~東方旅記録~   作:陰陽の使者

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~大壱章~紅き霧をまとう者たち~
~第壱章・壱~流浪人とおてんぱ氷精と闇をまとう妖怪と小さな大妖精~


~上空~魔理沙視点~

 

どうも、霧雨魔理沙だぜ!

 

未来の偉大なる魔法使いだぜ!

 

でもって、霊夢の大親友、そしてライバル!いろいろあって最近あってないけど、細かいことはいいんだぜ!

 

わけあって、私はちょっと飛んでるんだぜ!いやあ、それにしても高いところの空気はおいしいいんだぜ!

 

…まあ、わけあって余裕はあんまりないけど。

 

「…なあ、京。」

 

「…なに」

 

「いつ離すんだ?さすがの私でも操縦が辛くなるぜ。」

 

「この身が地を触るまで。」

 

…本当、参ったぜ。

 

今まで何らかの「症状」を持った人物にはあったけど…よりによって「高所恐怖症」とは。いろんな意味でたちが悪いぜ。

 

…だってさ、この箒は私の第二の相棒だぜ?見た目に反してかなり丈夫なんだぜ!でもこいつときたら、私のお腹を後ろから強く抱きしめて硬くなったまんまだぜ?

 

「…お前、そんなんでどうやってここに住むつもりだった。」

 

「君こそ…知ってるか?」

 

「何を?」

 

「人間ってさ、地球がなきゃ生きられないんだよ?」

 

「そんな理屈、馬鹿にされるぞ、ここでは。」

 

「…悪い。これだけは絶対に譲らない。たとえ妖怪に食い荒らされてもな。」

 

…困ったもんだぜ。

 

「分かった。もうそろそろ池が見えてくるはずさ。一分もしないからな。」

 

「…なんでもいい。早くしてくれ。」

 

「いいさ!この心の広い私がツアーをしたことに感謝するんだな!」

 

なんだかんだと言ってる間に、森から湧き上がる真っ白い霧が目に入った。その先は…

 

「ほらあれだぜ、紅魔館!見えるか!」

 

かすかだが、白い霧の中で目立つ紅の屋敷を指差す。が、返事はない。

 

「…分かったから、ほら降りるぜ!」

 

普通なら真下方向の急降下で降りてるかもしれないが、そうすると後ろがもの凄く危なくなる。ここはそっと滑空をしてだな…

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

~霧の湖~

 

「ふー…何回も来たけど、ここにたつのって結構久しぶりだな!相変わらず何も見えないぜ!」

 

「結構霧が深いんだな…特別寒いわけでもないのに、何でだ?」

 

「さあ?前からそうらしいぜ。」

 

ある意味凄いぜ、この人…空はあんな固まってたのに、再び降りると何事もなかったかのように霧の向こうの水面を見てる。

 

「気をつけたほうがいいぜ!ここに沈んで帰ってきた人なんて聞いたことが無いから!」

 

「それをうれしそうに言うものか、普通…まさか、ネッシーが出てくるんじゃない…よな?」

 

「なんだそりゃ、旨いのか?」

 

「あ、なんでもない…でも、「霧の湖」と言うあたり、やっぱり大きいな、ここ。」

 

「結構遠回りすることなるけど…まあ、歩き専門のお前なら大丈夫なんだぜ!」

 

「その呼び方、嫌味を感じるな…」と言いつつ少し微笑した彼も自覚してるのか。「なんか悪いな、」

 

「いいぜ!確かに飛びっぱなしじゃ足が腐っちまうんだぜ!」箒を肩に背負って、改めて帽子を調える。「ほんじゃ行くぜ!」

 

 

静かに湖の端を歩く。ひたすら歩く。もう半分ぐらいは過ぎただろう。

 

でも、この沈黙は少し…重いな、私にとっては。京は…深い森や湖の見えない向こうを見回すのに夢中らしい。彼も静かだけど、何もかも吸収するその目は、まるで何かを得て満足した静かな人のようだった…自分でも分からん。

 

なんか話そうか…でも何を…

 

「なあ、魔理沙。」

 

「うぉ。」思わずのタイミングで越えかけられたら、変な声が出ちゃったぜ!「な、何だ京?」

 

「この湖ってさ、誰か住んでるのか?」

 

「え?いや、聞いたことないな…いるとしたら蛙ぐらいしか…あ、でもしょっちゅうチビな妖怪や妖精が群がってくるんだぜ。」

 

「あれのことだよな?」

 

彼が指差した湖の方向を見てみると、そこには見慣れちゃいけない気がする三つの視線が帰ってきた。

 

一人は黒いワンピースを纏い、金色の髪に結ばれた赤いリボンの闇の妖怪。一人は湖の青のドレスに太陽の黄色いリボンに結ばれた、自然の緑ポニーの名無しの妖精。

 

そして一人は、冬のようにつめたい青のワンピースとショートヘアながらもその視線は炎のように馬鹿に熱い氷の妖精。

 

チルノ「ああああ!おい白黒、勝負だ!」

 

