BanG Dream!〜私が送る音楽ライフはいろいろ楽しすぎる!!〜 作:レイ1020
千聖が練習に来ない理由を問い詰めた美久達。千聖の口からは安全な道を進んで失敗をしないようにするためにパスパレのことを後回しにしてた、とでた。それに美久は猛反発して千聖を説得し、最初は揺るがなかった千聖も徐々に美久の言ってることが理解できるようになり、他のメンバーからの熱い言葉もあり、千聖はパスパレに戻ってくることに決めたのだった。
それからはいろんなことがあった。千聖さんが戻って来てすぐに篠田さんからライブの開催を発表されたり、ライブのために観客を呼ぼうとチラシを配ったりとか、ここんとこ忙しいな〜。
チラシ配りとかライブの下準備が終わった後は、ライブに向けて練習を積むだけだから、これまで以上に気合を入れて頑張った。せっかく汚名返上するいい機会だもんね!絶対みんなには成功させてあげたいし!ライブまであと1週間!私も全力で行かせてもらうよ!その後1週間はパスパレのみんな曰く、”美久の地獄のレッスン期間”だったらしい...。
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1週間後、私はパスパレのライブが開催される会場に来ていた。チラシ配りをしているパスパレメンバーの画像がSNSに上がっていて、それを見た人たちからの好感度が上がっていたこともあり、会場内にはたくさんの客が来ていた。チケットは完売。滑り出しとしては問題ない(ちなみに私は篠田さんからチケットをもらってる)。後は演奏で客を惹きつければいいだけだ。私はそう思った。周りからは『今日も口パクかな?』とか『アテフリでしょ?』と噂してる人たちもいたが、私はそんな人たちに言ってやりたかった。『今から演奏するパスパレの演奏を聴いてからものを言え!』とね!
それから私は時間までグッズとかを見てこようと思っていたけど、その時スマホが鳴った。画面を見てみると、篠田さんの名前が出ていた。ライブ前に何だ?と思って電話に出た。
美久「もしもし?篠田さんですか?」
篠田「あ、美久さんですか?その...申し訳ないのですが...今からこちらの控え室に来てもらえませんか?」
美久「はい?」
事情が飲み込めなかった。何で急に?
篠田「事情はこちらで説明しますのでとりあえず来てください!お願いしますね!」
美久「え!?あ...ちょっと!?」
私が何か言う前に切られた。訳がわからん。でもなんか慌ててる様子だったしな〜。
美久「まあいいか。控え室はあっちだよね?」
なんかよくわかんないけど、とりあえず控え室に向かうことにした。
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控え室前に着いた私は何か中が騒がしくなってる様子に疑問を感じていた。ライブ前の緊張で静かになってるならまだしも、こんなに外にまで聞こえるくらい騒がしく、しかも剣呑な雰囲気まで出てることからただ事ではないなと瞬時に判断できた。どうやら篠田さんはこれの応援にきて欲しかったんだな〜。正直こう言うのってめんどくさいけど、これで演奏に支障が出たら元の子もないから、止めに入ることにしよう。そして私は3回ノックして中に入った。
美久「失礼しまーす。篠田さんに呼ばれて伺った池田ですけ...ど?」
中にいたのはパスパレの5人と篠田さん、そしてもう1人多分、別のスタッフさんがいた。見る限り言い争ってるのはパスパレの5人とそのスタッフさんだった。
彩「お願いします!今日まで必死に練習して来たんです!だからどうか...
スタッフ「ですが...確実な方を選んでおいた方がパスパレの未来にも繋がると思いますが...」
彩さんがスタッフさんに詰め寄っていた。歌わせてくれってどう言う意味だ?私はさらに聴いてみた。
千聖「以前にもそうして機材トラブルが起こったことは覚えていますよね?それに対応するために私たちは今日まで頑張って来たんです。それを...
