように、その背中に腕を回して抱き締めた。

 

 

「もう笑わない。……だから、機嫌直してくれよ。……なぁ?」

 

 

 眉を下げて、首を少しだけ傾けながら上目遣いで深緑の瞳を見つめる。……それでも目を合わせてくれない。ならば、これはどうだ。

 

 俺は、片手を伸ばしてジンの頬を撫で、そのまま指を滑らせて美しい銀髪をとかす。

 

 

「…………可愛い弟分と口を利けないなんて、兄ちゃん、寂しいなぁ……」

 

 

 ピクリ。……お。ちょっと反応があった。もう少し。

 

 

「せっかく今日1日、2人揃って休暇を取ったんだから、たくさん話がしたいんだけどなぁ……駄目か……?」

 

 

 少し唸った。あとちょっと。

 

 ここで俺はあえて、今まで髪をといていた手と、抱き締めていた手を離し、すくっと立ち上がった。

 

 

「……そうか。駄目か。……しょうがないな。俺は邪魔になるだろうし、自分の部屋に籠ってるよ。じゃあな」

 

 

 そしてジンに背を向けて離れようとすると、腕を捕まれてぐいっと引かれ、その膝の上に座らされた。そしてジンは背後から俺の肩に頭をぐりぐりと押し付けてくる。それからボソッと一言。

 

 

「…………悪かった」

 

 

 ――よし。勝った。

 

 一瞬だけニヤリと笑い、それをすぐに引っ込めてからジンの頭を優しく撫でる。

 

 

「いや。元はと言えば俺が原因だし、拗ねても仕方ないって。……機嫌、直ったんだよな?」

 

「あぁ」

 

「なら、それでいい。……あぁ、このままでいたいなら、俺は大人しくしてるぞ」

 

 

 満足げに笑うと、その気配を感じ取ったのか、ジンはため息をついた。

 

 

「……あんたは本当に、質が悪いな。俺の扱い方をよく分かっていやがる。俺が何をすれば喜ぶのか、何をすれば嫌がるのかを知っていて、それを自分の目的のために容赦なく利用する……それでいて、最終的には俺を喜ばせている……とんだ小悪魔の兄貴だ」

 

「でも嫌いじゃないだろ?俺はそれが分かってるからあえてやってるんだぜ。……よくできた兄貴だろう?」

 

「訂正。魔性の兄貴だ」

 

「ははは、褒め言葉…っ!?」

 

 

 突然、ジンが俺の体を抱えたままソファーに仰向けに寝転んだ。同時に、俺はジンの上でうつ伏せにされる。

 

 

「おい、ジン……」

 

「寝る」

 

「は?2度寝したいなら俺を巻き込むな。俺には仕事が…」

 

「あんたの事だ。どうせ早めにやるべき仕事は終わらせてあるんだろ?この日のために」

 

「…………」

 

「あんたは"お兄ちゃん"だからなぁ?何だかんだ言って"可愛い弟分"のために時間はつくってあるんだろ?」

 

「…………ちっ。可愛くねぇ弟分だな」

 

「くくっ……」

 

 

 憎まれ口を叩いても今のこいつには通用していないようで、上機嫌に笑われて終わった。……この野郎。

 

 

「……まったく、いい歳したおっさん2人が揃いも揃って何やってんだろな……」

 

「他に誰もいないから問題ねぇ。それに、あんたは見た目だけならまだ20代で通るだろ」

 

「うるせぇ、黙れ」

 

 

 地味に気にしてんだから指摘すんな。

 

 

「にしても、」

 

「ん?」

 

「……今のこの状態を写真に撮ってライに送り付けたら、どんな顔をするだろうなぁ……?」

 

「おい、やめろ。いや、マジでやめろ!」

 

 

 言いながら携帯取ろうとするな!誰かにいい歳した俺のこんな格好を見られたら居たたまれないし、何よりも俺への執着心がヤバ過ぎるあいつが相手っていうのが不味い!!……まぁ、ライが嫉妬してくれるのは可愛いなぁ、とは思うけど。

 

 それでも結果的にどんな行動を取るのか予測不可能だから、止めてくれ。

 

 そのままポツポツと話していた俺達だったが、2人揃っていつの間にか寝てしまった。

 

 

 

 

 

 

―――

――――――

―――――――――

 

 

 ――カシャッ。

 

 

「ん……?」

 

「……起きたか」

 

「…………ジン、今、何時……?」

 

「12時を過ぎたところだ」

 

「おー……ちょうど昼時か…………そういえば、なんか音がしなかったか?」

 

「…………気のせいだろ」

 

「……本当か?」

 

「あぁ。俺には、聞こえてない。……気のせいだろ」

 

「んー……?」

 

 

 寝惚けてはいるが……確かに聞こえたと思ったんだけどな……

 

 

「そんな事より、飯作るからそこどけ」

 

「え、お前が作ってくれるのか?」

 

「……朝、作ってくれたからな。昼は作る。が、夜は任せた」

 

「ん、了解。頼んだ。……手伝うか?」

 

「いや。1人で充分だ」

 

 

 その後、ジンが作ってくれたのはナポリタンだった。ゆっくり味わって食べた。

 ……なんせ、ジンが作る飯なんて珍しいからな。こいつが誰かに作った料理を振る舞う事なんて滅多にない。そして何よりも、うまい。昔教えてやった甲斐があった。

 

 

 ……昼飯を食べ終えて、さて何をしようかとジンと話そうとしたその時、着信音が聞こえた。……俺の携帯だ。相手は……姐さん?

