卑の意志を継ぐ者   作:新グロモント

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感想で、読者の皆様の「卑の意志」が垣間見れて本当の楽しい!!



17:必殺技

 挟間ボンドルドは、考えていた。

 

 この状況において、誰が一番得をするのか。忍者という人的資源は価値がある。暗部と医療忍者……どちらも技術に特化した職だ。その両方を争わせる事でメリットがなければ、やる価値は無い。

 

「パパーー!! がんばってーー」

 

 父親(挟間ボンドルド)の勝利を疑わないプルシュカ。その声援に応えるかのように手を振る挟間ボンドルド。

 

「可愛い娘ね。そんな子の前で、父親を殺すのは気が滅入るわ」

 

「おやおや、ではお帰り頂いても構いませんよ。無理でしょうがね……闘う前に一つ聞きたい事があるのですが、いいでしょうか?」

 

 この時、挟間ボンドルドが一番聞きたかったのは、先ほどからハヤテと言っている人物が誰なのかだ。火に油を注ぐような発言だから、彼は大人の配慮をした。

 

「誰からハヤテの事を聞いたかなんて答えないわよ。暗部を舐めないで頂戴」

 

「その程度の事でしたら、おおかた推測が付いておりますので構いません。暗部の方は、暗殺特化の筈なのに、馬鹿正直に私の目の前に立っている事が不思議なんですよ。暗部の定義が乱れるとは思いませんか?」

 

 あたりが静かになった。誰もが思っていたはずの事だ。暗部という定義を乱した。それに、仮面を付けるより変化の術で姿を変えた方が暗部として良いのでは無いだろうか。視界を遮る仮面を付ける事で視野が狭くなる。更には、口から術を発動する忍術が軒並み使用不能になるのだから、本当に意味が分からない。

 

 どの系統の忍術にも言える事だが、半分近い術が口から発動する。

 

「……そんな事はどうでもいいのよ!! ハヤテの仇よ!!」

 

「貴方よりチャクラコントロールが優れている私に幻術など無意味でしょう」

 

 抜刀した卯月夕顔は、幻術と組み合わせた暗殺術を披露する。チャクラを纏った刀は、挟間ボンドルドを絶命させる為、首へと狙いが定まる。その速さは、暗部に恥じないものだ。

 

 彼女も幻術が解かれる事など予測済みであった。だが、身体能力で言えば確実に上だと思っており、解かれる僅かの間に倒すつもりだ。風の性質変化で強化された刀は、大木すら簡単に切り落とす。

 

 挟間ボンドルドが幻術を解除すると同時に、彼の首元からガンと分厚い金属に何かが当たる音がする。彼女は、なおも刀に力を入れる。しかし、どう頑張っても刀は挟間ボンドルドの外装を貫く事はできなかった。

 

「っ!! なんて、堅さをしているのよ!! 」

 

「ご自慢のチャクラ刀でこの程度ですか。それで、もう終わりですか? 折角、新調した外装です。暗部相手の戦闘データも欲しいので存分に試して頂いて構いません」

 

 挟間ボンドルドは、その場から一歩も動かなかった。

 

◆◆◆

 

 うずまきナルトの中で、忍者の定義が乱れつつあった。目の前で一方的に、忍術を使う暗部。そもそも、うずまきナルトの中では挟間ボンドルドは、医療忍者として助けてくれるいい人に分類されている。そんな彼をよく知らない暗部が攻撃していること自体快く思っていない。

 

「なぁなぁ、エロ仙人。なんで、挟間特別上忍は、一方的にやられているんだってばよ」

 

「はぁ~、見てわからんのか。あの暗部の術の威力を10とする。だが、ボンドルドの防御力は50だ。つまり、圧倒的な火力か手数でも無い限り、避ける必要なんてないって事だ」

 

『流石、自来也様。良い戦力分析です!! あの外装は、チャクラを流す事で飛躍的に防御力を向上させます。更に、鉄分を補給する事で自動修復も可能とした最強の鎧の一つでしょう。いっけーーー、ボンドルド様!!』

 

 メーニャが挟間ボンドルドの戦闘に興奮して思わず、地声で話してしまった。口寄せ動物が喋るナルトの世界においても、一番の美声を誇るカツユ。その声は、自来也とて聞き覚えがあった。

 

「今の声……お主、まさか!?」

 

