まずあらすじの注意は確認しましょう。続編なのでマニアック小説です。
細かい注意としては……
裏の世界の格はリボーン側を上にしているためにアンチヘイトタグをつけています。
ぶっちゃけると、一度でいいからリボーンと暗殺教室のクロスオーバー作品を書きたかっただけ。
だから書きたいところだけ書いた作品。……いつものことですね。
相変わらず文章の最初とかに空白がないです。嫌いな人は回避を。
完結見込みはある。半分は書き上がってます。
ストックがなくなるまでは毎日更新です。現時点で一週間分はある。
つまり暗殺教室の方が巻数が少ないのに長くなった。どういうことだってばよ。
(夜のソラは42巻分を8話で済ませた)
15話ぐらいで終わらせたいなぁ……。
では、最後に私の合言葉を。
『無理と思えばすぐUターン!ストレスが溜まるだけですよ!』
「嫌な予感がする」
ポツリと呟いたつもりだったけど結構な大きさだったらしい。クラス中から視線が集まり、さらにオレの嫌な予感の意味を知ってる人達は緊迫した空気になる。……でもそこまでじゃないと思うよ、多分。命の危機まではなさそうだし。
「う゛お゛ぉぉい!!」
なんて軽く考えていたら聞こえてきた声に、聞き覚えのあるオレ達は頭を抱えた。もうちょい忍んで頼むから。
「沢田ソラ!!てめぇに依頼だぁぁ!!」
教室の扉を開けて開口一番の声に、オレ……といっても、双子の片割れである沢田綱吉だけど、スクアーロをぶん殴ったよ。……うん、キャラ変わってるからね。マフィア嫌いで、ボンゴレと確執があるわたしに依頼を持ってくるぐらいなんだから、せめて話ぐらい聞いてあげようよ。クラスのみんながビックリしてるからね。や、そうでもないか、過保護ってバレてるし。
というか、数日中にそっち行ったのに。いやまぁXANXUSに会いにだから、邪魔したら銃をぶっ放されるけど。こっちに来てぶん殴られた方がまだマシなのかな……、なんて考えながらオレは現実逃避をした。
●●●●●●●●●●
オレこと、沢田ソラはちょっと……ではないか、かなり複雑な事情を抱えている。クソ親父がミスったらしく、赤ちゃんの時に連れ去られてエストラーネオファミリーのボスの娘として育てられた。後々、ボンゴレを乗っ取るつもりだったんだろうね。殺さないというだけで骸達と同じように人体実験は普通にあったし。まぁそん時にこの身体の本来の持ち主である、わたしがボンゴレリングに適応したのか双子である未来の沢田綱吉の経験と記憶を継承し、もう一つの人格を作り上げた。それがオレってこと。絶対本来のやり方とは違うけど、人体実験の影響かなともう流してる。プリーモも怒らなかったしね。
オレの中に普段隠れているわたしは夜の炎の持ち主でちょっといろいろ危うい。オレを作り上げることが出来たのはリングに適応したおかげだけど、適応しちゃったから真実がわかっちゃって絶望し世界を恨んで夜の炎を得ちゃったんだよ。いやまぁ適応しないと死んじゃってたんだけどさ。未来がないから双子である沢田綱吉の未来へ飛んじゃったんだろうし。わたしはいろいろ危ういから普段オレが出てる感じ。ずっと出てるとおかしくなるんだよ。それでもオレはわたしを指針にして動いてるよ。本当にやばいところは抑えてるけど。オレはわたしが作ったのもあって、人とか普通に殺せるし、人が死んでもなんとも思わないからね。今まで何人も……何百人も殺してるし。正当防衛だよ、正当防衛、自分からはやってない、クソ親父以外は。まぁ殺しちゃうことには変わらないから、オレだけどオレじゃないんだよね。つーか、まず女だし。……ややこしくない?
