BanG Dream!〜私が送る音楽ライフはいろいろ楽しすぎる!!〜 作:レイ1020
練習に来ない千聖に憤りを覚える美久。そのため、千聖のことを信じられなくなった美久とパスパレの4人。練習に千聖が来たときに問い詰めてみるが、やはり、美久の読みは正しかったようで...。
美久「”確実な道”...ですか...聞きますが千聖さんの言う”確実な道”ってのはなんですか?」
確実な道というのが気になったため、千聖さんが望んでいるその道とはどんなものか聞いてみた。
千聖「そのままの意味よ。確実に成功する道、それ以外に何物ではないわ」
美久「...たとえどんな犠牲を払ってもその道をいくんですか?」
千聖「ええ、その通りよ!」
美久「パスパレのこともですか?」
千聖「っ...」
パスパレを見捨てるのかと聞いたとき、千聖さんは言葉に詰まった。これでもし即答でそうだと言われたら手遅れだったけど、これならまだ望みはある。
彩「千聖ちゃん、今までパスパレでずっとステージに立つためにずっと努力してきたでしょ?せっかくここまで努力してきたんだから今からでも頑張ってみようよ!ね?」
千聖「彩ちゃん、努力したからって必ずしもその人が報われる訳じゃないのよ?努力をした人が偉いなんて考えは捨てたほうがいいわ。それで本番結果が出せなかったら意味なんてないでしょ?」
彩「べ...別に私はそんなつもりで言ったんじゃ...」
このままじゃ彩さんが泣き出してしまいそうだったから、フォローすることにした。
美久「千聖さん、今のは彩さんの方が正しいです。確かに努力した人が必ず結果を出せるわけではありません。ですが、努力をして失敗するのと努力しないで失敗するのは全く意味が違ってきます。それは後悔です。自分が精一杯努力して持てる力全てを出してそれが失敗に終わったとしてもその人は後悔しません。全力でやったんですから。逆に何もしないで失敗したら、あの時やっておけば良かったみたいな後悔が後になって襲ってきます。ですから、努力というのはやっていて決して無駄ということはないんですよ?」
彩「美久ちゃん...」
千聖「......」
彩さんのフォローが終わったため、次に私が言いたいことを言うことにした。
美久「千聖さん。少しは自分の意志も優先してみてもいいんじゃないですか?」
千聖「意志?」
美久「千聖さんが選んでたっていう”確実な道”は言い方を変えると、”逃げの道”とも言えます」
千聖「逃げ...ですって...?」
逃げ、という単語に反応したのか、千聖さんが言葉に怒気をのせながら言った。まあだからと言ってびびる訳じゃないけど。そのまま私は続けた。
美久「はい。千聖さんは自分の意志、夢から逃げてます。自分は女優なんだから失敗したらいけない。だから夢なんか持ってはいけない、とか思ってるんじゃないですか?」
千聖「......」
美久「そう思ってるなら考え方を変えてください。女優が夢を持ってはいけないなんてルールないですよ?別に失敗したっていいじゃないですか。女優さんだってこれまでに失敗してこなかった人なんて1人もいないと思いますよ。失敗して人っていうのは強くなっていくんですから。彩さんを見習ってください。今も時々失敗してるけど前よりは確実に減ってますよ?」
彩「み、美久ちゃん!?それって褒めてるんだよね...?」
ここで彩さんを引き合いに出すのは申し訳ないと思ったけど、これも千聖さんのため。許してください彩さん。なんか日菜さんはすっごく笑ってるけど。
千聖「美久ちゃん...ありがとう、でもやっぱりこの生き方を変えるのは...」
イヴ「これから変えていけばいいじゃないですか!」
突然イヴが声をあげた。
千聖「イヴ...ちゃん?」
イヴ「今から変えるというのはとても難しいことだと思います。ブシドーも同じです!決して緩やかな道のりではないのは確かです!ですが、変えることを諦めてしまってはチサトさんはずっとこのまま成長できないままになってしまうんですよ?何か辛いことがあればワタシたちを頼ってください!そこは”持ちつ持たれつ”です!」
