忠犬と飼い主~IF~もしもオリ主が相棒世界のあの人の関係者だったら? 作:herz
本作品を読む前に、1度読んで欲しい注意書きです!
・この作品は二次創作小説です。あらゆる妄想を詰め込んでいます。ご都合主義、捏造過多です。
・キャラ崩壊あり。
・オリ主が登場します。
・作者は名探偵コナンの原作を読んでいません。アニメも見ていません。
(映画を少し見た程度。あとはpixiv内のコナンの小説から得た情報のみです。)
・作者は相棒について名探偵コナン以上に知りません。
・相棒の時系列はシーズン15あたり、名探偵コナンの時系列は黒の組織壊滅後。まだFBIがアメリカに帰国していない時期。
・本作では警察庁は名探偵コナン寄り、警視庁は相棒寄りに設定しています。
・基本的にオリ主視点。たまに別のキャラの視点。
・登場人物の口調がおかしいかもしれません。
・「」の中は日本語、『』の中は英語を話しています。
・忠犬と飼い主~本編~から派生したIF設定の話です。
・作者に文才はありません!
以上の注意書きを読み、それでも構わない!という方は、どうぞ!
楽しんで読んでいただければ幸いです(*´∀`)
・事件(似非)が起きて人が1人亡くなります。
・オリ主視点。
・前編と後編に分かれています。
黒の組織壊滅作戦が終わり、後始末に追われていたある日のこと。
「和哉さん。よかったら、今日の昼食はここで食べませんか?」
そう言って、秀一がスマホの画面を見せてきた。……そこには、あるレストランのホームページが。
俺は、そのレストランの事知っていた。
「その店、パスタがうまいって評判の店じゃねぇか。それも予約制の……」
「今日の昼に、2人席を予約してあります」
「……マジで?」
「はい」
「……よくやった!」
思わず、目の前にあった秀一の頭を撫でていた。1回食べてみたかったんだよ、この店のパスタ!
「でも、何でいきなり?」
「和哉さんが数日前に1度は食べてみたいと言っていた事を思い出して昨日電話してみたら、運良く2人席のキャンセルが出ていたので、そこに予約を入れました」
「そうだったのか」
全く、こいつは本当に良くできた弟子だな!最近の後始末の疲れが一気に吹っ飛んだ。
「そうゆう事なら、午前中のやるべき仕事はさっさと終わらせちまおう!」
「はい」
……俄然やる気を出して仕事を捌き始めた俺を見て、秀一を含めた幹部や仲間達が安堵する様子を見せた事を、俺は知らない。
―――
――――――
―――――――――
仕事を一段落させて、秀一が予約したレストランに向かった。合同捜査本部があるビルからもそこまで遠くないため、ゆっくり食べても問題ない。……むしろ、仲間達からはゆっくり食べて休憩してくる事を勧められた。
自覚はそこまでなかったが、最近の俺は働き過ぎだと思われていたらしい。だから、食事の時ぐらいはゆっくりしてきて欲しい、と心配された。
既に秀一が根回ししていたらしく、俺が知らないうちにうまく仕事を割り振る事で、俺がゆっくりできる時間を作っていたようだ。
「――俺は良くできた弟子と、優しい仲間達に恵まれているんだな……」
しみじみとそう言えば、弟子と仲間達から微笑ましいとでも言いたげな視線を向けられた。
閑話休題。……レストランに到着し、店員に案内された席に座った。窓際の席だった。
このレストランはある高層ビルの中にあり、それだけに窓際席からは眺めの良い景色が見える。
「ここは夜になると、夜景がとても綺麗に見えるらしいです。……本当はその時間帯で予約したかったのですが、生憎とそちらは全て埋まっていました。申し訳ないです」
「いや、構わないさ。……昼でも充分、いい景色だ」
眼下では米粒のようではあるが人の往来が見え、それよりも上に視線を向ければ、ビル内で仕事をしている様子の人達も見える。……彼ら彼女らは、いつも通りの日常を送っている。
「むしろ昼にこの席を予約してくれて良かった。そのおかげで、明るいからよく見えるぜ。彼ら彼女らの平和な日常風景が……」
――黒の組織を壊滅させるために、頑張った甲斐があった。
「――俺達の手で守ったものを、この目で再確認する事ができて……安心したよ」
「――――」
そう言って笑えば、秀一は目を見開き、それからすぐに真顔になった。
「和哉さん」
「何だ?」
「あなたは――聖人か何かでしょうか」
「は?」
「いつものようにポーカーフェイスを取っ払ってあなたを讃える言葉を羅列したいところですが……ここは外なので、頑張って自重します。非常に残念です」
「…………はぁ?」
何言ってんだこいつは?
