忠犬と飼い主~IF~もしもオリ主とルパン三世が過去に出会っていたら? 作:herz
・オリ主視点。最後にルパン一味がちょっとだけ登場。
・前編より短い。
鈴木次郎吉氏の自宅にて、昼食を済ませた俺達は、東都水族館へとやって来た。……例の事件があって復旧してからそう間もないというのに、かなり賑わっている。
「ソフィア姉ちゃん、行こうぜ!」
「行きましょう!」
「はやくはやく!」
少年探偵団……だったか?その子供達が、ソフィアさんの腕を引いている。あれは……危ないかもしれない。
「ま、待ってみんな。そう焦らないで…っきゃあ!?」
やっぱりか!
俺は咄嗟にソフィアさんの元へ駆け寄り、倒れそうになった彼女を受け止めた。
「……お嬢様、ご無事ですか?」
「え、えぇ……ありがとう、シン…っ!?」
「…………ソフィアお嬢様?」
突然、俺の顔を見つめて固まってしまった。……ん?顔が赤い?
「……大丈夫ですか?顔も赤いですし、まさか熱が…」
「い、いいえ!だ、だ、大丈夫です!!」
「……そうですか?」
それならいいんだが……
「……今の見た?」
「見た!」
「ソフィア、かわいくない!?あれ、きっと仲井さんに惚れたわよ……!!」
「かもしれないね。仲井さん、さっきもルパンに唸られたソフィアちゃんの事を助けてたし……!」
「いいわねぇ……お嬢様と執事の恋愛……!!」
……なんて声が、後ろから聞こえてきた。…………まぁ、確かにソフィアさんはちょうどそうゆうお年頃だし、大人の男に憧れを抱く時期なんだろう。
だが、蘭さんや園子さんが言うような恋愛に発展する事はない。俺は護衛任務のために一緒にいるだけだし、そもそも俺がもう少しで40になるおっさんだし。……自分で言ってて悲しくなってきた。今の仲井信二郎として設定されている年齢は、26なんだがな……
それはさておき。
「……少年探偵団の皆様に、失礼ながら申し上げます。人には人それぞれのペースというものがありますので……あまり、お嬢様に無理をさせないよう、お願いいたします」
「あ……ご、ごめんなさい!」
「すみませんでした……!」
「ごめんなさい……」
「謝罪の言葉は、ソフィアお嬢様に」
俺の言葉を聞くと、彼らはすぐにソフィアさんへ謝った。……うん。素直な良い子達じゃないか。なんだかんだ言って、彼らの世話を焼くコナンの気持ちが、少し分かる気がする。
「……さて。それでは今からはゆっくりと歩いてください。急ぐ気持ちは分かりますが、それでは楽しい時間があっという間に、過ぎてしまいます。お互いの事を話しながら、ゆっくりと歩いてみてはいかがでしょうか?」
「えー……でもよぉ、それだと遊ぶ時間が減っちまうぞ」
「確かに、小嶋様の言葉もごもっともですが……では、急いで遊び回った時と、ゆっくりと遊び回った時、どちらの方が皆様の思い出により残りやすいでしょうか?」
「え?……うーん……」
「……やっぱり、ゆっくり遊んだ時の方じゃないでしょうか?急いでいると、その分遊んだ事の思い出が、頭の中から流れていってしまう気がします」
「うん……歩美もそう思う!元太君も、時間がない時に急いで食べたご飯よりも、ゆっくり食べた時のご飯の方が、思い出に残るでしょ?」
「!確かにそうだな!ゆっくり味わって食べた時の方が、ずっと頭に残ってるぞ!」
「その通りです。それと、今回の事は同じ事。……それに、お嬢様と旦那様のご都合により、皆様とお嬢様が遊べる時間は今日、この時しかございません。……だからこそ、私としてはお嬢様のためにも、良い思い出を作って欲しいのです」
「あ……」
「……そっか。ソフィアさんとは今日しか遊べないんだ……」
それから顔を合わせた子供達は、揃ってソフィアさんを見つめると、次に俺を見てこう言った。
「よし、分かったぞ!今日はゆっくりだよな!」
「僕達、ソフィアさんの思い出にもしっかり残るように、ゆっくり遊びます!」
「よーし、ソフィアさん、たくさんお話しよう!」
「……えぇ。そうね!……ありがとう、みんな」
よしよし。ソフィアさんも嬉しそうだ。……おっと。忘れるところだった。
「……江戸川様。さぁ、あなたも」
「え?」
「そうだよコナン君!一緒に行こう!」
「コナン!ソフィア姉ちゃんとは今日しか遊べないんだぜ!」
「さぁ、行きましょう!」
「お、おいお前ら!?」
そして、コナンも彼らに仲間入りした。……コナンは最近、だいぶ働き詰めだったからな。ここらで子供達の底なしの明るさに癒されてこい!
