忠犬と飼い主~IF~もしもオリ主が相棒世界のあの人の関係者だったら? 作:herz
・後日談的なおまけ。
・いろいろ捏造あり。
・オリ主視点。
「そういえば。聞きそびれていましたが……昨日一緒に飲みに行ったという荒垣さんの叔父って、どんな人なんですか?」
会議室にて。俺は秀一、降谷、風見と共に書類仕事を片付けていた。周囲には他にも数名の公安の仲間達がいる。
そんな時。息抜きのためか、降谷が俺にそう聞いてきた。
「……そうか。まだ話してなかったか。……まず、俺の叔父は警視庁に所属していて――」
「えっ!?」
「ちょ、ちょっと待ってください!……日本警察に、荒垣さんの血縁者が!?」
「あぁ……まぁ、叔父は身内については公表していないし、俺もそうだから……他には言い触らすなよ?」
「それはもちろん」
「分かっていますよ。……お前達も、今から聞く話を漏洩しないようにしろ。いいな?」
風見と降谷は神妙な顔付きで頷いた。それから降谷が他の部下達にそう言って、部下達もそれに対して頷き返す。
「……では、続きを聞かせてください。是非!」
「お、おう。……で、俺の叔父はお袋の弟でな。俺が子供の頃に何度か遊んでもらったり、アメリカに行った後もたまに会って話をしたりして……それなりに仲は良好だ」
「へぇ……」
「ただ、なぁ……どうも周りからは腫れ物扱いされてるらしい。確かにあの人はかなりの変人だが……普通の人間よりも数倍は頭が良くて推理力も抜群。正義感も強くて、紳士的。……決して悪い人ではないんだ」
「……和哉さんの言う通り、変わってはいるが良い人だったぞ。彼は、甥っ子である和哉さんの事をとても可愛がっていた。……昨日も別れ際に、”これからも甥っ子の事をよろしくお願いします”と丁寧に頼まれたからな」
「ほう……ちなみに、その方の名前や所属、階級などは?」
「――杉下右京警部。特命係という窓際部署の係長だとか」
――瞬間。ある者はお茶を溢して”熱い!”と悲鳴を上げ、ある者は足を縺れさせて転んで重要書類をぶちまけ、またある者はパソコンのキーボードを押し間違えて全ての文章を削除してしまい、叫ぶ。
風見は飲んでいたコーヒーを噴き出し、降谷もコーヒーを喉に詰まらせて盛大に咳き込んだ。その拍子に、オフィスデスクの上に積み上げられていた数々の書類が雪崩を起こして床に散らばる。
――大 惨 事。
「――あの変人の甥っ子!?はぁ!?」
「似てない似てない全然似てない!!」
「あれのどこに荒垣さん要素が!?」
「むしろ荒垣さんのどこに変人要素が!?」
「荒垣さんに変人要素が受け継がれなくて良かった!本っ当に良かった!!」
「というか本当に血の繋がりがあるのか!?変人の杉下右京と、頼れる男前上司である我らが荒垣和哉との間に!!」
「…………俺は叔父上の人望の無さに嘆いたらいいのか?それとも自分の人望の厚さに喜べばいいのか?」
「とりあえず全員ぶん殴って正気に戻せばいいと思います。いや、俺がぶん殴りましょう」
「待て待て待て秀一
その後。俺への質問責めやら、大惨事の片付けやらで、全く仕事にならなかったのは――言うまでもない。