「おじいさん、メーニャママの知り合い? えーーと、お外でママの本当のお名前は言っちゃ駄目ってパパが言っていたの。だから、おじいさんも言わないでね」

 

 自来也の中で、プルシュカという存在がより分からなくなった。メーニャと呼ばれている謎生物が、カツユであると確信した。だからこそ、カツユをママと呼ぶ少女は一体何者なのか。

 

 一つの最悪の可能性が自来也の中で浮かび上がった……綱手と挟間ボンドルドの間に産まれた子供ではないかという結論だ。それならば、カツユをママと呼ぶのも理解の範疇だ。酒とギャンブルに入り浸っている綱手が育児放棄したところをカツユが甲斐甲斐しく面倒をみる。そこからママと呼ばれるというストーリーが実にシックリときた。

 

「そ、そうか。わかった……で、プルシュカと言ったか。どうしてこんな所にいたんだったかな」

 

「大きなママに会いに行くの!! パパが言うには宿場町に行けば会えるっていうから。産まれてから一度も会ったこと無いから楽しみなの。きっと、会いに行ったら喜んでくれるよね」

 

 その言葉に衝撃を受けた自来也。なんていい子なんだ。産まれてから一度も会った事がない母親に会うのがそんなに楽しみだとは。外道に落ちたのは大蛇丸だけだとばかり思っていたが、もう一人の3忍にもお灸を据えなければと真剣に考えていた。

 

 

◇◇◇

 

 自来也とプルシュカが何故かフレンドリーになっている最中、父親である挟間ボンドルドは、卯月夕顔からの猛攻を耐え忍んでいた。

 

 卯月夕顔は、原作でも後半まで生き残る事が確定しているネームドキャラだ。所々で登場しており、"祝福"を持った存在だ。下手に殺し損ねるとより強くなって登場したり、窮地になると謎の助けが出てくる可能性がある。

 

 擬似的にとはいえ、同じ"祝福"を集めて取り込んで居る挟間ボンドルドは、手を抜かない。必殺技で確実に一撃で殺す考えだ。

 

 そして、ようやくその時がやってきた!!

 

 忍術の連発で一瞬怯んだ隙を狙い挟間ボンドルドは卯月夕顔を捕らえて、地面に押し倒した。マウントポジションをとり、印が組めないように両腕を足で潰す。

 

「がっ!!くっそ」

 

「うずまきナルト君、今から必殺技をお見せします。プルシュカは、遠くへ逃げておいてください。後は、分かっていますね」

 

 その言葉で全てを理解したプルシュカは、"タマウガチ"と共に凄まじい速度で遠ざかっていった。それが何を意味するか、他の者達には理解できない。

 

「挟間特別上忍、もう勝負はきまったってばよ」

 

「関係ありません。では、八門遁甲の強制解放をお見せしましょう」

 

 挟間ボンドルドは、ロック・リーの手術の際に八門遁甲の影響を入念に調査した。そして、外部から強制的に解放する方法を手に入れたのだ。その術の為に、貴い犠牲が大量に出たことは否定できない。

 

 極めて高度な医療忍術が出来る挟間ボンドルドだからこそ、可能とした技術。

 

 八門遁甲の全てに、針のように鋭くしたチャクラを順に差し込み強制解放する。八門遁甲を全て解放すると火影に匹敵する程の力を得られる代わりに、必ず死ぬという技だ。

 

「あ゛あぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

「苦しいでしょう。肉体が限界を超えたチャクラを絞りだそうとしているんです。ですが、安心してください、代わりに絶大な力が得られま――」

 

 挟間ボンドルドが台詞を言い終わる早く、遠くに逃げたプルシュカによって逆口寄せされた。タイムリミット付きで強化された卯月夕顔。初めての八門遁甲で激痛に悩まされながらも、あたりを見渡すが目的の人物は誰も居ない。

 

「こ、これが必殺技だっていうのかってばよ?」

 

「まぁ~、確かに必殺技じゃの。少なくとも、儂にはボンドルドのような事はできないがな」

 

 卯月夕顔は、何処に逃げたかも分からない挟間ボンドルドを探す術もなく、時間切れまで惨めな自分を哀れんで涙した。

 




そういえば、道中で暁とナルトが出会う話があったが……
ボンドルド達は関わらずママにあいにいきます!!(多分)




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