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執筆意欲になりますので、本当にありがとうございます。
中忍の第三次試験本戦、大名達もこの目で試合を楽しむ為、会場のVIP席で優雅に楽しんでいた。だが、VIPばかりを守っていたのが原因で観客に偽装した敵勢忍者が紛れ込んでいるのにすら気がつかない。言い逃れできない杜撰な管理体制。
他にも国境を越えて木ノ葉隠れの里周辺に大量の忍者が潜んでいる事すら発見できていない。ここまで用意が周到だと、木ノ葉隠れの里内部にも協力者が居る事を疑うレベルだ。
試験に合わせて、木ノ葉崩しが行われる事を知っている挟間ボンドルドは、何時も通り通常出勤する。彼にとって、里にある家が崩壊したとしても痛手にはならない。大事な
本戦は順調に進んでいる。
その証拠に敗北した日向ネジと奈良シカマルの手当を挟間ボンドルドが行っていた。その付き添いには、彼等の
「いやー、医療忍術ってすげーーわ。怪我する前より調子がいいんだけど。俺より重傷だったネジの方もあっと言う間に治しているし……俺も本格的に覚えようかな」
「やめておけシカマル。医療忍術ってのは確かに便利だが、センスが問われる。今までのお前を見てきた限り、適性はないな。後、ボンドルド……
大声で会話している場所が医務室で無ければ問題無いが、音量を控えるべきである。日向ネジは、治療を終えたが未だに寝たままだ。
「挟間ボンドルド特別上忍!! ネジは、大丈夫なんだろうな!! 腕前を疑っているわけじゃないが、何故目覚めない!?」
「治療した私の見解としては、日向ネジ君は九尾のチャクラで顎の良いところにクリーンヒットしました。治療は完璧です。無理に起こさず、自然回復させるべきだと判断します」
九尾チャクラの影響と言われては、誰も強く出れない。上忍達は忖度できる人達であった。
「大事な事ですが、医療忍術を受ける前提で闘う事はお勧めしません。戦いの側に医療忍者がいる方が希なのを忘れないでください。こんな戦い方をしていたら、何時か死にますよ、この子達」
それから、日向ネジを残して全員が会場へと戻っていった。白眼を持つ子供を挟間ボンドルドの側に置いて帰るなど、一定以上の信頼を勝ち取っている証拠。彼がその気になれば、白眼を持って他里に亡命する事も簡単だ。
挟間ボンドルドは試験の様子を部屋で観察している。会場にはカメラが大量に設置されており、監視の目が光っている。カメラの一部は、他里の忍者研究のために試験の様子を全ての角度から収めていた。その映像を医務室でも確認できるようにしている。
うちはサスケと我愛羅の戦いは、誰が見ても下忍レベルでない。観客席に居る額当てをした無能な忍者達は、下忍になって数年もしない連中に負けて心が折れないのだろうか。そういった意味では、本当に鋼の精神である。
一般人にしても、この様子を見て楽しむより不安に思う気持ちはないのだろうか。刀や銃を持った人間より忍術が使える子供の方が圧倒的な殺傷能力を持っている。
「おや?……あぁ、制御室がやられましたか」
幻術が始まったと思った瞬間、全てのカメラが停止した。
音忍か砂忍か犯人は分かっていないが、手際の良さに挟間ボンドルドは木ノ葉隠れの里も見習うべきだと思っていた。監視カメラを完璧に潰すあたり、馬鹿では無い事の証明だ。
初代、2代目、3代目の戦いを生で見られる機会など金を払っても不可能。しかも、忍術の応酬が見られる。挟間ボンドルドは、万が一に備えて事前に用意していたビデオカメラを片手に、もう片方の手には日向ネジを持ち、現場に向かうことにした。