わたしはギリギリオレを作り上げたおかげなのか、夜の炎を持ってるけどそこまで禍々しい炎はしていない。バミューダ曰く、少し調和してるんじゃない?だってさ。大空の炎は出せないけど、ほんの少し残っててそれで助かってる感じ。や、それでも危ういけど。完全に消えなかっただけ、オレもわたしも喜んでるからいいの。
事情が事情だったから、オレは隠してたの、正体を。母さんはわたしが死んじゃったと思ってたし、オレは双子だったことすら知らなかったみたいだし。まぁオレん家の屋根の上で寝泊まりしてたけどさ。それはクソ親父のせいで殺し屋がバンバンきてたのもあるけどね、正当防衛はそういう意味。けど、結局はわたしが離れられなかっただけかもね。や、それでもないわ。さっさと死ね。
えーと、確か骸達と一緒に逃げ出した時にソラって自分でつけて、仮面をつけて過ごしてたんだよ。顔がね、オレとそっくりだったから。もちろん骸とは別行動だよ。あいつがすることわかってたし手を取ることはなかった。だから再会した時に殺しあっちゃったんだよね。ただわたしは骸をやりたくないなと思ってたし、骸は骸でわたしになら殺されていいって考えだったみたいでさ。かなり歪んでるのもあって、オレ……片割れの方に止められたよ。だから仮面の姿でオレとは出会ったりはしてたけど問題なかったの。リボーンも女に優しいから無理矢理暴くなんてしなかったし。
けど、10年後のオレが暴露しちゃってさ。理由が理由だったからしょうがないんだけどね。そこでオレが知っちゃって、未来から帰ってきて過保護が出来上がった感じ。……どうしてこうなった。オレもわたしもかなり引いている。
クソ親父には代理戦争に便乗して殺そうとした時にバレた。10年後のオレもバジル君の前では絶対取らなかったし、ラルはオレとわたしに気を遣って黙ってたんだけどね。拳だって交えてないのにちょっとした攻防で超直感が働いたのかバレた。向こうは必死で関係を修復したがってるけど知らね、さっさと死ね。借金まみれにしたのにオレ達の面倒を見ようとするし、ヒバリさんが握りつぶしてくれたけど。つーか、ふざけんな、誰がお前の世話になるか、さっさと死ね。
母さんには呪いを解いた元アルコバレーノ達にはめられてバレた。というか、あのメンバーの他にイェーガーがいるのがズルいでしょ。夜の炎で逃げようとしたら握りつぶすんだもん。最後にはユニに連れられてきた母さんの声に動揺したところを、リボーンに仮面を取られた。オレ達が作ったわけじゃない、本当の名前で呼ばれて涙腺が崩壊した。それは真名ってことで大事にしまって、ソラって名前で今も活動中。母さんだからあっさり受け入れたよ。二重人格のこともね。未だに拒絶反応が出て、家には住めてないけど。昔よりはましになったよ。屋根の上で寝泊まりしてるけど、家の中以外なら寝れるようになったし。落ち着くから天気のいい日の夜は屋根の上で寝てるけど。
オレとわたしは所謂二重人格なんだけど、うまくやってる方だと思う。や、いろいろ問題はあるけど……。
わたしは骸のことを愛してるみたいだから、骸のところに行ったらべったり抱きつく。これはまぁいいんだよ。骸にとってはオレもソラらしいし。あ、オレの人格の元は誰かはみんな知ってるからね。わたしが作ったから、オレともかなり違うし気にしてないみたい。オレが黒曜ランドに居ても別にいいぐらいだし。まぁ滅多にないけどね。骸の前だと、主人格であるわたしの方が出てくるから。同じ環境で育ったのもあって、骸は抱きつかれててもまったく嫌がらないし、そこに深い意味もないしさ。骸は骸なりに大事にしてくれてるからいいの。
問題はね、XANXUSとヒバリさんなんだよ。XANXUSはまだいいよ。衝撃すぎて、オレは未来の夢をみた途端に頭を抱えたけどさ。いやでもほんと何があったの。お前、チェルベッロにボンゴレの継承権があるとオレらは暴露されたから、すげー殺そうとしてたじゃん。なにがどうなって、わたしとXANXUSの間に子どもが出来たの。過去のオレ達に暴露しなくちゃいけなくなった理由が、その子どもがXANXUSの血はどこに行ったのというぐらい、わたしにそっくりだったんだよ。つまり過去から来たオレにもそっくりというわけで。暴露するしかなかったの。未来のオレも知ってたみたいだし。
未来で起きた戦いの夢を見せてくれたのはいいけど、いろいろ中途半端だったんだよね……。過程とか教えてよ!雑だったけど、XANXUSが子どもを抱いてるとか衝撃しかないから!や、あの時は未来のオレの判断でXANXUSに守ってもらうことにしたみたいだけど。オレが子ども作ってないから、必然的にあの子が11代目だったからね。まだ4歳で自分で自分の身は守れないから、やるしかないんだろうけど。けど、パパと呼ばれても、うるせぇとか何も言わないXANXUSに衝撃しかない。情報をもっと下さい。何がどうしてそうなった……。
まだオレはいいんだよ。や、よくはないけど。わたしとXANXUSの気持ちを考えて。記憶と経験を継承されて、2人は超戸惑ってるからね。XANXUSも振り回されるぐらいとか、相当だよ!?間にいるオレは超気まずい。もちろん片割れの方であるオレも超気まずい。まぁいろいろあって、ゆっくり整理することを選んだよ。だからたまに会ってる。今のところ甘い雰囲気はない……と思う。オレはわたしが作ったから女と自覚してるけど、男の人格を模範したから超鈍いの。ただ経験が継承されたからさ、2人とも一緒にいても違和感ないみたいなんだよね。そして生活費を出すぐらいはXANXUSにも独占欲はある。ヒバリさんが全部払ってるのが気に食わなかったみたいだから。
そう、ヒバリさんはね……。未来を知って、他の男に取られたのがムカついたからそうなのかなぁだって。この人はよくわからない。ガッツリ食おうとするくせに、自分の気持ちに戸惑ってる。ガッツリ食おうとするけどね!!それもオレの方を!!……どうしてこうなった。や、ガキの頃にオレが危なっかしいヒバリさんを見て、ほっとけなくてちょいちょい助けてた?からなんだけどさ。それはわたしじゃなくてオレだからってことで、オレが欲しいらしい。もう一度言うよ、どうしてこうなった。骸が来るまで仮面の姿すら見せてなかったのにね。ずっと咬み殺そうとしてただけだったじゃん!そしてなぜか、わたしもノリノリで楽しんでる。XANXUSはいいの!?