「お待たせいたしました――」
その時。店員が注文していた料理を届けてくれたため、とりあえず食べる事にした。
「……うまい」
パスタがうまいと評判になっている理由がよく分かった。これは本当にうまい。思わず、口元が緩む。
するとクスクスと、小さな笑い声が目の前から聞こえた。
「……何だよ、秀一」
「ふふ……いえ、失礼しました。あなたが、幸せそうに味わって食べている事が微笑ましくて、つい」
「…………うまいものをうまいと言って、何が悪い。笑うんじゃねぇ」
「はいはい」
俺が睨むと、秀一は軽く両手を上げた。しかし、僅かに笑っている。……照れ隠しだとバレてやがる。くそ。
「お前も冷めないうちに食べろ。本当にうまいぞ」
「そうします」
それから、ゆっくり昼食を食べつつ秀一と談笑していると……
「…………やっぱり、お前と2人で一般人達がいる場所に来ると、いつも以上に視線が痛く感じる……」
「……あぁ……そうですね。和哉さんは美人ですし、俺も顔は整ってますから」
「美人言うな、この二枚目野郎」
「ありがとうございます」
「褒めてない」
こいつと一緒にいると、1人でいる時よりも周囲の視線が集まる。特に女性。……耳を澄ますと、"カッコいい"だとか"キレイ"だとか"どうゆう関係だろう?"とか……いろいろ聞こえてくる。
……その時、何かが割れる音と、何かが倒れる音がした。
「――う"ぁ!?あぁっ、がぁ、ぁ…………」
俺と秀一が座っている席の隣……4人席に座っていた若い男女4名のうちの男性1人が、急に椅子ごと床に倒れ、苦しみ……動かなくなった。
それを見た俺と秀一が席から立ち上がり、男性の元に駆け寄ろうとして――
「――失礼!」
それよりも先に、50代くらいの眼鏡を掛けた男性が駆け寄り、的確に倒れた男性の脈を確かめる。そして同じように駆け寄ってきた、40代くらいの長身で顔立ちの整った男性が、脈を測っている男性を呼ぶ。
「――右京さん、彼は……」
「……手遅れ、ですねぇ。――亡くなっています」
「……そん、な、嘘……嘘よ……嘘でしょ、――――さんっ!!」
亡くなった男性の隣に座っていた女性が、悲鳴を上げるように男性の名前を呼び、その体にしがみついて泣き出した。
そんな女性の泣き叫ぶ声を聞きつつ、周辺の観察をしながら……頭は、別の事を考えていた。
(――何故、
いや、レストランにいるのは
……とりあえず今は関係ない事だし、混乱を招かないよう、せめてこの事件が解決するまでは初対面の振りをしておこう。
―――
――――――
―――――――――
「――では、こちらの件が終わり次第、そちらに戻る。……あぁ。了解した」
秀一が電話を終わらせて、こちらに戻って来た。
「和哉さん。連絡してきました。あまり無理はしないように、との事です」
「ん、ありがとう」
事件に巻き込まれてしまった以上、いつ合同捜査本部に戻れるかは不明となってしまった。よって、秀一にはその旨をジェイムズに報告して欲しいと頼んだのだ。
「それから……事情聴取にはしっかり応じる事。また、身分を明かしても構わない、だそうです」
「……了解」
……やがて、店員の通報によって警視庁の人間がぞろぞろとやって来た。
「――なっ!?警部殿に冠城!?」
「何でここにいるんですか!?」
「あ、伊丹さんに芹沢さん。どうも。……ここのパスタを食べてみたくて、僕が予約を取って、ついでに右京さんを誘ったんですよ」
「僕もこのレストランのパスタはとても美味しいと聞いた事があったので、冠城君の誘いを受けてここへ……」
「……けっ。昼食にイタリアンですか。優雅なことで!」
「……特命係のいるところに事件あり、ですね……死神かよ」
「芹沢さん、それはさすがに心外です!右京さんはともかく僕は違いますよ」
「そんな事はどうだっていい!とにかく、我々捜査一課の邪魔はしないようにな、特命係……!」