おそらく、本当に迷惑だったら逃げてくるだろう。そうなったら謝るしかない。
「おい、俺は別に……」
「ダメだよコナン君!最近全然遊べてないもん!」
「そうですよ!今日はたくさん遊びますからね!」
「…………ったく、しょうがねぇなぁ……今日だけだからな!」
……ま、それも杞憂だろうけど。
「……さすがです、和哉さん」
「子供の扱いもお手のもの、ですか?」
「……赤井様、安室様。よろしいのですか?」
「心配はいりません。今は皆、子供達の様子しか見ていませんから」
「……そうか。なら、少しだけな。……お手のものってほどでもない。ただ、子供は嫌いじゃないんだ」
「ご謙遜を……ソフィーとボウヤのために、あの3人を誘導したのでしょう?」
「……ソフィー?」
「あぁ……彼女が、アーロンさんやテイラーさんがいない時は愛称で呼び、敬語もなしにして欲しいと頼んできたので」
「ふーん……なるほどそうゆう趣味か」
「止めてくださいよ和哉さん。本国では犯罪になると知っているでしょう?」
「日本でも犯罪だぞロリコンめ」
「誰がロリコンだ、誰が」
と、馬鹿話が続きそうだったため、真面目な方向へと修正を試みる事にした。
「……さて。これで子供達はゆっくりと行動してくれるだろうし、護衛もやり易くなるな。突然、子供達だけでどこかに行ってしまう事はなくなるはずだ。コナンも巻き込んだから、万が一何かあっても彼らの抑止力になってくれる」
「……やはり、そうゆう意図もあったんですね」
「咄嗟にそこまで見通して彼らを誘導するなんて……頭の回転の早さは相変わらずですね。時々コナン君に対してもそう思う時がありますが、一体あなたの頭の中はどうなっているんだか……」
「そんな事より、仕事に戻るぞ」
「「はい」」
―――
――――――
―――――――――
日本の某所にて――
「……うーん……東都水族館、ね……」
「……どうするんだ?ルパン」
「……しょうがねぇ。中止!お宝を狙うにはちと厳しいし、それに……お嬢様は結構楽しんでるみたいだからな。水を差すわけにはいかねぇ」
「…………やっぱりお前は女には弱いな」
「それでこそルパンでござる」
「なっはっは、褒めるなって五ェ門ちゃん」
「褒めていない。呆れているだけでござる」
「手厳しぃ!……今回の目的は、エメラルド・フラワー……の
「……一部?」
「……なぜ一部?全てではないのか?」
「……そういや、お前らにはまだ説明してなかったっけ?エメラルド・フラワーの一部に、とんでもねぇもんが仕込まれているって事を……」
―――
――――――
――――――――――
「…………おいおいおい……そいつはやべぇな。そのガルシア家の人間とか、他の奴らは誰も気づいてねぇのか!?」
「何も知らねぇのに、気づけってのが無理な話さ。だから、盗んでから一部だけ回収して、また返すつもりさ。その一部以外は無害だからな。……ただ、盗聴した内容から察するに、どうやら犬っころだけは気がついたみたいだな」
「……犬?」
「そう。……なんでか知らねぇが、俺様と同じ名前がつけられた犬が、鈴木次郎吉のところで飼われてんだよ!」
「"ルパン"って名前の犬?…………ぶふぅ……!!」
「笑うんじゃねぇよ、次元!!……とにかく!明日までは待機だ、待機!!」
「犬……っ、犬の名前が、ルパンって……ふはっ、はははははっ!!」
「だ、か、ら!笑うなって言ってんでしょーが!!」
・あくまで執事…もとい、FBI所属の飼い主
今の私は仲井信二郎ですので、あしからず。
一時的に、FBIから執事へジョブチェンジ!やるからには完璧にやってやるぜ。今の俺は26歳の新人執事だ!
犬の扱いはお手のもの。だって普段はもっとめんどくさい犬(三十路過ぎ・性別♂)を飼ってるし。
子供の扱いもお手のもの。だって普段から子供っぽい大人達若干2名(三十路過ぎの男と三十路前の男)と接してるし。
・飼い主の執事服を見られてホクホクの忠犬
執事服を着た和哉さん…………あり、だな。
普段なら絶対に見られないオリ主を見る事ができてご機嫌。
だがしかし、普段通りにオリ主と話せる機会が減った事で、少しずつだがストレスが溜まりつつある。自分がオリ主に充分尽くす事ができない。むしろ、演技とはいえ、オリ主の方が他人に尽くしている姿を見せつけられて、ちょっとモヤモヤ。
仕事中だから、我慢。仕事が終わったらオリ主におねだりして目一杯褒めてもらう予定。
・お嬢様のためにお仕事()を一旦中止した大泥棒
女、子供に迷惑は掛けたくねぇからな。仕方ない。
既に日本に滞在中。なるべく早くに決着をつけたいので、1日目に仕掛けようとしたが、お嬢様の楽しそうな声を(盗聴器越しに)聞いて中止。明日にしよう。
何やらエメラルド・フラワーについて重大な秘密を握っているらしい……?
おいこら、笑うんじゃねぇよ次元!!