BanG Dream!〜私が送る音楽ライフはいろいろ楽しすぎる!!〜   作:レイ1020

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前回のあらすじ

グリグリのメンバーがまだ来てないと知った香澄がステージに飛び出し、時間稼ぎを始めた。それを見た美久達は自分たちも協力するべく楽器を持ち出し、繋ぎとして演奏をした。なんとかグリグリが来るまで場を維持し続けることができた美久達は無事に到着したグリグリに後を託した。
そして帰り際に言われたオーナーの一言に美久達は戸惑いを覚えたのだった。


昔の通り名は恥ずかしすぎる...

 

 

 

”鋼の3兄妹”、それは私たちが横浜にいた頃に呼ばれていた通り名だった。由来としては、どこのスカウトも団体もスカウトしに行っても、絶対に首を縦に振って了承しない鋼のような頑固さと意志を持っているが故のこの通り名らしい。正直迷惑この上ないんだよね〜。別に鋼じゃないし、しつこいから断ってるだけだし。入る気もさらさらないから断ってるだけだし。ま、こう思ってるのはお兄ちゃんも美樹も同じだしね。今更どうでもいいと忘れていたんだけど、さっきオーナーから出たその名にまた思い出されちゃったな...。

 

 

 

結局あの後は適当にはぐらかしてそのまま帰った。でも、気分はあまり良くなかった。嫌なことを思い出しちゃったからかな?お兄ちゃんも美樹も同じ感じだった。道中、香澄達にさっきの”通り名”について聞かれたけど、オーナーの勘違いということにしておき、はぐらかした。別に話すほどのことでもないからね。所詮名前だし。そのうちみんな忘れるでしょ!

 

 

 

でも、その考えが間違いだと気づいたのは翌日だった。

 

 

 

 

美樹「おねーちゃん...昨日のSPASEについての口コミ見たんだけどね?」

 

 

 

美久「うん、どうかした?」

 

 

 

美樹「どれも、私たちがやった演奏がすごくよかったって声が上がってて、すごいことになってるんだよね...」

 

 

 

美久「......」

 

 

 

まさかとは思ってたけど、こうなるとはね...。いや、なんとなく多少だったら覚悟してたけど、さすがにこれは...。

 

 

 

蓮「中には俺らが横浜にいた頃から知ってる奴もいて、思いっきり”鋼の3兄妹”だって言いふらしてやがる...」

 

 

 

美樹「身バレしちゃったじゃん...。やだよあたし、またスカウトとかがいっぱい来るの...」

 

 

 

美久「でも幸い、まだこのサイトにしか出てないわけだし、拡散はしないでしょ!とりあえずはこの件は一旦保留にしておこっか!」

 

 

 

これ以上考えていても効果的な方法が思いつかなかったため、一旦このことは忘れることにした。

 

 

 

 

美久「とりあえず今日は私も仕事あるから、もう行くね。大丈夫!きっとすぐにみんな忘れるって!」

 

 

 

蓮「......だといいがな」

 

 

 

そのまま私はふたりを残して事務所に向かった。だが事務所で私を出迎えたのは、あるサイトを見て驚いていたパスパレのみんなと篠田さんだった。

 

 

 

美久「お疲れ様でー......どうかしたんですか皆さん?」

 

 

 

彩「あ、美久ちゃんおはよう。実は、私が知ってる音楽のサイトに美久ちゃんが写ってるのを見ちゃってさ、それでよく見たら美久ちゃんってば横浜では有名なミュージシャンだったって書いてあるんだもん。みんなそれ見て少し驚いてたの」

 

 

 

美久「......はぁぁ〜〜〜......」

 

 

 

やっぱりこうなった。見ると、画面には【”鋼の3兄妹”SPASEに降臨!】とでっかく書かれていた。しかも写真付きで。さっき2人ああ言ったのは少しでも安心させるために言ったんだけど、本当はこうなることは想像できてた。今のご時世、少しでも話題になれば一気に拡散する。もはやこうなることは確定事項だったと見てよかった。

 

 

 

美久「それについてはあんまり触れないでください......。私としても今思えばすっごくやらかしたと思ってるので......」

 

 

 

千聖「何をしたのかしら?美久ちゃん?」

 

 

 

美久「実は......」

 

 

 