大妖精(だいようせい)「ち、ちょっとチルノちゃんやめようよ!お連れがから!」

 

ルーミア「お連れなのかー?」

 

「…知り合い…っでいいのかな?」

 

「ああ…気にしなくていいよ。あいつらはいつもあんなんだしさ。」

 

「別にいいけど…あの子の羽って…」

 

京が何か言おうとしてるみたいが、見事にチルノのゼロ距離の大声により吹き飛ばされた。

 

「むーーしーーすーーるーーなーー!!」

 

「ああ、分かった分かったから、目の前で叫ぶなって!」

 

「チルノちゃん、だからやめてって。ルーミアもたす…ルーミア!?」

 

「…(ゴクリ)」

 

「悪いが、こいつは食料じゃないぜ!おい、妖精暴れるなって!」

 

「そーなのか…」

 

「あの、すみません、いつもこんな感じで、本当に…!」

 

「あ、いや、別に気にしてないから…」

 

「…まてよ、そうだ!おい、妖精、挑戦受けるぜ!」

 

「お!受けるのか!」

 

「おい、京!せっかくだから、幻想郷一の名物、「弾幕ごっこ」を紹介してやる!」

 

「え、なんて…」

 

「お手本見せてやる!いくぜ~!」

 

「あこら、逃げるな白黒~!まて~!」

 

ささっと、湖のど真ん中までとび、チルノが追いつくのを待つ。

 

…でも、やっぱり、飛ぶのって最高だぜ!京のやつ、いろいろと

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

~京視点~

 

「あの…大丈夫ですか?」

 

「あ、いや…元気だね、あの子。」

 

「チルノちゃん…ですか?すみません、いつもあんな感じで…」

 

「いや、君が謝ってどうするんだよ。」彼女の申し訳ないと言わんばかりの顔に少し笑いながら、僕は付け加える。「それに、あんなに元気な子でむしろいいじゃないか。退屈はしないと思うよ。」

 

「はい…その代わり疲れが…」

 

「だろうな…でだ、さっきから気になってるんだけど…」

 

この子(名前、何なんだろう…)は一瞬きょとんとしたが、目星がついたのか、その後ろに向く。

 

あの黒い妖怪(ルーミアだっけ)が僕を凝視してる。

 

口からよだれをたらしながら。

 

…腹の虫もなった気がした。

 

「ルーミアちゃん…」

 

「悪いけど、僕は食べられる気がないから。」

 

「むー…」残念そうな目をしてるのがものすごく気になるが、まあほっといていいだろう。とりあえず、魔理沙たちの「ごっこ」に目を向ける。

 

「…あれが、さっき言ってた。」

 

「弾幕ごっこですね。初めてですか?」

 

「いやまあ、ここに来たばかりだけどね。そんで早速ききたいんだが…」

 

「はい、なんですか?」

 

「あいつ、馬鹿なのか?」

 

「…はい。」

 

あっさり肯定した…でも無理もない。

 

いまチルノは、氷の破片と思われる物を左右に飛ばし、それをなんかの術で軌道を屈折させ前方を隈なく撃ちまくる。めちゃめちゃに見えど、「隈なく」と言っていいほどみっちり撃ち続いてるため魔理沙には分が悪い…筈だった。

 

問題は、なぜか氷はチルノのすぐ前は全くカバーせず、それを魔理沙がフルに活用してる。しかも、それが悔しそうなチルノは、それの対策を全くしようとせず、ただただ空回りするの氷を撃ち続けるのであった。

 

「…せめてNormalぐらいは見せようよチルノ…」

 

「いやそれより、戦法自体を変えたほうが…」

 

「無理ですね。一度スペルカードを宣言すると、撃破されるか制限時間を迎えるかまでは変えられないのです。」

 

「そんなことよりお腹すいたの~」

 

「…ごめん。いまいち…そもそも「スペルカード」って何だ?」

 

「あ、そうですよね。そこからですよね。…えっと、もってない私が説明するのもなんですが…」

 

そこから、「弾幕ごっこ」についていろいろと教わった。まあ、覚えておくべきことは…

 

正式名は「スペルカードルール」

 

二人が「スペルカード」と言う弾幕を使用する、いわば必殺技を使い、お互いのスペルカードをすべて撃破することが出来れば決着

 

スペルカードを撃破するには、自分がやられる前に相手を攻撃、もしくは特定される時間制限まで耐え抜く必要がある。ちなみに特定のスペルカードの中で、使用人が無敵状態になるもの(耐久スペル)があるらしいが、この場合後者の方法でしか撃破を狙えない。

 

あくまで殺し合いではなく、弾幕の美しさを競い合う者。むしろ、もともと弱者が強者に立ち向かえるために作られたためのルールである。

 

「…私が知ってる範囲では、こういうものです。」

 

「へぇ…結構詳しいね。」

 

「い、いえ。全部お知り合いから聞いたもので…普通なら全然…」

 

「ねえ、もう食べていい?」

 