警視庁からやって来た2人の男が、右京さんと呼ばれていた男と、冠城と呼ばれた男を見て驚いていた。……伊丹さんと芹沢さんと呼ばれていた2人の男は、彼らの事をあまり良く思っていないようだ。特に、伊丹という男は。
「…………彼らは、部署が違う人間同士のようですね」
「……そうだな」
秀一と小さな声で話しながら、様子を窺う。
その後。事件発生時に被害者の近くにいた若い男女3名――ショートヘアの女性、穏やかそうな細身の男性、体格がガッシリとしている男性――や俺達2人は、その場所に留まったままでは検死等の邪魔になるため、店内の隅で待機するようにと言われ、そちらに移動した。
……やがて、捜査一課の2人の刑事がやって来る。2人はまず、俺達に声を掛けてきた。……見せられた警察手帳には、伊丹憲一と、芹沢慶二という名前が記されている。
「警視庁捜査一課の、伊丹と申します」
「同じく、芹沢です」
「お2人が被害男性とこちらの3名が座っていた席の、隣にある2人席に座っていた事は、間違いないですね?」
「えぇ」
「間違いありません」
「……では話を聞く前に、お2人のお名前とご職業を教えていただきたい」
「分かりました。……しかし、その前に――1つ、お願いしたい事があるのですが」
「……んん?」
俺の言葉に、伊丹刑事が眉をひそめる。
「あなた方にも、被害男性のお知り合いである男女3名の方にも…………あー、そちらの眼鏡を掛けた警察の方と長身の警察の方にも、お願いします。――我々の職業を知っても、あまり大きな声を上げないように」
「…………よく、分かりませんが……まぁ、いいでしょう」
伊丹刑事がそう言って頷くと、他の人達も頷いた。
「……秀一」
「はい」
秀一と2人で、懐から身分証を取り出した。
「――FBI捜査官の、荒垣和哉と申します」
「――同じく、赤井秀一です」
「「Fび、ムグ!?」」
全員驚愕していた中で、芹沢刑事と"冠城"が大声を上げそうになったところ、それぞれ伊丹刑事と"右京さん"がその口を片手で塞いだ。
「なるほど…………荒垣さん、でしたか?」
「……はい」
「あなたが大声をあげないようにと言った理由、理解しました。……確かに、今まさに世間で話題になっているFBIの方々がいる事が周囲に広まれば、大事になりますからねぇ……」
「――ご配慮に、感謝します」
そう。黒の組織が壊滅し、組織のボスと幹部のラムを逮捕した後。"世界的に活動していた凶悪な犯罪組織が、日本の公安警察とアメリカのFBIによる合同作戦によって壊滅した"、と世界中に大々的に報告されたため、俺達FBIと公安警察はかなり有名になっている。
よって……ここで大声を上げられると、いろいろと困った事になってしまうのだ。
「……FBIの方々が、何故こんなところに?」
「何故、と言われましても……部下の赤井がこの店を予約してくれて、昼食を取るためにここへ……」
「上司が、1度はここのパスタが食べてみたい、と言っていたので」
「…………あんた達もかよ……」
うんざりとした表情で、伊丹刑事がそう言った。
「にしても……ハーフに見える赤井秀一さんはともかく、荒垣和哉さんは純日本人でしょうか?」
「……えぇ。そうですよ」
「それが、FBIねぇ……純日本人なのに、アメリカの犬をやってるんですか。それはそれは、」
「――ホー……?」
「っ!?」
秀一の声が常より低くなり、口の端がつり上がる。……しかし、目は笑っていない。きっと、ここに一般人がいなければ殺気まで出していただろう。
そんな秀一の凄みに、伊丹刑事と芹沢刑事の肩が震えた。"右京さん"と"冠城"は身構えている。
「秀一。落ち着け」
「しかし、」
「――秀一」
「…………すみませんでした」
俺が再度呼ぶと、秀一は大人しく引き下がった。
「……私の部下が大変失礼いたしました。……ところで、我々に聞きたい事があるのでは?」
「あ、……そう、でしたね、はい…………では、事件が起きた時の事を聞かせてください」
「分かりました。それでは――」