とりあえずざっくりことの顛末をその場にいるみんなに話した。それを聞いた後、納得する人もいれば、訝しげな表情を浮かべる人もいた。それは主に千聖さんと篠田さんだけど。

 

 

 

篠田「なるほど......。つまり、バンドが来るまでの時間稼ぎを美久さん達兄妹が引き受けたところ、その演奏に観客の皆さんが呑まれてしまい、このような事態になったと......」

 

 

 

美久「そういうことです。まさかあそこまでになるなんて思いませんでしたけどね...」

 

 

 

千聖「美久ちゃん。そう言った行動は控えてもらわないと困るわよ?今のあなたは歴とした芸能人なのだから、変に目立って事務所に迷惑をかけるようなことはしてはならないわ。そこを肝に銘じなさい?」

 

 

 

美久「迂闊な行動でした......」

 

 

 

少し剣呑な雰囲気を纏いながら千聖さんは言った。千聖さんはこの事務所に入って長い。長いからこそ恩義ある事務所に迷惑をかけることは許せないって思ってるんだろう。私も自覚が足りなかったってことか......。

 

 

 

麻耶「それで......この”鋼の3兄妹”というのはどういう意味なのですか?」

 

 

 

美久「ああ......それは......」

 

 

 

そのことについても話した。私たちのことを話す機会なんてあんまりなかったからうまく説明できるかわからなかったけど、意外としっかり説明することができた。

 

 

 

日菜「ん?でもさ?美久ちゃんって今うちの事務所に所属してるじゃん。なんで向こうの事務所とかには所属しなかったの?」

 

 

 

美久「今まで私たちのとこにきたスカウトはどこもその事務所の理念とか方針ばかりを押し付けてきてて、私たちの気持ちだとかそんなのどうでも良くてただただ、うちのために働いてくれって言ってるようなものだったんで。そんなとこでなんかやりたくないですよ」

 

 

 

イヴ「ではなんでこの事務所には入ったのですか?」

 

 

 

美久「簡単な話だよ。この事務所は他のとことは違って私に無理難題や方針を押し付けることが無かったからですよ。それになんとなく居心地も良くって、仕事も楽しいって思えるようになったのが大きいですね。それと......」

 

 

 

次に言うことはもしかすると、みんなに気を悪くさせちゃうかもしれなかったけど、言っておいた方がいいと判断したため、いうことにした。

 

 

 

美久「ここに所属しておけばもうスカウトの話もこないかな〜って思いまして......。もちろんそれはついでの理由ですからね?あくまでおまけということで......」

 

 

 

篠田「ふふ...わかっていますよ。でも、改めて美久さんをこの事務所に迎え入れてよかったと実感しました」

 

 

 

美久「そうですか?ならよかったですけど......」

 

 

 

彩「けど?」

 

 

 

私自身はそれで問題はないかもしれないが、でもそれは()()()の話だ。”鋼の3兄妹”と呼ばれているのは私だけじゃない。

 

 

 

千聖「お兄さんと妹さんのことでしょう?」

 

 

 

美久「......はい。私はこの事務所に守られているから多少は大丈夫かもしれないですけど、2人は何も守られるものがありません。私はそこを悩んでるんです」

 

 

 

2人を犠牲になんて出来ない。万一の時は私にも考えはあるけど......。そう、今後のことを考えていると、突然日菜さんが口を開いた。

 

 

 

日菜「それなら2人もうちの事務所に連れてくればいいんだよ!そうしたら2人も守れるし、るるるんっ!でしょ!」

 

 

 

美久「え!?いや......それは......」

 

 

 

確かにその考えも私の中にはあった。でも、そのことを2人は了承するのか?それだけが気がかりで言い出せなかったんだ。でも確かにそれが最善の手だ。

 

 

 

篠田「私どもも、できればうちに加入させてはあげたいのですが、こればっかりは私の一存では決められませんので一度社長に確認を入れさせてください。話はそれからです」

 

 

 

美久「わかりました。お願いします」

 

 

 

それから篠田さんは社長さんに確認をしに一度部屋を出て行った。そして戻ってきて開口一番に言われたのは、問題ないという社長の許可の旨だった。




はい、今回は終了です。蓮と美樹の今後が気になりますね!


次回、【鋼の3兄妹、事務所へ】


お楽しみに!

池田兄妹にはバンドを組んでもらいたい?

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