「後でクッキー食べさせてあげるから!」

 

「わーい!!」

 

「あはは…」

 

相当ルーミアの我慢のが切れそうだ。何とかしないと、本当に…

 

「恋符!!マスタァーーーースパーーーークゥ!!」

 

何か叫ばれたかと思ったら、湖の上から何かが激しく発光。あわててみてみると…

 

魔理沙の手元から、分厚く眩しいレーザービームが放たれていた。おそらく、チルノがいた場所に…

 

「チルノちゃん!」

 

その大技がまだ途絶える素振りも見せない間に、妖精(あ、まだ名前聞いてない…)はその下にいきなり現れ…って、あれ?どうやって…

 

そしてその小さな手に、ボロボロで火傷を体中に負ったチルノがはまるように落ちてきた。その上から勝利に喜ぶ魔理沙が、こっちに向かってくる。

 

「…殺し合いじゃなくても、十分命がけにしか見えない…」

 

「そ~なのか~」

 

「…聞かれても困るな…」

 

目の前の光景を、ただただ眺めるしか出来なかった…

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

~魔理沙視点~

 

「覚えてろ~白黒!!いつかうわぎをばらしてやる!!」

 

「チルノちゃん、ほら落ち着いて!すぐ回復するから!」

 

「まあ、いい勝負だったぜ!またいつでも受けてやるぜ!ほら京、いくぜ!」

 

「あ、ああ…」

 

もっと遊びたい気分だけど、さすがにルーミアの隣が嫌になってきたみたいだ。まあ、こっちもいろいろと見せたいし、ぐずぐずしてられない。

 

あと、チルノ。それを言うなら「うらみをはらす」、な。心の中でそっと突っ込んどいた。

 

「ほんじゃ行くか、京!後もう少し飛べば…」

 

「………」

 

「…もう少し歩けば付くぜ!ほうら急ぐ、もたもたしてると日が暮れるぞ!」

 

「はいはい…」

 

冗談で言ったものの、本当に太陽が沈み始めてきた。そんなに道草食ったっけか…?まあいいか。むしろ夜のほうが盛り上がりそうだ!

 

なんか妙にうきうきしながら私は京を引っ張って霧の湖の端を走った…

 

…うん、たまに走るのもいいな!ある意味、京に出会ったのもなんかの縁だぜ!

 

 

 

 

 

 

 

~大妖精視点~

 

「う~、また負けた~!もう少しだったのに~!」

 

「惜しかったのだ~」

 

「チルノちゃん…」

 

「…よーし!大ちゃん、とっくんするよ!とっくん~!」

 

「え~!でも、まだ怪我が!」

 

「そんなの関係ない!めーりんだって毎日ケガしてるのにとっくんしてるもん!」

 

(それ、特訓してサボってるからじゃないかしら…)

 

「あたいだってとっくんするもん!そしてぜったい魔理沙に勝ってやる!」

 

「そうだそうだ、そうなのだ~!」

 

「ルーミア、あんまり調子に乗らせないで…」

 

「それじゃさっそくいくよ、ルーミア!」

 

「でも、クッキーが先なのだ~!」

 

「…!そうだ、チルノちゃん、まずなんか食べようよ!ほら、お腹がすいたら戦えないでしょ?」

 

「え~でもまだ大丈夫だし…」

 

「シャーベットもつけるから!」

 

「よーし、行くぞルーミア大ちゃんの家へ!おやつタイ~ム!」

 

「そうなのだ~!」

 

「あ、ちょ、ちょっと待って~!」

 

 

(…でも、そういえば…)大親友二人を追いかけながら、私はさっきの会話でふと思ったことがあった。

 

(あの人誰だったんだろう…初めて見る人だったけど、なんか…懐かしい感じ…?)




~人物設定~

ルーミアがなんかのゆるキャラ(ゆるいキャラクター)になった気がする自分がいます。でも個人的には「幼霊夢」や「風見幽香に対する参考」に出てくる大人っぽくかっこいい性格もツボである。書く機会はあるだろうか…あと食いしん坊。

大妖精こと大ちゃんはまあ、友達思い(得にチルノに対して)で、なんだかんだのしっかり者。彼女がいないとチルノが何をやらかすか分からないと言えるほど重要なキャラ。炎を使った料理が好きで、よくおやつをチルノやルーミア含む親友に分ける。

チルノは…まあ、知っての通りバカ。特に戦闘バカで、魔理沙を見るなりすぐにごっこを仕掛けてくる。(認識されない)ライバル感を持ってるが、同時に自分が負けて納得行く数少ない相手である。「だいだらぼっち」事件以来自分の力に自身が付いたみたいだが、やはりちょっと危なっかしい。

はい出ました、京の決定的弱点「高所恐怖症」。幼いころのとある事件以来、高い場所が大いに嫌いになった。落ちる感覚が半端ないエレベーターは乗らないし、山より海に行く。おそらく幻想郷に来ても、出来るかどうか以前に、永遠に飛ぶことがないだろう。
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