話を本題に戻し、事件が起きた時の状況について伊丹刑事に質問され、それに秀一と2人で答えていく。
「――なるほど。ご協力、ありがとうございました。もう結構で、」
「あぁ、すみません。僕からも質問があるのですが……」
と、"右京さん"が割り込んできた。
「っ、警部殿……!!」
「すみませんねぇ、伊丹さん。……お2人にお聞きしたいのですが――こちらの男女3名と被害男性が席を立った順番や回数を、覚えていますか?」
「!」
――へぇ。
「――もちろん、覚えていますよ。我々の方が先に店内にいたので、彼らが4人席に座った時から……最初から全て、記憶しています。……お前も覚えてるよな?秀一」
「はい。全て覚えています」
「え」
「何ぃっ!?」
「えぇっ!?」
"冠城"と、刑事の2人がぎょっとした表情で俺達を見る。若い男女3名も同じ表情だった。……俺も秀一も職業柄、周りを常に観察する癖がついていただけなのだが……そんなに驚く事か?
「素晴らしい。……では、最初からお答えしてもらえませんか?」
「いいですよ。……秀一。とりあえず俺が話していくから、もしも何か間違いや抜けている部分があったら、言ってくれ」
「了解しました。……もっとも、あなたに限ってそれはないと思いますが……」
「念のためだ。……さて。まずは――」
それから、彼ら4名の席を立った順番や回数について、彼らが席に座ってから事件が起きるまでの、全てを答えた。……秀一からの指摘がないので、おそらくこれで合っているはず。
「――これで、以上です」
「ありがとうございました。……皆さん。彼の言葉に、間違いはありませんか?」
「……は、はい……間違いありません……」
「ぼ、……僕も改めて思い返してみた、けど……その人の話の中に間違いは……全く、なかった」
「あぁ……その通りだったぜ。間違いない」
「マジ、かよ」
「すっげぇ記憶力……!!」
「…………凄いな……もしかして、記憶力は右京さん並み……?」
俺の話を3人が肯定し、刑事2名と"冠城"がそんな声を上げる。
(……俺の話が肯定されたという事は、被害者と彼ら3人の事件前から事件直後の行動は、これで確定……か)
よし。これで――
「――これで、毒物が仕込まれた時がいつなのか、探り易くなりましたねぇ……荒垣さん。改めてお礼を言います」
「っ、……いえ。お役に立てたようで、何よりです」
"右京さん"が、静かにそう言った。……やはりな。それを探り易くするために、俺に聞いてきたのか。
そして、"右京さん"の声が聞こえたのか、伊丹刑事が彼に問い掛ける。
「ちょ、ちょっと待ってください、警部殿!……毒物ってのは?」
「言葉の通りですよ。……僕の見立てでは被害者の死の直前の様子からして……死因はおそらく、何らかの方法で毒物を仕込まれた事による、毒殺だと思われます」
「……つまり、右京さん。あなたは――犯人が彼ら3人の中にいると、そう言いたいわけですか?」
「その可能性は、高いと思っていますよ。あとは、鑑識の検死結果次第ですねぇ」
……なんて言っているが、おそらくはもう確信しているのだろう。
被害者は――他殺である、と。
「……ところで……警部殿、と呼ばれているようですが、あなたのお名前は?……それに、横にいる長身の警官の名前もまだ聞いていません。ついでに教えてもらえますか?」
「ついで、って……はっきり言いますね」
……おっと?どうやら秀一は"右京さん"に興味を示したらしい。"冠城"にも名前を聞いたのは、ついでのようだが。
こいつが自分から他人の名前を聞く時は、大体がその相手に何らかの興味を示した時だからな。
「あぁ……これは失礼いたしました。――警視庁特命係の、杉下右京と申します」
「
「……その、特命係とは?」
「ただの、窓際部署ですよ」
「――窓際部署、ねぇ……?」
似合わない、というか。――似合う、というか……
(まぁ――らしいといえば、らしいかな……)