まぁいろいろあって今では見つかれば、食事を連れてってくれるようになった。オレの住む家を用意したの、あの人だからすげー不利なんだけど。未来に帰ってきてすぐに過保護の方のオレが頼み込んだ結果ね、言っとくけどオレは頼んでないからね。そして学校にも行くことになったから、よく追いかけっこしてる。そして転入初日にヒバリさんがオレを口説いてるって教室で暴露したから、もうみんなスルーしてるよ。や、過保護であるオレはすぐさま抗議したよ。けど、ヒバリさんだからね。聞く耳を持つわけないし、逆に挑発されてオレは勝負を受けてたったよ。オレの性格かわりすぎ……。
そろそろ現実逃避はやめよっか。いったい、スクアーロは何しにやってきたんだろうね?
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並中の屋上でオレ達は集まってスクアーロの話を聞く。この場に骸は居ないけどクロームが居るから聞くんだろうね。わたしに関係あることだし。わざわざお兄さんは来てくれたよ。もう卒業しちゃって高校生になったからね。ヒバリさんはなぜか並中にいた。まぁヒバリさんだし……。
ちなみに自分のことなのにオレはちょっと離れた位置にいる。昔よりは良くなったけど、わたしがマフィアがいっぱい居ると落ち着かないから。似たような感じでヒバリさんも居るよ。この人が大人しく聞いてるのは、オレへの依頼だから……だと思う。あれ、そう思うとちょっと恥ずかしい。
まぁヒバリさんが調子に乗るから表に出さなかったし、切り替えて話を聞いたけど。
「最高速度マッハ20ねぇ……」
そりゃヴァリアーも手こずるわけだ。それも人体実験の影響でなっただけで、元殺し屋だけど今は表の人間。リングの力は使えない。まぁ元だし、使って確実に殺せるならいいけど、逃したら面倒なことになるもんね。この人、捕まってた期間を考えるとリングのことは知らないみたいだしさ。知らなくてヴァリアーが手こずるレベルとかヤバいよね。下手に知っちゃうと、どうなることか。
「マーモンはどうだったの?」
「幻覚にはかかる見てーだが、殺気に反応するのか避けやがる」
うわぁ、それはめんどくさいね。避けてそのまま逃走するってことでしょ。それもスクアーロの話では幻覚にかかった時は面白がってテンパらないらしい。状況変化に弱いくせに、妙に術士に強いんだって。かかるのはかかるらしいけどさ。殺そうとするとダメらしい。あと中途半端な術士では見破られたみたい。相当、殺し屋としての実力はあったんだろうし、術士とやり合った経験もあるんだろうなぁ。
「というか、オレの超直感に引っかかってないってことはあの人もでしょ。ほっといてもいいんじゃないの?」
そりゃ月が壊れたけどさ。あれもオレの超直感に引っかからなかったもん。オレの知らない歴史になってるから驚いたぐらいで。
「9代目がそう思っても、ボンゴレとしては動かねーわけにはいかねぇからな。おめーもわかってんだろ」
「まぁそうだけどさ」
マフィアのボスになった経験があるからね、リボーンの言いたいことはオレだってわかってるよ。ただ、わたしからの反応がないんだよ。そもそもマフィアもボンゴレも嫌いだし、人体実験の結果でそうなったとか、わたしにとって良くない内容じゃん。
「この人……殺せんせーだっけ、そんな悪い人じゃないでしょ。こうして調べもついてるし。オレもわたしも乗り気じゃないよ」
「んなことはわかってる。クソボスも許すわけねぇだろぉがぁ!」
そうはっきり言われると、オレはなんとも言えない感じになるからね。もちろん過保護のオレの方も。
「……あーつまり、ボンゴレが動いてるというのが欲しいのね。暗殺の依頼じゃなくて、監視とかでいいってこと?」
「そういうことだぁ゛」
「夜の炎を使う前提だから、実際に見られなかったらいいってことね。まぁ普段から使ってるしねぇ。んー身体強化とかに使うのは?もちろん体内に留めて見えないようにするけど」
「復讐者から許可はとってぞぉ」
根回しのいいことで。というか、それぐらいはやるか。
「ソラっ、やるとか言わないよね!?」