美久「......」
やばい...キレそう...。でもここでキレても何も変わんないし、ここは抑えよう...。そして話が途切れたところで私が割って入った。
スタッフ「わ...私は別に...」
美久「ちょっといいですか?」
彩「み、美久ちゃん?」
今まで話に夢中で私に気付いてなかったみたいでみんな急に現れた私に驚いていた。
スタッフ「えっと〜、君は?」
美久「パスパレの楽器の指導をしていました、池田美久っていいます。まず、何をパスパレのみんなに言ったのか聞かせてください」
スタッフ「そうか...君が臨時の...でも、その君がどうしてここに?」
篠田「私が呼んだのです。彼女の方がパスパレのメンバーのことをよくわかっていますから。そして、なぜパスパレの方々はここまで必死になっているのか?彼女に聞けばわかると思いますよ?まずは彼女に説明してください。お願いします」
スタッフ「わかりました」
篠田さんに言われたこともあり、スタッフさんは内容を話してくれた。簡単にまとめるとこう。パスパレのみんなが準備をしていたときに、スタッフさんが来て突然、アドリブや本番に弱い彩さんだけ前のようにアテフリでいこうと話を持ちかけたことがこうなった原因らしい。
それを聞いて私は徐々に体の熱が上がって行ってることに気付いたが、とりあえずまだ抑えることができた。いや...でもやっぱり少しは出ちゃうかも...。そしてスタッフさんに視線を向けた。
美久「なるほど...だいたい分かりました。あなたが...彩さんのことを舐めてるってことがね!」
スタッフ「な...何を!?」
美久「あなたが言ってるのは一番最初にライブをしたときの彩さんのことですよね?それだけを見て今でも彩さんは本番に弱くてアドリブもきかない人だって思ってるんですよね?今までの...彩さんの努力も知らないで!!」
パスパレの5人「「「「「!!!」」」」」
私から出た初めての怒鳴り声にみんなすっごく驚いていた。私も不覚だな〜。怒るつもりなんてなかったのに...。まあこうなったらなるようになれだ!
美久「あなたは知らないでしょうけど、今の彩さんは以前とは比べ物にならないほどに成長してるんですよ?本番にだって以前に比べればずっとマシになってます!それは、今日まで彩さんが努力して来たからですよ!誰に何を言われてもめげずに頑張った!その結果が今の彩さんになってるんです!アテフリなんて必要ありません!そして今日のこのライブが彩さんや他のメンバーの今までの成果を発揮する場所なんです!その成果を発揮できる場所をあなたのような人のことをしっかりと見てない人なんかが奪っていいはずない!!...何か間違ってますか?」
スタッフ「......」
私が言ったことに言葉を無くしたスタッフさん。私もここまで人に対して言ったのは久しぶりかも...。そう思ってると、篠田さんが私のとこにきた。
篠田「美久さん、ありがとうございました、やはり呼んで正解でしたね。...それで、どうしますか?あなたよりもパスパレのことをずっと間近で見て来た美久さんの意見はパスパレにアテフリは必要ないとのことですが?」
篠田さんがスタッフさんに問いかけた。スタッフさんは俯いていたが、すぐに顔を起こした。そして言った。
スタッフ「分かりました。どうやら私はパスパレのことをどこか信用してなかったようですね。今までのパスパレしか見てなくて、今のパスパレを知ってなかった。その子の言う通りです。パスパレには余計な小細工は必要ないですね。今日のライブは皆さん、自分たちの演奏をしてください」
パスパレの5人「「「「「!!!!!」」」」」
みんな驚いていた。でもすぐにそれは喜びに変わった。
彩「あ、ありがとうございます〜!」
日菜「あはは!も〜彩ちゃんってば、それよりもさ、お礼を言う相手が違うんじゃない?」
千聖「そうね。しっかりとお礼を言わなくてはね?」
イヴ「はい!その通りです!」
麻耶「みんなでお礼を言いましょう!」
そしてみんなが私の方を向いた。なんかこう言うの前にもあったような...?
5人「「「「「「ありがと(ございます)!!美久ちゃん(さん)!!」」」」」
美久「はは!こんなの、みんなの先生なんだから当然ですよ!」
そして、私はみんなに『頑張って!』と言い残して客席に戻った。
そしてその後始まったパスパレのライブは無事に大成功で幕を閉じた。無事に汚名返上ができ、私はすっごく嬉しく思った。満足した気分のまま、帰路につく私だった。
はい、パスパレ回も次でラストになります。いろいろありましたが書いていてとても楽しかったです。
次回、大成功後のパスパレは?
お楽しみに!
池田兄妹にはバンドを組んでもらいたい?
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組んで欲しい!
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組まないで!
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どちらでもない!