 

 

「…………悪い。ちょっと待っててくれ」

 

 

 ジンにそう声を掛けて席を立ち、電話に出た。

 

 

「……姐さん?どうしたんだ?俺、今日は休暇なんだが……」

 

「だから電話したのよ、シンガニ。……ちょっと買い物に付き合ってくれないかしら?お礼に、夜になったら一緒にディナーにいきましょう?最近、いいお店を見つけたの」

 

「……あー……とても魅力的だし嬉しい誘いなんだが……すまない。今日は先客がいてね」

 

「あら、先を越されたわね。……それで?私を出し抜いたのはどこの泥棒猫なのかしら?まさかキャンティじゃないでしょうね……?」

 

「いや、それは――っ?」

 

 

 その時、俺の背後に近寄っていたジンが、俺の携帯を奪い取った。そして俺から離れてそのまま会話を始める。……あまりの早業に、俺は唖然とした。文句を言う隙もなかった。

 

 

 

 

「――ベルモット。邪魔するな」

 

「!……その声は、ジンね。……泥棒猫どころじゃなかったわ。まさか私を出し抜いた相手が狼だったとわね……シンガニを独り占めしないでくれない?」

 

「ふん……誰がてめぇの指図なんざ受けるかよ。大体、今日は俺とシンガニが1日を共に過ごすと前から決まっていたんだ。俺がシンガニの言い付けを守った褒美としてな」

 

「……だとしても気に入らないわね……邪魔しちゃおうかしら?」

 

「……何?」

 

「あなた、結構前からなかなか愉快な事をしているようじゃない?……大好きなお兄様の秘蔵写真の集まりは順調かしら?」

 

「!……てめぇ……何故、それを」

 

「ふふ……私を甘く見ない事ね。……きっとシンガニは知らないんでしょうね……彼、特に親しい身内に対しては警戒心が緩んでしまうようだし、余程のミスがない限りあなたに盗撮されても気付かないんじゃないかしら?」

 

「……だったら、何だ」

 

「この事、シンガニに教えちゃおうかしら?そうしたらいくら身内に甘いシンガニといえど、さすがに怒るんじゃない?……大好きなお兄様に失望されてもいいの?」

 

「…………ちっ……何が望みだ?」

 

「さすが、話が分かるわね。……あなたが撮った秘蔵写真のうち、彼の寝顔を撮った写真を1枚、私に頂戴?」

 

「…………何故それを欲しがる?まさか、悪用するんじゃねぇだろうな?」

 

「そんなわけないでしょう。……シンガニの寝顔、私は見た事がないのよ。普段は警戒心の強い彼の寝顔なんて、すごく貴重だから見てみたくて……きっと、可愛い寝顔なんでしょうねぇ……」

 

「…………しょうがねぇな……いいだろう。シンガニに代わってから送る」

 

「ふふふ……ありがとう!嬉しいわ」

 

「その代わり、もしも邪魔をしたらどうなるか――分かってんだろうな?」

 

「……えぇ。もちろん、分かっているわ。シンガニが関わると見境がなくなるあなたの事だから、容赦しないんでしょうね」

 

「……分かっているなら、いい」

 

 

 

 

 ……ジンの声しか聞こえなかったが、何やら不穏な会話をしている事だけは分かった。

 珍しく、ジンがベルモットの姐さんに何らかの弱味を握られたようだが……一体何の話をしていたんだ?

 

 と、そんな事を考えているうちに話が終わったようで、俺の手元に携帯が帰ってきた。

 

 

「……ジンと何を話していたんだ?」

 

「ふふっ……内緒よ。言ったらジンに怒られるわ。……とりあえず、さっきの話はなかった事にするわ。とても残念だけど」

 

「あぁ。俺も残念だよ。……すぐには無理かもしれないが、いずれ必ず埋め合わせをするよ」

 

「あら。それは嬉しいわね。……期待してるわよ?」

 

「任せてくれ、姐さん。……それじゃ、また」

 

 

 ……電話を終えて、ジンに話し掛けた。

 

 

「ダメ元で聞くんだが、姐さんと何を話していたんだ?」

 

「シンガニは知らなくていい」

 

「即答かよ……」

 

 

 その後、気になって何度か聞いてみたが、ジンは最後まで口を割らなかった。

 

 

 

 

 

 






・与り知らぬところで盗撮されてる兄貴分

 今回、弟分を自宅に招いた。忙しい中、休暇を3日間だけ取り、そのうちの1日目を今回のお泊まりのために、3日目をライのご褒美のために使うという、身内大好きな男である。
 人の(特に身内の)好みを見抜き、相手が望む行動を取りつつ自分の思うがままに事を進める。魔性?褒め言葉だ(ドヤァ

 なお、もしもジンとベルモットが自身の盗撮写真を持っていると知った時、2人とは1週間口を利かなくなると思われる。


・兄貴分が大好き過ぎて盗撮しちゃう弟分

 兄貴分の自宅にお泊まりできてご機嫌。誰も見ていないからこそオリ主に存分に甘える。……実は今回、オリ主の休暇中にどちらが先に一緒に過ごすのか、ライと言い争いになり、最終的にオリ主の鶴の一声で仁義なきじゃん拳対決が行われた結果、勝者となった。
 オリ主が目覚める前に聞いた音の正体は、もうお分かりだろう。こいつが犯人だ。本人の与り知らぬところで、今回盗撮した"ジンの腹の上で熟睡するオリ主"の写真は、ベルモットのフォルダにも保管される事に。

 盗撮している事も、写真を横流しした事も、墓場まで持っていくぜ……




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