「ボンゴレとかどうでもいいけど、オレはその教室がどうなるか気になる。ただの一般人が殺し屋の真似事するとか、歪む可能性があるじゃん。本当の裏の世界に巻き込まれる可能性だってあるし。というか、もう目をつけられてるでしょ。そういう意味でもボンゴレが動いてるというのは必要。返事はないけど、多分それはわたしも一緒の考え」
わたしは世界が嫌いだから一般人を殺すことに躊躇なんてしないけど、一般人が無理矢理に裏の世界に引きずり込まれるのは好きじゃないんだよ。だってね、わたしが本当に欲しかったのは、マフィアのことなんか知らずに家族と過ごせていただろう時間だから。だからオレが一番羨ましがってるんだよね。まぁそれを知ったオレが一番最初にオレを殺しに来てと言って約束したから、わたしは少し落ち着いたけど。目の前のオレが絶対止めてみせるって言ってくれたから。まぁまだまだ危ういけどさ。
ちょっと考えがそれたけど、わたしは絶対行きたくないわけじゃないと思うんだよね。
「君も心配なんじゃないの?」
「……それはそうだけど。ソラがするなら、オレがするから!」
「君でもマッハ20の移動について行くのは無理だから。そりゃ向こうが殺す気で来るなら、超直感で何とかなるかもしんないけどさ。この人、そんな気ないでしょ」
ゔっと言葉が詰まったよ。それぐらい条件が厳しいんだよ。ヴァリアーが苦労するのはそういうのもあるでしょ、絶対。
「そして、この中で潜入……別に暴露しても問題なさそうだけど。それでもこの教室に通えそうなのは、オレと彼ぐらいだからね。E組っていうけど、その学校に馴染めるぐらいの成績は必要だよ。一般人と生活するんだからさぁ」
彼というところで、オレは獄寺君を指した。ヒバリさんも出来るだろうけど、並盛から離れるわけないし。骸は論外ね、あいつも頭いいだろうけどまずないから。ヴァリアーだとベルでも年齢を誤魔化すのがきついし。幻覚をずっとかけるのもまずいだろうし。そりゃオレもちょっと勉強して思い出さなきゃヤバイけど、やろうと思えば出来るはずだもん。
だってリングに適応してオレを作り上げた時に、未来のオレが培った経験も継承してるから。じゃなきゃ、復讐心を今まで抑えるのは不可能だし。ただ、わたしが作り上げたからオレもかなり歪んでんの。オレはオレだけど、オレじゃないの。うん、ややこしい。
「10代目、任せてください!オレ行きますよ!」
「や、それはオレが嫌だ」
……ごめん、獄寺君。でもさ、めんどくさそうじゃん。10代目が!って。オレ、ノイローゼになっちゃうよ。もちろんわたしも。10代目のオレのことを抜きにしても、心配してついてこようと思ってくれるのは有難いことだけどね。でもちょっと勘弁して欲しい。それにふつーに足手まとい。実力とかの話じゃなくて、1人で移動する方がどう考えても楽じゃん。
「潜入しか選択なさそうだしなぁ。見つかるんだろ?」
「ああ。鼻がいい」
「どこに鼻あんの!?」
オレ、ナイスツッコミ。みんな多分同じこと思ってたよ。残念ながらスクアーロもわからないみたいで、知るかぁ!って叫んでたけど。ただ一回見つかるとほぼほぼアウトらしい。覚えられるみたいで街に入った瞬間にアウト。ほぼほぼなのは、幻覚にはかかるから隠すことは出来るみたいだから。学校まではたどり着けるけど、殺せない。……超直感を使いこなす、オレが適任なわけか。
「オレが判断して、夜の炎を大っぴらに使うことになってもボンゴレが全責任取ってくれるならいいよ。もちろん、わたしが暴走した時も」
「かまわねぇ」
それも納得済みだったのね。当然と言えば当然だけど。オレとわたしに依頼してくるぐらいだしね。まぁ暴走はさせる気はないけどさ。
「ソラぁ!」
オレが承諾しちゃったから、オレが縋るように抱きついてくるけど仕方ないじゃん。ずっと黙ってたけどわたしも納得したみたいだしさぁ。
「オレが行くだけで抑制になるならそれでいいじゃん。そもそもオレなら一瞬で帰ってこれるんだよ?家族との時間はふつーにあるからね?」
「それでもさ……」