日向ネジに関しては、会場に居る一族にでも預ける算段だ。大切な眼はお前等で守れというスタンス。白眼を狙ってくる忍者もいるかもしれない。貴重な宝は
………
……
…
医務室を出て、うちはサスケ達が先ほどまで激戦を行っていた場を歩む異質な忍者……挟間ボンドルド。
木ノ葉隠れの里の者達は医療忍者の重要性を知っているので、何故このタイミングで戦場に出てくるかと困惑していた。出来る事なら、医務室でずっと待機して仲間の救護をして欲しいと言うのが彼等の思いだ。
日向の当主は挟間ボンドルドの片腕に抱えられた日向ネジを確認した。白眼を手土産に、音か砂に寝返る可能性を考え、即座に詰め寄った。
「きさま!! 白眼が狙いか!!」
「あぁ、良いところに来てくださいました。日向宗家でこの子を守ってくださいね。護衛も居ない医療忍者では彼を守るのは難しい」
「わかった。ネジはコチラで預かろう」
木ノ葉隠れの里で最強と謳われる日向の……白眼に全く興味すらない様子に肩すかしを食らう宗家の者。お荷物を手放せた挟間ボンドルドは、足を速めた。急いで撮影を始めないと一世一代の場面を逃してしまうと。
日向ネジの身柄を受け取った宗家の者達は即座にその場を離れた。
大事な事だが、医療忍者とは敵側からしたら率先して潰しておく人物だ。負傷した忍者が何度も治されては冗談では無い。つまり、その場に居る砂と音の忍者は、優先的に挟間ボンドルドを狙う事になる。
砂隠れの忍者が、試験会場を闊歩する挟間ボンドルドの前に立ち塞がる。そして、排除を始めた。
「馬鹿が死ねぇーーー!! 風遁・カマイタチの術」
「風遁・真空波」
挟間ボンドルドは自慢の外装にチャクラを通わす。そして、敵の術をしっかりとカメラに収める。
忍術に対する基本的な行動は、対抗術で相殺か回避だ。その両方をしない忍者など自殺者でしか無いので、下忍の担当上忍達は焦った。色々と世話になった優秀な医療忍者を失うのは大きな損失だ。
だが、今からでは間に合わないと誰もが挟間ボンドルドの死を予想した。こんなことなら、誰か救護室に護衛を送るべきだったと。
風の見えない刃による攻撃。その土埃が晴れた時、無惨な死体は何処にも転がっていない。あるのは、先ほどまで同様に歩みを続ける医療忍者だけ。
「殺傷能力が高い術だと完全には防げませんか。新素材で作った新しい外装に細かい傷が付いてしまいました。なので、貴方達の血で直させて貰います」
大きくジャンプして、殴り掛かる挟間ボンドルド。極めて単調な攻撃である為、回避される。だが、その拳は忍者を狙ってなどいない。会場の地面に拳が当たり、ドコンと爆音が響き、地面が大きく割れ、捲れ上がる。
木ノ葉隠れの里の医療忍者とは、中に巨人でも入っているのかと思わせる威力だ。
「距離を取れ!!」
怪力忍者だと予想し、咄嗟に遠距離戦闘に変更するのは正しい判断。忍者は、なぜかジャンプして距離を取りたがる謎の行動がある。空中では体勢変更が極めて困難だという事を彼等は知らないのだろうか。
「素晴らしい。この木ノ葉崩しという極限状態の中でも忍者の判断力や術の威力が全く落ちない。ですが、行動が単調です。水遁・
挟間ボンドルドが腕に付けている筒から漆黒の網が広がり、忍者達に襲いかかる。網の中に忍者達を捕らえた瞬間、『閉じろ』という命令が実行される。網が一瞬で閉じ、中に居た忍者は物言わぬ肉塊へと成り代わっていた。
そして、網を伝って忍者の血液が挟間ボンドルドの外装に注がれる。血中に含まれる鉄分を外装が吸収し、元通りになっていた。
流石にGWも終わったので
投稿速度を緩やかにさせてクレメンス。
次回は、大蛇丸様に今年の抱負でも聞こうと思います!!