日菜「あはは!イヴちゃーん?そこは”困った時はお互い様”のほうが正しいよ〜!まああたしは夢とかよくわかんないけど、でも変われるんだったら変わっておいたほうが楽しいって思うな〜!そのほうが、るんっ!ってすると思うよ〜?だから、一緒にパスパレやろーよ!千聖ちゃん!」
麻耶「ジブンもそう思うっス。ジブン、千聖さんに言われてパスパレに入りましたが、入ってみるととても楽しくて今ではパスパレに入れて良かったと思ってるっス!だから、ジブンが入るきっかけになった千聖さんには感謝してるんっス!ですから、できれば今後も千聖さんと一緒にパスパレをやっていけたらと思っています!」
3人がそれぞれ思ってることを話してくれた。最後は彩さんだけど...あ、あ〜とうとう泣いちゃったか〜。
彩「(グスッ)私も...千聖ちゃんと一緒にやりたい。(ヒグッ)だから...だがら〜、やめないで〜、千聖ちゃ〜ん!!」
千聖「彩ちゃん、落ち着いて!やめるなんて一言も言ってないでしょ?だから泣き止みましょう?ね?」
しまいには千聖さんに慰めてもらってる彩さん。ほんとこの人って面白いな〜。
彩さんを泣き止ませた後、千聖さんは私たちの方を向いた。
千聖「みんなありがとね。こんな自分勝手な私のために」
彩「気にしなくていいよ、仲間でしょ?」
千聖「『仲間』ね...今まで私にはそんな人いなかったわ。いつも1人で仕事をこなしてたわ。それに慣れてたからかもしれないわね。こんなふうに振る舞っていたのは...」
やっぱり、今まで千聖さんは孤独だったんだ。それで急に一緒に仕事をする仲間ができて、どう接していいか分からないから今回みたいなことをしたと...。
千聖「実はね...私、脱退を申し出てたの...」
日菜以外の4人「「「「「!!!!」」」」
実際に脱退を申し出てると本人の口から発せられたため私を含めたパスパレのみんなは驚きを隠せないでいた。日菜さんはある程度予想できていたのか大して驚いていなかった。
千聖「でもそれは、撤回するわ」
彩「え?」
彩さんがまた驚きながら、どう言うことなの?みたいな顔をした。
千聖「私、白鷺千聖は、パスパレの一員として活動していくと決めたわ!みんな、身勝手な私だけど、受け入れてくれるかしら?」
彩「受け入れるもないよ!だって千智ちゃんはパスパレの一員なんだから!」
日菜「やっと千聖ちゃん笑ったね〜。今までむむ〜っとした顔しかしてなかったから。そんな千聖ちゃんならあたしは大歓迎だよ!」
イヴ「そうです!チサトさんはれっきとしたパスパレのベーシストで、仲間です!受け入れないのはブシの情けに反します!」
麻耶「使い方が違うような気がしますが...まあとにかく、千聖さん!そんなこと聞くまでもありませんよ?ジブンたちは千聖さんの味方っスから受け入れないなんてことないっスよ!」
どうやら、これで一件落着かな?とりあえず安心した...。これで分裂なんてしたらどうしようもなかったからね。そう思っていると、千聖さんが私の方に視線を向けた。
千聖「美久ちゃん。今回は助かったわ。あなたの説得がなかったら、私はまたいつもの私みたいに逃げ出してたわ。改めてお礼を言わせて頂戴。ありがと、美久ちゃん!」
美久「はい。どういたしまして!これからは周りも頼りましょうね!」
こうして千聖さんがパスパレに戻って来た。この件でパスパレはさらに1つになった気がする。その後、千聖さんを加えて、本番に向けた練習に臨んだ。次のライブでパスパレの名前を世に知らしめるために!
はい、無事に千聖ちゃんの問題が解決したところで今回は終了です!
次回はいよいよ2度目のパスパレのライブです!
お楽しみに!
池田兄妹にはバンドを組んでもらいたい?
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組んで欲しい!
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組まないで!
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どちらでもない!