「はいはい。依頼はオレに来たの。君じゃないから。止める権利はないの」
ムスーっとしちゃったよ。相変わらずオレの前じゃ幼くなるね。まぁ精神年齢はオレの方が上だから仕方ないんだけど。そのかわり、わたしが表に出たら、ちゃんとお兄ちゃんしてるしね。
この後、オレを追い払ってからスクアーロと詳しい打ち合わせをした。聞きたがってたけど、わかんなくなるだろうから綺麗にまとまったのを後で教えるよと言えばすっかり騙されてたよ。オレ、単純すぎ。リボーンなんて呆れてみてたよ。いいじゃん、キナ臭い話は聞かせなくてさ。
ちなみにリボーンはもちろんのこと、ヒバリさんとクロームもしっかり残ってました。クロームは絶対骸の指示だろうね。この2人が騙されてくれるわけなかった。残念……でもないか。なんとも思わないだろうし。特にヒバリさんには手伝ってもらわないといけないもんね。転校手続きとかさ。
……にしても、依頼だけじゃなく給与もちゃんとヴァリアーを経由してから渡すってところがね。よく理解してるというより、XANXUSが狸とかクソジジイって言いたくなる気持ちがわかるよ、ほんと。まぁあの人もなんとか修復したいんだろうけどさ。10代目候補のオレじゃなくて、オレに依頼が来たってそういうのもあるでしょ、絶対。
……うん。ボンゴレ、さっさと滅べ。
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なんとかいろいろ思い出して、プロの殺し屋……と言ってもリングの力を知らなさそうだし、実績もたいしてないけど。まぁ一応、殺し屋が教師として赴任する前に転校することが出来た。つーか、理事長室に行く意味あんの?
「失礼します」
「ああ、君が見届け人の沢田ソラさんですか。E組の件で好きに振る舞うのはいいが、この学校では私のルールに従ってもらうよ。まずはその制服を着替えてもらおうか」
「あー……やっぱり。学校集会とかではちゃんとここの制服を着るんで、それで勘弁してください。オレがこの服を脱ぐと、多分あなたにとっても面倒なことになると思います。や、ほんとに」
「……ふむ。いいでしょう」
助かったとオレは息を吐く。オレが並中の制服というか、セーラー服を脱いだと知ったら絶対咬み殺しに来るからね。オレが依頼受けちゃったから、そもそも機嫌悪かったし。にしても、この人すげーオレを観察してるね。なんでこんな見てるんだろうと思いながら、オレは理事長室から去った。
というわけで、オレはE組がある旧校舎へやってきた。ちゃんとふつーに走ってきたよ。素人の動きじゃなかったかもしれないけど。
「あれ?誰だろうね?」
「本当だね。ねぇどうしたの?」
こんな感じなんだねと旧校舎を見上げていたら、誰かに声をかけられた。
「んっと、潮田渚君と茅野カエデさんだっけ?」
オレが名前を当てると2人は驚いた顔をした。つーか、情報見落としてるじゃん。この子、絶対触手持ちだよ。頭痛くなってきた……。
「悪いんだけどさ、職員室に案内してくれる?防衛省の人がまだ居なくてさぁ。まぁ待ち合わせよりちょっと早いのもあるんだけど。オレの直感じゃ職員室に居るっぽいんだよね」
キョトンとした顔をした後、すぐさま茅野さんは烏間先生ーと言いながら走って行ったよ。出遅れた彼はオレの案内するしかないね、オレをほっとく勇気はなさそうだし。割と不憫だね、この子。
「あーうん、悪いね」
「う、ううん!えっと、君は……」
「沢田ソラ。今日からよろしく」
「ってことは……」
なんて会話しながら歩いてたら、防衛省の人……烏間先生がやってきてオレに頭をさげたよ。すみませんって。
「や、オレがちょっと早く来ただけですから。まぁ気を遣うのはわかりますし、オレは自由にしろって通達されてるでしょうからやりにくいと思いますけど……。それでも敬語とか、ほんと勘弁してください」
「……そうか。わかった」
ふぅと息を吐いた。オレ、並中以外でそういう態度はいらないからね。あれはヒバリさんに気を遣ってるのをわかってるから、普通に過ごせるの。オレ自身にされると胃がキリキリしちゃうから。
2人が興味津々で見てるからか教室に行きなさいといって、烏間先生はオレは職員室に案内したよ。まぁ教室で話題になるのは間違いないね。
「うわぁ、触ってもいいですか?」
「にゅやッ!?」
なるほど、油断してる時は普通の反応速度なんだね。まぁ烏間先生と一緒に入ってきたから油断してたんだろうけど。ふんふんとオレが頷いていたら、殺せんせーと烏間先生も警戒してたよ。普通の動きじゃなかったしね。オレは声かけたし、と触手をにぎにぎと確かめる。結構、癖になりそうな感触だよ。ベタベタし始めたから殺せんせーの服で拭いたけど。
「ひ、酷いです!か、烏間先生、彼女はいったい……!?」
「……彼女は、沢田ソラさん。お前の暗殺成功報酬のほとんどが彼女の一族が出している。正しく報酬が支払われるように、見届け人として派遣された。だからE組の一員として授業も受けるが、他の生徒と違って厳しいことは言えないし強要も出来ない。実際、オレは頭があがらないんだ」
「あはは……」
中間管理職って大変だよね。
「……そうですか。先生は他の生徒と同じように君を扱いますよ」
「あなたはそれでいいと思いますよ。まぁオレは結構自由にやるつもりですけどね」
「ヌルフフフ、わかりました。先生の腕の見せ所ですね」
「……その笑い方なんとかなりません?オレ、それ嫌いです」
メンタル弱っ。泣いてるじゃん。いやまぁオレがすげー勢いで離れて烏間先生の後ろに隠れたのもあるんだけど。
殺せんせーとの挨拶も終わったし、HRの時間になったから一緒に教室に向かったよ。もちろん殺せんせーと距離をとって、烏間先生の後ろに隠れてだけど。烏間先生は歩きにくそうだったけど、文句言わないよ。というか、言えないよね。
「あー!やっぱり転校生だったんだ!」
「あ、さっきはありがとうね」
「烏間先生の知り合いなのー?」
違うと言って、オレのことを説明してくれた。設定が設定だから、オレを雑に扱う人はいなさそう。いやまぁ本当にボンゴレのフェイク会社から、出したみたいだしね。他のマフィアの牽制も込めてね。日本政府は大喜びだったらしい、そりゃそうだ。でもマヌケすぎだと思う。
「ねぇねぇ、なんで烏間先生の後ろに隠れてるの?」
「ちょっとあの笑い方が嫌いで」
「まだ言うのですか!?」
「その情報を知ってたら断ったぐらい、嫌だもん」
またシクシク泣いてるよ。
「ふーん。それ、本当なの?」
「えっと、赤羽業君だっけ。まじまじ。あんな笑い方する人……あの人はヌフフだっけ。まぁそいつがオレを拉致って子どもを産まそうと計画たててたんだよ」
クラス全員がドン引いた。そしてなぜか殺せんせーがやったことになって最低と言われてるよ。ふんふん、今んとこ冗談を言えるぐらい関係は良好っと。
「クフフだったらいいんだけどなぁ」
「そんな違いはないじゃないですか!!それと、さっきから先生とキャラが被りすぎです!」
いやいや、全然ちがうって。キャラも被ってないからね。
「えっとだから人見知り体質なんだ、ほっといてくれた方が助かる。あ、オレのことは下の名前で読んでほしい。名字で呼ばれても反応するかわかんないよ」
「えー?なんでー?」
「うーん、沢田はオレじゃないからスルーしちゃう。沢田さんでギリかな?それでもお前とか、おいとかの方がはやいだろうね」
偽名と思われてそうだね。まぁいいけど。並中では沢田は片割れのことだったもんなぁ。ちなみに先生も含めたほとんどの人は沢田ソラさん呼びだった。や、オレを呼ぶなんて滅多にないんだけどね。それでもゼロじゃないし。沢田までは一緒だから、ソラさんのところでオレのことかといつも判断してたんだよ。
ちなみにお前は獄寺君とかが使ってる。……獄寺君はね、未来で知った時に10代目のご兄妹みたいな対応をしようとして、オレというよりわたしが拒絶反応を起こしてすぐさま止めたんだ。すげー拒絶反応だったね、吐いてたし。オレは夢でよかったよ。経験は継承されちゃったけど。
「あとは……オレ、二重人格だから。多分わたしはそんな出てこないと思うけどね」
誰だ、設定盛りすぎって言ったのは。オレとわたしは仲良しなんだからね!
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とりあえず初日ぐらいはね、と真面目に授業をうける。机と椅子は思いっきり、後ろに下げたけど。殺せんせーと離れるためと思ったのか、誰も何も言わなかったね。殺せんせーはショック受けてたけど、それでも何も言わなかったよ。
ただ赤羽君……じゃなくて、カルマ君ね。下の名前でいいって言われたから。まぁほとんど君って呼んでるけど。彼はグイグイくる感じ。二重人格に興味あるのかすげー聞いてくる。殺せんせーも注意してるけど、あんまり効果はない。オレをノセさせて出させるのが目的なのはわかってるから、可愛いもんだけどね。白蘭に比べれば、ほんと可愛すぎ。
「……え?出てくるの?オレは別にいいけど……」
ちらっとカルマ君を見てみると、いらずらっ子の顔してたよ。なんか嫌な予感するけど、わたしが変わりたいっていうなら変わるよ、オレは。
「わたしに会いたいと呼んだのは君かな?」
「結構凝ってるね、表情とかも変わるんだ」
「あの子は隠すのが上手いし、素が小動物だもの」
「小動物ね。んじゃ、あんたは?」
「知りたい?」
ふふっと笑えば、予想通り面白そうと乗ってきたよ。けどね、その反応が子供だもの。ちょんと鼻をつついて教えてあげる。
「もっと良い男になったら相手してあげてもいいよ。じゃあね、坊や」
……すげー気まずいんだけど。頬が引きつってるよ。あれだな、わたしはオレと違って、かなり鬱陶しかったんだろうね。
にしても、坊やは酷い。飄々と返したり、たとえ手をあげても、坊やという印象が拭えない。挑発仕返そうにもわたしはもういない。たった一言で彼に致命傷を負わせたよ。無反応でも微妙なのにそれが一番マシって、ヤバイ。
「……あーうん、無理矢理出そうとした君も悪いし。その、わたしは歳上が好みだからさ。……なんかごめん」
「フラれましたね、坊や」
煽ったよ、この先生。ちょー笑ってるの我慢してるし。だからなのか、クラスのみんなも笑っちゃった。八つ当たりでカルマ君は殺せんせーに暗殺をしかけたよ。残念ながら殺せなかったけど。合掌。
カルマ君がもうオレに余計なことを仕掛けなくなって、体育の授業の時間がきた。
「ソラちゃんは着替えないの?」
「オレは見届け人だもん」
ってことで、殺せんせーと一緒に砂場で遊ぶ。オレが近寄ってきたのが嬉しいのか、すげー張り切って力作が出来上がっていく。
「沢田」
「ソラさん、烏間先生が呼んでますよ」
「え?うそ?」
「ゴホンッ。……沢田ソラは、その、やらないのか?」
「烏間先生が一番わかってんじゃないですか?オレには必要じゃないでしょ、その授業」
そんなナイフを振る基礎とか、今更すぎるもん。
「なら、オレと手合わせは……どうだ?」
「んーオレが勝ったら、これから体育?訓練?まぁその授業に誘わないっていうならいいですよ」
「……いいだろう」
絶対この人も戦闘狂だよね。なんか嬉しそうだもん。オレと烏間先生がやることになったから、ちょっと騒ついた。
「お前ら、よく見ておけ。恐らく……オレより強いぞ」
さらに騒ついたけど、殺せんせーも肯定したよ。まぁ誤魔化す気はなかったけど。
「そりゃね、見届け人が弱いと話になんないでしょ。誰がやったか見えないとねぇ」
「……だ、そうだ」
ヒュッとナイフを投げて、続けてオレは立ち上がる時に拾った石を投げてナイフの軌道をかえる。獄寺君みたいだなぁなんて思いながら、烏間先生の後ろから銃を突きつける。
「オレからは一瞬でも目を離しちゃダメだって」
「……一流の殺し屋は殺気もないのか」
「ちょっと待って、オレは今まで一度も殺し屋と名乗ったことないんだけど!や、結構殺してるけどさ。それは相手が殺し屋で殺そうとしてくるからだし、正当防衛だよ、正当防衛。そもそもオレは一般人には手を出しません!つーか、今まで依頼とか受けたことないし!」
酷いよ!なんて思いながらも、銃をおろす。ホッと息を吐いたよ、これで殺せるわけないのにね。
「あれは一般人なのか?」
「オレの中では一般人だね。裏はかじってるみたいだけど、可愛いレベルだし、今はただの先生でしょ。というか、烏間先生はオレに強要出来ない契約じゃん。オレに殺しの強要も出来ないよ」
「……地球が崩壊するんだぞ」
「オレはその気持ちわかるんだけどさぁ。わたしはみんなが一緒に死ぬとか、悪くない死に方と思ってるからねぇ。軽い感じで、地球崩壊とかいいじゃん!だもん」
超直感に反応してないから、それはないんだろうけど。オレらはやらないから、そっちで頑張ってもらわないとね。それにウソはついてないし。
「でもまぁ見届け人って考えるとちょうどいいでしょ?中立だよ!」
意味がわからんという感じで首を振られてちゃったよ。そんな変なこと言ってないのにね。
「ってことで、殺せんせーは行く場所を教えてくれると助かるよ。追いかけやすいから」
「……追いかけやすいだと?」
「だって、この教室以外でも暗殺しかけてるんでしょ?……あれ?何回も言ってるのに、見届け人の意味わかってなかったの?」
おっかしいなぁとオレは思わず首を傾げたよ。
「それとさ、殺せんせーもあんま恥ずかしいことしないでね。オレ、行く先々で止めんのとかヤダよ」
「先生のプライベートの時間は!?」
「や、オレも普通に帰るからね。殺せんせーはそう簡単に死なないだろうし。というか、家族と過ごす時間ください。今、家族関係やり直し中なの!」
お願いと手を組んで祈ったら、触手で頭を撫でられたよ。やっぱ悪い人じゃないよねーなんて思いながら、クラスメイトから向けられる視線を流した。
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次の日、殺し屋のイリーナ・イェラビッチがやってきた。クラスメイトから距離を置かれて、やっと肩の力の抜けたオレは校舎の上から観察する。……サッカーと暗殺を混ぜる意味ってあんの?や、楽しみながらナイフを身体に覚えさせたいんだろうけど。やばい、リボーンのスパルタが基準になってるよ。
「うげ、なんでベトナム」
はぁと軽くため息を吐きながら、オレは誰にも見られてないことを確認して夜の炎をつかった早着替えする。ここも監視カメラあるから気をつけないと。流石に制服は目立つから着替えたよ。
ベトナムに飛んだオレは、美味しいコーヒの店はこっちだ!と超直感を頼りに移動する。すると、ビンゴだったよ。殺せんせーがやってきたのが見えたから。オレもわたしは才能の塊と思ってたけど、これはヤバイね。
「先生、急いで来たんですけどね」
「その割には余裕そうだけど。オレ結構ギリギリだよ。どこのコーヒーショップか、わかんなかったし」
なんでお菓子食べてんの。や、別にいいけどさ。ってことで、オレもせっかくだから買って行く。殺せんせーはイリーナ・イェラビッチ……長いね、イリーナ先生に頼まれてここに来たから、オレは烏間先生に買ってきてあげよっと。今回の依頼でたんまりあるしね。
人気店だけあって、並んでたから時間かかっちゃったよ。
「寄り道するの?」
「しませんねぇ、生徒も待ってますから」
そう言ってマッハ20で移動したのを見送って、オレは人気のないところで制服に着替えて飛ぶ。あの人はやっぱちょっとかじった程度でも元裏の人間なだけあるよ。オレが使ってるところを覗こうとはしないもん。覗いちゃったら、先生で居られなくなると気付いてるね。
「はい、烏間先生。ベトナム土産だよ。ウソついてなさそうだし、殺せんせーもすぐ戻ってくるよ」
「……ああ」
頭が痛いのか、押さえてるよ。マッハ20で動ける人がいるんだから、慣れてるはずなのにね。なんて思いながら、教室に戻る。
「あら、あなたも生徒なの?邪魔しないでよ」
「しないってば、オレは見届け人だし。あ、あなたの分は殺せんせーがちゃんと買ってたよ。もうすぐ帰ってくるんじゃない?」
「そう。……は?」
「イリーナ先生がベトナムってリクエストしたんでしょ。オレ、どの店かわかんないから結構探したんだよ?そういうの困るんだよねぇ」
まぁこのチャイは本当に美味しいからいいけど。今度、家に持って帰ろうっと。
オレが席に座ってズズッと飲んでたら、カルマ君が俺の分は?って聞いてきたよ。烏間先生の分しか買ってこなかったって答えたら、ちぇって言ってたけど。案外、カルマ君とは良い関係築けるかもね。わたしとは相性最悪っぽいけど。
「にしても……オレ、ツッコミキャラなんだけどなぁ」
絶対違うというクラスからのツッコミの念が届いたよ。や、本当だからね?スルー技術を身につけたから、あんまりしないだけ。この教室だとオレがツッコミされるのかな。
自習っぽいからカルマ君はどういうことか聞いてきたよ。グイグイ来るね、ほんと。まぁ昨日と違ってわたしを煽る感じじゃないからいいけど。
「オレの周りって、キャラが濃くってさ。ツッコミするのも面倒になるぐらいだよ。よくやってるよ、オレは」
もちろんこのオレは並盛にいるオレね。カルマ君は知らないから流したけど。まぁそのオレもオレの前じゃおかしくなってきてるけどね。なんであんな過保護になっちゃったんだろうね。
この後、イリーナ先生は暗殺を失敗した。まぁ当然だけど。ただこのクラスにも受け入れられるように、イリーナ先生自ら動いたのは予想外だったけど。や、そんなこともないか。殺せんせーだしね。
カルマ君が珍しくミスったのは、普段ソラ(わたし)が表に出てこないからです。
飄々とした態度でソラ(オレ)に絡んで、2人のソラを探っていれば、ソラ(わたし)に鬱陶しがられた。
表に出てるソラ(オレ)はなんとも思ってないから、感覚が掴みにくい。
なので、カルマ君はソラ(わたし)とは相性悪い。
烏間先生はこの作品では苦労人。
殺せんせーだけじゃなく、ソラという存在に頭を痛めます。
ちなみに恋愛要素はリボーン側だけです。